人工フラクトライトなった・・・・   作:地底土竜

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前の話からですけどSAO要素薄いですね。


おとうさまのおともだち

 剣の練習を始めてからそろそろ1年になる、基本の構えは大体2週間ぐらいでOKを貰い、今は型を見て覚えたりハイ・ノルキア流の秘奥技の構えと剣の動きその時の体の動き方を体に馴染ませているところだ。尚、その際には秘奥技の発動はしない。父さんに理由を聞いたところ体がまだ秘奥技の発動に耐えられないから発動は体がもっと成長してからと言う言葉が返ってきた。俺はその言葉が体の隅々にまで染み渡るような深い納得を覚えた。何故なら、俺はそれをこの身をもって体験したからだ。

 

 この話は今から大体一週間ほど前のことだが。稽古を終えて部屋に戻った後いつものようにハイ・ノルキア流以外のソードスキルを記憶を頼りに再現しようと頭にイメージを浮かべながら剣を構えていると刀身が光を放ちながら甲高い音をたてて凄まじい速度で左下から右上へと向かっていった。その際俺は凄まじい速度で刀身の動きを剣撃として成り立たせるために動く体にかかる負荷から表れた痛みに失神しかけていた。刀身から光が消え体が開放されると前のめりに倒れそのまま体に襲いかかる痛みに悶えて蹲ったってことがあった。あの時発動したソードスキルはスラントで発動した瞬間はテンションが上がったものだが、体が痛みだしてからは痛み以外何も考えられなくなっていた。そんな経験のせいで、今ではソードスキルの発動は少しトラウマになっている。

 

 

 

 今は夕食中で父さん、母さん、俺の3人で机を囲っている。今日の夕食は小さく千切られたパン一切れとゆで野菜のサラダと魚のフライだ。どれもが食べやすいように小さくカットされている。

 

 まずはパンから食べ始めよう。俺はパンを手で掴み口に運び、齧りつく。4歳らしさが出るように勢い良く。う~ん、美味しい! そして、懐かしい。昔の学校での給食に出てくるパンのような味だ。

 

「おかあさま! おいしい!」

 

「ふふふ、それは良かったわ。でも落ち着いて食べなさい。行儀が悪いわよ」

 

「わかった!」

 

 言われて俺は食べる勢いを落とす。

 

「良くできました。偉いわよ~」

 

 親達はいつもこんな風に途轍もない頻度で誉めてくれる。結構恥ずかしい。しかし、ああも聞き分け良く動いて良かったのだろうか。4歳児はどのぐらい聞き分けが良いのかは生まれ育った環境である程度変わるとは思うが、あそこまで聞き分けが良い4歳っているか? いや、俺は結構長い間この聞き分け良さで暮らしてきたから今更変えることは出来ないんだが過ごしている内に気になって聞き分け良く動く度に考えてしまう。もし、最初に気づいていても結局、親への罪悪感から今のようになるだろうしこんな考え意味が無いと分かっていてもだ。

 

 はぁ、とにかく他のことを考えよう。何か無いかなぁ……あ、そうだ。食べ物のことでも考えよう。と考えつつパンを齧る。

 

 本当に精巧に出来ているなぁ。仮想世界なのに。この世界は人の手により造られた箱庭世界で全てが実体無きもの。しかし、今食べているパンの味もこれまで食べてきたものの味も前の世界と何ら変わりなかった。俺の元居た世界でのVR技術は映像を見せるぐらいで味覚の再現など夢のまた夢といった感じだった。昔は創作物だから気にしなかったが、いざ現実になると技術の凄まじさにビビらされるなぁ。そんなことを考えながら食べ進めていると。父さんが話しかけてきた。

 

「タルク、明日は俺の昔馴染みの友人に会いに行くんだが一緒に来ないか? あいつにはお前と同じ歳の子供がいるから良い遊び相手が出来るぞ」

 

「そうなの!? 行く!」

 

 父さんの友人か……どんな人何だろうか? 父さんの友人であるのなら、そんなに悪い人ではないだろうし会うのが楽しみだ。それと、今生で同年代の子供に会うのは初めてだからうまく話せるか不安だ。

 

 

 夕食を食べ終わり、部屋に戻った俺は何時ものようにソードスキルの練習をして、眠りに着いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして、翌日の昼食後俺は父さんと2人でその友人の家へと向かった。

 

 彼らの家は俺の家と同じ8区にあり、家から10軒ほど隣にあるらしい。

 

 道中俺は父さんにその友人について聞いてみた。

 

 

 

