ゲームの中でコスプレしても問題ないよね?   作:メンツコアラ

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こんかい。完全にネタへ走ります。


妹、参戦

 午後8時。夕食も終わり、白峯家のリビングは静寂に包まれていた。テレビを背に並んで正座するのは白峯兄妹。対面のソファに座る白峯母の手には今日返ってきた理沙の実力テスト。隣の食卓では彼らを優しい目で見守る父の姿あり。

 重苦しい空気が流れる中、漸く母が口を開く。

 

「5教科で349点。悪くは無いけど、私が出した条件はなんだったかしら?」

 

「合計で350点……」

 

「母さん、理沙だって頑張ったんだし、今回くらいは多目に見ても「貴方は黙ってて」はい……」

 

「あの、義母さん。これからは俺も理沙の勉強を見るようにするから、何卒御慈悲を「貴方は甘やかすことしか出来ないでしょう」是非もナシ……」

 

(お義父さんッ! 龍兄ッ! もう少し頑張ってッ!)

 

 容易く轟沈する白峯男衆に内心涙目となる理沙だが、相手は家内ピラミッドの頂点に立つ母。今回ばかりは相手が悪すぎた。例えるなら◯Hで裸装備と初期武器&アイテム無しで古龍を狩りに行っているようなもの。

 もうダメか…とクエストリタイアを選択しようとする理沙だったが、母もそこまで鬼ではなかった。

 

「……次、落としたら許さないからね」

 

「──え? それって…いいの?」

 

「あら? 禁止にした方が良かったかしら?」

 

「嫌ですッ! ありがとうございます、お母様ッ!」

 

 こうして、理沙は漸くゲーム解禁を許された。

 その日の夜、仲良く一つの布団に入った龍騎と理沙は夢に旅立つまでの間、今後の事について語り合っていた。

 

「VIT極振りと特殊攻撃…龍兄に至ってはMPとDEX中心のオールラウンダーか。二人に追い付くのは大変そうだなぁ」

 

「理沙はどうするんだ? 楓ちゃんのことを考えると後衛職だけど──」

 

「ノンノン。それじゃあ、面白くない。だからこそ、私はAGI重視の回避盾になるつもり」

 

「その心は?」

 

「私とメイプルのパーティーはどんなときでもノーダメージ。何時だって無傷とか、カッコいいでしょう? それに、これなら龍兄と組む時も問題ないしね。私が敵を引き寄せて、龍兄がメインの銃で敵を蹂躙する。最高のコンビじゃない」

 

「なるほどな。でも、それだけじゃないだろう?」

 

「バレてた? まあ、AGIが高いと銃弾を避けることも出来るだろうしね」

 

「俺と戦うため、か?」

 

「私たちの勝敗は100戦中40勝40敗20引き分け。ゲーマーたるもの、やっぱり身近、なライバルと、は競い、合い、た…い………」

 

「……俺もだよ、理沙」

 

 己の腕を枕にして眠る最愛の妹に対し、龍兄は額にそっと口付けをするのだった。

 

 

 

●●●●●●●●●

 

 

 

 翌日。NWOに新たなプレイヤーが参戦した。

 新人もとい理沙を見つけたメイプルは早速声をかける。無論、リアル割れを避けるため、事前に教えられたプレイヤーネームで彼女を呼ぶ。

 

「おーいッ! サリーッ!」

 

「私の名前を呼ぶってことは、貴女がメイプルね」

 

「うんッ! やっと一緒に遊べるねッ! ……所で、タツ兄さんは? 一緒にログインしなかったの?」

 

「あー…それなんだけどね。私たち、VRMMOをするときは離れてやろうって事になってるの」

 

「そうなのッ!?」

 

 理沙、改めてサリーの言葉に驚くメイプルだったが、無理もないだろう。物心着いた時からいつも一緒にいる二人が離れてゲームをするなんて、彼女らを知っているメイプルには想像も出来ないのだ。

 

「実はさ、私ってVRだとよく動く方なの」

 

「それがどうかしたの?」

 

「前に私たち、サッカーゲームをやっててね。ついつい熱くなって周りが見えてなかったの。そしたら…その…龍兄の龍兄を蹴り飛ばしちゃって……」

 

