虹が咲き、白が交ざる 作:水甲
しずくside
「ねぇ、しずく」
「はい?」
ある日の事、演劇部の練習中に部長に呼び出された。一体何なんだろうかと思っていると……
「今度の演目についてだけど……ちょっと相談したいことがあるの」
「相談?」
部長が相談って一体……
演劇部を後にした私は、直ぐに同好会に向かい、部室に入りある人物がいることを確認すると…………
「未唯さん!お願いがあります!天使になってください!」
「はい?」
未唯side
部室でみんなと休憩しているときのこと、演劇部の練習を終えてやって来たしずくちゃんにいきなり『天使になってください!』発言を聞かされた私。
一体何が…………
「えっと要するに今度の演目の天使役のイメージが未唯にぴったりと」
しずくちゃんが一から説明してもらい、何とか理解できたけど…………
「部長から天使のイメージを聞いて、ぴったりと思ったので……」
「いきなり天使になってくださいって言われたら、びっくりするよ…………でも私は……」
天使って言われるほどなのかな?周りからそう言われるようになったけど、それはあくまで周りの印象だし…………
「演技とか出来ないけど…………」
それに天使みたいな子って……
「天使だったら、遥ちゃんとかしずくちゃんの方がぴったりだと思うけど」
「え……えぇ!?」
「ほほ~う、未唯ちゃんはお目が高いね~」
遥ちゃんの名前が出たからかさっきまで寝ぼけていた彼方さんが起き出してきた。いや、でも実際そう思うってるし……
「まぁ確かにしず子は可愛いけど、天使ってイメージがぴったりなのはかすみんだと思うんだけど!」
かすみちゃんは…………天使って言うより……
「小悪魔?」
「何で小悪魔!?」
「何となくぴったりだし……」
「それなら、私はどんな感じかしら?」
果林さんは……天使って言うより悪魔のような…………悪魔でもないから…………女神?美の女神ってなんだろう?確か…………
「女神……フレイヤ的な?もしくはアスタルト?」
「ぶふ」
何故かしずくちゃんが噴き出したけど、どうしたんだろう?
「女神ね~いいわね~」
女神って言われて何処と無く嬉しそうな果林さん。良かった
「因みに歩夢は?」
「ぽむお姉ちゃんは女神かな?侑お姉ちゃんは天使」
「わ、私が女神……えへへ」
「私は天使なんだ」
「あの、とりあえず話だけでも聞いてもらえないでしょうか?」
あぁそうだった。話だけなら……
演劇部につれられた私は、部長さんにジロジロと見られていた。
「うん、こうしてじっくり見ると役柄的にぴったりね」
「は、はぁ」
「どう?やってみない?大きい公演って訳じゃないから大丈夫よ」
「で、でも演技とか……台詞とか」
「台詞はないわよ。演技の方はしずくがマンツーマンで教えてあげて」
あれ?何かもう引き受けたことになってない?
「未唯さん、お願いします」
「ま、まぁいいけど……」
それから空いた時間でしずくちゃんに演技を教えてもらうことになった。
「未唯さん、自然体でももう天使みたいですね」
「そ、そうかな?」
私が与えられた役は主人公が死ぬ間際に現れて、頬笑む天使の役。台詞がないけど……演じるだけでもけっこう大変かも
「もっとこう動作を……」
しずくちゃんが密着しながら教えてくれるけど、結構くすぐったい
「どうしました?」
「何だかくっつかれるとくすぐったくって」
「あ、すみません」
「大丈夫だよ。それにしずくちゃんの教え方丁寧だから分かりやすいよ」
「あ、ありがとうございます……」
「それじゃよろしくね。しずく先生」
それから公演まで付きっきりでしずくちゃんに指導を受け、何とか演劇も成功した。
「流石はしずくに頼んだかいはあったわ」
「そんな、私は全然……」
「主役の子、本当に天使が現れたみたいだって言ってたわよ」
そ、そんなになのかな~でもちゃんとできて良かった。
「これを機に演劇部に入る気は?」
「あはは、今はスクールアイドルでいっぱいなので」
「そう、残念」
本当に残念そうにしている部長さんだった。
しずくside
未唯さんに参加してもらった公演も終わり、私は安堵していた。
別に未唯さんがいやと言うわけではなく……
「未唯さんとあんな風に密着しながらなんて……」
未唯さん、本当に可愛い。かすみさんとは違う可愛さがあると言うか…………かすみさんはみんなを魅力させる可愛さなら、未唯さんは一人を魅了させる可愛さ…………まさに天使の誘惑と言うべきか……
「変なことを考えないように気を付けないと……」
しかも未唯さんは無自覚に色々と言うから、更に魅了させてくる。
「気を付けないと…………」
下手すれば私は未唯さんを抱き締めてたかも…………
因みに未唯的には
天使 せつ菜、彼方、侑、遥、璃奈、しずく
女神 果林、歩夢、エマ
小悪魔 かすみ、愛
になります
果林さんを例えた女神については、調べてみてください
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