これは一冊の本に選ばれた一人の剣士と数多の乙女たちが紡ぐ、涙あり、バトルありのラブストーリー。
人は、万人のヒーローには成れない。
成れたとしても、それが出来るのはほんの一握りだ。
だけど──たった一人のヒーローに成ることは出来る。
「大丈夫だ、十香」
「士、士道…?」
夕暮れの高台。紫色のドレスアーマーのような霊装を纏う精霊の少女『十香』を背に、士道は目の前に立つ異形、頭部に大きな手が着いた本の魔物『ゴーレムメギド』と対峙する。
「どけッ! 精霊の絶望が新たなアルターブックを創り、ワンダーワールドを支配するッ! 貴様のような人間に止められるものかッ!」
「止めてみせるッ! 十香。さっき、お前は言ったよなッ! 自分は世界に必要ないってッ! なら、俺が十香の側に居てやるッ! 例え、世界が十香の全てを否定しようと、俺が全力で肯定してやるッ! だから、自分の物語を終わらせるなッ!」
「否ッ! 精霊の結末は決まっているッ!」
「決まっていないッ! 例え、本当に決まっていたとしてもッ! 俺がッ! その結末を変えてやるッ!」
「──ッ!? それはまさかッ!」
そう言った士道は、手に取ったベルト『聖剣ソードライバー』を装着。懐から取り出した小さな本『
【かつて全てを滅ぼすほどの偉大な力を持った神獣がいた】
士道はWRBをベルトに装填。すると、天より士道ほどの大きさを持つ巨大なWRBが堕ちてくる。
士道はソードライバーに納められた剣の柄を取り、抜刀する。
【烈火ッ! 抜刀ッ!】
WRBのページが開き、紅蓮の剣士が描かれたページから一匹の紅き竜が姿を現す。
烈火を纏う剣『火炎剣・烈火』。
士道は己を変えるの魔法の言葉と共に火炎剣・烈火の斬擊をクロスさせるように振り抜く。
「──変身ッ!!!」
斬擊は仮面に、竜は鎧となって士道の体に装着される。
【烈火一冊ッ! 勇気の竜と火炎剣・烈火が交わる時、真紅の剣が悪を貫くッ!】
烈火の仮面と紅き竜の鎧。右手に握られている火炎剣・烈火はメラメラと聖なる焔をその刀身に宿していた。
「士道、その姿は…!?」
「やはりッ! 貴様、ソードオブロゴスのッ!」
「御明察。俺の名はセイバーッ! 仮面ライダーセイバーッ!
物語の結末はッ! 十香の未来は俺が決めるッ!!」
『聖霊恋戦記』
一人の剣士と数多の聖霊たちの絆紡ぐラブストーリー。
『聖霊恋戦記 十乃章《十香デッドエンド》』
剣の精霊が己の居場所を見つける物語。
いずれ、彼らが紡ぐ十の物語の一つ。白紙のWRBに刻まれる未来の物語。それが彼らの元にたどり着くのは、まだもう少し先の話。
本日はここまで。結末を見届けるのは、貴方かもしれない。