虹が咲き、白が交ざる 作:水甲
鐘さんが次に訪れた場所は……ゲーマーズだった。何かのグッズを買いに来たのかな?
「お買い物?」
「本当に今日ライブやるんですか?」
確かに、ここまで来るとライブをやる感じはしない。ライブに関してはあくまでファンサイトの噂みたいなものだし…………
「あっ!あったわ!」
鐘さんが手に取ったのは、私たちのグッズだった。と言うかいつの間に……
「あれは…」
「私たちのグッズが出てる!」
「くう~!同好会もついにここまで来たんですね~!」
「あとでみんなに教えてあげよ」
「というか買わなきゃ」
「あれ~?未唯ちゃんのないね」
「あ、ランジュさん、店員さんに聞いてる」
「すみません。高柳さんのものは作られてなく」
「そうなの?」
「作ろうにも写真など写らず……」
あぁなるほど……そう言うことか
「写真とか撮られるの嫌いなの?」
「なんと言うか自然に写らないようにしてるから……ほら、私なんかよりみんなの方が可愛いし」
なんて笑顔で言うと……
「みい子もかわいいじゃん!」
「そうだよ!未唯ちゃん、可愛いよ」
「今度未唯ちゃんの写真集を作ろう!」
「それいいね。侑ちゃん提案してみるね」
何でそんなことに!?
結局鐘さんは9人分を買っていくのであった。え?私の写真集?折角だから侑お姉ちゃんと一緒に作るならと言う話になった。
次に訪れた場所は広場だった。もしかしてここで?
「もしかしてここがステージ?」
場所を選ばない……まさにゲリラライブって事か
「よく来たわね!今日もランジュがみんなを夢中にさせてあげる!」
現れた鐘さんは早速ライブを始め、集まった人たちを直ぐ様魅了していった。本当に凄い人だ
ライブも終わり、私たちはベンチで話していた。
「なんか凄かった」
「これからどんどん人気出てくるよね」
地道に頑張ってる人は本当に凄いな……
するとライブを終えて帰る鐘さんにばったり出会した。
「あ、来てたのね」
「わぁ!えっとこれはたまたま通りかかっただけというか…」
着けていたなんて言えないよね。
「そんなことどうでもいいわよ。見に来てくれてありがとう」
うーん、本当に私が思っていた感じより何かいい人な感じが…………
「そうだ今からみんなでうちに来なさいよ!」
「へっ?」
鐘さんの提案で私たちは鐘さんの家を訪れた。なんと言うか……マンションなのに凄い豪華だった。と言うか一部屋がトレーニングルームって……
「さぁ飲んで」
出されたお茶を飲む私たち。けっこう美味しい
「一人で暮らしてるの?」
「えぇ。人を招いたのはあなたたちが初めてよ。ねぇどうだった?ランジュのステージ」
「そ、それは…」
「とってもよかった」
「本当にみんなランジュちゃんに夢中になってたね」
「うん、凄かった」
私が素直な感想を言うと何故か鐘さんは嬉しそうにしていた。
「そうよ。これが私のやりたいスクールアイドル。鐘嵐珠は集まってくれたファンに最高のパフォーマンスを見せる。そしてファンは鐘嵐珠のステージに満たされる。私に注目するみんなの顔を見るのは最高の気分よ!きっかけをくれたあなたたちには感謝してるわ。でも私はこれからも同好会とは違うソロを追求していく!私自身を証明するためにね」
本当に……凄い目標だけど、鐘さんなら本当に出来そう。
するとエマさんが突然話を遮った。
「本当にそれでいいの?」
「えっ?どういうこと?」
「ランジュちゃんは本当に1人でやりたいの?」
「決まってるでしょ。私はソロでやりたいの。そのために日本に来た。もし同好会に入ってたら今みたいに自由なステージだってできなかったわ」
「できるよ。同好会はそんな場所じゃないよ。もしそうだったら私はスクールアイドルを続けられなかった」
「だからランジュちゃんはランジュちゃんのままで一緒にやれるはずだよ」
「一緒にしないで。変なことを言うのね。あなたたちも同じスクールアイドルでしょ。なのに人のことばかり気にして」
「私は自分の足で高みに登りたいの。ファンと一緒なんて言ってる同好会に入ったらパフォーマンスにも悪影響が出るわ」
「ランジュちゃんそんなことないよ」
「そこまで言うなら証明してみせてくれる?スクールアイドルならやり方は分かるわよね?」
「…………」