「おとうさま! おとうさまのおともだちってどんなひとなの!?」

 

「あいつかぁ~どう言えば良いんだろうな、まあ悪い奴ではないぞ」

 

「そうなんだ!」

 

 それは分かっているけど……これ以上聞くのはくどいか。じゃあ、次は

 

「おとうさまのおともだちのこどもってどんなこ?」

 

「すまない。子供の方には1度しか会ったことはあるんだが生まれてすぐだったからどんな子なのかは分からない。でも、あいつの子供だからお前と仲良くなれると思うぞ」

 

「そっか!」

 

 知らないんだ…………結局どっちのことも良くわからなかったな。

 

「あの家だ」

 

 父さんが斜め前の家を指差して言う。その家の外観は大体俺の家と同じように貴族味が薄い感じで大きさは俺の家より少し大きい。

 

 父さんは門を開けて進んでいきドアを叩く。しばらく待っていると、ドアが開き中からおっさんが出てきた。

 

「お久しぶりですねロギュオル様、今日はどのようなご用件で?」

 

 ロギュオルと言うのは父さんの名前だ。

 

「久しぶり、今日はあいつとコルレオを俺の子供に会わせたくて来た」

 

 あいつってのは友人の方だろうから、コルレオは息子の方の名前だろう。

 

「分かりました。客間へとお連れします。着いてきてください」

 

「いや、それはいい。客間は分かるから俺達で向かえる。2人を呼んで来ておいてくれ」

 

「畏まりました」

 

 

 

 おっさんはササーッと家の中へと消えていった。

 

 あの人って従者か? 俺の家には居ない存在だ。同じ五等爵士でも差があるものなんだな。と考えながら父さんの後ろを着いていく。

 

 しばらくすると客間に着いた。デカめな机と椅子だけある物の少ない部屋だ。そこで椅子に座りながら1分程待っていると、ドアからさっきの従者さんと子供と父さんみたいな服を着た人が入ってきた。

 

「お連れしました」

 

「よう、久しぶりだな」

 

「ああ、久しぶりだな。子供大きくなったな」

 

「そうだろ。そっちがお前の子供か面影があるな……」

 

「ははは、そうだろ」

 

 どんな感じで話し掛けようか……緊張して頭から何も湧いてこない。

 

「コルレオあの子に挨拶に行ってみなさい」

 

 あ、そうだまずは挨拶だ。忘れてた。何で忘れてんだよ基本中の基本なのに······それなら、初めましてで良いんだよな? そうだよその筈だ。

 

「はい」

 

「タルクも行ってみなさい」

 

「分かった!」

 

 言われて双方歩き出す。そして距離が大体1メートルぐらいに縮まったときに俺が話しかけた。

 

「はじめまして! こるれおくん!」

 

「はじめまして。たるくくん」

 

 何かこの子すごい落ち着いてるな。子供ってもっと元気な者だったと思うんだが本当に4歳児なの? いや、この世界の4歳児ではこの落ち着き様が普通なのか? 

 

 全く分からない······· 

 

「どうかした?」

 

「なんでもないよ!」

 

 取り敢えず何か話そう。毎日の習慣とか聞いてみるか。

 

「そうだ! いつもおうちではなにしているの!?」

 

「ほんをよんだり、じゅうしゃさんにいろんなことをきいたりしているよ」

 

 彼は俺が作った話題に乗っかってくれたようだ。変に思われてはなさそうだ。良かったと安心しつつ聞きの姿勢に入る。

 

「そうなんだ!」

 

 従者か········そういう人が居る環境はこの家の人を見た感じ楽しいものなんだろうな。少し羨ましいかもしれない。

 

「おれはふだんからけんのれんしゅうをしてるんだ!」

 

「けん? たるくくんはけんしになりたいの?」

 

「そうだよ! こるれおくんはなにになりたいの?」

 

「うーん、わからないよ」

 

「そうなんだ。きまったらおしえてね!」

 

「いいよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 それから話したり遊んだりを続けているといつの間にか太陽が下がっていっていた。

 

「にしてもお前更に丸くなったな。昔のお前の面影がほぼないぞ」

 

「子供に悪影響だからな」

 

「そうだなあれは子供に悪い。じゃあ今日は帰るよ」

 

「分かった。またな」

 

「タルク帰るぞ」

 

「わかった! またね! こるれお!」

 

「うん。またねたるく」

 

 いや~、親以外と話すのは新鮮で楽しかったな。また来たい。

 

 3人に門まで見送って貰いそこからは父さんと2人で家へと帰った。

 

