虹が咲き、白が交ざる   作:水甲

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35 突然の別れとうらの思う曲

「心の奥にある答えは本当にそれでいいの?見たことのない世界を見てみたい」

 

 

 

 

 

 

うらside

 

「ミーアちゃーん」

 

「君か……ボクは忙しいんだけど」

 

学校の裏の方で何かを見ているミアちゃんを見つけた私は声をかける。相変わらずうざがられてるけど、正直慣れてきた。

 

「シニエ見に行かないのかな~って」

 

「シニエ?あぁ君たちのところ……」

 

未唯ちゃんがこの間引き取った猫シニエ。まだ小さいからか散歩していても直ぐに未唯ちゃんのところに甘えにきたりしている。

ミアちゃん、猫好きだし会わないのかなと誘いに来た私。

 

「後で行くよ」

 

「ふーん、所で何を見てるの?」

 

「別に、何だっていいだろっておいっ!」

 

ちょっとスマホを拝借して、なるほど、この間のライブの映像か

 

「あっこの前の!見てくれてるんだね!」

 

「うわっ、ベイビーちゃん!?これは……た、たまたまだよ」

 

いつの間にかいた侑さん。それにしても侑さん、ミアちゃんに対して距離近いな~

 

「でも嬉しいよ」

 

「……」

 

恥ずかしがっているミアちゃん。するとミアちゃんのスマホに誰かからメッセージが入った。

 

「ランジュ?」

 

侑さんと一緒になって覗き込むと文面は……

 

『やりたいことはやりきったし、スクールアイドルは止めて帰国するわ。曲も、もう作らなくていいから』

 

これって……

 

「やめる?ランジュちゃんが?一体なんで…」

 

「ミアちゃん」

 

「直接話聞いてくる。ランジュは歌わなきゃいけないんだ。僕のために」

 

僕のために?どういうことだろう?ミアちゃんは直ぐ様ランジュさんの所へと向かい、私も追いかけるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

未唯side

 

侑お姉ちゃんからランジュさんの件を聞き、栞子ちゃんに確認をとることになった私たち。栞子ちゃんはと言うと……

 

「じゃあしおってぃーも突然知らされたの?」

 

「はい…」

 

「何か詳しい事情は聞いてませんか?」

 

「いえ。来たメッセージはこれだけで」

 

メッセージは……『近いうちに帰国することにしたわ』のみだった。本当に急すぎるような……いや、少し思い返せば……所々思い当たる事があったかもしれない。

 

「どういうことですかねぇ?しお子にも話さないなんて」

 

「ランジュちゃんスクールアイドルをやめちゃうんだ…」

 

「しかも帰国だなんて…」

 

「ちょっと急すぎよね」

 

「…………」

 

栞子ちゃんも突然の事で色々と考え込んでるみたいだ。

 

 

 

 

 

 

 

うらside

 

ミアちゃんと一緒にランジュさんの家に来た私。ミアちゃんは説得を試みていた。

 

「ようやく知名度も上がってきたんだ。これからというときにどういうつもりだよ?」

 

「だってスクールアイドルはもうやりきってしまったんだもの」

 

やりきったって……そんなにやったのかな?と変に突っ込まないように成り行きを見守らないと……

 

「やりきった?」

 

「そうよ。スクールアイドルでやりたかったこと、やれることに全力で取り組んできたわ。そして歌もパフォーマンスも全てやりきった。だからやめるの。私たちのパートナーシップも解消しましょう」

 

「何言ってるのさ。僕たちの音楽を知らない人はまだたくさんいる。その人たちに見せつけてやらなきゃ」

 

「分かっちゃったのよ」

 

「何が?」

 

「この前のスクールアイドルフェスティバルで私は100%出し切った。でもあの子たちはもっとそれ以上だった。いくら手を伸ばしてもやっぱりあそこには届かないって。思い知らされちゃったわ……特にあの子……未唯にね」

 

「彼女が何さ……」

 

「あの子は栞子と共に組んだことで更に高みへと登り詰めた。未唯は本当にすごいわよ。あの子の言う心から組みたいと思った人と組んだことで100%以上のパフォーマンスを見せたんだしね」

 

未唯ちゃんってそんなに凄いんだ……近い人だから、気づかなかったけど……

 

「僕の曲じゃあの子たちにはかなわないってこと?」

 

「そうじゃないわ。ただ…」

 

「だったら今度は絶対負けないような最高の曲を作る」

 

「ミア……」

 

「その出来に納得できたらスクールアイドルをやめるのは撤回してもらうから。君にはまだ僕の曲を歌ってもらわなきゃ困るんだ」

 

ミアちゃんはそう言って出ていくのであった。えっと私も出ていくべき?