「タツ兄さんのタツ兄さん…?」

 

「メイプルは分からなくてよろしい。とにかく、お互いに怪我を避けるため、VRMMOは離れてやろうって決めたの」

 

「そうなんだ。てっきり喧嘩でもしたのかと思ったよ」

 

「喧嘩したくらいで離れないわよ。さて、そろそろ龍兄と合流しましょう。確か、噴水前で合流だったわよね?」

 

「うん。こっちだよ」

 

 もう一人の待ち人の元へ二人仲良く向かうメイプルとサリー。だが、噴水に近づくにつれ、二人の聴覚が曲を捉えるのだった。

 

「これ、何の曲だろう?」

 

「普段から流れないの?」

 

「うん。私も初めて聞いた」

 

 そうこうしている内に噴水のある広場へ到着する二人。そこには既に小さな人だかりが出来ていた。集まっている人々の視線の先。そこに居たのは

 

 意気揚々と踊る特撮ヒーローと四人のプレイヤーたちだった。

 

「なにあれ?」

 

「うわぁ…ッ!」

 

 思わず口に出すサリーと感嘆の声を上げるメイプル。そんな事は露知らず、ゼン・ゼン・全力全開と曲に合わせて踊る白いヒーローとプレイヤー。曲が終わり、躍りも終わったかと思えば、ヒーローが突然名乗りを上げる。

 

「秘密のパワーッ! ゼ◯カ◯ザーッ!!」

 

「聖剣パワーッ! ペインッ!!」

 

「地割りパワーッ! ドラグッ!!」

 

「し、神速パワー。ドレッド…」(/-\*)

 

「ま、魔法パワーッ! フレデリカッ!!」(///∇///)

 

「五人揃ってッ!」

 

「「「「「機界戦隊ゼンカイジャーッ!!!」」」」」

 

 三人はノリノリで、一人は赤面、一人はやけくそで決めポーズを取り、共に彼らの後ろで起こる爆発エフェクト。観客たちは拍手や笑い声、指笛で答え、一方のメイプルたちはポカンと見つめていた。

 

「ねぇ、サリー。もしかして、真ん中の人、タツ兄さんかな?」

 

「多分、そうだと思う…というか、このNWOであれは大丈夫なのかしら?」

 

 ※一応、NWO運営に問い合わせて許可を貰ってやってます。

 

 十数分後。虎の料亭ではゼ◯カ◯ザーのコスプレから何時もの虎のキグルミに戻ったタッツンがドレッドに卍固めを食らっていた。

 

「ギブギブギブギブッ!!!?」

 

「そうか? なら、もっと強くしないとなぁッ!」

 

「のぉぉぉッ!?」

 

 一方、傍らではペインたちも含め、サリーの歓迎会を行っていた。

 

「それじゃあ、新たな友に乾杯ッ!」

 

『──乾杯ッ!』

 

「まさか、トッププレイヤーの皆さんに祝って貰えるとは…」

 

「これも今回の報酬さ。まあ、目立つために踊らされるとは思ってなかったけどね」

 

「いいじゃねぇか。うまい飯が只で食える上に多額の報酬も貰えるんだ。楽しんだもの勝ちだよ」

 

「フレデリカちゃん、カッコ良かったよッ!」

 

「やめて。あれは一時の気の迷いなの。だから、そんな純粋な目で見ないでッ!」

 

「ちょっとぉぉッ!? 主催者を放っておいて、始めないでぇぇぇッ!?」

 

「に げ ん なぁぁッ!!」

 

 ──ゴキュッ。

 

「NOOOOOOOOOOッ!!?」

 

 小気味いい音と共に響く絶叫。

 後日、彼らの勇姿(笑)はSNS上に取り上げられ、トレンド入りを果たすのだった。

 

 

 

 




今回の装備
【ゼ◯カ◯ザー】
 イズが運営に問い合わせ、ネタで作った装備。ただ形だけの装備なため、ボーナスは発生しないが、人々には大盛況。SNSの反響を見て、ニヤニヤしていたとか…
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