地方は中央の2軍じゃない!   作:小魔神

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第93話

『スペシャルウィーク先頭に立った。そしてステイゴールドが食いさがる。スペシャルウィーク、最後は先頭一着! スペシャルウィークです、これで春秋盾連覇』

 

 舞台は東京芝2,000m。言わずと知れたG1天皇賞だ。

 このレースとJCは同じ府中のコース。必然的にこのコースで好走した娘はそのままJCでも好走する可能性が高いんだけど。

 

「凄い脚でしたね」

 

 まさに圧勝。戦前は不安視されていたスペシャルウィークの逆襲のランが決まった。

 それしてもあの脚は、私だと一生かけても到達できない才能の世界。あんな脚で上がれたら違う景色が見えるんだろうなぁ。

 

「これがスペシャルウィークの真骨頂。やっぱりあいつは溜めれば溜めるだけ最後が伸びる。まさにダービーの再現だな」

 

「一応聞きますけど、あれに勝てます?」

 

「真っ向勝負じゃ無理だな。それに事前の動きが良くなかった状態であれだ。JCはもう一段階ギアが上がるだろう」

 

 ですよね。まぁ、分かっていますよ。

 大体、あの脚に勝てる可能性があるのってエルちゃんとかオペラオーさんとかそういう限られたウマ娘だけでしょうし。

 まぁ、私は脚比べで勝つ必要はないし勝とうとも思っていないけど。

 

「本番ではスペシャルウィークをマークするのもありかと思ってましたけど、無理なのが分かりました」

 

 ただ問題は、脚比べどころかレースで勝つのも難しいところなわけで。

 現に今の私だとスペシャルウィークの後方からの仕掛けには付いていけない。ちぎれて終わり!

 それが改めて分かっただけでも良しとしよう。

 

「そんなこと考えていたのか? まぁ、諦めがついたようで何よりだ」

 

「やっぱり前で粘るしかありませんね。持てばいいですけどね私の脚」

 

 去年のJCは、道中でスパートをかけて最後の100mで物凄い垂れたからなぁ。あの頃よりは強くなったのは間違いないけど、それでも府中の直線はかなりの強敵なのは間違いない。なんてったって長すぎるからね。

 

「そんなこと言っても仕方ないさ。それにこのレースの結果で大体のJCのメンバーは見えてきたな」

 

「どうなると思います?」

 

「基本的には強い先行ウマ娘がいない。セイウンスカイも前走辺りから怪しいからな。特に今回はゲートも嫌っていた。基本的にはスペシャルウィークそしてグラスワンダー対海外連中といった構図だろ」

 

 確かにセイウンスカイは前走も控えて差しに構えていた。JCに出ても逃げるとは限らないか。となるとレースはスローになる。それだと瞬発力差で私の負けが濃厚と。でもスローなのは悪いことばかりじゃない。少なくとも私が主導権を握りやすくはあるんだから。

 

「なるほど。宝塚と似てますけど、スペシャルウィークは後ろからですもんね。やっぱり私が前でどれだけ粘れるかって展開ですか」

 

 まぁ、なんやんかんやこうなるのは分かっていたけどね。できるかどうかは置いておいて。

 でも、宝塚記念のときよりは勝つ可能性は高いのは間違いない。その分、大敗する可能性も高いのが難点だけど。

 

「あぁ。海外勢はどんなレースをしてくるか分からんが逃げるやつはいないはずだ。やっぱりお前がやるべきなのは白山大賞典と同じことだな。今年こそは内枠が欲しいとこだが」

 

「またピンクなら滅入っちゃいますよ。とにもかくにもアルゼンチン共和国杯では結果を残さないといけないですね」

 

「このメンバー相手に結果を残せなきゃ本番の好走なんて夢のまた夢だからな。プレッシャーをかけるようだが頼んだぞ」

 

 簡単に言ってくれるなもう。アルゼンチン共和国杯も中央G2、それなりのメンバーが出てくるっていうのに。まぁでも、期待をしてくれる分には悪くない。

 

「勝ちますよ。次もその次も、そのつもりではいますから」

 

「そいつはなによりだ」

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