ゆるキャン☆~十人十色~   作:完全怠惰宣言

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ネコと獣医とオネエの話

「あんた達って、ロリコンだったかしら?」

「「ブフゥーーーーーーーーー」」

 

音木 白哉、伊東 早苗、片平 紀太。

ボーイスカウトで知り合い、同じ大学に進学し、卒業して数年後に山梨の某スーパーでバッタリ出会った3人は久々に予定を会わせて白哉の部屋で持ち寄り夕飯をしていた。

 

「いやぁ、久々じゃない。こうして3人でご飯なんて」

 

紀太は皮から作った大量の餃子を、白哉の部屋にホットプレートを持ち込んで片っ端から焼きながらそれをおかずとオツマミにビールを空けていた。

 

「大学時代は学部も違うのに誰かの部屋に集まって夕飯が当たり前だったよね」

 

新米をふっくら炊き上げ、人参、玉葱、大根、蒟蒻、豆腐、油揚、キャベツ、豚肉と具だくさん豚汁を仕上げた下戸で一人だけ冷茶の家主白哉。

 

「あの時と違うのは、品数が豪華というとこですかね」

 

胡瓜の塩ダレ漬け、和風ピクルスといった箸休めを持ち込んだ早苗は自前で持ち込んだ日本酒を一升空けて平気な顔をしている。

 

「それにしても、大学卒業して長野の実家に帰ったあんたがコッチにいるなんてね」

「箸で人を指すな、知り合いがどうしてもってことでね。貯金もまだまだ足りないし丁度良いかなって思ってね」

「紀太君もバーテンではなく喫茶店のオーナーですかね」

 

離れてた時間を埋めるように食事を楽しみながらの近況報告は続いた。

 

「ほい、デザート」

「あらやだ、○ナップじゃない」

「おやおや、あ○きバーじゃないですか」

「学生の時のこと思い出してさ、二人ともそれで良かったでしょ。今お茶持ってくから先食べてて」

「お馬鹿、こういう時は」

「3人一緒に、でしたよね」

「はいはい、ありがと。オレは○ノっと」

 

ソコから3人とも明日が休みだからか、まったりしだした。

ふと、紀太が気がついた。

白哉の首に掛かっているチェーン。そのチェーンに通された明らかに白哉のサイズじゃない指輪。そして、同じチェーンに通された小さなドックタグに彫られた犬を象ったマーク。

早苗のスマホカバー、シックなブラウンの合成皮に犬の肉球らしきマーク。

どちらも最近、自分の店で見たことあるような気がした。

しかも、同じと言うわけでなく、似たような感じの奴を。

 

「あ!」

「なになに」

「どうかしましたか?」

 

紀太は何かに気が付くと思わずでかい声をあげてしまった。

 

「ねぇ、あんた達」

「うん?」

「はい?」

 

そして、いてもたってもいられなくなりつい聞いてしまった。

 

「あんた達って、ロリコンだったかしら?」

「「ブフゥーーーーーーーーー」」

 

二人の口から盛大にお茶がとんだ。

 

「あ~、はいはい。紀太の店の常連だったな、あおい」

「恵那ちゃんも、以外とアグレッシブに動きますからね」

「「何より、紀太とグビ子が同棲できた奇跡だな」」

「うっさいわね、こちとらかなり苦労したんだから」

 

盛大にお茶を吹き出した後、紀太の話を聞き納得された。

その上で現状暴露大会となっていた。

 

「言っとくけど、遊びならあんた達ぶち殺すわよ」

 

オネエの本気の殺気。

バイセクシャルを自認する紀太は嫁は美波と断言する以外に一途な(おとこ)で恋する女の子の味方を自認する漢女(おとめ)であった。

 

「いや、オレの場合は実家もあおいの味方だし、何より犬山先生が無茶苦茶乗り気だから」

「私は恵那ちゃん次第ですかね。一応、ちゃんと元々の目標達成するまではお互いにプラトニックにと決めてますし」

 

3人の間に流れる不思議な沈黙。

 

「まぁ、良いわ。あんた達がそういうお馬鹿だってことは知ってたし」

「うるせぇ」

「面目ないです」

 

結局、それが互いの一方通行な恋ではなく、確りと互いを思いやれる愛なのであれば紀太はなにも言わないし、歳の差的な話しをするなら面倒くさいのは当人達なのだから、周りはその結果が面白話になれば良いのだと結論付けた。

 

「はぁ、アタシもキャンプ行きたいわ」

「学生の頃はよく皆で行ったよな」

「初冬に行くのが多かったですね」

「そうね、今はギアも便利になったけど当時は色々大変だったわね」

「設営早々飲み始める紀太君は何時も罰で片付け一人でやらされてましたしね」

「早苗も顔にでないけど同じようなもんでしょ、飯は何時もオレ担当だったじゃん」

 

大人になったからこそ思う。

学生の頃に出来た友達も当然大事だ。

でも、こうして馬鹿話で盛り上がれる、何気ない話が出来る。

そんな大人になっても繋がっていられる友人が居ることの幸せを。

それは何事にも何物にも変えられない財産であると。

 

「あ、そうだ」

 

これからも、続いて欲しいこの友情。

 

「あんた達、避妊だけはしなさいよ」

「「だから、まだ手は出してないっての」」

 

大の大人の馬鹿話は日を跨いで朝まで続いたのだった。

 

数週間後

~カフェ・ノーザス~

 

「「「「「美味っ!!」」」」」

 

閉店時間を過ぎても何故かいることを許された5人の女子高生(なでしこ、リン、千明、あおい、恵那)はカウンターにて出された新商品の試食をしていた。

 

「ふぁ~、幸せ」

「うんうん、本当に美味しい」

「店長、めっちゃ美味いよ」

「ほんまやね、これから寒くなるから丁度えぇし」

「うん、具材も結構多いしね」

「「「「「美味しいよ、この“ほうとう”」」」」」

 

男だらけの醜態さらし食事会から数日後。

5人は中間考査前の追い込み勉強を行っていた。

そんな中のことだった。

 

「ちょっとあんた達」

 

店主である格好いいオネエさんが声をかけてきた。

 

「もしよかったら新メニューの試食をして欲しいんだけど、閉店後になるから帰りの足を確保出来る子だけ残ってくれない」

 

その結果、全員が足を確保し新メニューのほうとうにありつけた。

 

その後、なでしこは何時もどおり姉の桜が迎えに着て、それに便乗して千明も乗って帰った。

リンは祖父が迎えに着てくれた。

そして。

 

「あんた達、迎えは何時来るのよ」

 

恵那とあおいは何故か残っていた。

 

「せやな、遅いな」

「本当にね」

 

2人は出されたお茶を飲みながら外を見た。

 

「あんた達」

 

店内の清掃を終えたオネエさんが突如真剣な面持ちで2人を見つめる。

 

「良い男、捕まえたじゃない。逃がすんじゃないわよ」

 

その一言で顔を真っ赤にし、下を向く2人。

それと同時に2台の車が到着した。

 

「ほら、王子様の到着よ」

 

 

 

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