初めて仕えた神様は   作:メイドさん大好き

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休みの一日。


第四話

ベル君の成長は少しずつだが確実だ。

一人でダンジョン探索をするには十分な実力にはなっているだろう。

生活費と貯金、そして廃教会の修繕費。

お金の管理は私に一任されているけれど、使い道はしっかり話し合って決めることにしている。

半月、ベル君と一緒に廃教会の修繕を進めて半月だ。

 

「きれいになったね」

 

「うん」

 

隣にはベル君がいて、修繕がほとんど終わった教会を眺めている。

穴などは補修済み、汚れや蔦を掃除したがそんなに綺麗ではない。

しかし、初期と見比べると見違えるくらいには綺麗にはなっている。

何とか掃除したいが、自分の体の小ささがこういう時に憎くなるのだ。

 

「椅子とかはどうしたの?」

 

「ぜんぶまきにした」

 

「ああ、そういうことか」

 

教会の裏にある薪の山を思い出したのだろう。

ベル君は納得したように頷く。

 

「なか、そうじしよう」

 

「わかった。箒は?」

 

「なかにある。あとべるはもっぷつかって」

 

「おっけー、分かった」

 

外を整えたら次は中を掃除するべきだ。

椅子などの家具が無くなった室内は掃除しがいがあるぞ。

ちょうど今日は休みの日だ、だからベル君と一緒に掃除をする。

私は箒を、ベル君はモップ、元々あった掃除用具を使って掃除を進めていく。

しかし、まだまだだ。

窓は取り替えなければならないし、石畳は磨き直して雑草は除去しなければならない。

 

「きゃたつない?」

 

「ないね。除草剤は、ナァーザさんのところで買おっか」

 

「あったっけ」

 

「分かんないけど」

 

「そっか」

 

ナァーザさんとは【ミアハ・ファミリア】の団長だ。

昔は中堅くらいの派閥だったらしいけど、今は団員がナァーザさんのみらしい。

よく分からないけど、色々あったのだろう。

医療系のファミリアで、私たちがお世話になっているファミリア。

割と何でも用意してくれるので除草剤も用意してくれるだろうか。

 

「窓は、どこで用意すればいいんだろ」

 

「うーん、どこなんだろ。へふぁいすとすさまとか?」

 

「鍛治系は、なんだかなぁ。商業系?」

 

「しょうかいにいらいする?」

 

「高くなりそうだなぁ」

 

「しばらくがまんだね」

 

「そうなりそうだねぇ」

 

窓ガラス、ステンドグラスは少し掃除して使えそうであったが他の窓はそのままでは使えそうになかった。

扉はなんとか解体して、新しく作り直した。

秘密の入り口も改修したし、今できることは石畳を磨くことくらいか。

 

「みがきますか」

 

「中?」

 

「うん」

 

「やろっか」

 

最初は二人、夕方にヘスティア様が帰ってきて三人。

ピッカピカに床を磨いた後に肩車をしてもらって壁も磨いた。

ヘスティア様に肩車してもらうのはものすごく抵抗はあったが、良かった。

ものすごく良かった。

 

「綺麗になるのはいいもんだねぇ」

 

「ここでお茶会でもします?」

 

「いいね、それ」

 

「じゃあがんばっておちゃがしつくりますね」

 

「楽しみだねぇ」

 

しみじみと磨かれた床の上に直に三角座りをして天井を眺めていた。

薪として解体した木材を梯子に作り直したかいがあった。

梯子はもう一度解体して薪のために裏に積んである。

あとは机や背もたれつきの椅子を買うか作るかしたらお茶会ができるだろうか。

お茶会なんてやったことないのでよく分からない。

 

「よし、ごはんつくりますか」

 

「あ、手伝うよ」

 

「ありがと」

 

「ボクはシャワー浴びてくるね」

 

「べるはかみさまのつぎにはいってね」

 

「分かった」

 

私は最後に入る、最初はベル君も抵抗があったみたいだが今は理解してくれている。

メイドさんは自分以外の家族を優先するのは当然のことなのだ。

手伝ってもらうのも慣れた。

ベル君、中々家事できるし。

 

