初めて仕えた神様は 作:メイドさん大好き
メイドさんの勘というのだろうか。
それとも私が引き寄せているのか。
昨日会った盗人
リリルカ・アーデさんと言うらしい。
本名を使うとは、まだまだ素人よのうと思った。
リリと呼んでほしいと言っていので私はリリさんと呼ぶことに。
ベル君は普通に呼び捨てになってた。
年下を見る目でしたねぇ、それにすっかり騙されているようだった。
まだまだ甘いけど、それがベル君らしいと思う。
リリルカさんをメイドさんにする計画その1というものが私の頭の中で急速に組み上がっていた。
この計画の要は今ベル君が持っているダガーにある。
昨日、ヘスティア様から貰ったパリィに特化した性能をもつダガーだ。
いわゆる【パリングダガー】と呼ばれるものである。
ヘスティア様の血、つまり
鞘にヘファイストスのロゴが彫られているのでこれ単体では店には売れない。
そして、リリルカさんはベル君のパリングダガーに熱い視線を送っている。
ヘファイストスのロゴが入っているそれを盗むつもりであることは簡単にわかることだ、
つまり、計画の第一段階はダガーを
ベル君には悪いが、ここでリリルカさんの弱みを握らないとメイドさんにすることが難しくなる、というか本人の警戒が強すぎて無理だ。
「ローズ?」
「うん?どうしたの」
「いや、ぼーっとしてたからさ」
「もんだいないよ」
計画の第一段階を考えていたらベル君に話しかけられた。
まだ、ベル君に計画のことは話していない。
万が一、リリルカさんに知られたら彼女はこのパーティを去るだろう。
今は一旦戦闘を終え、リリルカさんに魔石やドロップアイテムの回収を任せている。
更なる弱みをと【メイドさん
「終わりましたー!」
「終わったってさ」
「うん。ありがとーねー」
「いえ、これくらい当然のことですから」
リリルカさんが回収を終えてこちらに寄ってくる。
再び探索が開始された。
私もベル君も前衛で、隊列もクソもないがベル君に前に出てもらっている。
ほとんどはベル君に任せっきりだ。
私の仕事といえば討ち漏らしを掃除することくらい。
「━━━!?」
「終わりっ!」
大剣についた血を拭ってベル君は息をつく。
残心を忘れず、つまらないほどに順調にダンジョン探索を進めていった。
七階層、八階層、と順調に。
「じゃあ、リリ。お願い」
「はい!」
人当たり良さげにリリルカさんは反応して仕事をこなしていく。
彼女の仕事ぶりはベテランと呼べるもので、テキパキと終わらせていく様が見えた。
普通にしていても化けの皮は剥がれない、やはり秘密裏に進めた方がいいかと脳内で結論づける。
ベル君に話せば多分彼は簡単にぼろを出す。
私と彼女の間だけの関係にすれば、メイドさんをじっくり布教できる。
そう思い、考えを完結させた。
ならば次はリリルカさんにベル君のダガーをどう盗ませるかを考え始める。
ベル君に話せない、無論リリルカさんにも話せない。
そんな状況でどう誘導すればベル君にバレず、リリルカさんがダガーを盗めるか。
その後のベル君のケアも考えなくてはならない。
‥‥‥どうしたものかと頭を悩ませる。
「ローズ様は、戦闘に参加されないのですか?」
「えっ、うん。べるがやりたいっていってたから」
「‥‥‥そうなんですか」
露骨に残念そうな顔をするリリルカさん。
彼女が私をどう思っているかなど分からないが、多分厄介に思っているだろう。
私がいては盗むに盗めないと。
「りりさん。ごはんはたべましたか?」
「へ?いや、食べてませんが」
「なら、べる!おひるにしますよ!」
少し油断させる作戦に出る。
ダガーを盗まないのならば、少しずつ好感度を上げていかなければリリルカさんのガードは崩れない。
まずは胃袋から、そしてベル君の天然タラシスキルにも頼ってリリルカさんの攻略に臨むのだ。
これはプランB、決してダガーを盗まなさそうだからと即興で思いついた策ではない。
「えっ、早くない?」
「きょうはすこしはやめに。はい、おべんとう」
ベル君の分と私の分、後はリリルカさんの分なのだが、もちろんない。
