虹が咲き、白が交ざる   作:水甲

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今回で五話の内容が終わります


20 AZUNA劇場

スクールアイドル展でランジュさんと出会った私たちは、一緒にお茶をしていた

 

「よかったよねスクールアイドル展!色んなアイドルの子たちを見られてすっごく元気をもらえたよ!」

 

「そうね。とても刺激を受けたわ」

 

「同好会のみんなも誘ってまた来よっか」

 

「相変わらずみたいね あなた」

 

「えっ?」

 

「そうやって遊んでる暇あるって言ってるの。音楽科の成績どうなのよ?」

 

また厳しいことをお姉ちゃんに言うなんて……一回ランジュさんを怒るべきか……

 

「ミアちゃんから聞いたの?前より少しは上がってるんだけどまぁギリギリはギリギリかな」

 

どうしよう……ランジュさんより侑お姉ちゃんを叱ったほうがいいかもしれない

 

「やっぱりそうなのね。中途半端なのって見ててイライラするの。いい加減 同好会の活動に付き合うのなんかやめてもっと自分の夢に向き合ったら?」

 

「勝手なこと言わないで」

 

「そうですよ。侑さんは…」

 

「そうやって甘やかすから良くないのよ。同好会で夢を叶える。そう言っていたのに今のあなたは周りに自分の夢を重ね合わせてるだけよ。あなたはそれで満たされたとしても何も生み出してないわ」

 

「それ、ただランジュさんが来てから見てきたものですよね」

 

「未唯…いいから」

 

「よくないよ。黙ってられないからね。私も」

 

正直これまでのことを知らない人が知ったようなことをいうのはやめてほしい

 

「お姉ちゃんがいたからこそ、スクールアイドル同好会は変わってこれた。確かに音楽科に移ってからのお姉ちゃんの夢はまだ何も達成してないけど……ちゃんとこれまでのことを知ったうえでいろいろと言ってくれませんか?」

 

「……分かったわよ」

 

あれ?やけに素直だ……

するとお姉ちゃんが……

 

「ありがとう。ランジュちゃんは優しいんだね。あの時ランジュちゃんに言ってもらえたから今はまだ全然だけど私結構前向きに頑張れてるんだ。だからもし気にしてくれてるんならもう少しだけ見ててくれないかな?」

 

「誰が気にしてるなんて言ったのよ」

 

うーん、これってもしかしてランジュさんなりの励ましというか応援というか……ツンデレなのかな?

 

「もういいわ……そうだ、未唯を少し借りるわ」

 

「え?」

 

お姉ちゃんたちと離れたところに連れてこられ、ランジュさんはあることを告げた

 

「貴方は誰かとユニットを組もうとか思ってるの?」

 

「まぁ一応は……」

 

「そう…どうして?」

 

「その…同好会のみんながユニットを組んでいるのを見て、私もあんな風に輝けるかなって…なんて何だか軽い考えでごめんなさい」

 

「別にいいわよ。立派な理由だと思うわ。ただ、それなら同好会のユニットのどれかに入れば済む話よね?かすみたちや愛、それに多分だけど歩夢たちも組もうとしている。それなら……」

 

「その……これは私の変なこだわりというか……心の底から一緒に組みたいと思える子と組みたいって思ってる」

 

「……面白いことをいうわね。それはもしかしたら私とも組むことになってもかしら?」

 

「ありえそうですね」

 

ランジュさんは笑みを浮かべていた。何だろう?私の答えが気に入ったのかな?

 

「まぁいいわ。それじゃ」

 

ランジュさんは去っていく、私はお姉ちゃんたちのところへと戻ると……

 

「自分のやりたいことを周りに重ねていたのは私です。勝手に妄想して勝手にユニットを考えて…」

 

ランジュさんに言われたことが一番突き刺さっていたのはどうやらしずくちゃんみたいだった。そんなに気にすることなのかな?

 

「待って。ランジュちゃんが言ってたのは侑ちゃんのことで…」

 

「そうだよ。しずくちゃんが気にすることないよ」

 

「私は自分だけで満足して結局 何も生み出せていないんです」

 

「そんなことやってみないと分からないじゃないですか」

 

「そうそう」

 

「せつ菜さんの言うとおりだよ。やらずに後悔するよりもやって後悔したほうが……ってあれ?」

 

何だか、せつ菜さんの言い方だと今からやろうっていう感じな気が……

 

「えっ?やるって一体…」

 

「さぁ開演です!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

丁度ステージスペースが開いていたけど、ここって勝手に使っていいものなのか気になるけど……ぽむお姉ちゃんとせつ菜さんはステージに上がり

 

「ここはダンスホール。タキシード姿の野獣のもとに華やかなドレス姿の少女がやってくる」

 

そして始まる物語だけど、これって二人ともセリフ覚えてるのかな?

 

「私セリフ覚えてないよ?」

 

「私もですが何とかつなげてみましょう」

 

「えぇ…」

 

「こ、こんばんは野獣さん。あの私…」

 

「どうせ私のことが怖いのでしょう…こんな恐ろしい姿なのですから」

 

「いいえ。そんなことはありません。ただどうしてあなたはそんな姿に?」

 

「私はこの城に住む王子でした。ですが魔女に呪いをかけられこの姿になってしまったのです」

 

「そんな!」

 

「あぁ!王子の姿に戻れたなら!」

 

「この後どうするんだっけ?」

 

「勢いで行っちゃいましょう」

 

何か勢いって聞こえたのは気のせいかな?

