※4話投稿時に主人公の名前が多分変わります。この事の理由は主人公の名前を考えたときは命名術のことを忘れていたからで後になって気づき、気になって変えずにはいられなくなりました。突然のことですみません。
ついに明日だ。学校が…………始まる。一瞬だったなぁ7ヶ月。緊張するけど対策のしようがないし出来るのは待つことだけか。元気っ子の振る舞いはもう体に馴染んでいるが学校で会うのは今まで会ってきた人達全員より多くの人になる。前世はボッチまでいかなくとも友達は少ない方だった俺が軸になって出来た元気っ子でどこまで対応できるかは未知数だ。大丈夫かなぁ~。不安だ……でも今考えることじゃないな……集中しよ。
今は自室で練習中だ。まあ練習と言える程中身のあるものではないが。練習内容はアニメの技の発動を思い出して軽く真似るだけ。スラントの件がある前はもっと色々やっていたんだが、発動が出来ない以上俺に正しいソードスキルの動きを知る術はないのでこのまま続けても変な癖が付いて習得までにもっと時間が掛かるから今は頭からソードスキルの大体の動きが抜けないようにこの練習を続けているのだ。簡単だが簡単すぎてもどかしい。
そして、いつものように1時間で練習を切り上げ布団に入った。その日はさっきのような思考が続いて上手く寝付けなかった。
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そして朝がやって来て目が覚めた。
ああ、朝が来た。眠い…………眠いし不安だ……不安すぎる…………でも、来たからには腹を括らねばならない。昨日は親に心配されてしまったのだ。何時までもこんな心持ちでいたら駄目だ。どうなるか分からないからこそ出来る最高のコンディションで挑まないと。
まず目を覚ますか。目を覚ます方法は…………よし! 決めた。
思い立った俺は両頬を思いっきり叩く。
痛! 痛! たたたた………………ふー……ふー全力で叩きすぎた……まあ……眠気は取れたからいいけど。
気を取り直してぇ…………よぉっし! 頑っ張るぞ!
着替えて朝食のパンと野菜のサラダを食べてから鞄を持って勢い良く扉を開ける。
「いってきます!」
「「行ってらっしゃい」」
俺は門を通ってコルレオとの待ち合わせ場所のある左側の道へと歩く。
「昨日の様子を見ていると心配だったが大丈夫みたいだな」
「ふふふ、私はコルレオ君もいるから大丈夫だと思ってたわよ~」
「昨日から内心とんでもなく焦っていたの·······分かっていたからな?」
「……そんなに分かりやすかったかしら」
「どれだけ一緒にいたと思ってるんだ?流石に分かる」
「そう·········」
家から6分程歩くとコルレオの姿が見えてくる。
コルレオはこちらに気付き手を振っている。俺は彼に手を振り返しながら声を掛けた。
「こっるれお~!!」
「うわ!」
コルレオは肩をビクッと震わせて驚くと勢い良く振り向くと何だタルクかと呟いてからこちらに喋り掛ける。
「げんきだな……」
あれ? そんなに勢い良かった? テンション上げすぎたな……調整しないと。
「あ、おどろかせてごめんね」
「きにしてない、だいじょうぶ」
「がっこうたのしみなのか?」
逆だけど……まあそう見えているべきか。
「そうだよ! どんなひとがいるんだろう!」
「どーなんだろーな」
そんな風に言い合いながら学校へと歩き始めた。
その道中も話し合い続けているがコルレオの喋り方が気になって会話に集中出来ない。初めて会った時はこんな喋り方ではなかったのだが遊びに行く度にだんだん口調が乱雑になって行ったのでとても気になっている。
俺達の父親達の会話を盗み聞いたところ原因は彼の父親にあるらしい、彼の談によると俺が初めてコルレオに会った日の前までは父親として子供に汚い言葉遣いを教えないように、とコルレオの前では丁寧な口調を心掛けていたがあの日父さんに会った懐かしさのあまりその口調を崩してしまって、それを聞いたコルレオは次の日から口調を変えていったんだとか。
微笑ましい話ではあるが最初の日の会話で 彼はこんな喋り方なんだなぁ~ と頭の中で紐付けてしまったから変えられると馴れるのに時間がかかってしまうので大変だ。
「みえてきたな」
「そうだね」
歩くこと14分、視界に大きな建物が写る。
前、下見に来たときも思ったけどでかいなぁ。前世での幼稚園より大きくて小学校より小さいぐらいか? いや、横幅は小学校よりでかいから違うか? ……まあ、良いか。比較なんてもう出来ないし。
門を潜り正面に見える扉から中に入る。
教室は確か先にある階段を登って一番右奥の部屋だったっけ?