「今日は何作る?」

 

「むー、おつけものとごはんとおみそしる」

 

「味噌あったっけ」

 

「あるはず」

 

味噌はオラリオになかったので何とか大豆を入手して作った。

極東系のファミリアの人達に助けを頼んだものだ、ご飯も彼らから貰ったものである。

最初に食べた時になんだか泣けたのだが、何故かは分からない。

 

『出たよー!』

 

「べる」

 

「行ってくる」

 

ヘスティア様の元気な声が響いてくる。

そして、ベル君がシャワーを浴びに行った。あとは

土鍋と味噌汁の入った片手鍋を見ていればいいだけなので特に問題はない。

 

「うむ。できた」

 

味見は、普通に美味しい。

お漬物もいい感じで、ご飯も炊き上がっている。

買い物に行くのを作業に行くのに夢中になって忘れていたのでこんな感じになったが、許してくれるだろうか。

 

「おいひい」

 

「うん、美味しい」

 

ベル君とヘスティア様は美味しそうに食べてくれている。

もっとできたかなぁ、となんとか表情には出さずに食べていく。

美味しくはあるがまだまだ未熟である。

 

「あしたはなにたべたいですか?」

 

「明日?」

 

「うーん、魚かな」

 

「わかりました」

 

ベル君は悩んでいる様子で、ヘスティアは割と即答で。

確かに最近は野菜ばかり食べていた。

そろそろ肉や魚を食べたくなってくる。

 

「ローズ」

 

「なに?」

 

「ホントに分かれてダンジョン潜るの?」

 

味噌汁を飲み終わったベル君が話題を切り出す。

 

「そうだね。そろそろだいじょうぶでしょ?」

 

「大丈夫だけどさ、ローズは大丈夫なの?」

 

「だいじょうぶだけど」

 

「え、一人で?」

 

ダンジョン探索ならば、一人でも問題ない。

ベル君もそろそろ一人でも問題なくなってきたはず。

だから問題ないはずだったのだが、ヘスティア様に怒られた。

収入より安全を考慮しなさいと、必要ならバイトを増やすとも。

 

「ばいとをふやすのはだめです」

 

「なら心配させないでおくれ」

 

「でももっとしゅうにゅうを」

 

「そんなに厳しいのかい‥‥‥?」

 

「うっ」

 

生活するだけならばそんなに厳しくはない。

貯金もできているから、不測の事態があっても対応できるようにもう少し貯金がほしい。

 

「きびしくないです」

 

「だろ?ゆっくりいこうじゃないか」

 

「‥‥むぅ」

 

「そんな顔してもダメ。ベル君も心配してるんだよ?」

 

それを言われては弱い。

ヘスティア様に心配されるとなんだか言い返せない。

確かに一人より二人の方が安全な時も多いし、ベル君も中々熟れてきている。

頼れる男の子、私から見たらそんな感じだ。

無理してそうだがなぜだかいつもツヤツヤしてるので心配はしていない。

 

「頑張ってくれるのは嬉しいけど無理はしちゃダメだよ」

 

「むりなんてしてません」

 

全部好きでやっていることだ。

疲れなんてヘスティア様のおかげで全て吹っ飛んでいるし。

ヘスティア様は抱き枕として見ても最高のものだと思う。

 

「ボクもこれは過保護だと思うけど、分かっておくれ」

 

「むぅ、わかりました」

 

「ありがとう」

 

肩に手を置いて見つめてくるヘスティア様に負けた。

なんか、言葉にできないくらいには凄い。

 

 

 




この頃急に伸びてて驚きました。
このヘスティア様はベル君に恋していません。
魅力はありますが、家族として見ているのですな。
廃教会の修繕を休みの日にやっていました。
畑や花壇も作ろうかなと考えています。
断ろうとヘスティア様とベル君も手伝いますけどね。
ベル君は、逞しくなってます。
ローズがいるからベル君なら当たり前ですかね。
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