虹が咲き、白が交ざる   作:水甲

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今回からしずく回!


31 しずくの悩み

ステージ上に白い衣装をまとったしずくちゃんにスポットライトが当たった。

 

『ある町のある劇場に1人の少女がいました。彼女の夢はこの町一番の歌手になること。そしてたくさんの人に歌を届けること。あなたの理想のヒロインになりたいんです』

 

すると右側にスポットライトが当たり、黒い衣装に仮面をつけたしずくちゃんの姿があった。

 

『無理だ。私の歌なんて誰にも届かない。本当は分かっているのでしょう?あなたは私だもの』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数日前のこと……今日は校内新聞に同好会のことを取り上げてもらうことになり、そのインタビューや写真撮影に新聞部の子が来ていた

 

「可愛いよ歩夢!果林さん素敵!愛ちゃん最高!みんなすっごくいいよ!」

 

一番盛り上がってる侑お姉ちゃん。あれって邪魔になってたりしてないよね……

 

「はいはーい!次はかすみんの番ですー!」

 

かすみちゃんが撮影中、私は隣でインタビューを受けているしずくちゃんのほうを見た。

 

 

「では次に桜坂さんがどんなスクールアイドルを目指しているのか教えてください」

 

「私は愛されるスクールアイドルを演じたいと思っています」

 

「と言いますと?」

 

「みなさんにとって理想のアイドルを想像してその子に成り切るんです」

 

「では今この瞬間も桜坂さんは理想のスクールアイドルを演じているということですか?」

 

「はい」

 

「なるほど。演劇部に所属している桜坂さんらしいアイドル像ですね」

 

「そういえば今度 藤黄学園との合同演劇祭が開催されるそうですが」

 

「えぇ。藤黄学園と虹ヶ咲がそれぞれ別の演目で公演を行うんです」

 

「虹ヶ咲の主役に抜擢されたのは桜坂さんだそうですね。是非とも校内新聞を読む生徒たちに一言お願いします」

 

「精一杯演じますので是非見に来てくださいね」

 

しずくちゃん、はきはきと答えられてすごいな~

 

「高柳さん、いいですか?」

 

「は、はい」

 

「高柳さんは先日、ライブを披露したらしいですね」

 

「はい、二人の姉……幼馴染は私の最初のファンで……一緒にいて支えてくれたので、これまでの感謝とこれからもよろしくねという思いを伝えようと思って…」

 

「そのライブシーン、現在は配信していて高評価もらってるみたいですね」

 

「はい、うれしいです」

 

「おぉ流石は虹ヶ咲の天使……笑顔がまぶしいです」

 

「そ、そんな……」

 

「髪を切ったのも新たな気持ちを表すためですか?」

 

「はい!昔みたいな弱い私じゃないよって込めて……髪を切ったら妹と区別がつきにくくなりましたが……」

 

「妹さんですか?」

 

「はい、東雲にいるんです。妹も応援してくれています」

 

「なるほど、妹さんはスクールアイドルになったりとかは……」

 

「あはは、どうでしょう?」

 

といった感じでインタビューが終わるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しずくside

 

演劇部の部長に呼び出された私は部室に行くとそこであることを告げられた

 

「こ、降板ですか!?」

 

「今回の役はしずくとはちょっと違ったみたいだから」

 

「ダメなところがあれば言ってください!私頑張りますから!」

 

「この役は自分を曝け出す感じで演じて欲しかったの」

 

「曝け出す?」

 

「役柄も歌手って設定だしスクールアイドルのしずくなら適任かなって思ったんだけど」

 

「もう一度チャンスをください!」

 

私は必死にお願いをして、何とかチャンスをもらえることになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

未唯side

 

かすみちゃんと一緒に部室へと向かおうとしていると空き教室から声が聞こえた

 

『私歌いたいの。たくさんの人に歌声を届けたい。私が歌に込めるのは喜びと感動と少しの熱狂』

 

この声……しずくちゃん?

 

二人でのぞき込むとしずくちゃんの姿があった。最初は熱心に練習しているのか貯思ったけど……

 

『はぁ…』

 

ため息をついていたけど……何かあったのかな?

 

「しず子?」

 

ちょっと気になる私とかすみちゃんであった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「じゃーん!みんなの初めてのインタビューが校内新聞に載りました!」

 

部室でお姉ちゃんがうれしそうに見せてきた

 

「わぁー!」

 

「みんなめっちゃいい感じじゃん!」

 

「結構評判いいみたいよ」

 

「またインタビューしてもらえるといいね」

 

「今度は練習風景をメインに取材してもらうというのはどうでしょう?」

 

「それすごくいいアイデアです!せつ菜さん!」

 

しずくちゃん、いつも通りみたいだ。私とかすみちゃんは顔を見合わせて安堵するのだけど……

 

「ねぇ!演劇部の公演のことも載ってるよ!」

 

「どれどれ?」

 

公演の話になった瞬間、しずくちゃんの顔が曇りだした。いったい何があったんだろう?

 

「それにしても主役なんてすごいよねー」

 

「彼方ちゃん絶対見に行くよ」

 

「はい。ありがとうございます」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日、かすみちゃんと一緒に璃奈ちゃんの教室に訪れてしずくちゃんのことを話した

 

「しずくちゃんの様子がおかしい?」

 

「うん。なんかねいつものしず子よりもシューンって感じで」

 

「そうだったような?そうじゃなかったような?でも未唯ちゃんもそう思うならそうかもしれない」

 

「かすみんだけじゃ信用できないの!?」

 

「未唯ちゃんはそこら辺はしっかり見てるから」

 

まぁ昔からの癖だから

 

「そういえば主役降ろされちゃったって聞いたけど」

 

「えっ!?何それ!?」

 

「演劇部の子が言ってたの。それでもう一回オーディションがあるって」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

舞台は移り変わり、再び白と黒のしずくちゃんのシーンに

 

『私の歌は誰にも届かない』

 

『子どもの頃のこと覚えてる?みんなと少しだけ違う。ただそれだけのことだったけど私はいつも不安だった』

 

『誰かに変な子って思われたら?嫌われたらどうしよう?』

 

『いつもそんな風に怯えていた。だから本当の自分を隠すようになった。そうしたらすごく楽になれた』

 

『あの日からずっと私は嘘の私のまま。自分を偽っている人の歌が誰かの心に届くわけがない』

 

『そうでしょう?』

 

 




次回に続きます!にしてもライブ楽しみですわ!

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