初めて仕えた神様は 作:メイドさん大好き
いやまぁリューさんいるだけでヌルゲーなんですけどね。
ヘスティア様を守るように進む。
道は、リューさんが切り開いてくれている。
簡単な話だ。
リューさんはレベル4でその中でも最上位レベルでアスフィさんも私も主神を守りながら簡単に進めるくらいの強さはある。
タケミカヅチ・ファミリアの三人も討ち漏らしたモンスターを倒す程度なら訳ない。
安泰がすぎる行軍な訳だ。
リューさん過労になるんでね?とは思ったけれどあの酒場で働いてるし、まあ問題ない。
【豊饒の女主人】での労働は、まあブラックですし?
あそこで働けば体力から筋力まで育ちますし?
そのおかげで私は強くなりましたし?
そんな訳で頑張ったわけですよ。
いやぁ、リューさんお強いですね。
分かってましたけど。
「ローズさん」
「どうしました覆面さん」
一応、覆面さんと呼んでます。
リューさん一応ブラックリストに入ってるからねぇ。
そういう体裁ですよ。
ヘルメスにバイト先に連れてかれたのホント驚きましたねぇ。
そして突然土下座しだすのにも驚きましたわ。
私がミア母さんに事情説明して来てくれると嬉しいって言ったら割とすんなり許可出してくれた。
その代わり帰ってきたら働けってさ。
大歓迎なんですけどね。
「ありがとうございます」
「えっとぉ、お礼を言うのは私たちの方なのですがね」
「いえ、ちょうど良かったんです。それに光栄だ」
「すみません、ホントによく分かんないです」
リューさんに対して何言ってんだコイツ状態なのですな。
用事についてはだいたい想像はつくのだが、お礼を言う理由が分からん。
いやまあ確かにリューさん初対面の時から私についてやけに詳しかったよ?
うむむぅ?何言ってんだコイツ。
緊張感MAXな雰囲気の中、私の頭の中は意外とゆるふわである。
中層でリューさんとアスフィさんがいるこの現状、ヘルメスとヘスティア様という爆弾がいてもそんなに気にならないのだ。
ばったばったとモンスターを斬り捨てるリューさん、ヘルメスを守りながら立ち回っているアスフィさん。
「‥‥‥ローズ殿」
むむ?この声は命ですねぇ。
ずっと土下座アンド何も話してなかったのにどうしたんですかね。
「どうしました?」
「あの、本当に」
申し訳ありません、と続けられた。
いやいやいや、私に言われても困る。
それに死んでないので割とどうでもいいとすら思っている。
「私に言わないでくださいな。その言葉は私に向けるものではないでしょう」
まあ、生きてるし。
大事なことなので何度も言うけど、生きてるし。
ベル君が生きてるなら確実に二人も生きてるし。
うむ。謝られると罪悪感が出てきてしまうので困ってしまうのです。
「ベルはまだ生きてるんです。その言葉はベルに言ってくださいね」
あとね、命にはね。
教えてない料理あるんですよ。
約束してたけどベル君に構ってしまって延び延びになってたやつ。
命はねぇ、和食美味しいし洋食もまあまあ作れるのよね。
なので、スイーツ教えてないタケミカヅチ様のハートキャッチするぜ的な約束してたんですわな。
「帰ったら扱きますので覚悟しててくださいね」
いやぁ今思い出しました。
危ねぇ、これ私の不義理がベル君たちに及んだんじゃね?
‥‥‥いやホントにごめんなさい許してください神様。
「約束は守るんだよ?」
「‥‥‥はい」
ヒソヒソとヘスティア様が耳打ちしてきた。
私の心を見透かしていますねぇ、いやホントごめんなさい。
帰ったら酒場で重労働したあと命と千草に死ぬ気で料理教えます。
達人くらいにしますんで。
なんか罪悪感がものすごいなぁ。
ようし、働こう。
背中の無銘を抜く。
やっぱり長いねこの大太刀。
私に持たせた奴の顔見てみたいわ、そして殴る。
「働いてきます」
「うん」
ローズマリー、行きまーす!
