初めて仕えた神様は   作:メイドさん大好き

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【ソーマ・ファミリア】に生贄にして【リリルカ・アーデ メイドさんフォーム】を召喚する。


第十五話

怪物祭(モンスターフィリア)が終わり、本拠地(ホーム)でゆったりとくつろいでいる。

帰ってきて、お風呂に入ったらそのままベッドにダイブ。

心にお祭りの幸せな記憶を反芻させながら眠った。

翌日からは今まで通りの日常が戻ってくる。

一日のお祭りの記憶は特別なものだ、明日のことを思い描くと少しの落差に驚く。

いつも通りの日常も良いものだが、いつかは家族旅行もしてみたいものである。

 

「おお、私。どうだったよ」

 

「知ってるでしょ?」

 

見ていたことは何となく分かっている。

私達は同じだ、だから同じ景色を見ているのだろう。

 

「感想は、お前の口から聞きたいなぁ」

 

ニヤニヤした憎たらしい笑みを浮かべ、私は私を見ている。

実に憎たらしく、良い笑みだ。

ぶん殴りたく思うくらいだが同じ私である。

 

「凄く楽しかったよ」

 

「だろうなぁ。思考は別々だけど楽しそうなのは分かってたよ」

 

それは私もだけどな、と憎たらしい笑みが爽やかな笑みを私に向ける。

一緒にいて楽しい、同じ私だからこそ好みも同じなのだ。

よって、一緒にいるだけで楽しく幸せな気分になれる。

まあ、ヘスティア様やベル君と共にいるのは負けるが。

 

「ヘスティア様が可愛かったな」

 

「当たり前でしょ」

 

「ということで今日の講習を開始します」

 

「よろしくお願いします」

 

私はどこからかホワイトボードを持ってきて、そこにメイドさん講習と書いた。

いつも通りの夢の中での精神修行とともに知識講習である。

どうやら、私は私の記憶も管理しているらしく色々な知識を持ってきて役立つものを教えてくれるのだ。

私の記憶を教えないのは色々と秘匿にするべきことがある、とのことだ。

うん、信じておこう。

 

「さて、まずメイドさん五箇条」

 

「はい」

 

其ノ壱 広く武芸を修め主に忠誠を誓うべし

其ノ弐 主を最優先にし守り抜くべし

其の参 一度メイドさんになったならば生涯身を捧げるべし

其の肆 周りを気にするくらいなら家族を守れ

其の伍 知識を世界に求め、永遠に研磨を続けるべし

 

メイドさん五箇条は全てに優先される。

主を守るということは五箇条を守るということである。

元々はメイドさん殺法秘伝書からのものだが、誰が書いたかは私が知っているらしい。

教えてはくれなかったが、即興で考えたと言っていた。

 

「この程度は当たり前だな」

 

「うん。メイドさんならね」

 

「じゃあメイドさんとしての心得は大丈夫だな。なら、次は魔術だ。メイドさん殺法の中にもあるぞ」

 

「ホントに?」

 

「ほら、これが完全なやつ」

 

記憶から作られたらしい秘伝書。

それが机の上に置かれ、自動的に開かれる。

 

「おお‥‥‥」

 

「暇だったからな。これくらいなら使えるようになった」

 

「私も覚えられるかな?」

 

「いけるぞ。メイドさんなら」

 

「文武両道!」

 

「うんうん、分かってるな」

 

メイドさんは万能でなくてはならない。

そんな文言がどこかにある。

残念ながら五箇条には入ってはいないものの、メイドさんの究極型である完璧なる(パーフェクト)メイドさんに至るための基本精神だ。

称号こそは完璧なる(パーフェクト)メイドさんであるが、まだまだその称号に私は相応しくない。

 

「さてさて、古代の神秘を解いていこう」

 

私は机の上にあるメイドさん殺法秘伝書完全版と同じ本を手に出現させる。

さすが夢、何でもありだ。

 

「まず、基本からだが」

 

こうやってパーフェクトなメイドさんへの道がまた現れる。

そのことに喜びを感じながら目の前のホワイトボードと私の話を集中して頑張ろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

エイナさんにも模範的な冒険者として認識された最近。

今日も順調にダンジョン探索が終わり、換金も終わった。

無理のないダンジョン探索に、私とのメイドさん修行。

毎日の過密スケジュールにもベル君はめげていない。

てか、精神的にも肉体的にも疲労が全く見えない。

やはり、メイドさん願望の賜物なのだろうか。

まったくメイドさんは最高だね。

 

「めいどさんごかじょう、おぼえた?」

 

「バッチリ。復唱しようか?師匠」

 

「そうしてもらおっか」

 

「よーし」

 

驚く程にベル君はスラスラとメイドさん五箇条を言ってみせる。

おー、とベル君の勤勉さに関心した。

だって勉強嫌いな家族が必死で勉強する、その姿に萌えないのは人じゃないかな。

あ、私はそもそも人の括りには入ってないんだけどネ。

 

「すごーい。なら次は秘伝書の‥‥‥」

 

「そこは確か‥‥‥」

 

完全版ではない(らしい)メイドさん殺法秘伝書は全て暗記している。

まあ、ベル君用に持ってきた秘伝書を出して帰り道もメイドさん漬けにするのは当たり前。

脳をメイドさんに浸してメイドさん脳にするのはメイドさンを広める上で大切なことだ。

脳に瞳を与えるのではなく脳にメイド服を着せるのが一番なのである。

 

