虹が咲き、白が交ざる   作:水甲

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果林さん回後編です!


38 弱さ

ライブに誰が出るかの話し合いは一旦やめて、その日は解散した。

 

「決まってないんだ」

 

家で苺ちゃんにその話をして、驚いていた。そんなに早く決まると思っていたみたいだ。

 

「うん、みんなは出たいけど、遠慮しちゃってね」

 

「それでお姉ちゃんは参加しないと……何で?」

 

「私はまだまだだから……それに誰かと争うのが嫌なだけ…………」

 

「争うのが嫌か…………お姉ちゃんらしいね」

 

「うん、逃げてるように思われそうだけど…………」

 

「それなら大丈夫。お姉ちゃんは普段はそうだけど、大切なもののためなら、争い事に参加するからね~」

 

「それは……もしもの時のことを考えて…つい」

 

「そんなお姉ちゃんが大好きだよ」

 

笑顔でそんなことを言われると…凄く恥ずかしいんだけど……

 

 

 

 

 

 

 

次の日、お姉ちゃんたちとせつ菜さんとでお出掛けすることになり、一緒に歩いていると前の方に見覚えのある人を見つけた

 

「あれ?」

 

「果林さん」

 

「お買い物ですか?」

 

「こんなところで……」

 

何かスマホをかかげていたけど……迷子ってことはないよね?あの果林さんが……

 

「いや…」

 

「もしかして!果林さんもこういうの好きだったんですか!?」

 

「えっ?あぁ…」

 

せつ菜さん…多分だけど偶然だと思う…

 

 

折角会ったと言うことで、果林さんも一緒にアニメショップに付き合うのであった。

 

せつ菜さんはほしかった本を見つけて、目を輝かせながら…

 

「ありました!買ってきますね!」

 

嬉しそうに本を抱えて、レジへと持っていくのであった。私たちはお店の中を見ているとスクールアイドルのグッズが目に入った。

 

「これって…」

 

「最近スクールアイドルのグッズも取り扱い始めたらしくて」

 

「だからせつ菜ちゃんに連れてきてもらったんです」

 

「へぇー」

 

「あっ!東雲と藤黄のもある!」

 

「綾小路さんだ!すごいなー!」

 

あ、遥ちゃんのだ。苺ちゃんのお土産に買ってこうかな?

 

「お待たせしました」

 

「ねぇあなたのグッズはないの?」

 

「えっ?ないですよ。ちょっと悔しいですけどね。いつか私たちもここに並べるようになりたいです」

 

「うん…」

 

 

 

 

 

 

 

 

そんなこんなでアニメショップを回り終え、外に出ると、果林さんはそろそろ行かないといけないみたいだけど……

 

「私そろそろ行かなきゃ」

 

「用事あったんですか?」

 

「引き留めてしまってすみません」

 

「いいのよ。ただ時間通りに着くといいけど…」

 

「ここから遠いんですか?」

 

「そんなことはないはずなんだけど何だか分かりにくい場所にあって……どこだかわかる?」

 

スマホに映し出されたマップを見ると……えっと……

 

「その…果林さん…」

 

「ダンススクール…」

 

ぽむお姉ちゃんが指さし、果林さんがその方向を見ると…………果林さんの目的地であるダンススクールがあった

 

「もうついてますよ」

 

「あっ!」

 

「気付いてなかったんですか?」

 

「地図を見ても分からないなんて」

 

「もしかして方向音痴?」

 

「わ、悪い?」

 

「意外だけど可愛いです」

 

「何だか果林さんのそう言うところ知れて良かった気がします」

 

今までは大人でちょっと近寄りがたかったけど…………

 

「ダンス習ってるんですか?」

 

「たまたま仕事でここの先生に会ってね」

 

「さすが果林さん!」

 

「そうですね。影で努力してるなんて尊敬します」

 

「努力しなきゃライバルに追いつけないからね」

 

ライバルと言われて、ぽむお姉ちゃんとせつ菜さんがきょとんとしていた。ライバルって……もしかして……

 

「あなたたちのことよ」

 

「「えっ?」」

 

「なんていうか手を抜けないのよ。せっかく部活に入ったんだから楽しみたいって気持ちもあるんだけど……だから昨日は言い過ぎたかもしれないわ。ごめんなさい」

 

「謝らないでください」

 

「果林さんは正しかったと思います」

 

「私たちはソロアイドルだもんね」

 

「えぇ。お互い切磋琢磨していかなくては成長できません。それなのに私はまた皆さんに迷惑掛けたくなくて遠慮してました」

 

「多分同好会のみんなもね」

 

「ちゃんと言っていただいてありがとうございました」

 

「生真面目ね」

 

「それは果林さんもだよね」

 

「えっ?」

 

「なんだかんだ言って世話好きだし」

 

「そうかも」

 

「そうかしら…」

 

