虹が咲き、白が交ざる 作:水甲
侑side
歩夢と一緒にチラシが入った段ボールを運びながら、懐かしんでいた
「今年もたくさん来てるね~あぁ、私たちも中学の時、来ればよかった」
「家から近いって理由であんまり考えずに決めちゃったもんね」
「まっ、結果オーライだったけどね。未唯も同じ感じだったし」
「未唯ちゃん、東雲と悩んだけどコインで決めたらしいよ」
流石は幼馴染であるというか……
「私もやりたいことちゃんと見つけられたしね」
「そうだね。侑ちゃん、この後は?」
「映像の編集に戻るよ」
「まだやってたの?」
「大丈夫。あと少しだから」
「音楽科も忙しんだよね?本当に両立できてるの?」
「あぁこの前の小テストは赤点取っちゃったけど」
「えぇ!?」
でもオープンキャンパス終われば、少し時間はできるしね。歩夢は心配してるけど、私は大丈夫というと…
「見つけた!」
「「ん?」」
誰かの声が聞こえた瞬間、
「廊下は走らないでください!」
「あなた、歩夢ね! 会いたかったわ!」
歩夢が突然見知らぬ女子に抱き着かれた。そして何だか私はもやっとしたものが?
「スクールアイドルをやるために、香港から短期留学で虹ヶ咲学園に来たの! よろしく!」
とりあえず彼女ともう一人の友達の子を同好会のブースへと連れていき、みんなに紹介することにした。
「留学生?」
「スクールアイドルになるために香港から~」
「私と同じだ~」
「鐘嵐珠よ」
「留学生はもう一人いると聞いてましたが?」
「あの子は別にスクールアイドルに興味があるわけじゃないから、学校のどこかにいるはずよ」
「そうですか。ではわたしはそろそろ持ち場に戻らないといけないので」
「謝謝、助かったわ。持つべきものは幼馴染ね」
「どれでは同好会の皆さん、後ほど東棟の方で」
ランジュちゃんの幼馴染の三船さん、何だか礼儀正しい子だったな……
「でも、スクールアイドルなら、他に有名な高校はいくらでもあるのに、どうして虹ヶ咲に?」
「スクールアイドルフェスティバルの動画を見たからよ! すっごくときめいたわ!」
そっかランジュさん。興味を持ってくれたからわざわざ来てくれたんだ。何だかうれしい
「それぞれが、自分のやりたい事を表現していて、輝いていて、アタシもあのステージに立ってみたいって思った! 高校生の今しかできないから、だから、ここに来たの!」
「すっごく嬉しいよ! ようこそ! 虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会へ!」
「この後、次のフェスの告知映像を流すんだ! 見ていく?」
「本当!? 見る見る!」
「沢山集まってもらえるように、チラシ配らないとね!」
そういえばここにいない子たちは……せつ菜ちゃんは運営の仕事だし、しずくちゃんたちは……まだ編集してるみたいだ
「私も二人のところに戻らないと」
「ダメです!三人揃ったらまたこのシーンが気になるってなるにきまってます!かすみんに任せてください!」
かすみちゃんがそう言って急いで部室へと向かうのであった。
チラシ配りを終えたあと、ランジュちゃんと一緒にスクリーンへと向かうことになった
「スクールアイドルフェスティバルは、好きっていう気持ちさえあれば、誰でも参加できるようなお祭りにしたいんだ…どんな部活に入っててもいいし、入ってなくてもいい……ニジガクの生徒じゃなくたっていい…色んな人達が好きを伝え合えればいいなって!」
「ふーん。面白い事言うのね。ところで気になっていたのだけど、あなたは新人アイドル? フェスの動画にはいなかったから?」
「私はスクールアイドルじゃないよ」
「え? どうしてスクールアイドルじゃないのに同好会にいるの?」
「私はスクールアイドルから夢をもらったんだ。だから今は、夢をくれたみんなを応援したくて、同好会にいるんだ…」
「私も同好会のみんなも、侑ちゃんや沢山のファンに支えてもらえてるから、スクールアイドルでいられるの!」
「ファンがアイドルを支える、ね……」
ん?ランジュちゃん?