どっちの言い分も分かる。鐘さんのやり方だってあるし、私たちみたいにファンと一緒にだって言うのも分かる。
ただ……
「鐘さん」
「何かしら未唯?」
「私はどっちのやり方に関しては特に何も言わないけど、ちゃんと同好会の事を知った上で同好会のやり方とか言ってほしい」
「……それに関しては謝るわ。だけど今の私からしてみれば、同好会に入っても自分のやり方ではなく、あなたたちのやり方を押し付けられる。自由にできない。そう思ってるわ」
「それで証明してって事ですね」
「そう言うことよ」
「分かりました。それともう一つ、鐘さんは逆の立場だった場合、私達が同じことを言ってきたら……どうします?」
「…………そうね。同じことを言うかもしれないわ」
そっか……この人はちゃんと考えてるみたいなんですね
「分かりました。変な事を聞いてすみませんでした。ランジュさん」
「あら、ランジュって呼んでくれるって言うことは認めてくれたことでいいのかしら?」
「認めるというより、警戒しなくてもいいかと」
「ふふ、本当に面白いわね」
ランジュさんの家を後にした私達は近くの公園で話していた。
「一体どういうことですか?大体どうして鐘嵐珠にお節介するんです?果林先輩だって言ってたじゃないですか」
「エマちゃん結構前から気にしてたよね」
「最初は私と同じスクールアイドルになりたくて日本にまで来た子だから気になってた。でもランジュちゃんを見ていたら本当のことを言ってないんじゃないかって思えたんだ」
「ほぇ?」
「彼方ちゃんもそう思ったよ。ランジュちゃんが言ってたこと分かることもあるけど分からないこともあるよね」
「私もそう思う」
「無理に同好会に入ってほしいわけじゃないんだ。もしかしたら全部勘違いで余計なお世話かもしれない。でも1つだけハッキリしてることがあって……ランジュちゃんは私たちが作ったスクールアイドルフェスティバルがきっかけでここに来てくれたってこと、だから放っておくことなんてできなくて。ちゃんと向き合いたかったんだ」
「分かりました。まぁ実を言うとかすみんもちょっとだけ鐘嵐珠のことを気にしていたんですよ?私たちであの人の本音を引っ張り出してやりましょう!そしてもし"同好会に入りたいですぅ~"って言ってきたら全力で歓迎してやるんです!だって同好会は色んなアイドルがいられる最高の場所なんですから」
「うん!」
私達でか……あれ?私もその中に入ってるのかな?そう思いながら鉄棒で回っていた。
「やっぱりかすみちゃんはいい子だね~」
「バカにしてませんか?」
「してないよ~」
それから四人はブランコに乗りながらどうするかを話していた。
「でもさっきの感じだと話しても無理そうですよね」
「だからスクールアイドルらしい方法でやるしかないんだよ」
「うん。ライブで」
「ライブですか?」
「ランジュさんのライブやっぱりすごかった」
「そう?今になってみたらかすみんはちょっと物足りないかなって」
「ん?」
「パフォーマンスは確かにすごかったけどファンとの距離?がもっと近い方がよかったかな」
「それってファンのみんなと気持ちをつなげたいってこと?」
「つながりか…私たちのライブはソロだけどどこか一緒って気持ちあるよね」
「うん。仲間もファンもね」
「かすみんたち普段はバラバラなんですけど前のフェスティバルでは同好会みんなで歌いましたよね」
「あれは楽しかった」
「あの時はみんなの気持ちが揃ってたからね」
「ねぇ今度の合同ライブ五人でやってみない?」
5人?へ?
「一緒にやったらもっともっと伝えられる気がするの」
「うん、やろう」
「あ、あの、私も入ってるの?」
「うん」
「当たり前だよ」
「未唯ちゃんも入れて、五人でね」
「未唯ちゃんはやなの?」
いやという訳じゃないけど……私的にはその……
「足を引っ張っちゃうかもしれないよ」
「それでも未唯ちゃんと一緒にやりたい。ダメかな?」
「もしも今後ユニットとして活動することがあるかもしれないけど~未唯ちゃんは今回だけでもいいから」
「やろう!みい子」
「うぅ……分かった」
こうして私はかすみちゃんたちと一緒に今度のライブに出るのであった。
こちらではユニットに一時的に未唯ちゃんが加入する感じになります
感想待ってます