Feel the Transient.   作:SOLUNA

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題名から分かるように、ブルグがあの人物と接触します。
では、どうぞ。

博士の名前を変更しました。


Contact with the professor

西暦2307年。地球からやや離れた宇宙空間から足に大型のブースターを付けた一機のガンダムが地球圏に向かっていた。

 

名前は「GN-9999 トランジェントガンダム」だ。このトランジェントガンダムは()()()()()のためにソレスタルビーイングの一部の関係者によって製造されたオリジナルの太陽炉を搭載したガンダムだった。当然ながら、ソレスタルビーイングやフィレシュテのメンバーですら認知されていない機体だった。武装は両腰にマウントされているGNトランジェントブレイド、GNトライバスターライフル、GNビームサーベル、両肩と腰に4つずつ合計八基のGNサーベルファング(試作型)、GNマルチウェポンシールド、GNフィールドといったトランジェント専用の武装が多数用意されている。

そして今現在、このトランジェントに乗り込んでいる()()()()()()()こそ、日本人とドイツ人のハーフで、日本国籍で城島一樹という名前を持つ日本人の顔も持つ青年「ブルグ・シュヘンベルグ」だった。名前から分かるように、今戦争・内乱など世界中のあらゆる武力紛争に同じ武力をもって介入し、戦争根絶を目指す私設武装組織「ソレスタルビーイング」を設立したイオリア・シュヘンベルグの末裔である。とある事から、イオリア・シュヘンベルグのイオリア計画の本質を知ると同時に、計画の意味を深く理解し、その計画の先を見定めるためにガンダムパイロットとしての訓練などを身に着け、トランジェントガンダムのパイロットになったのだった。

 

ブルグは地球圏の近くまで移動中、静かな宇宙空間で今後の作戦や行動を考えながら小説を読んでいた。すると・・・・・、

 

 

 

ピッ・ピッ・ピッ

 

 

 

「ふう。やっと地球圏に到達か。長かったな。」

 

そう言うと、コックピットのボタンを操作して、脚部に接続していたブースターを分離させた。

 

そして、トランジェントをGNフィールドで覆い大気圏に突入していった。

 

 

 


 

 

 

一方、此方はユニオンのとある住宅街にある一軒家の一室。そこには一人の老人がパソコンと熱心に向き合っていた。彼の名はレイフ・エイフマン。彼は世界的に有名なユニオンの技術者で、現在73歳。機械工学や材料工学といったあらゆる工業分野に精通しており、その見識の深さを見込まれて、ソレスタルビーイングの武力介入後、対ガンダム調査隊に技術主任として招聘された。その腕前は確かなもので、ユニオンのエースパイロットのグラハム・エーカーの依頼を受けてフラッグの強化改修を行い、わずか一週間でカスタムフラッグを完成させていることからそれが証明されている。なお現在ユニオン軍のMSWADの技術顧問であるビリー・カタギリとソレスタルビーイングの戦術予報士であるスメラギ・李・ノリエガことリーサ・クジョウの大学時代の恩師でもある。そして、麻薬を紛争の原因として心底嫌っており、タリビアにガンダムが現れた際には、目的が麻薬畑を焼き払う事と見抜き、出撃しようとするグラハムを引き止めていることもあった。

 

そんな彼は現在独自に太陽炉の研究を行っていた。イオリア・シュヘンベルグの経歴などから太陽炉の理論やガンダムについての情報を一つ一つ細かに調べ上げていた。

 

(私の仮説が正しければ、ガンダムのコーン状のエネルギー発生機関がトポロジカル・ディフェクトを利用して機能しているというのなら、事の全ての辻褄が合う。活動しているガンダムの機体数が少ない訳も、製造に100年・・・いやそれ以上もの時間を必要としたからで間違いないだろう・・・・。)

 

そんなエイフマン教授に、パソコンでメールが入った。確認すると「オットー」という人間からだった。

 

(私に水素エンジンについてお聞きしたいか・・・。・・・何?カタギリ君の紹介だと?まあ、それぐらいの時間なら・・・。)

 

そう考えたエイフマン教授はパソコンで返信を送った。

 

 


 

 

「こんにちは。オットーといいます。本日は有難うございます。」

 

「いやいや。こちらこそ。わざわざ此方まで来てくれるとは熱心なんだな。」

 

「オットー」と名乗りエイフマン教授の元にやってきたブルグは、ドクターJからの頼み事を思い出していた。

 

「レイフ・エイフマン教授との接触してほしい?」

 

「そうじゃ。彼は私の無二の親友なんじゃ。彼と接触し話を付けて救出してほしい。」

 

「もし教授が話に応じなかったら?」

 

その最後の手を聞いたときの回想を思い浮かべながら、ヴァンはエイフマン教授と水素エンジンに関して様々な意見を交換し話が弾んだ。そして、水素エンジンの話を終えたところで、ヴァンが話を切り出した。

 

「教授。実は自分もう一つ考え込んでいることがありまして。」

 

エイフマン「何かね?」

 

「ソレスタルビーイングの事ですよ。自分はソレスタルビーイングの目的は紛争根絶じゃないと思うんですよ、何かもっと別の意味があるみたいな・・・。教授はどう思われますか?」

 

「ほう。君は鋭いな。私も実はイオリア・シュヘンベルグとソレスタルビーイングの本当の目的は違うのではないかと考えているのだ。それが何かは分からないがな。」

 