「そういえば今日はいないの?高柳未唯は」
「あ、未唯は……」
「来てないの……」
「ふーん、あの噂は本当だったみたいね」
「「噂?」」
「色々と流れてるわ。スクールアイドルをやめたとか転校したとか……まぁ会えないならいいわ」
ランジュちゃん……
東棟に移動して、出来上がったデータを貰って早速告知PVを流すけど……あれ?この流れてる映像って……
「ももも、もしかして…」
「かすみさん、これ使わない方の映像データだよ」
「間違えた」
映像を切り、集まってくれた人たちの様子を見るが、みんな移動し始めてる。私と歩夢は三船さんに時間をずらせないかと頼み込むが……
「すみません。特別扱いはできないんです。ここに集まった人の多くはスクールアイドルだけを見に来たわけじゃありません。残念ですが……」
「どうすれば……」
「無問題ラ! 任せなさい!アタシが出るスクールアイドルフェスティバルに、ケチがつくのをただ見ている訳にはいかないわ!みんなをここに釘付けにすればいいんでしょ?ミア!」
「はいはい」
ミアと呼ばれる子。この子がもう一人の留学生?ミアは機材をいじろうとした瞬間、
「すみません、ちょっと弄らせてもらいます」
今度は黒髪に毛先が白が交ざった見知らぬ子がミアさんが座ろうとしたところを割り込んだ
「ちょっと!貴方……」
「完了です!あとは……」
「侑お姉ちゃん、ぽむお姉ちゃん、荷物よろしくね」
「「え?」」
白い髪の少女が私たちの横を通り過ぎた。見慣れたはずなのに、私と歩夢は懐かしさを覚えた
副会長side
東棟の影のところで私は密会をしていた
「来たみたいですね」
「それで準備は?」
「何事もなく」
「それじゃ私は……」
「ところでその子は?」
「あぁちょっとした事情でね…あ、始まるみたいですよ」
スクリーンに映し出されたのは告知pvではなく……あれはNGシーン?
「まさか本当に……」
「はぁ仕方ない。でも手は打ってあるから……うら、あそこに機材とかがあるから」
彼女は紹介しようとした子に指示を出した。まさか本当に貴方の予想通りですね
「予想じゃないけどね。あくまで念のために用意していたことだから……」
彼女は微笑みながら、駆け出した。本当に帰ってきたみたいですよ。同好会のみなさん、彼女が天使が
未唯side
のんびりしてから部室でサプライズしようとしたけど、仕方ない。この場を動けるのは私だけだからね
「初めまして、皆さん。高柳未唯です!ちょっとした手違いでPVが流れなくて残念ですが、お詫びに私のステージをお見せします!」
久しぶりの虹ヶ咲でのライブ。私の歌を聴いて、帰ろうとした人たちが足を止め、夢中になってくれている。
何だか本当に久しぶりだからテンションが上がってきたけど、歌い終わると知らない子が近寄ってきた
「あなた……」
「貴方も歌いますか?」
「いいわ。貴方が釘付けにした人たちを私が釘付けにしてあげる!スクールアイドル・鐘嵐珠のデビューステージよ! 伝説の始まりを心に刻みなさい!」
もしかして新しく入部した人かな?凄いな~
「未唯!」
「未唯ちゃん!」
無事PVも流し終えるとお姉ちゃんたちが抱き着いてきた
「ちょ、苦しいよ」
「いつ帰ってきたの!」
「連絡しても返事なかったし」
「あはは、色々とあってね」
とりあえず苦しいから抱き着くのをやめてほしいのだけど、すると一人の子が声をかけてきた
「高柳さん、申し訳ありませんが講堂以外の場所で歌うのは禁止です。あとで反省文を」
「えっと、そのことなんだけど、事前に許可を取ってあるよ」
「「「はい?」」」
私はカバンから一枚の紙を見せた。それは申請書だった
「いつの間に……」
「これは……副会長の印ですね。わかりました。では反省文はランジュに」
「ちょっとなんで」
「この申請書は高柳さんだけの名前しか載ってないからですよ」
「むぅ、分かったわよ」
ランジュさんは納得し、えっと三船さんはまだ仕事があるといい去っていくけど……あの子前にあった子だよね?
