虹が咲き、白が交ざる 作:水甲
未唯side
幕間映像が流れている中、みんなのところに行くとかすみちゃんに呼び止められ、あることを聞かれた
「みい子、あれ告白してない?」
「告白?」
「いや、ほら…これ」
私のインタビューを見せたかすみちゃん。確かにこれは告白みたいなものだけど…
「素直な気持ちを言っただけだけど?」
「……なんというかみい子は本当に侑先輩に似てきたよね」
えぇ?なんで?普通に栞子ちゃんに対して思っている感情を伝えただけなのに?
「未唯ちゃん、ちょっといい?」
かすみちゃんにあきられているとぽむお姉ちゃんに呼ばれ、お姉ちゃんのところに向かう。
「どうしたの?」
「あのね。さっきこれが届いたの」
「これって……」
どうやさっき届いた花束みたいだけど……これってもしかして……
侑side
副会長さんと一緒に最後の準備を進めている私。
「ランジュさんたちには驚きました」
「ね!こんなにたくさんの人が同好会のアイドルを好きになってくれてなんだか嬉しいな」
本当に開催できてよかった。それに未唯があんな風に思っていたのも驚きだ。未唯が誰かの支えになるだけじゃなく、誰かに夢を与えられるようにか……
そんなことを思っていると歩夢から電話が来た。
『侑ちゃん』
「歩夢?」
『ちょっと来られるかな?』
なんだろうと思い、控室に向かう私であった。
控室に行くとみんな最後の衣装に着替え終わっていた。
「どうしたの?歩夢」
「侑先輩」
「侑ちゃん」
歩夢の手には黒い花束だった。これってもしかして……私は花束と一緒に送られたメッセージカードを見た。そこには私への応援のコメント……
「さすが私たちのファンです~。分かってますね~」
「うんうん」
「あなたは私が思っていた以上にすごかったわ」
「ランジュちゃん…」
「私たち14人でスクールアイドル同好会だしね!」
「うん。侑ちゃんもスクールアイドルだもん」
「ええっ!?ちちち、違うって!」
「違わないよ~」
「侑先輩はもうたくさんの人にトキメキを与えられる存在なんですから」
うぅ、めちゃくちゃ恥ずかしい。こんな風に面と向かって言われるなんて……
みんなはそろそろステージに上がる時間ということで向かった。私はというと少し落ちくために歩きながら……
(私は歩夢たちみたいにステージでキラキラ輝けるわけじゃないし、同好会の一員としてスクールアイドルがいろんな人たちに好きになってもらえる手伝いができたら最高だなって そう思ってた。だけど…)
「こんなのめちゃくちゃ嬉しいに決まってるじゃん!」
私はいてもたってもいられなくなり、会場へと走り出した。まだ始まっていない。私は自分の思いのまま叫んだ
「みんな~!大好き~!」
思わず叫んでしまい、会場中の人たちの視線が集まる。あ、私…やらかしちゃった?
「侑ちゃん」
その時副会長さんからこっちにマイクを活かせるといわれ、私は話し出した。
「えっと…今日は同好会のライブに来てくれてありがとう。私本当に嬉しくて…同好会を始めてから楽しいことばっかりでこんな幸せでいいのかなって、でもね これってきっと特別なことじゃないんだと思う。みんなだってそうだよ」
私はステージへと歩き出す。みんなが……大好きなみんながいるところへ
「もう走り出してる人もいっぱいいるはずだし、向いてないとか遅いとかそんなの全然関係なくって、うまくいかないこともいっぱいあるかもしれないけど、そのときは私たちがいるから!元気が欲しいときは会いに来て!」
これが私が今伝えたかった事。いまここにいるみんなに……あなたに届いてるよね
気が付くと歩夢と未唯の二人が私に手を差し伸べていた。私は二人の手をつかみ、ステージに上がった。
「虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会はずっとあなたと一緒にいるよ」
『みんなありがとう!』
会場には虹が咲き誇る。思いが届いたからかな?
「聴いてください!これが最後の曲です!」
13人の……ううん14人の光が一つになったステージ。きっとこれをきっかけに誰かの夢を与えられたら……ううん、与えられているよね。だって私たちはずっとそうしてきたから……
これにて最終回……ではなく残り二話で終わります
感想待ってます