インフィニット・ストラトス 交差する閃光   作:飴玉ベジット

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今日までほぼ一年、更新せずにすみませんでした。

今回の話ですが、間接的に本編とも関わりはあるので、こういう形にしました。

それと多分駄文になっています。


episode19.5 交渉と真意

 

 〜デュノア社 エントランス〜

 

 デュノア社は軽くザワザワなっていた。何故ならフードを深く被っている男性がいてたからだ。

 

 そして、その男は周囲の視線に気にすることなく、受付の方に行った。

 

 「アルベール・デュノア氏に会いたいのですが…」

 

 「申し訳ありませんが、お約束のない方と合わせるわけにはいきません」

 

 受付嬢はきっぱりと断る。

 

 「自分、こういうものなんですけど……」

 

 男が自分の名刺を取り出し、それを受付嬢に見せる。

 

 「!?わかりました!すぐにご案内します!」

 

 その名刺を見た受付員は、慌てて案内にしだした。

 

 

 

 そして社長室に案内された。

 

 「社長、お客様です」

 

 「誰かね君は?姿を見せたらどうだ?」

 

 社長に言われるまま、男はフードを外した。すると、社長のアルベールは驚いていた。

 

 「初めまして。Z.A.F.Tのテストパイロットをしてる仙道拓巳です。今日は交渉しにきました。」

 

 「…まさか、実際に男性操縦者の一人に会えるなんて、どこか複雑だよ」

 

 複雑な表情で息を吐くアルベールに、卓也は苦笑いする。

 

 「こんな格好ですみません。なにせ顔を晒したら面倒なことになりそうだったので…」

 

 「まぁ、取り敢えず座りなさい」

 

 拓巳は、社長室にあった来客用のソファに座った。

 

 「まずはこれをご覧ください」

 

 拓巳は会社から託されたタブレット端末を見せた。

 

 「これは…」

 

 「そうです。Z.A.F.T(我が社)が現在開発している新型の量産機です」

 

 タブレットに映されていたもの、それはは現在Z.A.F.Tが開発中の新型ISのスペックが書かれたデータだった。

 

 「この機体は見ての通り、今までにない第三世代兵器を内臓しています。スペックも申し分ないのですが、なにせとんでもない暴れ馬になってしまうんですよ」

 

 「…そこで我が社のリヴァイヴのデータが欲しいと?」

 

 「と言うより、デュノア社との技術提携を結びたいのです」

 

 「…我が社の利益は?」

 

 「この機体の売り上げの半分をお宅の会社に渡します。もしよろしければ、イグニッション・プランでデュノア社とZ.A.F.Tの合同でなら出していいですよ」

 

 アルベールは、この交渉を受けた後のメリットとデメリットを脳内で天秤にかけていた。そして、彼が出した答えは……

 

 「わかった。引き受けよう」

 

 交渉がせいこうしたので、拓巳はホッと息を吐いた。

 

 「で、本当の目的はなんだね?」

 

 内心ではギクっとしながらも、拓巳は白をきることにした。

 

 「?どういうことですか?」

 

 「とぼけてるつもりか?たかだか交渉の為に貴重な男性パイロットを使うはずないだろう」

 

 どうやら、アルベールには拓巳が来たのは交渉だけではないことが見破られたようだ。

 

 「わかりました。俺が来た本当の目的をお話しします。ですが、その前に奥様をよんでもらえないですか?」

 

 「?どういうことだ?」

 

 「これから話すことは、なんせお子さんのことですから」

 

 お子さんという言葉にアルベールはピクっと反応した。

 

 「安心してください。別に咎めに来たんじゃないですよ。ただ、話が聞きたいだけで」

 

 「わかった」

 

 しばらくすると、ロゼンダ・デュノアが入室し、目が合った拓巳はロゼンタに会釈した。

 

 「単刀直入にお伺いしますが、お2人は子供さん……シャルロット・デュノアさんのことはどう思っているのですか?」

 