 

 

 その帰り道に父さんが話しかけてきた。

 

「今日はどうだった?」

 

「楽しかった!」

 

「そうか、それはよかった。また行こうな」

 

「うん!」

 

 また……か、次はいつになるんだろう。次いくときは他の人にも話し掛けてみよう。コルレオに聞いた感じみんな楽しい人達のようだし。

 

 あぁ~腹が減ったな。今日の夕食は何だろう。

 

 

 

 

 

 そこから10分ぐらい歩くと家に着いた。

 

 

 

「「ただいま!」」

 

 

 

「おかえりなさい」

 

 

 

 それから、しばらく食事部屋で今日の出来事を思い返していると

 

「タル~ク」

 

「はい! いまいく!」

 

 夕食ができたようだ。皿運び手伝わないと。

 

 キッチンに行き皿を運んでいく、今日の夕食はパンと野菜とキノコみたいなのの炒め物と木の実のスープのようだ。美味しそうだ。匂いを嗅ぎながら、皿を並べていく。並べるのにかかった時間は1分ちょい。皿運びを手伝い初めた時は4分ぐらいだったのに慣れって凄いな。と考えながら父さんを呼びに行く。

 

「おとうさま! ごはんできたよ!」

 

「ああ、ありがとうタルク。じゃあ行こうか」

 

「うん!」

 

 父さんと一緒に食事部屋に戻り椅子に座ってる。

 

「じゃあ、食べ始めるわよ」

 

「「「アヴィ・アドミナ」」」

 

 と言う頂きます的な意味を持っているかもしれない言葉を言って食べ始める。

 

 あ~美味しい。パンと野菜キノコ炒めは言わずもがな木の実のスープも中々美味しい。

 

「後7ヶ月でタルクも学校だな」

 

「そうだね! 楽しみ!」

 

 あ、もう後7ヶ月まで迫ってたんだ。と父さんの言葉に緊急同調しながら思い出す。

 

 そうだ、来年からは学校が始まる。その学校と言うのはユージオが原作で言っていたあの学校と同じもので、算数を教わったり禁忌目録や帝国基本法を覚える所だ。上級貴族や一部の下級貴族は学校など行かずとも学校で必要になる教養を持つ人を雇う余裕があるため行く必要が無いが俺のような五等爵士の中でも下っ端の貴族は近くの一般の子供達と共に一緒に学校に通うのだ。

 

 前に知らされたときはまだ時間あるなと思っていたけど気付いたらもうあんまり時間がない。貴族でも馴染めるのだろうか……不安だ。しかしこの体制で問題が起こっているのなら父さんや母さんは渋ったりするだろうが、そんな素振り欠片もないから大丈夫なんだろう。しかし、下っ端とはいえ貴族と一般が混ざっているんだぞ? どうやってバランス保ってんだ? 疑問は尽きない。 

 

「学校にはコルレオ君も通うからその時も仲良くな」

 

「そうなんだ! やったぁ!」

 

 へぇ、あの子も……これで馴染めなくてもボッチにはならないじゃんやったぁ。でもあの家って従者いるから五等爵士でも高等なはずだけど何で学校に? 必要ないよね? まあいいか、ありがとうコルレオこの恩は返さないが忘れないでおくよ。などと考えていると夕食を食べ終わっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 その日の夜

 

 俺はベッドの上で寝そべっているが中々寝付けない。今日は稽古が無かったからだろうか。

 

 まあ、何か考えてりゃ眠くなるか。何を考えよう……明日のこと? いや、明日もいつも通りだろうからすぐ終わるか。学校のことは夕食の時に考えたしソードスキルも今のところ進展なしで考えること何て無いからなぁ~、う~ん異世界転生についてでも考えてみようか。異世界転生モノは生前俺がハマっていたジャンルだ。そして、俺が今体験している状況でもある。生前は勉強する間も惜しむぐらいに見てたっけ、懐かしいなぁあれは昔の俺の生き甲斐の様なものだった。見ている間は起きながら夢をみせてもらって、それを日々の活力に変えていた。その時の夢が今は現実になっている。現実になった以上この現象は理屈がある何かで夢では無いのだろう。しかし、一体どういう理屈なのだろう、SAOの世界と俺の世界は別のものだ俺はどうやって何処からやって来たんだ? それに異世界転生が存在するのなら元いた世界にも転生者はいたのかもしれないということになる。俺の持っていた常識はどれぐらい間違っているのだろう。などと考えようもないことを考えていると眠気が強くなってきて気づいたら寝ていた。

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