虹が咲き、白が交ざる   作:水甲

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09 楽しさを伝える

私とかすみちゃんはせつ菜さんに呼ばれて、部室である話をしていた。

 

「ソロアイドルですか……」

 

「私達だからできる、新しい一歩です。部員1人1人が、ソロアイドルとしてステージに立つ。その選択肢は、皆さんの頭の中にもあるはずです」

 

ソロアイドル…………確かにせつ菜さんの言う新しい一歩は分かるけど……

 

「はい……でも、それって、簡単には決められないですよね?」

 

「はい……」

 

「グループだとみんなと助け合い出来るけど……」

 

一人だと……

 

「それに……一人でファンのみんなを喜ばせられるかも……不安になりますよね」

 

「みい子は結構考えてるんだね」

 

「未唯さんは侑さん、歩夢さんのグループではしっかりと考えるタイプだと思ったので……今回、この話し合いに参加してもらいました」

 

しっかり考えるタイプって……そうかな?侑お姉ちゃんは引っ張っていくタイプ、ぽむお姉ちゃんは支えるタイプ。必然的に私は考えるようにってなってきたのかもしれない

 

「暫くはソロについて考えるようになりますね」

 

そうして話し合いは終わったのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

土曜日、9時に集まって練習することになり、私はお姉ちゃんたちより少し早めに集合場所に着くと……

 

「あれ?愛さん?」

 

「あ、みーちゃん早いね~」

 

「私、もう少し体力つけたくって」

 

「みーちゃん、がんばり屋だね~」

 

褒められてちょっと嬉しい。

すると愛さんは時間があるからレインボーブリッジの遊歩道まで行こうと提案して、一緒に走ると…………

 

「あれ?エマっち、やっほ~」

 

「あ、愛ちゃん、未唯ちゃん」

 

休憩がてら少し話をすることになった私たち……

 

「昨日はソロアイドルと聞いて、驚いた?」

 

「確かに驚いたけど、一番驚いたのは、自分に対してなんだよね……」

 

自分に対して?

 

「ん?」

 

「同好会のみんなが悩んでるのって、自分を出せるかって事でしょ? 今まで色んな部活で助っ人やってたけど、考えてみたら、みんなと一緒にやる競技ばかりでさ……いやー、めっちゃハードル高いよね……ソロアイドルか……」

 

愛さん…………愛さんのこれまでの事を考えると……確かにそう思っちゃうかもしれないけど……

 

「そろそろ走ろっか。」

 

「ん?」

 

「9時だし、もう行く時間だよ?」

 

すると何故か愛さんは固まっていた。あれ?エマさん、何かおかしなこと言ったのかな?

 

「どうしたの?」

 

「アハハハハハハ! ウケる!」

 

「え?え?」

 

どうして急に笑いだしたのか戸惑う私とエマさん。すると愛さんは笑いながら……

 

「ソロでそろそろ! 9時だし、行く時間って! アハハハ! ダジャレだよね!」

 

あ、愛さんダジャレ好きなんだ~

 

「ダジャレ? ああ、全然気付かなかったよ!愛ちゃんが同好会に来てくれて良かった……」

 

「え? 何で?」

 

「すっごく前向きでいてくれるから!」

 

「そう? 今はめっちゃ悩んでるけど……」

 

「でも、みんなといる時、いつも楽しそうにしてたよね!」

 

「私も……愛さんの楽しいって気持ちが凄く伝わって……私も楽しくなってます」

 

「私達、色々あって、ようやくスタートラインに立ったばかりなんだ……きっと、みんなが不安で、でも、本当は、それと同じくらい、これからに期待してると思うんだ……そうじゃなけりゃ悩まないもの……まだ、一歩を踏み出す勇気が出ないだけ……愛ちゃんが来てから、同好会のみんなの笑顔、すっごく増えてるんだよ!」

 

「そうなの? 自覚ないけど……」

 

「ないから、すごいんだよ!」

 

「そうかな?」

 

「そうだよ!」

 

「えへへ……そっか」

 

愛さんは太陽に手を伸ばし……そして何か決意したような顔で……

 

「エマっち、みーちゃん、走ってくる!」

 

「「えっ?」」

 

私とエマさんは追いかけていくと、愛さんは公園で歌を披露していた。愛さんの楽しそうな姿を見て、周りの人たちも楽しそうにしていた。そっか……これが……

 

すると侑お姉ちゃんたちも見ていて……

 

「すごいね……あれが愛ちゃんのステージなんだ……私、みんなのステージも見てみたい……1人だけど、1人1人だからこそ、色んな事できるかも!そんなみんながライブをやったら、なんかすっごい事になりそうな気がしてきちゃった!」

 

「負けてられませんね!」

 

「燃えてきた……」

 

「うん!」

 

「そうだね!」

 

みんなのソロアイドルとして……前に向かう気持ちが固まった。そして私も……私らしいライブを出来るように…………

 

 

 

 

その数日後の部室にて

 

「歩夢、最高に可愛いね! 高2だけに! 走るのってランランするよね! ランだけに!」

 

「アハハハハ!」

 

愛さんのダジャレに侑お姉ちゃんは爆笑していた。変わらないな~お姉ちゃんも

 

「次は同好会で、どーこー行こうかい?」

 

「すごくウケてますね……」

 

「侑ちゃん、幼稚園の頃から、ずっと笑いのレベルが赤ちゃんだから……」

 

「何でいきなりダジャレを?」

 

「スクールアイドルの特訓だよ!」

 

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