虹が咲き、白が交ざる 作:水甲
「はぁ…はぁ…休憩しようか」
「そうですね」
栞子ちゃんがスクールアイドルになることを決めてから、数時間後の夜の学校。許可を貰って練習をしていた
「あまり焦らない方がいいですかね?」
「うん、そうかもしれない。変に無理をしていたらどっちかが倒れちゃうし…」
「そうですね」
お互い無理は禁物と考えていたから良かったかもしれない。
私も時間がないから、気合いで頑張るよって言うタイプではないし、栞子ちゃんもそうだしね
「後は明日何回か合わせよう」
「そうですね…」
栞子ちゃんは少し不安そうな顔をしていた。初めての事だから仕方ないけど……
「何か不安なの?」
「えっ?」
どうにも別なことに不安そうにしてる。私はジーッと栞子ちゃんを見つめて……
「ランジュの事です」
「ランジュさん?」
「スクールアイドルになると聞いたら、どんな事を思うのか……それにユニットのことも……」
応援してくれそうだけど……でも何処と無くランジュさんって……
「私からはなんとも言えないかな?こうかもしれないって思うことがあるけど、実は私の勘違いかもしれないし」
「高柳さん……」
「だから今は……ね」
「はい!」
とりあえず着替えないと……
「そう言えば高柳さんは……皆さんと一緒に立たないんですか?」
「えっ?」
「明日の最後のステージ……私たちの後に皆さんが全員で立つステージに……」
その事は……正直迷ってる。
「私が入っていいのかなって……」
「高柳さん……恐いとかですか?」
「そうかもしれないし、そうじゃないかもしれない。今はただ迷ってるだけだから……ちゃんと答えは出すよ」
「分かりました……もしも最後まで迷っているなら……背中を押しますね」
「うん!その時はお願いね」
「はい!」
今は迷っている……あの9色の虹に……私は…………入っていいんだよね?
私はスクールアイドルフェスティバルには最後しかステージに立てなかった。まぁこれは私自身が決めたことだったから仕方ないけど…………
今はみんなと一緒にステージ立ちたい。でも……
「はぁ~我ながら変なことで迷ってるな~」
栞子ちゃんは背中を押してくれると言ってくれたし、きっとみんなも受け入れてくれる。だけど迷いが出てる……
うーん、こう言うときは誰に相談したらいいんだろう~
「あれ?未唯さん?」
不意に声をかけられ、振り向くとそこにはせつ菜さんの姿があった。
「今帰りですか?」
「う、うん、栞子ちゃんと練習してて……せつ菜さんは?」
「何だか眠れなくって……明日でスクールアイドルフェスティバルも終わりですね」
「はい、いろいろとありましたが……ここまでやれましたね」
「えぇ、明日は10人で立ちましょう!」
「え……」
「え?未唯さんは……立たないんですか?」
「その……色々と迷いがあって……あはは」
「未唯さん?大丈夫ですよ。皆が望んでいますから」
「え?」
「未唯さんは多分遠慮してしまっているんです!だから変に迷ってしまう。ですが皆さんは未唯さんと一緒に立つことを望んでいます!あの時、出来なかったことを……今度こそ果たしましょう!」
あの時出来なかったことを……そうだよね……
「ありがとうございます。せつ菜さん。私も立ちます」
「はい!」
背中は栞子ちゃんとせつ菜さんが押してくれた。後は迷いを吹き飛ばす勇気がほしい。こう言うときは……
私は家にある連絡をした後、ぽむお姉ちゃんに電話をした
『どうしたの?未唯ちゃん?』
「お姉ちゃん、お願いがあるの……」
『お願い?』
「今日、一緒に寝て!」
『へっ?』
「勇気がほしいの……だからと言うか」
『あぁそっか……分かったよ』
こうして私はぽむお姉ちゃんの家に泊まるのであった。
そして明日はついに……最終日
未唯の迷いを吹き飛ばすために歩夢ちゃんと寝ることの理由は次回!
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