虹が咲き、白が交ざる 作:水甲
侑side
朝、歩夢からのモーニングコールに目を覚まし、ベランダに出ると制服に着替え終えた歩夢が待っていた。
「ふわぁ…おはよ」
「おはよーまた遅くまでピアノの練習してたの?」
「まぁーね」
背伸びしながら答える私。流石にまだ眠いな
「あんまり無理すると未唯ちゃんに笑われるよ」
「歩夢…未唯は……」
「あ…ごめん」
あの日から未唯は私たちの前から姿を消した。あの時……未唯は必死になって…謝り続けていた
「未唯ちゃん……元気にしてるかな?」
「きっと元気にしてるよ……」
あまり考えないようにしてるけど、やっぱり未唯のこと考えてしまうな……でも今はそんなんじゃダメだよね。
制服に着替え、歩夢と一緒に学校へ向かう。
「音楽科の方はどう?もう慣れた?」
「まだ転科したばかりだからね~一学期分の補修もピアノも毎日弾いたほうがいいし」
「あんまり無理しないでね…」
「平気平気。やりたいことなんだから大丈夫だよ」
私は心配かけないように笑顔で答えた。あんまり無理したら歩夢が悲しんじゃうって、未唯に言われてるしね
「そういえば今日だっけ?」
「何が?」
「ほら、オープンキャンパスで講堂が使えるかどうかの抽選会」
「うん、かすみちゃんがはりきってたよ」
講堂でみんなの歌を発表できたらいいな~それにもしかしたら……ね
菜々side
生徒会室でオープンキャンパスの実行委員会が開催されている、私も生徒会長として頑張らないと……
『せつ菜さん、お姉ちゃんたちのことお願いしますね』
未唯さんにも頼まれたこともこなしていかないと
「二学期からは学校行事が目白押しとなりますが、その先駆けとなる虹ヶ咲のオープンキャンパスは毎年在校生全員で入学希望の中学生に向けた体験授業や部活紹介を行っています。円滑な運営を行うにはここにいる実行委員の皆さんの協力が不可欠です。一緒に良い行事にしていきましょう」
本来ではここには未唯さんもいたのですが……やはり残念です。未唯さんはいろいろと知識も豊富で何かに気が付いたら直ぐに指摘もしてくれる。本当に……
「今年はスクールアイドルの注目度も上がっていますし、盛り上がるかもしれませんね」
「そ、そうかもしれませんね」
あと副会長に私のことがばれないようにうまくサポートしてくれてもいましたね。未唯さんは……
すると副会長の隣に座っていた一年の……確か彼女は……
「普通科一年の三船栞子です。質問があるのですが?」
「どうぞ」
「部活説明会でスクールアイドル同好会が行う発表とはなんでしょうか?」
「次のスクールアイドルフェスティバルについての告知を行うそうです」
「それなら私も調べたことがあります。みんなの夢をかなえる場所。素晴らしい理念だと思います。学園の生徒の皆さんにとって良いイベントになるのなら、私もお手伝いしてみたいです」
「是非!お願いします!」
はっ!?気が付いたらせつ菜が出てしまった。うう、気を付けないと……
「ただ残念なのが……」
「はい?」
「高柳さんが出れないのが……」
「あ…」
三船さんというより、皆さん知っているみたいですね……
「高柳さんって確か……」
「急にいなくなったよね」
「病気?事故?」
「あの高柳さんの事を知っているのですか?」
「はい、一度お話をしたことがあり、その時にフェスを見に来てほしいと話してましたが……高柳さんのステージを見て……その…いえ、なんでもありません」
三船さん?
侑side
かすみちゃんから抽選会の結果を聞いた私たち。外れちゃったけど、仕方ないか。もともと部活の数が多く倍率の高かったし……
「実はフェスの告知映像を東棟の大きなスクリーンで流せることになったんです!時間は限られていますけど、宣伝効果はばっちりです!」
「すごいじゃ~ん」
これならもっといろんな人に見てもらえるはずだよね。するとしずくちゃん、璃奈ちゃんの二人は神妙な顔をしていた
「どうしたの?二人とも」
「侑先輩、一週間あるのならもっと映像のクオリティを上げられます!」
「せっかく見てもらえるんだから全力を尽くしたい」
二人は真剣だ。それだったら……
「そうだね!やろう!」
「私たちも負けずにオープンキャンパスの準備頑張ろうね」
「がんばるぞー」
『おぉーーーーーー』
それからみんなで準備を進めつつ、私はPVの方を手伝っていた
「やはり未唯さんの所は…この映像ではなく」
「あのミサイル百発分に耐えきれるビルをバスターライフルで誤差なしに撃ち続けるシーンを……」
「いや、普通にOK出したほうが……」
「私は……侑さんと歩夢さんの二人が幼馴染愛で合体技を放つ際の女神役のを……」
「三人とも……」
なぜか呆れる歩夢だけど、仕方ないじゃん。未唯の場合は結構な数とってあるんだし、この蝶の羽の所も捨てがたいし、青い衣装をまとったせつ菜ちゃんと黒いドレスの未唯が愛を語る戦いも……
そんなこんなで一週間が過ぎ、遂にオープンキャンパスの日となった。
栞子side
入り口で案内図を配っていると、そこに……
「ただいま。栞子」
「ランジュ……久しぶりですね」
「早速で悪いんだけど……会いたい子達がいるの。案内してくれる?スクールアイドル同好会」
「スクールアイドル……」
副会長side
「搬送は済みました。はい、後は……とは言え貴方が送り続けてくれたものはどれも緊急時の……はい、はい、そうですね。分かりました」
次回あたり一話の話が終われたらいいな
感想待ってます