「まだ少し時間ありますか?」

 

「えぇ」

 

「誰がダイバーフェスのステージに立つかみんなで相談しませんか?」

 

「えっ!?」

 

「今決めるの?」

 

「はい。果林さんの本気は全員に届いているはずですから」私たち同好会が次のステップに進むために必要なことだと思うんです。どうでしょう?」

 

「ふふっいいんじゃない?」

 

「では皆さんに連絡しますね」

 

みんなで一斉にメッセージを送った。すると直ぐに返信が来た。みんな、本当に同じ思いだ

 

「そう言えばあなたはどうするの?」

 

「私ですか?」

 

「改めて話し合うとしても、あなたは昨日みたいに参加するのは辞退するの?」

 

「はい、一度決めたことなので…………」

 

「なるほどね。未唯の事が少しわかった気がするわ」

 

わかったって何を?

 

「争うことが嫌だけど……本当は誰かのために自分は一歩引く。そんな感じね」

 

それは……はじめて言われた。私ってそんな感じなんだ

 

「それに誰かを傷つけたくないんじゃなく、守りたい。そんな感じかしら?」

 

「あ、それは当たってるかも」

 

「未唯ちゃんは誰かのためなら一生懸命になれるもんね」

 

「そ、そんな///」

 

「それで色々と誤解されるけど……私は……と言うより私たちは未唯の事をわかってあげているわ」

 

「果林さん…………」

 

みんなが分かってくれてるか……何だかうれしいな~

 

 

 

 

 

 

 

 

そして話し合いをして…………ダイバーフェス当日

 

みんなで決めたのは、自分以外の人を推薦すると言うこと…………だとしたら一人しかいなかった。それは果林さんだ。

私はお姉ちゃんと一緒に結果をまとめていたけど、納得行く結果だった。

 

そんな私は一人、藤黄の控え室に来ていた。目的は確認したいことがあったからだ

 

「未唯さんが訪ねてくるとは思っても見ませんでした」

 

「ごめんね。出番が近いのに呼び出して……姫乃さん」

 

「いいえ、こうしてお話をできるのはうれしいです。虹ヶ咲の天使であるあなたと」

 

笑顔でそういうけど、普通なら挑発かなと思ったけど…………私にはわかる。分かるからこそ

 

「本当は果林さんと話したいのでは?」

 

「!?」

 

「隠してるみたいだけど……私はそう言うのが分かるので……」

 

「なるほど……えぇ朝香さんのファンですよ。モデルからスクールアイドルになったときは凄く嬉しかったです」

 

「そっか……ありがとうね。わざわざ聞くことじゃないのに聞いて」

 

「いいえ、えっと…用事はそれだけですか?」

 

「うん、それだけ。気になったからだけだから」

 

「そうですか……では答えた代わりにお願いがあります」

 

「何?」

 

「…………あなたのファンも藤黄にいるので、後でサインを」

 

サインって…………私、書いたことがないんだけど…………

 

 

 

 

 

 

とりあえずサインを書き終えると、侑お姉ちゃんから連絡が入り、果林さんが行方不明らしい。もしかして迷子?

私は急いでお姉ちゃんたちと合流しに行く

 

 

 

合流して、探しているとようやく見つかったけど様子がおかしかった。

 

「具合悪いの?」

 

「ビビってるだけよ。我ながら情けないったらないわね。こんな土壇場でプレッシャー感じちゃうなんてほんとみっともない。あんな偉そうなこと言ったくせに。ごめんなさい」

 

果林さん…………

 

「そんなことないですよ」

 

「大丈夫だよ果林ちゃん」

 

「大丈夫」

 

「私たちがいるじゃん」

 

弱いところをみせた果林さんだけど……だけど大丈夫。みんながいるから…

 

「そうですよ。ソロアイドルだけど1人ぼっちじゃないんです」

 

「なんで…そんなに優しいのよ…」

 

「分かるでしょ?そんなの聞かなくたってさ」

 

私たちは一人じゃない…………だよね。

 

「もう大丈夫……」

 

かすみちゃんの提案でハイタッチをしてみんなのエネルギーを分けようとなり、果林さんは私たちとハイタッチをして、ステージへと向かうのであった

 

 

 

 

 

 

 

 

果林さんのステージは……みんなを魅了させていた。凄い…………私も…………こんな大人数の前で………………

 

何故か私は後悔していた…………

 

「…………うん、今度こそ……」

 

一人そう呟くのであったけど………………

 

 

 

 

 

 

 

後悔した瞬間、もうチャンスはないって誰かが言っていた。

 

「ごめんね……私…………ステージに立てない」

 

「えっ?」

 

「どうして……私たちのせい?」

 

「ごめんね……」

 




不穏な展開を残しつつ、次回はオリスト!本編の次の話が合宿回なのでそれ関係です

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