虹が咲き、白が交ざる 作:水甲
「そう言えば今日ってエイプリルフールだよね?」
「うん、侑ちゃん、何か嘘つくの?」
「う~ん、つきたいけど……歩夢が泣いちゃうからな~」
「えぇ!?私、泣かないよ」
「いや、子供の頃に、歩夢に大嫌いって言ったら……大泣きしてたじゃん」
「あ、あれはエイプリルフールってこと知らなかったから……今はもう大丈夫だよ」
歩夢は自信満々にそう言うけど……本当かな?ちょっと試しに…………
「歩夢、大嫌い」
あ……ダメだ……私が凄い嫌な気持ちになる。歩夢はちょっと悲しそうな顔をして…………
「侑ちゃん……嫌い、大嫌い!」
あ……歩夢……に嫌いって…………
「えっと侑ちゃん、大丈夫?」
「う、うん……何とか……結構来るね……これ……」
「もうやめようか」
「そうだね」
二人でそう話ながら学校へと向かうのだったけど………………
「た、大変だ……お姉ちゃんたちが喧嘩してる!?」
未唯side
少し寝坊した私は、先に出た二人の所へと向かっていた。
すると前を歩く二人を見つけて声をかけようとした瞬間…………
『歩夢、大嫌い』
『侑ちゃん……嫌い、大嫌い!』
二人のそんな声が聞こえた。い、今のって…………聞き間違いじゃないよね?二人は暗い顔してるし…………ど、どどど、どうしよう?
二人に声をかけるべきか……こう言うときに相談できるのは………………
「お二人が喧嘩を?」
「うん……」
お昼休みに生徒会室で栞子ちゃんに今朝の事を相談した私。栞子ちゃんは真剣な顔をして……
「確かに……それはかなり危機的ですね……あの二人が喧嘩と言う事は…………」
「ど、どうしよう!?栞子ちゃん!?」
「時間が解決して…………では無理そうですね」
「うん……私は早く二人に仲直りしてほしいから…………」
「ではお二人を呼び出して、仲直りしてくださいと言うべきでは?」
「それしかないよね……」
「えぇ、言葉にしてハッキリと伝えるべきです!」
栞子ちゃんはお姉ちゃんたちを呼び出して、しばらくすると…………
「どうしたの?栞子ちゃん」
「未唯ちゃんも?」
「あのね……お姉ちゃんたち……何があったか分からないけど………………仲直りしてほしいの」
「「えっ?」」
「今朝、未唯さんはお二人が喧嘩をしているのを見て…………どうにかしたいと思ったみたいなんです」
「私……お姉ちゃんたちには喧嘩とかしてほしくないの……二人が暗い顔してるの見るのが凄く辛いの……」
「えっと……」
「未唯ちゃん?」
「お互いのこと、嫌いにならないで…………」
思いが溢れてしまったからか、私はつい涙を流してしまった。すると侑お姉ちゃんは……
「も、もしかして…………今朝のアレ……聞いてたの?」
「未唯ちゃん、あのね。あれは……」
二人は今朝の事を話すと…………
「エイプリルフール…………」
「そう言えば今日でしたね」
つまり……私の勘違い?凄く恥ずかしいんだけど…………
「ま、まぁ知らないと勘違いしちゃうよね」
「大丈夫だよ。私たちは未唯ちゃんを悲しませたりしないから」
「うぅ…………ごめんね。栞子ちゃん……巻き込んじゃって……」
「いえ、その…………未唯さんが私のことを頼ってくれたのが嬉しかったです」
「栞子ちゃん……」
「未唯も折角だから栞子ちゃんに嘘ついてみたら?」
「え?」
「そうですね。折角の機会ですから」
嘘か……それじゃお姉ちゃんたちに習って……
「栞子ちゃん、嫌いだよ」
「はい、私も貴方が嫌いです」
うん、嘘でもちょっと良い気持ちにはならないね。
しずくside
見てしまった。
私は歩夢さんにユニットの事で相談をしに探していたら、生徒会室から声が聞こえ……覗き込むと…………
「お姉ちゃんたち、大嫌い!」
「私も未唯のこと大嫌い!」
「私も大嫌い!」
ま、まさかあの三人が喧嘩を……栞子さんは笑顔ですし……これは…………由々しき事態!
それからしずくちゃんがエイプリルフールだと言うことに気がついたのは、練習後のことだった。
次回本編に戻ります
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