初めて仕えた神様は   作:メイドさん大好き

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師匠らしく頑張る幼女好き。


三十一話

平和に終わってよかったよかった、そんな感じに宴会はお開きになり解散。

ゆっくり眠って翌日である。

宣言通り、私はダンジョンにはついていかない。

てかしばらくはダンジョンには潜らないつもりだ。

理由としてはベル君の成長を願っているから、後ダンジョンに潜る必要性が薄れてきたからだ。

ベル君がいるし別にいんじゃね?的な感じである。

駆け出しとはいえ不死身になれるベル君だからヘーキヘーキ。

 

まあ、準備くらいは手伝ってあげようという先輩風は吹かせておく。

何をするかというと、まあ折れた剣の代わりと新しい鎧をヴェルフに頼みに行くくらいだ。

マジでそれくらいである。

回復アイテムとか必要ないのかと思ったがこれまでもなしでいってたわ。

てかベル君も輸血液で回復できるようになってた。

割と恐怖である。

 

ということでほとんど何もできずにバベル前の広場に着いた。

ヴェルフをパーティに勧誘するのは上手くいった。

そしてヴェルフはベル君に特別な武器を贈りたいと思ったらしい。

うむ、その気持ちは大いに分かるぞヴェルフ君。

なので素材を取りに行こう、そんな感じに三人パーティができあがった。

 

そこで私は思ったわけである。

先輩風を吹かせたいと、師匠らしくなにか口添えしたいと。

なので考えた訳だ、なにかないかなと。

そこで私は思いついた。

素手でモンスター倒すように言おうかなと。

今、ベルの手に握られているのはヴェルフ作の何の変哲もないロングソードだ。

そして私はベル君に一応格闘技術は教えている。

ロングソード無くなった時用、とかパリングダガーのみで戦う時用とかそんな感じである。

不測の事態はダンジョンでは当たり前であるし、常に万全の状態でなどということは夢物語だ。

 

ということで、頑張れベル君。

 

 

 

 

 

 

ダンジョンに入っていくベル君達を見送る。

昨日の発言がマジでリリルカが少し驚いていたがそんなに気にはしない。

まあ、ベル君が理解してくれているさ。

ヴェルフとも長い付き合いだしね。

 

「さて」

 

暇、ではない。

今日の予定はもうすでに埋まっているのだ。

記念といえばプレゼント、プレゼントといえば記念である。

私がこれからやることはつまり、ランクアップ記念のプレゼント探しだ。

まだ駆け出しだが、メイドさんになった記念でもある。

 

しかし、何が良いのだろう。

ランクアップ記念とメイドさん記念、まあこの二つは同時に達成されるべきものでありこの二つを兼ねるプレゼントは何か。

軽鎧とロングソードはヴェルフが作ってくれるし、そのほかの武具は特に必要なものでもない。

特大剣は本人の肌に合わなかったようだし。

 

ベル君ならどんなものでも喜んでくれそうだがどうせなら実用的なものがいい。

ヘスティア様ならアクセサリーとかドレスとかなのだが、ベル君の場合ならと考える。

 

「―――何がいいんだろなぁ」

 

魔道具(マジックアイテム)ならばいいだろうか。

私にそれを作れるような技術はないし、作れるような人は知っているけれど主神が気に食わないためあまり行きたくない。

仮に魔道具(マジックアイテム)を贈るとしても、値段やどんなものにするかも決まっていない。

なので却下である。

 

次に思いつくのは魔法関連のものだろうか。

ベル君の魔法は不死鳥となり、体を炎へと変じさせるもの。

あとは炎の付与(エンチャント)である。

―――よさげな物は思いつかないな、次。

 

思いつかねぇ。

よさげなものは全く、思いつかねぇ。

 

いやいやいや、おかしい。

ベル君は少年だ、それも中坊くらいの。

ならば過去に私が欲しがったものをあげれば、オラリオにある訳がない。

しかし好みくらいは分かるはずだ。

彼の好みは、なんだ?実用的なやつか?

