虹が咲き、白が交ざる   作:水甲

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明日で……虹ヶ咲は……


49 それぞれの相談事

遥side

 

予選に向けて練習をする私。苺ちゃんはいつも通りに私に付き添ってくれている。

 

「調子良さそうだね」

 

「うん……あのね。苺ちゃん」

 

「何?」

 

一瞬話すのをやめようかと思ったけど、未唯ちゃんの向き合って話してみてという言葉を思い出し、私は苺ちゃんをしっかり見詰めて話した。

 

「昨日はごめん……」

 

「遥ちゃんが謝ることじゃないよ……私も変に意地になってたから……」

 

「苺ちゃん……聞かせて、どうしてスクールアイドルになっちゃダメなのかを!」

 

「……ごめんね……これは私がちょっとそう思い込んでることだから……」

 

「苺ちゃん……」

 

今日はこれ以上は話してくれなそうだった。本当にこのままでいいのかな?

 

 

 

 

 

 

 

歩夢side

 

私はランジュちゃん、ミアちゃん、エマさんに他の国のスクールアイドルについて聞いていた。

 

「日本以外の国でスクールアイドルはできるかって?」

 

「そもそもアイドルって言葉の定義がない国も多いし」

 

「それを言うなら部活の形も日本とは全然違うよ」

 

「そうなんだ…」

 

「実際はかなり難しいと思う。だからランジュちゃんや私はここに来たわけだし」

 

「う~ん」

 

難しいのか……でも……

 

 

 

 

 

 

未唯side

 

ここ数日、お姉ちゃんたちは悩んでるし、苺ちゃんと遥ちゃんはまだぎくしゃくしてるみたいだし……どうしたものか……

 

「彼方さんは何してるんですか?」

 

「横断幕作ってるんだよ~」

 

それにしては大きすぎるような……でもこれはきっと彼方さんの気持ちがしっかり入ってるからだと思おう……それにしても習字で横断幕って……スクールアイドルの歴史の中では彼方さんが初めてだよね……うん、多分きっとそうだよね

 

「あれ?彼方さん、未唯?」

 

すると侑お姉ちゃんがこっちにやって来た。話し声でも聞こえたのかな?

彼方さんは遥ちゃんのために横断幕を作っていることを話、私は見掛けて見学をしていることを伝えた。

 

「侑ちゃん最近何か考えごとしてるよね?」

 

「えっ?どうして分かったんですか?」

 

「彼方ちゃん意外にみんなのことよく見てるからね~」

 

「えっと……」

 

「因みに未唯ちゃんも気がついてるもんね~」

 

「まぁ私は……長い付き合いなので」

 

とりあえずお姉ちゃんから詳しい話を聞くことに……

 

「歩夢にはコンクールには応募しないって言ったけど少しだけ挑戦してみたい気持ちもあるんです。結局怖い気持ちの方が勝っちゃってるんですけど」

 

「そっか~。なんで侑ちゃんはそれを歩夢ちゃんに伝えなかったのかな?」

 

確かにいつもならぽむお姉ちゃんに話していてもいいくらいなのに……

 

「それは…なんでだろう?多分 私と歩夢は同好会に入ってからお互いに相手の背中を押してここまで来たから……私が立ち止まっているときは歩夢がまた押してくれるって勝手にそう思っているのかも……」

 

「まぁお姉ちゃんたちはね」

 

「勿論未唯だって……いや、未唯は私たち二人を見守って、支えてくれる存在だよ」

 

「そっか」

 

そんな風に思われているのか……嬉しいな

 

「じゃあもうちょっとだけ待ってたらいいんじゃないかな?2人は大の仲良しさんなんだからきっと歩夢ちゃんは侑ちゃんの期待に応えてくれるよ。彼方ちゃんも侑ちゃんの背中を押してあげたいけど今は我慢しとくね」

 

「彼方さん……」

 

「私も背中を押すのは、ぽむお姉ちゃんが押したあとにするよ」

 

「未唯……」

 

お姉ちゃんも満足したみたいだ。それにしても当たり前だったことについて悩むなんて……

 

「手のかかる姉だな~」

 

「未唯ちゃんも大変だね~」

 

「まぁ慣れてますけどね」

 

「彼方さ~ん、未唯ちゃ~ん」

 

彼方さんと笑いあっていると、今度はぽむお姉ちゃんがやって来た。

 

「あの…今 大丈夫ですか?」

 

今度はぽむお姉ちゃんか……

 

 

 

 

「海外留学?」

 

やっぱりか……

 

「2週間の短期留学なんだけどメールをくれた子たちが住んでる町で直接会って手助けできるかもって」

 

「なんだか壮大な話だね。なぜその相談を彼方ちゃんに?侑ちゃんに言ってないの?」

 

「離れてしまうのが怖くて……侑ちゃんとは同好会に入ってからもずっと一緒に進んできて。けどやりたいことは同じじゃないから……このままお互いが進めば進むほど距離は離れていってそのうち同じ場所にはいられなくなってしまう。今は大袈裟な話だけどいつかはそんな現実が来るんじゃないかって」

 

「今じゃなくて将来の話か~。みんな考えることは一緒だね」

 

「えっ?」

 

「こっちの話だよ~夢を真剣に追い求めるなら同じ場所にいられなくなる。ランジュちゃんが最初に言ってたこともある意味正しかったのかもね。2人の悩みが分かったのはよかったけどこれは結構難題かも」

 

「ん?2人って?」

 

「いや。これもこっちの話。アドバイス保留してもいい?」

 

「う、うん」

 

ぽむお姉ちゃんを見送り、帰り支度をして彼方さんと一緒に帰る時……私は思わず……

 

「似たもの夫婦ーーーー!!!」

 

「おぉ、未唯ちゃんが叫んだ!?」

 

「すみません……でも何で二人して同じ理由で悩んでるの!」

 

「だから似たもの夫婦か~」

 

「でも二人が離ればなれになることが怖いって言うのはなんとかなく分かります」

 

「未唯ちゃんも?」

 

「二人は……というより私たちは一緒にいた時間が長かったので、離ればなれになることが怖いんですよ……私の時も大変だったので」

 

「そう言えばそうだったね~」

 

「多分だけど苺ちゃんも表向きの悩みとは別に裏の悩みとして、遥ちゃんとこれまで違う関係になるんじゃないかって思ってる感じだし……」

 

「そっか~一緒にいられたらいいのにって気持ち、彼方ちゃんにも分かるよ」

 

「そうですよね……」

 

どう解決したらいいのな悩んでいると、私たちの前に三人ほど立ち塞がった。

 

「見つけた!」

 

「近江彼方さんですね!?」

 

「こ、これはあげないよ!」

 

いや、彼方さん……それを流石にとる人はいないですよ

 

「折り入ってご相談があるんです!」

 

「へっ?また?」

 

今日は相談事が多いな~

 




次回で12話の話は終わりです!
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