虹が咲き、白が交ざる 作:水甲
未唯side
「メイキング映像?」
ある日の同好会にて、映像研究部の人たちからある話を持ち出されていた。
「えぇ!今年の文化祭はスクールアイドルの祭典との記念すべきイベントだもの」
「そう言えば生徒会にも相談が来てましたね」
「スクールアイドルが今回の象徴的存在だから思いきりフューチャーしたいんです!」
「特に神出鬼没のスクールアイドル、優木せつ菜ちゃんの正体に迫っちゃいたいな~なんて」
「そ、それだけは勘弁してくださいーーー!」
未だに正体隠してるからな~
「因みに天使の異名を持つ高柳さんの事も……」
「いやいや、私は別に……」
「一年の中でも有名な子ですからね。スクールアイドルとしても有名になりつつあり、普段の学校生活でも優しく、困った人がいたら直ぐに手を差し伸べる。そして可愛い。もう最高です」
えっと……本当にそれは困ると言うか……
みんなで練習風景を撮ることになり、せつ菜さんの事を撮ることになったけど……
「せつ菜先輩、スマイルですよ」
「あ、あまり撮らないで下さい……」
「そう言うわけにはいかないですよ。映像研究部にはオンラインライブの時に協力してもらってますし、お礼にとびっきり可愛いのを撮らないと!生徒会長と分かるものは後でカットしておきますから~」
「あぅ……」
「やっぱりまだ正体は明かしたくないのね」
「家族にも内緒のままなんだよね?」
「ファンの子達がせつ菜ちゃんの話題について盛り上がってたよ」
「愛さんも聞いたことあるー!実は有名な女優さんとか」
「あるいは宇宙人とか」
「せつ菜ちゃん、宇宙人なんだ~」
「実はスパイだったりして」
みんな、せつ菜さんの事からかって楽しんでるな~
まぁ正体が不明だからそういう話にみんな、盛り上がるのは仕方ないよね
「因みに私が聞いたのは、教師とか幽霊とか……」
「うぅ……そういう噂が流れてるのは知ってます!私自身、ミステリアスなのはいいなって思ってましたし、今更夢を壊すような事は出来ません……それに……」
『ん?』
「生徒会長とスクールアイドルって全然違うものですから、どちらも大好きでやりたい私としては、今のままがいいと思います」
せつ菜さんらしい答えだな~普通なら両立するの本当に難しいし、下手をすればどちらが蔑ろになってしまうし……どっちも蔑ろになることがある。でもせつ菜さんは本当に凄い
「合同文化祭はもう目の前!悔いなくやれることやっていこうよ!」
『おーーーーー!!』
それから侑お姉ちゃんは練習風景を撮ったり、文化祭の準備風景を撮ってるのであった。と言うかこれって……お姉ちゃんも撮った方がいいよね?後で映像研究部の人に頼んでおこう
侑side
ちょっとした日常風景も撮った方がいいと思い、音楽科の教室でもカメラを回す私
「演奏会で弾く曲決まった?」
「うん!」
「ん?」
「スクールアイドル撮ってるんじゃないの?」
「そうだけど、みんな頑張ってるな~って」
スクールアイドルだけが主役じゃないからね。文化祭を盛り上げようとしているみんなも撮らないと!
すると先生が来て、私はカメラを仕舞った
「席について、今日から一緒に授業をすることになった先生を紹介するわね」
教室に入ってきたのは黒と赤の髪の何処と無く誰かに似た女性だった。
「三船薫子です。よろしくー」
うらside
どうもうらです。今日は文化祭で使う花火作りのために、準備をしていると……あれってスクールアイドルの子だよね?
「ほら、はんぺん」
「りなりー可愛いよ~」
「もう愛さん……」
愛さんと璃奈ちゃんだっけ……それにしても愛さん……
前にフッと思ったことがあった。愛さんって、どんな子にも優しい人だけど、実は小さい子が好きなのではと……
未唯ちゃんに試しに聞いたら……
「あはは、そんなことはない……と思うよ。多分、きっと……うん、多分」
目が笑ってなかったけど……気のせいだよね?
するとミアちゃんがこっちに近づいてきた
「何してるの?」
「うん、花火に使う素材を探しに」
「相変わらず変わってるね……」
「あれ?ミアちにうーちゃん」
「ミアちって、僕の方が先輩だって言っただろ。何そのカメラ?やめてよ」
「あぁそう言えば先輩って設定だったね」
「君は君で失礼だね……」
すると璃奈ちゃんがミアちゃんをじっと見詰めていた
「なんだよ?」
「私、一年の天王寺璃奈」
「三年のミア・テイラーだけど……」
「知ってる。最近新曲の動画あげてるよね?」
「うっ……」
「そうなの?」
有名な音楽家の娘なのに……動画をあげてる?何だか気になるけど……
「うん、凄い再生数」
「当然の結果さ」
「はんぺんと遊びに来たの?」
「悪い?」
「悪くない」
それから璃奈ちゃんとミアちゃんがはんぺんと遊ぶのを私は見ていたけど……うーん、新曲をあげているって本当に気になるな~
未唯side
生徒会室で文化祭の話し合いをしていた。
「それでは他に議題がなければ終わりにしましょうか。所用があるのでここで失礼します」
そう言えばこの後、ユニットの話し合いだっけ?
「高柳さんもそろそろ……」
「うん、まだ時間に余裕があるから大丈夫だよ。栞子ちゃん」
「そうですか。会長、お手伝いは……」
「い、いえ、大丈夫です。生徒会とは関係ない用事なので」
色々チェックをしていると、副会長さんがあるミスに気づいた。
「小芥子同好会の書類に記入もれがありますね」
「それなら、私が行ってきますね。丁度部室棟に行く用事があるので」
「あ、じゃあ途中まで行こう。栞子ちゃん」
「はい」
「あの、高柳さんはいつから三船さんを下の名前で?」
えっと双子の……見分けがつかない。
「うん、この間からだよ」
「高柳さんがそうしたいと言ったので許可をしただけです」
「なるほど……(なんでしょうか?この二人が仲良しだと……)」
(尊さを感じます)
あれ?双子さんたち……様子がおかしいけどどうしたんだろう?
栞子ちゃんと一緒に同好会に向かう私。他愛のない話をしていると声が聞こえてきたけど……これってせつ菜さん?
『せつ菜と菜々。二つの大好きを持ってますが、私は結局一人なだけで……』
これ、扉閉まりきってないないから、声が……
「この声は……」
「…………」
栞子ちゃんは勘づいてるし、誤魔化すのは無理そうだから…………何も言わないでおこう
『二学期で会長の任期も終わりですし、スクールアイドルと生徒会の職務を一緒にやれる機会なんてもうないかもしれません。ですから!この行事を私の集大成にしたい……』
栞子ちゃんは勢いよく扉を開けた。うん、アウトだ……
「なるほど、生徒会長が優木せつ菜さんだったんですね」
愛さん……色々とね……うん
感想待ってます!