虹が咲き、白が交ざる 作:水甲
「第一回!一年生親睦会!」
ある日のこと、かすみちゃんからファミレスに呼び出されて行くと、突然親睦会が始まった。
「えっと……」
「もう、かすみさん、ちゃんと説明しないと未唯さんが困ってるよ」
「えぇ~しょうがないな~ほら、同好会が再活動開始したから、折角だから親睦会をやろうかな~って」
そう言うことか……確かにこう言う親睦会と言うのも悪くないかもしれない
「…………」
するとしずくちゃんが何か考え込みながらかすみちゃんを見つめていた
「どうしたの?しず子?」
「何か企みがあるんじゃないかって思って……」
企み?
「ちちちち、違うよ~そんな~」
あれ?ものすごく動揺してるけど、本当に何もないよね?
「ほ、ほら、しず子とみい子ってまだちゃんと話してないから、いい機会かなって」
「あ、そういえばそうだね」
「うん、ちゃんと話すのって今日が初めてだよね」
今まではお姉ちゃんたちとかすみちゃんだけだったし…………この機会で仲良くなれたらいいな~
「未唯さんは侑先輩と歩夢先輩と……」
「幼馴染みだよ」
「お姉ちゃん呼びなのは……」
「その……小さい頃の癖と言うか……」
うぅ、何だか恥ずかしくなってきた。するとしずくちゃんは優しく微笑んでいた。
「それだけ仲良しで羨ましいなって思って」
「そ、そうかな?でも、よく髪の毛弄って貰ったりしてるし……」
「凄く可愛いよ」
改めて誉められると凄くうれしい……
「えへへ……」
「むぅ~二人だけで楽しそうにして……かすみんもいれなさい」
そう言いながらかすみちゃんが私たちに抱き付いてくると、しずくちゃんは慣れた感じでしずくちゃんの頭を撫でた
「はいはい、かすみさんも可愛いよ」
「もう~何だか心がこもってる気がしないんだけど……まぁいいか」
こうして一年生だけの親睦会が終わるのであった。
その帰り道、ある人を見つけた。
「あれ?エマさん?」
「あ、未唯ちゃん、こんにちわ~」
「こんにちわ」
「今帰りなの?」
「はい」
エマさん、何というかすごく母性を感じさせる人というか、声を聴くとすごく癒される
「エマさんは、買い物ですか?」
「うん、今日は卵が安かったから買いに来たんだ~」
「卵?」
「ほら」
そう言って袋に入ったいくつものパックを見せてきた。エマさん、卵好きなのかな?
「何か作るんですか?」
「うん、卵かけご飯を」
ん?えっと……どういうことだろう?詳しく聞きたいけど、聞かないほうがいいのかな?
「じー」
「あ、あの?どうしたんですか?」
「未唯ちゃん、故郷の妹ににてるな~って」
そういえば留学生だっけ?もしかして寂しいとか?
「未唯ちゃん、ちょっとごめんね」
「え?」
エマさんはそう言って、私をぎゅっと抱きしめた
「あ、あああああ、あの……」
「こうしてぎゅっとしてると思い出すな~」
故郷のことを思い出してくれるのはいいんだけど……その……顔が胸に埋まって苦しい……
「あ、ごめんね。苦しかった」
「い、いえ」
苦しかったことに気が付いて謝るエマさん。その何というか……すごかった。
「あの、もしも寂しかったりしたら……いつでも」
「本当に?それじゃ今度からそうするね」
エマさんと別れると、そういえば今日はママたちがいないことを思い出し、何か買って帰ろうとスーパーに寄るのであった。
簡単なものでいいかなと思いながら、食品を買っていくと……
「あれ?」
「ん?あ~未唯ちゃんだ~」
スーパーの制服を着た彼方さんと出会った。もしかして……
「バイトですか?」
「うん~そうなんだよね~」
そういえば彼方さんって特待生で勉強もしつつ、バイトも頑張って……それに妹さんのために家事とかも……
「お疲れ様です」
「えぇ~急にどうしたの~」
「いえ、なんとなく言いたくなったというか……」
「そっか~ありがとうね~」
彼方さんは優しい笑顔でお礼を言うのであった。本当にすごい人だな……
「今度遥ちゃんに合わせるね~未唯ちゃん、きっと仲良くなれると思うから」
遥ちゃんか……会うの楽しみだな~
ご飯を買い終えて、家に帰ろうとしていると、あることを思い出した。そういえば小説の発売日……
近くの書店に入ると……
「あ……」
「あれ?菜々さん」
菜々さんとばったり出くわした。
「き、奇遇ですね」
「はい、菜々さんは何を買いに……」
菜々さんが持っている本を見ると……これってラノベ?
「ラノベとか読むんですか?」
「はぅ!?」
すごい動揺してるけど、そんなになのかな?
「この本、私も好きですよ」
「ほ、本当ですか!」
「はい!」
「それじゃこれは……」
それから菜々さんが見せてくれた本は私が大体読んだことのあるものだった。
「まさか同志に出会えるとは……」
「菜々さん、こういうの好きなんですね」
「意外ですか?」
「意外というか……親近感わきました。私にとって憧れみたいな人ですから……」
「そうですか……でもこれから一緒に夢に向かっていく仲間ですよ」
「はい!」
それから菜々さんと一緒に本を買って、家に帰るのであった。
扉を開けようとすると何故か鍵が開いていた。締め忘れたのかなと思っていたら、中には
「あ、おかえり」
「お姉ちゃん」
ぽむお姉ちゃんがいた。それにエプロンつけてるってことは……
「もしかして頼まれたの?」
「うん、未唯ちゃんのことだから総菜とかですませそうだからって」
読まれてたか……でもいっか。ぽむお姉ちゃんのご飯おいしいもん
それから侑お姉ちゃんも呼んで、三人で楽しい夕食となるのであった。