「こるれお! きょうしつってにかいのいちばんおくのみぎのへやだったよね!?」
「そうだ。とびらのまえにもそうかいてあっただろ」
「かくにんだよ! まちがえたらいけないでしょ!」
「それなら、もういちどみにいくか?」
「こるれおがいうんだからまちがいないよ! いこう!」
「わかった」
真っ直ぐ伸びる廊下を渡り、階段を上がってそのまま前に進み奥にある右側の部屋のドアを開ける。
部屋には木で出来た机と椅子が並びその正面に教卓があり黒板がないこと以外はいかにも教室といった感じだ。
既に教室の中に居るのは5人で1人は先生らしきおっさん、4人は生徒らしき子供達だ。子供達の内1人は机に突っ伏して寝ていて、2人は隣同士に座り話し合っていて、残りの1人は教室の内装をジロジロ見ながら歩き回っている。
「おっ、来たか。席はあの席とあの席以外のどこかに座っておいてくれ」
「「わかりました(!)」」
と先生らしき人は一番前の席の内2つを指差して言った。
「どこにすわる!?」
「そうだな……おれはあそこにすわりたい」
コルレオは後ろから2列目の窓際の席を指差した。
「じゃあ、おれはこるれおのとなりにする!」
俺達は席に着き、話し始めた。
それから話し合っている間も続々と生徒達が教室に入って来て12分程が経つ頃には教室の席は全て埋め尽くされていた。
「よし、全員揃ったな。俺はこれからおまえ達を教える先生だ。よろしく。まずは点呼か……お前達! 名前を呼ぶから呼ばれたら返事をしてくれよ」
そう言うと、先生は名簿も無しに名前を呼びだした。その声に生徒は1人づつ声を返していく。
この人名前を覚えてきてるのか……凄いな。
点呼はすらすらと進み、大体1分も掛からないぐらいの時間で終わった。
「よし、点呼終わり……と、お前達! 次は自己紹介だ! 左端の列の一番前の奴から順番に名前と好きな事か好きな物を1つずつ言っていけ」
好きな物か好きな事……どっちにしようか、好きな物ならパンで好きな事は剣術の練習…………パンだな。こっちの方が絶対親しみ安いはずだ。
「なまえはこるれお。すきなことはほんをよむことだ、よろしく」
もうコルレオの番かそろそろだな。
少しして、俺の番がやって来た。
俺は席を立ち教卓へと向かう。向かう間生徒達の目線はこちらを向いていて緊張する。
ついに、教卓の前に立った俺は緊張感を振り切って自己紹介を始めた。
「おれはたるく! すきなものはぱん! よろしく!!」
良し! 詰まらず言えたぞ。
自己紹介を終えた俺は密かな達成感とともに席へと戻った。
その後の自己紹介も順調に進み終わった。
自己紹介を聞いて思ったが俺ってそこまでの元気っ子では無いのか? 自己紹介をしていた生徒達は大体俺ぐらいのテンションだったように感じる……
「少ししたら、お前達に渡す教本が来る。それまでは自由時間だ。好きに行動していろ。だが、はしゃぎすぎて教室から出ることはないようにな」
その言葉を聞いた生徒達は各自思い思いに行動し始めた。
俺は取り敢えずコルレオに話し掛けに行くことにして歩きだそうとするが後ろから声を掛けられた。
「ぱん…………すきなの? たるくくん」
「うん! そうだよ! サカーゼくん! ぱんおいしいからね!」
名前……合ってるよな?