とそんな意気込みで突っ込む。
歩法、メイドさん歩きで神速に片足突っ込んだ速度に昇華させリューの前方にいたアルミラージを斬り飛ばす。
あ、こいつベル君に似てる。
「ローズさん?」
驚いたようにリューさんが私を見る。
「すみません、働きたくなったので。ヘスティア様をお願いします」
「分かりました」
さすがリューさん、やり取りは短く直ぐに下がってくれました。
そして前方モンスター群をどうしましょうかね。
まあいつも通りが正義でしょう。
メイドさん殺法には当然ながら剣術も入っているのだ。
数は十、とりあえず余裕の範囲内である。
ヘスティア様やヘルメスがいる関係上殲滅しながら進まなければならないし、魔石やドロップアイテムの回収はほぼほぼ無視しなければならない。
勿体ないけれどどうしても欲しいものではないのでスルーなのだな。
わりと千草たちがひろってくれるのありがてぇ。
と、こんな感じにリューさんと私で交代しながらの行軍であった。
スムーズが過ぎてちょいと不安にはなりましたわん。
「これは‥‥‥」
「崩落ですか。三階層分ですかね」
ということで崩落した場所を発見しました。
上を見ればおそらく三階層くらいであろう大穴が空いている。
あと言えることはポーションらしい液体が散乱していることくらいだろうか。
死体は見受けられない。
「これは、落ちたのでしょうか」
「でしょうね。遭難の理由はこれでしょう」
恐らくだが、不注意でヘルハウンドに炎でも吐かれての崩落かそれとも魔法の出力でも間違えたか。
壊れたところを修復はできてもダンジョンは脆くなって来たところを修復はできないし、おそらくこれも冒険者を確実に殺すための悪意なのかもしれない。
遭難した場所は分かった、しかしここにベル君達はここにいない。
ならばどこに行ったのか、そう思案する。
まあ、リューさんとアスフィさんの頭の中と私の考えは同じだろう。
地上を目指したならば朝にはもう着いているはず。
しかし、ここから地上を目指すのは困難だ。
ならば答えは一つだろう。
ダンジョンで唯一の街があり、モンスターも生まれない
縦穴という階段を使わず階層間をショートカットできるものがあって地上を目指すより楽だしね。
ということで目的地が決定致しました。
十八階層ですね。
どこかで保護されてるかなぁ、と思ってみたりしてみるとなんとなく心当たりはある。
今だと【ロキ・ファミリア】がいるだろうなぁ、ベル君あいつらの目の前で死んでからいきかえってミノタウロス倒したなー。
まあそゆことですよねー、【ロキ・ファミリア】が彼ら保護してますよね。
してくれてなかったら多分死んでるよねー理論ですわね。
めんどくさいのよねあのファミリア。
特に団長さんよ、幼児口調で何とか乗り切ってきたけど今だと求婚される可能性高いのよ。
「どうしました?ローズさん」
「‥‥‥いやー、なんでもないです」
会いたくねぇ、ものすごく会いたくねぇ。
主にママ属性もりもりのハイエルフとか英雄になりたがってる小人族とか強くなりたがってる金髪半妖精とか。
行くしか、行くしかないのか。
リューさんについていきたぁい。
「あ、ゴライアスっていますっけ」
「【ロキ・ファミリア】が討伐していないならいるかと」
アスフィさぁん、あなたの情報信憑性高杉君なのよね。
つまりいるんだなぁ、このパーティで相手できるかというと無理ですね。
足でまとい二人抱えて勝てるほど生易しい相手じゃないし。
リミッター外したらワンチャンあるんでない?くらいだろう。
なので逃げだ、いたら縦穴に全速前進だ。
憂鬱な気分だが進むぞえ。
Q.ローズちゃんはゴライアスを単独討伐できるか。
A.余裕です。