 

「それで貴方は未唯に頼まれて来たの?」

 

「いえ、ミアちゃんにくっついてきただけです」

 

「そう……貴方はどう思っているの?」

 

どう思っている?何に対して?ランジュさんが届かないからって諦めていることに対して?それとも……

 

「多分……ミアちゃんが作る曲は……ランジュさんを引き止めるほどのものじゃないと思います」

 

「それはどうしてかしら?あの子は自信満々だけど?」

 

「えっと……私は音楽は分からないですけど……ただ誰かに認めてもらおうとしている曲に……何の感動も生まれないと言うか……」

 

「ふーん、続けて」

 

「えっと、ランジュさんのステージは何度か見ましたが……ミアちゃんがランジュさんに歌ってほしいという想いがあったから、ランジュさんはミアちゃんの曲を歌ったんだと思います。でも今回のミアちゃんの引き止めるためだけの曲には……ランジュさんは歌いたいと思わないと思います……」

 

「未唯もだけど貴方も面白いわね」

 

「あぁすみません。思ったことを素直に言っただけなので……」

 

「そうね……貴方の言う通りかもね。ミアがどんな曲を作ってきても……私の決意は変わらないわ」

 

ランジュさん……

 

「そろそろいいかしら?荷物片付けたいのだけど……」

 

「あぁすみませんでした。では……」

 

私はランジュさんの家を後にするのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

未唯side

 

次の日、侑お姉ちゃん、エマさんと一緒にランジュさんを説得するけど、ランジュさんは聞き入れてくれなかった。そして私たちは璃奈ちゃんとミアちゃんと一緒に集まっていた。

 

「はぁ~結局やりきったからとしか教えてくれなくて」

 

「ふ~ん」

 

「本当に帰っちゃうのかな?」

 

「もっと仲良くなれたらって思ってたんだけどな」

 

「ランジュは帰らせないよ」

 

「えっ?」

 

「曲を作ってる。ランジュのための最高の曲だ。それを聴けばランジュの考えも変わるさ!ランジュにやめられたら困るんだよ」

 

なんだろう?ミアちゃんはランジュさんのためにって言ってるけど……自分のためにしか思えないのは……うらちゃんとそこを気にしてたみたいだけど……伝えた方がいいのかな?でも伝えても今のミアちゃんは意地を張りそうな気がする……

 

 

 

 

 

 

 

栞子side

 

帰ろうとするとランジュが黄昏ているのを見つけた。ランジュも私に気がつき、一緒に帰ることに……何か話さないと思い、話しかけると……

 

「「あの……」」

 

被ってしまった……

 

 

「あ、ランジュから先に…」

 

「ううん。栞子が先に言って」

 

「あの大したことじゃないんです。ただ一緒に帰るのランジュが戻ってきてから初めてだなって」

 

「そうね。栞子ってば文化祭の準備で大忙しなんだもの」

 

「すみません」

 

「責めてないわ。違うの。私もライブとかで忙しかったから」

 

「スクールアイドルを頑張ってましたものね」

 

「うん…」

 

しっかりと謝らないと……ランジュに内緒にしていたことを……

 

「ランジュ謝りたいことがあるんです。スクールアイドルに憧れていたこと、ランジュに黙っていてごめんなさい」

 

「どうして栞子が謝るの?」

 

「あなたを傷付けたと思って」

 

頭を下げ、謝る私。ランジュは特に怒った様子もなく……ただ申し訳なさそうにしていた。

 

「怒っていますよね?ずっと」

 

「怒ってなんかいないわ。ただ私が…」

 

「ランジュ?」

 

「私こっちだからバイバイ」

 

ランジュは何かを言いかけるが、逃げるように去っていく……私はランジュを…………

 

「あれ?栞子ちゃん?」

 

するとすれ違いに未唯さんと鞄から顔を覗かせるシニエが駆け寄ってきた

 

「何かあったの?」

 

「……ランジュに謝ったんです……スクールアイドルに憧れていたことを……」

 

「ランジュさんは何て?」

 

「……怒っていませんでした。ですが自分のせいでと何かを気にしているようです……」

 

「そっか……ランジュさんは私に怒ってるのかな?って思ってたけど……それも何だか違う感じかする」

 

「え?未唯さん……何か怒らせるようなことを?」

 

「栞子ちゃんとユニットを組んだこと……経験上……幼馴染みを取ったから……」

 

「それは……」

 

「でも違う感じがする……」

 

「未唯さん……」

 

「どうにかしたいね……」

 

「はい……」

 

ランジュは……本当にどうしたのでしょうか……




ランジュの足止めのためにある事を思い付いたけど、流石にやめました。
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