「うおっ!」

 

「んぅ、ちょいちょい」

 

ベル君が驚いたように声を上げ、私がベル君にぶつかった少女の手を掴む。

脳をメイドさんに漬けている時になんと無礼なことかという少しの怒りがそうさせた。

 

「どうしたの?」

 

人当たりのいいベル君がとりあえず話しかける。

私が捕まえて、ベル君が尋問する、いい流れだ。

いい感じの連携ができるとはやはりベル君は才能溢れているぞ。

まあ、不器用なのが玉に瑕だけど。

 

メイドさんとメイドさん見習いに挟まれる、どんな楽園だろう。

この小人族(パルゥム)っぽい少女は運がいいな。

逃げるにしても私からは逃げられない。

大魔王からは逃げられないのと同じである。

 

「喋れないの?」

 

多分、この子は喋らないのだろう。

私はともかく、ベル君は冒険者だと思われているだろうし。

冒険者とは恨みを買う職業でもあるから、この子も冒険者に何かされたのだろうか。

メイドさんの洞察力は完璧なのである。

 

「‥‥‥ん?」

 

「足音?」

 

メイドさん見習いでも聞き取れる程度には大きい足音が聞こえる。

怒っているのだろうか、それとも元々足音がでかいのか。

 

「あなたをおいかけてるの?」

 

「‥‥助けて、下さい」

 

ベル君が反応するが、止めさせる。

この都市にいてもう二年だ。

この子は見たところ【サポーター】なのだろう。

冒険者の補佐に回り、荷物持ちや戦闘の援護をする職業である。

意識はしていなかったが【サボーター】の扱いは結構酷いものになっていることは知っている。

メイドさんの洞察は最強、ローブの裏に痣があるのも分かった。

相手が怒っているのはこの子が何かしたからだが、そもそもの扱いにも問題はある。

情状酌量の余地はあるし、なにより女の子の【サポーター】が欲しかったところだ。

それに裏があった方が()()()()()()()

 

「見つけたぞ!このクソ小人族(パルゥム)がっ!」

 

剣を抜いて目が血走っている男。

怒り方に上品さがない、ただ下品である。

その時点で慈悲をかけることはないし、メイドさん道に引き込めは、しないだろう。

こういうのは自分のことを一番に考えているタイプである。

下品で救いようのないただのクズのタイプだ。

 

「ぶべらァッッ!?」

 

「ふっふー。めいどさんのふきょうのために」

 

バットを降る感じに鞘に収めたままの大太刀を男の顔目掛けてフルスイング。

メイドさんは怪力、つまり男は吹っ飛ぶ。

レベル2までなら魔法使わずとも倒せるからね、仕方ないね。

 

「師匠?なにやって」

 

「あれ、てき。だからたおした。おっけー?」

 

「お、おっけー。じゃないよっ!?」

 

「とりあえずかえろ。あのこもういない」

 

「えっ、マジで。ってマジだ」

 

フードを被っていたせいで人相はよく分からなかった。

栗毛とあの目は覚えているので再び会えばすぐに分かるから問題ない。

 

「ほらほら、かえるよ。ふしんしゃもたおしたからもんだいなっしんぐ」

 

「不審者って。事情があったんじゃ‥‥‥」

 

「あったとしてもかんけいない」

 

「まあ、そうだけどさぁ」

 

襲ってきたら敵、敵はみんな等しくぶん殴ろう、

脳筋メイドさんとしての五箇条ではないが教義の一つである。

メイドさんは職業にして宗教にして概念だ。

ベル君にはそれを植え込んであるので納得してくれた。

 

「あのこをめいどさんにひきずりこむ」

 

「ホントに?」

 

「うむ。ふりょうしょうじょにはめいどさんがいいのだ」

 

「薬かな?」

 

事実として不良少女をメイドさんにしたらものすごく可愛くなる。

そして素行も良くなったという実験結果がある。

ソースは私だ。

私が夢の中で私に教えてくれた。

 

「せいしんてきにもいい」

 

「まあ、確かに?」

 

私もベル君もメイドさんになってから、目指してから精神的な干渉は無効化されている。

フレイヤ様の【魅了】も私には完全に効かなかったのが根拠だ。

今のベル君で精神干渉を無効化できるかは、断言はできないけど。

 

「さあ!かみさまにそうだんしよう」

 

「そうだね。何をするにも神様の許可を得なきゃ」

 

おー、とメイドさん仲間を増やすことに私たちは意見を一致させた。

ならば、ヘスティア様に許可を貰ってあの少女を【ファミリア】から奪い取ってメイドさんにするのみ。

もちろん、本人の意思は尊重する。

本人が望めば彼女をメイドさんにして(洗脳)あげよう。

 

ちなみにヘスティア様はものすごく微妙な笑顔を浮かべて許可をくれました。

 

 

 

 

 




短めであります。
リリ編はリリをメイドさんにするだけです。
メイドさんにすれば終わります。
やがて、ヒロインたちはみんなメイドさんになります。
メイドさんは最強、はっきりわかんだね。
メイドさんのステイタスの秘密はベル君のランクアップの時に。


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