虹が咲き、白が交ざる 作:水甲
未唯side
ある日のこと、私はぽむお姉ちゃんとせつ菜さん……
「雨降ってきちゃったね」
「ごめんなさい歩夢さん。付き合ってもらったばっかりに」
せつ菜さんではなく、菜々さんと一緒に放課後寄り道をしていたのだけど、まさか雨が降るなんて……私は一応折り畳み傘を持ってるから良かったけど……
「全然大丈夫だよ。私、折りたたみ事持ってるから。ね!一緒に行こう」
「ありがとうございます。では、私が持ちますね」
「大丈夫だよ、私持つから」
「そういうわけにはいきません。入れていただくのですから」
「それじゃあ、お願いしようかな」
「はい、歩夢姫は私が守り抜いてみせます」
「やっぱり二人で持とうか」
菜々さん、そんなお姫様を守る騎士みたいな……
「それにそう言うのは未唯ちゃんが似合うと思うよ」
「いやいや、私はお姫様なんて……」
「……未唯さんのお姫様ですか……良いかもしれません!今度しずくさんに……」
うん、それは丁重にお断りします
ぽむお姉ちゃんと菜々さんが相合傘をしながら歩いていると、菜々さんがある事を言い出した
「歩夢さん、いい香りですね」
「えぇ!何急に!」
「近いので改めて思いました」
「あ、ありがとう。侑ちゃんにもよく言われるな。あと嵐珠ちゃんにも」
「お二人らしいです。未唯さんは嗅いだりしないんですか?」
「えっ///」
「未唯ちゃんはその……やり過ぎちゃうから///」
「やり過ぎる?」
言えない。ぽむお姉ちゃんの匂いに興奮してしまうなんて…………
「そういえば、この前、ライブ後に侑さんからお手紙をいただいたんです。私のライブを見ると、初心を思い出すって書いてくれていました」
「ふーん」
「侑さんにそんなふうに思ってもらえてとても嬉しかったです。初心を忘れず精進しなければ」
何か……ぽむお姉ちゃん、大丈夫だよね?
「歩夢さん?」
「なんか嫉妬しちゃうな」
「え?」
「あ、あのね、私もなんだよ!私もあの日、せつ菜ちゃんのライブを見て、ときめきを感じたの。私だって、せつ菜ちゃんに出会えてよかったって思ってるし、ゆうちゃんに負けないくらい、せつ菜ちゃんのこと大好きなんだからね」
「ああありがとうございます」
「この距離で言うことじゃなかったかも…行こうか」
「はい」
わー、私なんか邪魔みたいだな~そっと距離を置いた方がいいかな?
そう思っていると空が少しずつ明るくなっているのに気がついた
「あ!」
「もう雨止んでる!通り雨だったんだ」
「私は少し前から気づいてましたよ。でも黙っていました。歩夢さんと離れたくなかったので」
「もう菜々ちゃんってば……それじゃあ、もう少しだけ気づかないフリしちゃおっか」
「はい!」
ぽむお姉ちゃんと菜々さんは晴れても傘をさし続けていた。何だか本当に二人の時間みたいだな~
「あれ?未唯さん。それにあそこには歩夢さんとせつ菜さん?」
すると丁度帰り道の栞子ちゃんと出くわした。
「お二人とも雨がやんでいるのに……」
「栞子ちゃん、私たちも相合傘しよう!」
「はい?あの……雨は……」
「いいからいいから」
「えっと……えぇ?」
戸惑う栞子ちゃんを余所に相合傘をする私であった。別に羨ましかったからじゃないけど……うん……羨ましかった訳じゃない
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