虹が咲き、白が交ざる 作:水甲
「ちょっといいかしら?」
ある日の学校で、教育実習中の薫子さんに声をかけられた。
「なんですか?」
「警戒心が……凄いわね」
「すみません。私としてはあまりいい印象がないので…………」
薫子さんに対しては本当にいい印象を持っていない。まぁ話せば色々と分かるかもしれないけど…………
「ちょっと栞子の事でね」
「栞子ちゃんの事?」
空いている教室で薫子さんと話すことになった私。
「あの子と付き合ってるのよね?」
「はい」
「実際どうなの?高柳さんから見たあの子は……」
私から見た栞子ちゃん?えっと正直に話せばいいのかな?
「なんと言いますか…………最初は私たちの居場所を奪おうとする子って印象が強いです」
「話は聞いてるわ。あの子はスクールアイドルに対していい印象を持ってないことは…………その結果が同好会を廃部にしようとしていた…………でもそれを貴方が止めた……それでいいのかしら?」
「私は止めてなんか…………」
おかしいと思ったことを率直言っただけ…………止めるなら選挙の時に止めていた。まぁあのときは休んでいたから仕方ないけど…………
「でもその考えはいつから変わったのかしら?」
いつからだろう……確か……
「あれは……」
一緒にボランティアをすることになり、その当日……
三船さんが子供たちに見せる笑顔が何だが惹かれた
「あの……何か?」
「いや、子供には笑顔とか見せるんだって思って……」
「何を当たり前のことを…………それにその言い方では私がまるで笑顔を見せたりしないみたいじゃ…………」
「みんなと話すときは大体そうじゃないの?」
「…………」
あ、黙りこんだ。普段から笑顔とか見せればいいのに……
「真面目な話をしているのに笑顔を見せるなんて…………」
まぁ確かにそうだけど…………
「私は高柳さんみたいに可愛いくはないので?」
「え?」
「高柳さんは思っている以上に魅力的な方です。それに優しく、誰かを魅了するほどの…………」
「//////」
何でいきなり口説きだしたの?この子は…………
「私には持っていないものを持っています…………」
「そ、そっか……」
「あの?何故顔を背けるんですか?」
「き、気にしないで…………えっと三船さんは適性を見抜いて、その人にあった部活を進めたりしてるみたいだけど…………何か言われたりはしないの?」
「何か……とは?」
「その人が本当に好きだからその部活に入ってるのに…………三船さんは適性に合ってないからって否定してるけど……」
「否定なんて………………」
「ごめんね。いい言葉が見つからないから否定って言った。それで何か言われたりは?」
「…………言われてますね。それで陰から色々と…………」
暗い顔をしている三船さん。文句とか言われるのは分かっていたことかもしれない。でもそれは三船さんがその人を思ってやっていることだから、間違っていると言われて余計に落ち込むのかもしれない…………
こう言うときはどうしたらいいのかな?
暫く考え込み……あることを思い付いた。
「三船さん、今度同好会の練習に参加してみない?」
「え?」
「自分にはその適性がないって思ってるけど、三船さんはまだ分かってないことが多いからだよ」
「分かってない…………」
「ただ見聞きしただけで、その本質を見抜けてないと思うの……だから実際にやってみようよ」
「で、ですが……」
「生徒会の仕事は手伝うからさ」
「その…………」
「お姉ちゃんには話しておくから、都合のいい日教えて」
「あぅ……」
押しに負けて、三船さんは私のお願いを聞くことになったのだった。
「そこからかな?」
「なるほどね。その時の栞子の印象はどう変わったの?」
「う~ん、不器用なのかな?自分の正しいと思っていたことと違うことに対して戸惑ったりして……それを理解するのに時間をかかってる感じで…………」
「そう」
「あの、話はそれだけですか?」
「あぁ、実はね。ちょっと栞子と喧嘩して…………」
「喧嘩?」
そう言えば何か今日は元気なかった…………どうしたのかなって思ってたけど……
「昨日は何処かに泊まっていたみたいだから、心配でね」
「心配……なんて声をかけたんですか?」
「えっと……『貴方はまだ子供なんだから……』って言いかけたら怒り出しちゃって」
それは怒るよ…………いつまでも小さな妹だと思われるのは……
「それに昔なんか、私がせっかく勉強に行き詰まってるからちょっと楽しませようと、蝉を部屋に放ったら、怒り出すし」
「あの……どれくらい…………」
「え?大量に…………」
この人…………やり方が斜め上だ…………
「とりあえず薫子さん、お説教です」
「えぇ!?」
「少しは考え方を改めてください!!」
次回は栞子と苺の話に……
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