何あげても喜ぶなベル君は。

うむ、あの子はやはりいい子だ。

 

プレゼントを選びづらいやつだなベル君はよォ。

しかしどうしたものか。

思い立ったが吉日ということで考えたが特にいいものが思いつかん。

じゃが丸くんあげても大喜びしそうだから何あげたら喜ぶかがマジで分からん。

直近で使いそうなやつとか絶対に使いそうなやつがいいよな。

 

「エイナさん。相談に乗ってほしいのですが」

 

「えっ?どうしたのローズちゃん」

 

人に頼るのも一つの方法だぜ。

こういう時に使わなければ頑張って広めた人脈も宝の持ち腐れというものである。

ベル君のことをよく知っていて、ギルド職員のエイナさんなら何かいいことが聞けるかもしれないZE!

 

「ベルのランクアップの記念に何かプレゼントしたいのですが、どんなものがいいのでしょう」

 

「ベル君に?」

 

「はい」

 

私に聞くのか、という風にエイナさんは聞き返した。

私よりあなたの方がベル君のことを知っているだろう、まあそりゃそうである。

でもまぁ、私の想像力が貧弱なものでろくなものが浮かばなかったのだ、仕方ない。

 

「うーん、どんなものがいいかは聞いた?」

 

「聞いてません。聞いたとしても何でもいいとしか答えられなさそうで」

 

「あー、確かに」

 

「なのでどんなものがいいのかなぁー、と」

 

「役には立てないと思うけど」

 

「アイデアだけでも」

 

エイナさんは分かった、と言ってくれて考えてくれる。

いい人だ、ものすごくいい人だ。

やっぱりエルフなんだよなぁ(偏見)

 

火精霊の護布(サラマンダーウール)はどう?」

 

火精霊の護布(サラマンダーウール)ですか」

 

「ええ、中層に行くなら必ず使うものだからね」

 

「おー、それはいいですね。なら水精霊の護布(ウンディーネクロス)もいいかも」

 

「そういうものが無難だとは思うな」

 

「ありがとうございますエイナさん。参考にします」

 

その二つは想像もしていなかった。

ダンジョン探索上必須になる装備品はいいかもしれない。

ということで候補に入れておこう。

良さげなものがなければこれで決定だ。

 

「どういたしまして。じゃあね〜」

 

「はい、また今度」

 

そんな感じにエイナさんと別れてギルドから出る。

そして次なる相談相手は誰にしようかと頭を巡らせる。

【豊饒の女主人】は論外として、他のところだ。

あそこは割と素っ頓狂な返答が返ってくる。

絶対にだ、特にリューさんだよ。

あの人ポンコツなんだ、他の人はアホとふざけている人。

相談相手には選びたくない人達である。

 

【タケミカヅチ・ファミリア】は、ないな。

恋する乙女が二人に鈍感が二人。

完全に変な方向に拗れる。

やはり正解は無難に終わるのだろうか。

 

「やあ」

 

「ん?」

 

誰かの声、ここは路地裏。

後ろから聞こえるそれは確かに私を呼んでいるらしい。

妙に聞き覚えのある声で、何か気持ち悪い。

 

「こんにちは」

 

「!?」

 

思わず背中がゾワッとして、後ろに飛んだ。

いたのは白衣の女。

 

「誰?」

 

当然、私は知らない。

この女を私は知らない。

きっと私は知らない。

知りたくない。

 

「私?」

 

微笑み、端正な顔の緩やかな笑顔は綺麗だ。

外面はきっと、ものすごく良い人なのだろう。

中身はどうなのかなど、私には分からない。

 

「フフ、そう警戒しないで。お届け物を届けに来ただけよ」

 

「知らない人からものを貰っちゃいけないんです」

 

絞り出した言葉はそれだった。

何を言っているのだろうかわたしは。

からだがうごかない。

 

「そうなの?」

 

表紙はの文字は読み取れる。

白衣の女が持っているのは本のようだ。

【メイドさん秘伝】という本である。

 

「仕方ないわね」

 

人差し指が私の額に伸びる。

不審者の手を払わなければ、そう思った。

 

「ちょっと我慢してね、ローズマリー」

 

なんで私の名前を知っている。

わたしのなまえは、しられてない、はず。

 

 

 

 

 

 

 

「駄目ね、やっぱり接触は控えないと」




ベル君側をカットしてローズ側のみを書くかベル君側も込みで書くか悩み中。
ローズちゃんにとって母親、というか親はは色々と苦い思い出があるので頑張って表現しなくてはと思っております。
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