最初は二人で潜るつもりだったが、それが功を奏したらしい。
適当な
多分ベル君はリリルカさんにお弁当を分けるだろう。
「ならすこしはりりさんのこころもゆれるはず」
そう、二人に聞こえないように呟いた。
たまに出てくるモンスターを一撃で仕留めながら、流し目に二人の様子を見る。
今日のお弁当はサンドウィッチだ。
リリルカさんがサンドウィッチを食べている。
つまり、ベル君が渡したということだろう。
私も
だから、常に一人で探索を続けてきたのだが、陰口は聞こえるものだ。
世間の小人族《パルゥム》の扱いと【サポーター】の扱い。
想像するだけで気分が悪くなってくる。
「めいどさんになればしあわせになれる」
私が証拠だ。
彼女のこれまでの人生は想像するには難い。
私はヘスティア様に出会い、メイドさんになり、ベル君や友に出会った。
今私は確実に幸せの絶頂にいる。
救わなければと思ってしまうのだ。
これは
なれば、私たちの総意だ。
「ローズー!」
「ん、」
食べ終わったらしい。
私とベル君が交代して、私はご飯をベル君が見張りを担当することになる。
「おいしかった?」
サンドウィッチを手にリリルカに聞く。
リリルカは困った顔をして、返答する。
「‥‥‥はい」
「よかった。もっと食べる?」
ほい、とサンドウィッチをリリルカに差し出す。
私は少食だという一言もつけた。
「もらいます」
「どうぞ」
私特製のサンドウィッチだ、美味しく食べてくれれば嬉しい。
「いい食べっぷり」
「‥‥‥ッ!?」
ニヤニヤしながらリリルカを眺めているとこちらに気づいた見たいで顔を赤らめた。
ベル君やヘスティア様には及ばないまでも可愛い。
「もっとたべる?」
「い、いらないですっ!」
「うむむ、かわいいのに」
「か、かわっ、やめてください!」
恥ずがしがっているリリルカさんも可愛いものだ。
ベル君も最初の頃はよく照れてたなぁ、いやまだまだ
そんな可愛いリリルカさんなのだが、抜け目の無い性格のようで帰り際にしっかりとダガーを盗んでいった。
これまでの恨みを一食のご飯で返せるとは思っていないで問題はない。
「べる、わるいけどさきにかえってて」
「え?何かしに行くの?」
「うん。やぼよー」
「分かったけど、早く帰ってきてね?」
「おーけー。きょうのばんごはんたんとーはべるにまかせた」
「おっけ。最高のもの作るよ!」
「がんばえー」
そんな感じでベル君と別れた。
進む先はリリルカさんの向かう先。
オラリオにいてもう二年も経つのだ、オラリオの地理はだいたい把握している。
【メイドさん殺法】に索敵する技はないが、予測はつくのだ。
ということで、往くとしよう。
「ども」
「‥‥‥!?」
「りりさん、にげないでね」
首根っこを捕まえる。
路地裏で張っていたら来るだろうと思ったが、大的中であった。
「りりさん?私はそんな名前じゃあ」
「どんなてじなをつかったかわかりませんけど、あなたはりりさんです」
男になっているようだ。
まあ、そんなものはメイドさん
そんなわけで問い詰めることにする。
「それにこれですよ、これ」
【パリングダガー】をかすめとる。
私が持っても
うん、確かになまくらだ。
「べるのですよね」
「それはっ!」
「ひていしない、ぎるてぃですね」
リリルカは怯えた顔をする。
青ざめた顔だ、これはこれで‥‥‥いやこんな顔はダメだ。
「ついてきなさい」
「はい」
あー、目が虚ろになっちまったー。
顔は青ざめたままだー、今すぐ救わなくちゃー。
ベル君への贈与はカットです。
ベル君のダガーの正式名称は【ヘスティアダガー】ですけど2人とも【パリングダガー】と呼んでいます。
これからファランの不死隊的感じにしていきますので。
考えたらね、【竜の特大剣】をどうしよっかなって。
ローズさんのメインはずっと変わらず【無銘】なんです。
無銘についてもいつかやらなきゃなぁ。
これからリリルカさんはどうなるんでしょうね。
最後に。
魔法少女()様とコラボさせて頂きました。
ローズちゃんね、大体赤ちゃんだからね。