 拓巳の質問に、頭を下ろす。先に答えたのはロゼンタだった。

 

 「ひどいことをしたって思っているわ。でも、あの時はああするしかなかったの」

 

 「ああするしかって……それってどういうことなんですか?」

 

 アルベールが説明する。

 

 「デュノア・グループで、シャルロットを暗殺しようとする動きがあったのだ。それを知った私たちはなんとかシャルロットを守る方法を考えた。考え抜いた結界、シャルロットをIS学園に送ることを決めた。IS操縦者は世界でもっとも保護された存在。だからこそシャルロットをわが社のテストパイロットにしたんだ。IS学園にいれば、デュノア家の親族による圧力も及ばないからな」

 

 この話を聞いた拓巳は複雑な思いだった。

 

 (シャルロットを守ろうとしたというところでは、少なくとも2人は俺の両親に比べると自分の子供を愛しているとは思う。男装して男性操縦者(俺たち)の内誰かのデータを奪えっていう命令も、シャルロットをIS学園に行かせる為に周りに対しての名目と辻褄合わせと思えばなんとかわかる。……でも。)

 

 それでも、拓巳には1つ聞かなければならないことがあった。

 

 「それは、シャルロットに言ったんですか?」

 

 「言えるはずもない。そもそも関係がこじれていたのに、どうやって説明しろというのだ」

 

 「!?なんで言わなかったんですか!どれだけ思っていても、言葉で説明しなきゃ何も伝わらないじゃないですか!」

 

 「君に何がわかるというのだ!」

 

 「少なくとも、1人ぼっちだったシャルロットの辛さはよくわかってるつもりです!……俺も同じ境遇に遭いましたから」

 

 その言葉に、デュノア夫妻は驚いていた。

 

 「子供にとって1番辛いのは、親に何もしてくれないことなんですよ。歳なんか関係なしに。彼女も言ってましたよ。辛かったけど、2人に家族だって認めてほしいから頑張ったんだって」

 

 拓巳の言葉は、デュノア夫妻に衝撃を与えた。忙しさやその他諸々の事情があったとはいえ、何もしなかったことがここまで娘に辛い思いをさせていたことに。

 

 「ここから先は俺には何も言えません。後は家族3人でしっかり話し合って仲直りしてください。それと、これまでのこと、シャルロットにちゃんと謝ってください。状況とかからでは仕方なかったかも知れませんが、あの娘も傷ついていたことには変わりはないのですから」

 

 

 

 

 

 

 「いいんですか?プライベートジェットなんて使わしてくれるなんて…」

 

 「構わんよ。なんせ家族の中を取り戻すきっかけをくれたからな」

 

 拓巳の質問に、アルベールは憑き物が晴れたかのように笑って答える。なんと、彼は世界に五人しかいない男性操縦者とはいえ、普通の少年に自社のプライベートジェットを貸したのだ。

 

 「今日は本当にありがとうございました。これからのプランはZ.A.F.Tに連絡してください。では、自分はこれで」

 

 「ああ。その前に、一つ聞きたいのだが、いいかな?」

 

 「はい?」

 

 フライトの準備を終え、そろそろ発進する為に搭乗しようとした矢先、拓巳はアルベールに呼び止められた。

 

 「君は…………?」

 

 「え?」

 

 アルベールの質問に、拓巳は答えることができなかった。

 

 

 

 

 拓巳を見送ったデュノア夫妻はどこか嬉しそうな表情だった。

 

 「それにしても、あの子をIS学園に行かして、本当に良かったですね。あなた」

 

 「そうだな」

 

 アルベールは、拓巳の乗った飛行機を見ながら、独り言のように言った。

 

 「いつか、君の出す答えを聞ける日を楽しみにしてるぞ」

 

 

 




拓巳のお膳立てはうまくいきました。後は本人次第です。

それにしても、アルベールの質問ってなんなんでしょうね?(すっとぼけ)
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