アークは平和を望む 作:Dark
俺が5歳の頃、テレビの中で活躍するヒーローに憧れた
悪い奴らを倒し、人々を笑顔にする彼らに
「お父さん、お母さん、僕もヒーローになりたい!」
袖を引き、テレビを指差す
父と母はテレビをしばらく見つめたあと、俺を見つめた
そこで返ってきた言葉は俺の望むものではなかった
「……あんなのになるな」
「そうよ、他人のために命をかけるなんて馬鹿らしい」
「あなたはヒーローではなく、サポートアイテムを作る人になりなさい」
「でも…ヒーローがいい…」
俺は両親の答えを拒否し、うつむきながら自分のズボンを握った
すると両親は俺を平手打ちする
「親の言うことに逆らうな!!」
叩かれ泣き続ける俺に容赦なく怒鳴る父に恐怖し
それを黙って見ている母に憤怒した
俺はヒーローという言葉を口に出さないようになり、親の言われた通り、ヒーローのサポートアイテムを作るための進み始めた
だが18歳の頃、高校で出会った後輩に勇気を貰った俺は家を出て海外にある科学者の学校に入学した
向こうの学校でも寮に戻ってからもひたすら勉強し、卒業してからも研究を続け、信頼できる仲間ができた
後輩と久しぶりに連絡を取ると彼女はヒーローになったと言った
彼女の学生時代は活発で先生の世話になっていたが誰かが困っていたら迷わず助けに行く、ヒーローにピッタリだと思った
"お前ならできる。頑張れ"
そう返事を送り、眠りについた
しばらくして、研究所に向かうと信頼していた仲間に研究データを盗まれていた
俺はそのデータが自分のものだと証明しようと弁護士を雇い、何日も戦ったが…負けた
その日の晩、仲間だったヤツらに対する憎悪と涙が溢れ出した
たった23年しか生きていないのに、自分の未来が見えなくなった
自分の未来に絶望してしまった
それから1年、研究所のローンを返すため、バイトをしているときにとあるニュースが俺の目に止まった
俺の研究データを使って奴らが称えられているLIVE映像だ
その映像を見た時、俺の中で何かが壊れた
眠っていた闘争心が燃え上がり、バイトを抜け出して研究所まで走り出した
アイツらに対する殺意が湧いた、溢れ出した、溢れ出して止まらなかった
俺は研究所に戻ると地下にある俺の作った研究データの一部である試作品を引っ張り出した
それは無個性や非戦闘系個性補助のためのパワードスーツ
AIを搭載し、的確な指示を出してくれるサポートアイテムを作り、災害の時、下敷きになった人たちを助けるため計算し、安全な道を確保するためのもの
だが…そんなものもう必要ない
あいつらを殺すためにそんなものはいらない
アイツらのようなやつを破滅させるためのものを作ろう
アイツらのような悪を…絶滅させよう
もう俺のようなものをこの世に出さないためにも
俺は…悪を消し去るヒーローになろう
《先日、研究員4名が惨殺されるという事件がありました。この4名は3年前、人工知能搭載型ナノマシンの開発に成功した人達で…》
「……さぁ、滅亡せよ。悪意ある人間たちよ」
大型テレビを叩き割り、男は世界地図を見る
「次の目的地は……日本だ」
俺は…いや、私はアークゼロ
悪意持つものを滅ぼし、世界の平穏を望むもの