虹が咲き、白が交ざる 作:水甲
ある日、今日は雨が降っていてあいにくの天気。私はシニエを連れて校内を何となく歩いていた。
「今日はお散歩委員会の活動できないね。シニエ」
「みー」
それでも何処かご機嫌なシニエ。もしかして私とこうしていられるのが嬉しいからかな?なんてね
そんなことを思っていると、何処からかピアノの音が聞こえてきた。このピアノの音…………
私はもしかしてと思って、音楽室に行くとピアノの音は聞こえなくなっていたが、拍手する音が聞こえた。
『ん?あ、せつ菜ちゃん!?』
『ピアノさらに上手になりましたね』
『ありがとう。少しずつだけどね』
話し声から侑お姉ちゃんとせつ菜さんの二人がいるみたいだ。たまたませつ菜さんが通りがかった感じなのかな?
『一歩一歩って感じ。難しいけど楽しいよ。ピアノを弾くのも曲を作るのも……』
一歩一歩か……それでもお姉ちゃんのピアノは、私は大好きだな~お姉ちゃんみたいに優しい音で……
うん、だから私みたいに引き寄せられる人もいるみたい。
「ぽむお姉ちゃん、何してるの?」
「あ……」
柱の影で隠れながら音楽室の様子をうかがうぽむお姉ちゃん。別に気を使わないでいいのに……
「えっと、これはその……」
「何となく察してるから……」
「はい」
二人でもう一度覗き込んだ。
『だからせつ菜ちゃんには本当に感謝してる』
『えっ!?私は何もしてないですよ?』
『ううん。同好会のみんな、スクールアイドルのみんなの輝きが私の本当の気持ちを照らしてくれたんだ。でもそれはせつ菜ちゃんと出会えたから。あの日せつ菜ちゃんがスクールアイドルでいてくれたから私は今もここにいるんだよ。だからトキメキを教えてくれてありがとう!せつ菜ちゃん!』
『侑さん…』
そうだったよね。侑お姉ちゃんの夢の始まりはせつ菜さんからだった。ううん、お姉ちゃんだけじゃない。ぽむお姉ちゃんや私だって……
『もう~!なんてこと言うんですか~!私の大好きが溢れちゃいますよ~!?』
うん、急にそんなことを言われて、大好きが溢れそうになってるせつ菜さん。するとぽむお姉ちゃんが慌てて音楽室に入っていった。
「ふ、ふたりで何を話してるの!?」
「あれ?歩夢に未唯。どうしたの?」
「えっ!?えっと…その…」
「私とぽむお姉ちゃん、シニエで散歩してたら、侑お姉ちゃんのピアノが聞こえたからね」
「そうなんだ」
すると彼方さんがやって来た。
「侑ちゃんのピアノが聞こえたぞ~」
いや、彼方さんだけじゃなく、みんなも侑お姉ちゃんのピアノを聞いてやって来たみたいだった。
「お邪魔しま~す」
「私も聴きたい」
「愛さんも!」
「うふふっ。みなさんピアノの音につられて集まっちゃいました」
「ベイビーちゃんのピアノは分かりやすいからね」
「はい。とても楽しそうでそれでいて優しい音色です」
「そ、そうなの…?」
「うん、私も侑お姉ちゃんのピアノ、大好きだよ」
「な、何だか未唯に言われると照れるな~」
「何で私だけ?」
「うーん、何となく嬉しくなるからかな?」
どういうことなのか気になるな~それ
「ランジュ、侑のピアノ好きよ!」
「かすみんも大好きです!」
「ランジュの方が!」
「かすみんの方が!」
ランジュさんとかすみちゃんは張り合ってるけど、それでも何処か楽しそうだった。14人になってからそれなりに時間が経ったけど、それだけみんなの絆も深まってるってことだよね
「そうだ!侑ちゃんのピアノで歌わせて!」
「いいわねエマ」
「はい!私も歌いたいです!」
それからみんなでお姉ちゃんの伴奏で歌う。シニエも楽しそうに尻尾を振っているから、みんなの歌声が、侑お姉ちゃんのピアノが大好きみたいだね
それにさっきまで雨が降っていたのに、いつの間にか雨は止み、空には……
「こういうのもいいわね」
「もう一曲いこう~!」
「ふふっ」
「ん?どうしたの侑ちゃん?」
「ううん。ちょっと思っただけ……」
侑お姉ちゃんは空にかかる虹を見て、笑顔で……
「始めてよかったって!」
「私もだよ。侑ちゃん……未唯ちゃんもだよね?」
「うん、私も……はじめて良かった」
空にかかる虹に重なるように……白い羽が舞っていた。
今回でにじよん編終わりです。やはりアニガサキは愛を感じます
感想待ってます