そうエイフマン教授は応えた。ブルグはその思考の高さと鋭さを感じて、教授がソレスタルビーイングの上層部に狙われるわけだと思った。

そしてブルグはある賭けに出た。

 

「あのガンダムという機体は一体どうやって製造されたのでしょうか?あれを地球圏で開発するのは明らかに無理ですよ。」

 

「確かにガンダムのコーン状のエネルギー発生機関がトポロジカル・ディフェクトを利用して機能していると考えている。活動しているガンダムの機体数が少ない訳も、製造に100年・・・いやそれ以上もの時間を必要としたからと私は考えている。」

 

「なるほど。やはり貴方は鋭い方ですね。わずかなヒントでそれに気付くなんて。」

 

「?」

 

ブルグ「実は今回、ソレスタルビーイングの内部の人間にお前の存在を消そうとしている輩がいるようなんです。」

 

エイフマン「何じゃと?お主は一体?」

 

エイフマン教授は驚いてブルグを見ると、ブルグは立ち上がりエイフマン教授に向かって改めて挨拶をした。

 

「エイフマン教授。今回は偽名を使い訪れたことをお許しください。改めて自己紹介を。私の名前はブルグ・シュヘンベルグ。名前から分かるように、私はあのイオリア・シュヘンベルグの子孫です。」

 

「あのイオリア・シュヘンベルグの末裔?!・・・シュヘンベルグの血は絶えていなかったというのか・・・。」

 

エイフマン教授は目の前の事実に唯々驚くばかりだった。そして、ブルグが話を続けた。

 

「エイフマン教授。貴方はもう気付き始めているはずです。イオリア・シュヘンベルグとソレスタルビーイングの真の目的に。貴方の仮説はほとんど当たりで間違いない。西()()2()1()9()6()()()()()()()からイオリアの計画は本格的に始まったんです。」

 

「!?・・・なるほど、やはりイオリアの真の目的は・・・・・。・・・それで、私をどうするつもりだ?」

 

「それは、この方から聞いてください。」

 

そう言うと、ブルグは通信端末を懐から取り出し、エイフマン教授に渡した。エイフマン教授が端末を開くと、

 

「エイフマン。久しぶりだな。」

 

ブリッツ博士がオープンチャンネルで通信をしてきたのだ。

 

「ブリッツ?!テロに巻き込まれて死んだはずじゃなかったのか?」

 

「まあ、なんとか生き延びていたってわけだ。ここで話は置いといて、エイフマン。ワシがいうことでもないが、お前さんの発想力や技術はこれからの先の世代にも必要になってくるだろう。お前さんがこの世界からいなくなるのは惜しい。それと、ワシにとってお前さんは無二の友人だ。お前さんを助けたい。どうか、ブルグと一緒に私等の拠点についてきてくれないか?どうか頼む。」

 

「ううむ・・・(ブリッツは嘘を言う人間ではない。奴がここまで饒舌になり、本気で頼み込むと言うことは、よほど状況が逼迫していることに違いない。確かに私もイオリアの真の目的についてさらに知りたいからな。)分かった。彼について行こう。お前が作ったガンダムやブルグ君についてもいろいろ調べたいからな。」

 

「ありがとう、エイフマン。では、ブルグの案内についてきてくれ。」

 

「分かった。」

 

 


 

そして、その数十分後家の後始末をつけて、エイフマン教授は車でブルグと同乗し空港に向かっていた。

 

「だが、本当に驚きだ。まさか、あのイオリア・シュヘンベルグの子孫が存在していたとは・・・。」

 

「まあ、驚くのも無理はないでしょうね。かなり歴史から隠れて生きてきましたから。私たちの親族は。」

 

ブルグはそう答えると、話を変えるため、()()()()を取り出した。

 

「エイフマン教授、あなたはこの方をご存知ですか?」

 

「ん?・・・こ、これは、リーサ・クジョウ君の写真ではないか。私がカレッジで教えていた生徒の一人だ。なぜ君が彼女の写真を?」

 

「やはり、貴方の教え子の一人でしたか。これを私が持っていると言うことは、()()()()()()()()()()()()()()見当はつくはずです。」

 

「・・・ま、まさか、彼女(リーサ・クジョウ)もソレスタルビーイングに・・・?!」

 

「はい、コードネーム〈スメラギ・李・ノリエガ〉。今貴方の生徒は、ソレスタルビーイングの戦術予報士として武力介入に参加しています。」

 

「彼女がソレスタルビーイングに・・・。だが、一体何故・・・?」

 

「エイフマン教授、8()()()()()()()()A()E()U()()()()()()()()()()()をご存知ですか?」

 

「ああ、AEU軍で、深夜二つの隊で競わせてテロの事案を解決しようとし、情報共有の不足により私のもう一人の教え子だったカティ・マネキン君が率いる味方部隊とクジョウ君の部隊と同士討ちが行われてしまい大惨事となった事件だろう。よく覚えている。あの事件でクジョウ君は恋人を失ったと言うことも聞いたが、・・・まさか、彼女はあの事件のことをまだ・・・?!」

 

「ええ、どうやらまだ乗り越えられてはないみたいのようで。」

 

「・・・・・・彼女もまた、過去に囚われ続けているということか・・・。」

 

エイフマン教授は目を瞑り悲しげに少しばかり俯いたのだった・・・。

 




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