虹が咲き、白が交ざる 作:水甲
ファーストライブから数日後、明日はぽむお姉ちゃんが留学先へ出発するため、私、侑お姉ちゃん、ぽむお姉ちゃんとでお泊まり会をしていた。
「こうして三人でお泊まり会するのって未唯が戻ってきた以来だよね」
「そう言えばそうだね」
あれからそんなに経つのか~
「でも侑ちゃんからお泊まり会をしようなんて提案するの珍しいね」
「そう?」
確かに侑お姉ちゃんからなのは本当に珍しい。子供の頃からお泊まり会を提案するときは大体はぽむお姉ちゃんか私くらいだった
「うーん、何となくそうしたかったからかな」
「そっか」
お姉ちゃん。何か企んでるのかな?色々と考えたいけど、眠気も限界が近いし……
「未唯ちゃん。眠そうだね」
「そろそろ寝ようか」
そう言って寝ようとするとあることに気がついた。あれ?何で川の字になって寝るのに、私が真ん中なんだろう?
「どうしたの?未唯」
「ううん、何でもないよ」
うーん、まぁいいか。
侑side
未唯はすぐに眠った。それを確認した私は歩夢に声をかけた。
「まだ起きてるよね?」
「うん」
「ごめんね。急にお泊まり会をしようなんて言って」
「気にしないで……侑ちゃん、未唯ちゃんの事を考えて提案したんだよね」
「うん……」
穏やかな寝息をたてる未唯。こうやって直ぐに眠るのは未唯のある前兆があるからだ
「侑ちゃん、未唯ちゃんの事は直ぐに気がつくのに……」
「え?あ、それは……その……」
歩夢。もしかして嫉妬してる。その歩夢の事だって心配してるし……
「ふふ、侑ちゃん。困った顔してる。気にしなくていいよ。私も侑ちゃんのより先に未唯ちゃんの事が心配しちゃうから」
「それだけ未唯は私たちにとって大切な存在なんだよね」
「うん……」
未唯は昔から私たちの事を思って支えてくれるけど……その裏の思いを考えると……
「明日、未唯の様子次第では……」
「うん、ちゃんと話すよ」
私たちは未唯の事を気にかけながら眠りにつくのであった。
未唯side
そして次の日、空港までみんなでぽむお姉ちゃんの見送りに来ていた。
「歩夢、頑張ってね」
「うん、連絡するね」
「歩夢先輩~かすみんにも連絡してくださいね。落ち込んだりすることがあったら、かすみんの可愛い写真を送ってあげますから」
「かすみさんの写真だったら、元気になりますね」
「もう~しず子は……んん?普通に素直に誉めてる?」
「誉めてますよ」
「言葉わからなかったりしたら、私が作ったアプリ使ってね」
「りなりーの作ったアプリ凄いよね~まさか簡単に通訳できるなんて」
「えっへん」
「璃奈ちゃん、ありがとうね」
「歩夢さん!きっと向こうでもスクールアイドルの素晴らしさは伝わりますよ!」
「そうね。エマやランジュみたいにね」
「うんうん、歩夢ちゃん、頑張れ~」
「もしも寂しくなったら、ランジュが侑を連れてそっちまで行くから!」
ランジュさんなら本当にやりかねないな~
「歩夢ちゃん~枕持った~眠れなくなったりしたら困るよね~」
「多分大丈夫です」
「もしも向こうの子達の曲作りで迷ってたら、僕に相談しなよ。アドバイスくらいは出来るからさ」
「歩夢さん、頑張ってください。私も生徒会長として虹ヶ咲を盛り上げていきますから」
「栞子ちゃん、応援してるね」
「ぽむお姉ちゃん。いってらっしゃい」
「未唯ちゃん……」
あれ?何でぽむお姉ちゃん、私だけ変な反応なんだろう?すると侑お姉ちゃんが私の頭を撫でた。
「未唯、たまには本心とか隠さないで、素直な気持ち出したら?」
「え、素直って……素の私……」
「知ってるんだからね。未唯は昔に比べて強くなったけど、弱かった自分を隠してること」
侑お姉ちゃん……
「未唯ちゃん」
ぽむお姉ちゃんは両腕を広げていた。私は……隠し続けていた自分を前に出し、ぽむお姉ちゃんに抱きついた。
「お姉ちゃん……寂しいよ」
「うん、うん」
「たった二週間だけど……会えなくなるのやだ……」
「大丈夫だよ。未唯ちゃん」
侑side
ようやく本当の未唯の気持ちが聞けたな~
「意外ね。あの子、強い子だって思っていたのに」
「ランジュちゃん、未唯は強くないよ。強くあろうとしてるだけだから」
「たまに子供みたいな感じになりますが…今の未唯さんは本来の未唯さんなんですね」
「……ねぇ、栞子ちゃん」
「なんでしょうか?」
「未唯の事、お願いね」
「と言いますと?」
「多分だけど、未唯が本音を語れるのは私たち幼馴染以外では栞子ちゃんだけだと思うんだ」
「そう……なのでしょうか?」
「うん、きっとそうだよ」
次回最終回!
感想待ってます!