「ぼくも……ぱんすき」
言い直さないってことは合ってるってことだよな?
「そうなんだ! いっしょだね!」
大丈夫そうだな…………多分
俺から肯定の言葉を聞いて彼は嬉しそうに頷き言葉を返した。
「うん……! ぱんすきなひとにあったの初めてだからうれしいよ」
周りにパン好きが居なかったのか…………感情を共有出来ないってのはしんどいよな…………前世で自分の好きなゲームをやってる人居なくて話したいけど話す相手がいなかった時があるから気持ちが分かる……分かるよ。
しばらく彼とパンの話をしていると
「教本が来た! お前達! 席に戻れ!」
先生が自由時間の終わりを告げた。
「じゃあ、またあとで!」
「うん!」
自分の席へと戻った彼を見送りながら俺も席に着く。
「前から後ろに1人一冊ずつ取って送っていけよ」
そう言うと先生は本を列の一番前の席に置いていく。
前から送られてきた本を一冊取って後ろに送くる。送られてきた本には平仮名でデカデカと゛きょうほん゛と書かれている。まんまだな。
「これから4年も使い続ける教本だ。失くすなよ」
「お前達にはこれからの4年間で今渡した教本で読み書きと計算や帝国基本法、そして最も重要な禁忌目録 これら全てを覚えてもらう。4年目の最後には確認の為の試験がある。試験の結果があまりに悪い者は卒業出来ないからしっかりやれよ」
…………テストまであるのか。大丈夫かなぁ……
それからは先生から学校生活での注意事項をしばらく聞いた。
「じゃあ、今日はこれで終わりだ。教本を忘れて帰るなよ!」
俺含む生徒達はその言葉に口々に返事を返した。
持ってきたデカめの袋に本を突っ込み立ち上がると、既に荷物を纏めたサカーゼがこちらに近づいてきていた。
「たるくくん! そういえばきみってぱんやさんにいったことある?」
パン屋か……アンダーワールドのパン屋ってどんなだろう?
「ないよ!」
「やっぱり! せんせいのはなしをきいているあいだずっときになってたんだ!」
「たるくくん! よかったらだけどがっこうがおやすみのひにいっしょにぱんやさんにいかない? いったらもっとぱんがすきになれるとおもうんだ!」
パン屋……気になってきたぞ。
「そうなの! いくよ!」
「よかった……」
「じかんはどうするの?」
「じかん? う~ん、どうしようかなぁ~」
「じゃあ、いついくことができるかおとうさまやおかあさまにきいてあしたにきめるのはどう?」
「それいいね! そうしよう。それじゃあまたね」
「うん! またね!」
そう言ってサカーゼは手を振りながら外へと出ていった。
楽しみだな…………パン屋。あ、そうだコルレオの方へ行かないと。コルレオコルレオ…………と、いたいた。
「お~いこるれお!」
「たるくか、かえるぞ」
「そうだね!」
コルレオに続いて俺も校舎から出て家に向かう。
帰り道はコルレオと学校での出来事を話し合った。聞いたところコルレオにも新たな友達が出来ているようで安心した。最近のコルレオは喋り方が鋭いから少し心配だったのだ。
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家に帰ってからはまず親達に今日の出来事を話し稽古をして夕食を食べ、自主練も終わった
今は自室で寝転がっている。
はぁ~~~疲れたぁ。崩れることは無かったけどあんなに大勢いると緊張で疲れるな。早く慣れれると良いんだけど……………………
その後俺は昨日の寝不足と今日の緊張による凄まじい眠気によって意識を手放した。