 

「あ、あの!野獣さんのままでもいいんじゃないかな?」

 

「えっ?」

 

「どう見えるかなんて気にせず今のあなたにできることを一歩一歩やっていけばいいと思う」

 

「一歩一歩できることを…ならば私はこの野獣の力で世界に蔓延る悪を倒したいです!」

 

「実は私も傷付いた人を癒やしてあげたい」

 

「だったら2人で旅に出ましょう!」

 

「うん!」

 

何だかアドリブだけで話が進んでる……でもこれは面白い……ん?何だかしずくちゃんがアイコンタクトを……もしかして私も出るの?仕方ない

 

「お嬢様……いけませんよ」

 

「あ、あなたは……」

 

「誰だか知りませんが、彼女は渡しませんよ!」

 

「野獣……私お嬢様を守る騎士!貴方のような野獣になんかには……」

 

「それなら騎士様、一緒に行きましょう」

 

「へ?」

 

「そうですね!それならば騎士様の役目もしっかり全うできるはずです」

 

「そうして旅に出た私たちは悪しき野獣を次々に倒していきます」

 

「しかし少女には気になることがあったのです」

 

「えっ!?何が気になるんですか!?」

 

「そのとき2人の前にたくさんの野獣が現れたのです!」

 

「それは大変ですね。ひとまず逃げましょう」

 

何だか終わり方を見失ってないかな?するとしずくちゃんがステージに上がってきて……

 

「お久しぶりです」

 

「あなたは一体…」

 

「私は以前あなたを野獣にした魔女」

 

「なるほど。そう来ましたか。思い出しました!あなたはあの時の!」

 

「あのとき獣の姿にしたのは間違いではありませんでした」

 

「あなたは王子の頃にはなかった優しい心を持つことができました」

 

「そうなんですね」

 

「それはきっとその少女のおかげ。そして次々と現れた悪しき野獣たちは皆 心を改めず本当の獣になってしまった人間なのです!」

 

「ええっ!?だったらどうすれば!?」

 

「歌おうよ。傷付いた人たちを救うために旅に出たんだもん」

 

「ですね。魔女さんも歌いましょう」

 

「えっ?私もですか?」

 

「私たちがここにいるのはそもそもあなたの魔法がきっかけなんだもの」

 

「さぁ一緒に!」

 

「ふふふっ。お二人とも自由すぎます。でもその自由さが大事なんだと教えてもらいました」

 

私はそっと舞台から降りながら、三人の演劇を見ていた。多分だけど今この瞬間だけは……この三人でいいと思う

 

「今の歩夢さんやせつ菜さん、展覧会で見たスクールアイドルの先輩方からも、型にはまらず目一杯自分を表現すればビックリするほど楽しいものが生まれるんですね」

 

「そうかも」

 

「ですね!」

 

『今日ここから私たち3人のステージが始まります!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日も暮れ始め、今日は解散ということでみんなそれぞれ帰ることに……

 

「ねぇ最後にあと1つだけ乗っていかない?」

 

「ん?」

 

「もしかして……観覧車?」

 

「そうだよ。三人で……」

 

この時、私に中の何かがあることを察知した。三人で乗るべきではないと……

 

「あ、トイレ行ってくるから二人は先に乗ってて」

 

「え?うん」

 

「未唯ちゃん?」

 

私はお姉ちゃんたちから離れた。せっかくだから二人きりのほうがいいよね

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

歩夢side

 

未唯ちゃんの言う通り二人で乗ることになったけど……未唯ちゃん……

 

「ありがとう侑ちゃん」

 

「ううん。私も乗りたかったし、舞台の歩夢すっごくよかったよ」

 

「えへへへへへ」

 

「私ねユニットなんて本当は無理だと思ってた。でもせつ菜ちゃんやしずくちゃんと夢中でお芝居してたらどんどん楽しくなってきて。そんな自分をねファンの人に見てもらえたらいいなって思えたの」

 

「そうだね。ファンのみんなも歩夢と一緒に楽しんでくれると思う。もちろん私も」

 

「うん」

 

「侑ちゃん、私にもできることがあったら何でも言ってね」

 

「ありがとう。でももうたくさんしてもらってる。次はきっと私の番なんだ」

 

「侑ちゃん……ねぇ、この観覧車、あと一回乗れるみたいだよ」

 

「歩夢……歩夢の考えてたんだね」

 

「うん、気を遣って自分が楽しむことを忘れてる……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

未唯side

 

お姉ちゃんたちが下りてくるのを待つ私……どんな話をしたのか気になるけど、まぁ二人の時間を邪魔したらだめだよね

 

「未唯ちゃん」

 

するとあれ?なんでぽむお姉ちゃんだけ?ぽむお姉ちゃんは私の腕をつかみ……

 

「今度は三人で乗ろうよ」

 

「え?え?」

 

「私たちのわがまま、聞いてくれるよね」

 

わがままか……もうこのお姉ちゃんたちは……仕方ないんだから

 

そして私たちは観覧車に乗り、思い出話に花を咲かせるのであった。

 

 

 

 




ランジュがまともすぎて口喧嘩にあまりならない説

次回はせつ菜ちゃんの正体が……本当に毎週楽しみ

ちなみに歩夢ちゃんがみんなを癒したいっていうから……今期の歩夢ちゃんの中の人が出てるヒーラーを思い出した

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