「それにしてもスクールアイドルをやめたはずなのに、戻ってくるなんてね」
「はい?私やめたことになったの」
私はお姉ちゃんたちやかすみちゃんたちのことを見るが首を横に振っていた
「どういうこと?」
「未唯は親戚の葬式で休学してたんだよ」
「確かすぐに帰れるはずだったのが、親族会議が始まったから休学してたんだよね?」
「まぁ会議って言っても、ちょっとした飲み会だったし……それでえっと……」
「まぁいいわ。私もライブができたし、それに……アタシも出られんでしょ? スクールアイドルフェスティバル!」
「当ったり前じゃん!」
「みんなでやろうよ!」
「歓迎するよ! 同好会へようこそ!」
「入部はやめるわ。あなた達とは考え方が違うみたいだから」
「え? どういう事?」
「アタシは誰よりも、みんなを夢中にさせるスクールアイドルになりたい。アイドルがファンに夢を与えるのは、素晴らしい事よ。でも、与えるだけでいい。誰かに支えられなきゃパフォーマンスもできないアイドルなんて、情けないわ」
「ちょっと!」
「スクールアイドルフェスティバルには、鐘嵐珠個人として申し込んでおく。この同好会では、アタシの夢は叶いそうにない。だから1人でやってみせる。もう一度聞くわ、侑。あなたはどうして同好会にいるの?アタシはスクールアイドルにトキメキを感じて、やりたいと思ったから、ここまで来た。でも、あなたの夢はスクールアイドルじゃないのよね?だったら同好会を離れて、その夢を真剣に追い求めるべきよ」
何だか険悪なんだけど……というかそもそもこの人……
「確かに、ランジュちゃんはすごいよ。ライブでも言葉でも、あんなに堂々と自分を表現できて……でも、やりたい事をやりたいって気持ちだったら、私だって負けてないつもり!今はまだ全然だけどね…私だって、私のやり方で、この同好会で夢を叶えたいって思ってる!」
「それは、私達だって一緒だよ!」
「みんな、自分がやりたい事をやるために、ここにいる」
「アタシは、アタシの正しさを、スクールアイドルフェスティバルまでに証明してみせるわ! スクールアイドルフェスティバルで一番注目を集めるのは、このアタシよ!」
「望むところだよ!」
「楽しみが増えたね!」
「そこでお互いのパフォーマンスをぶつけ合いましょ。バイバイ」
かっこよく去っていくけど、いや私の疑問に答えてほしい。
「あの……まずあなたは誰!」
私がそう言った瞬間、転びそうになっていた。いや、自己紹介まだだし
「そうね。私は鐘嵐珠よ。覚えておきなさい」
「鐘さんですね。では私から色々と……先ずはもしも同好会を陥れたり、廃部に追い詰めようとしたりしたら…部を設立して同好会から何人か引き抜こうとしたりしたら…私は許さないです」
「ふぅん、会ったばかりなの…に……」
「それと何だか勝ち負けを決めるような事を言ってましたが、スクールアイドルフェスティバルはそういうものじゃないですよ」
「そ、そう……わ、分かったわ」
鐘さんは去っていくと、今度はみんなが抱き着いてきた
「みい子~本当にありがとう」
「これで全員がそろいましたね」
「寂しかった『うるうる』」
「やっぱりみーちゃんがいないとゆうゆたちもダメみたいでさ」
「まぁこれで二人も安心ね」
「二人じゃなくって私たちも寂しかったから、安心だよ」
「それに遥ちゃんも喜ぶよ」
「ちょ、苦しい……いろいろと話す前に紹介しておきたいんだけど」
『紹介?』
何とか解放され、私は彼女をみんなに紹介した
「私の親戚で今度からここに転入してくる高柳うらだよ」
「は、初めまして」
「親族会議で決まってね。家で一緒に住むことになったの。だからよろしく」
ランジュside
あの高柳って子、噂通りだったわ。パッと見そこまで上手いわけではないのに……あの時圧倒的にあの場にいた人たちを魅了していたのは私ではなく、あの子だった。あれが虹ヶ咲の天使……
ただそれと気になるのは……
「あの時、何で私は恐れたのかしら?」
何故か宣言されたとき、この子に逆らったら……痛い目を見ると思ってしまった。何者なのよ……あの子は……
未唯side
うらの事も紹介できたし……あ、そうだ。いい忘れてた。
私はみんなの方を見て、笑顔で……
「ただいま」
『おかえり』
ちょこちょこ副会長が連絡を取っていたのは未唯という。
未唯の場合はもしものときのために色んな申請書を出していたという……
後々外伝の方にある話とこちらで裏で動いていた未唯の話をやります
感想待ってます