アークは平和を望む   作:Dark

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第10話 辿り着く、結論

・・・郡訝山荘地下での作戦

 

「お前たちは…一体何者だ…!!」

 

「泥花市でお前たちと戦ったアークゼロの仲間だ」

 

上で雷が外典と戦う少し前、地下では滅とリ・デストロが闘っていた

 

トランペットによる身体能力向上、リ・デストロの溜まりに溜まったストレスによるパワー、自分たちの数に対して滅たちはたった150人

 

負けるはずがない、そう高を括っていた

 

だがそれは間違いだった

 

目の前にいる紫の鎧の男たちはそれ以上の圧倒的な力で彼らをねじふせてくる

 

訓練され、身体能力が向上している彼らが何も出来ずに無力化される

 

あまりの強さに奥にいる解放信者たちは恐怖により身体能力向上がかき消され、鎧の男たちから離れていく

 

「何をしているのです!!目の前にいる敵を倒しなさい!!リ・デストロのサポートを!!!」

 

トランペットが必死にバフをかけ直すもすぐさま恐怖にかき消され、意味を成さない

 

「くっ…!リ・デストロ!!退避を!!」

 

「どこに退避するというのだ!!逃げ場のない地下空間、唯一の出口は奴らに塞がれている!!」

 

広範囲の技を放てば解放信者達にあたり、かと言って攻撃しなければ目の前の男にやられる

 

「諦めろ、貴様の行動は既にラーニング済みだ」

 

滅は、刃の付いた弓(以下アタッシュアロー)でリ・デストロの足を切りつけ、膝をつかせる

 

「ぐっ…諦めるわけが無いだろう!!!」

 

膝を着きながらも滅を攻撃するが全て躱され、次は腕を切りつけられる

 

「ぐあぁあああ!!」

 

そこでリ・デストロは気づいてしまった

 

この男は全然本気を出していないと

 

私のことを殺せる力を持っているのに殺そうとしてこない

 

「何故…なぜ殺さない!!!」

 

「…あの方は無闇矢鱈に人を殺さない。私は()の意志のままに動いている。彼が殺せと言わない限り…私は何者も殺さない」

 

滅はそう言ってアタッシュアローを畳み、他の解放信者を睨む

 

「お前たちも大人しくしていろ、そうすればこれ以上怪我を負うことはない」

 

全員に暴れる意思がないことを確認した滅はバトルレイダーたちに持たせていた拘束具で一人一人拘束していく

 

「滅さん、奥にいるあれが例の…」

 

「あぁ、歩く災害(ギガント・マキア)だ。やつの傍には近寄くんじゃないぞ」

 

滅が奥で座っている歩く災害を見ていると亡から連絡が来る

 

『こちら、亡。病院は決着が着きそうです。滅、雷、そちらは?』

 

「こちら、滅。郡訝山荘地下は制圧完了」

 

『こちら雷!!屋敷の方もそろそろ終わりそうだ!』

 

『こちら迅!上にいた脳無も全員倒して、病院にいた人たちも避難して終わったよ!』

 

『ならあとは死柄木弔の捕獲だけですね、良かった。これであの方は…』

 

亡がそう言うと突然回線が切れる

 

「…亡?」

 

『おい、どうした!?亡!!』

 

『滅、雷!!病院が…崩れ始めた!!』

 

「急いでその場から離れろ!!迅!!」

 

『了解!!』

 

「くっ、おまえたち!直ちに病院へ向かう」

 

滅が言葉を喋り終わるよりも早く、レイダーの人が叫ぶ

 

「滅さん!!!歩く災害が…!!!」

 

滅が後ろを振り返るとそこにはどっしりと仁王立ちした歩く災害がいた

 

「主の…匂い」

 

歩く災害は体を巨大化させ、壁をよじ登り始める

 

「雷、今すぐ上にいるレイダーとヒーロー達を避難させろ!!歩く災害が動き出した!!!」

 

『なっ…わかった!!』

 

「レイダーたちよ!!拘束したものたちを避難させよ!!」

 

滅はリ・デストロと近くにいた解放信者を担ぎ、移動を開始する

 

「何故わざわざ助けるのだ…?」

 

「さっきも言っただろう!私は彼の命令がない限り…誰も殺さない!!」

 

 

 

 

「お前ら!!避難しろ!!歩く災害(ギガント・マキア)が動き出した!!!」

 

雷が大声でレイダーとヒーローたちに伝える

 

「なに!?」

 

「そんな馬鹿な…!!」

 

「セメントス!!肩貸せ!運んでやる!!」

 

「す、すまない…」

 

「お前ら!!動けねぇ奴いたら敵もヒーローも関係ねぇ!歩く災害に巻き込まれないように距離をとれ!!」

 

「はっ!!」

 

雷は外典とセメントスを運び、屋敷から離れたところで優しく降ろす

 

「お前らここで大人しくしてろ、俺がお前らの仲間連れてくるから」

 

「まて…!危険だ…!」

 

「あぁ?んなもん知ってる!それでも行かねぇとダメだろ!」

 

セメントスの言葉を無視し、雷は山を降りる

 

「亡、迅!!くそ!」

 

2人の安否を確認しようと連絡を取るが反応がない

 

頭の中に最悪のことを思い浮かべてしまうがすぐさまかき消し、屋敷へと向かう

 

すると半壊した屋敷をさらに壊し、歩く災害(ギガント・マキア)が街に向かって走るのを見る

 

「ちっ…聞いてたのよりでけぇ気がするぜ…滅、滅!」

 

『なんだ?』

 

「無事だな!亡と迅と連絡取れねぇ!可能性としては死柄木弔が目ェ覚めた!」

 

『だろうな…あの方が目覚めるまでまだ1時間45分、我々とヒーローでどうにかするしかない』

 

「滅!俺は歩く災害を追う!!」

 

『なっ…我々が戦える相手ではないぞ!!』

 

「んなもんやって見なきゃわかんねぇだろ!!」

 

雷はヴァルクサーベルを使い、歩く災害の背中に飛び乗る

 

「俺らならできるはずだぜ、滅!!()()()があんなに苦しそうにしながら頑張ってんだ!俺らが体はらねぇでどうすんだ!!」

 

雷の言葉に滅は喋るのをやめる

 

『……少し待っていろ。私も向かう』

 

「もう背中のってるから待てねぇ!てめぇが来い!!」

 

『了解、至急向かう』

 

滅との通信を切断し、雷は首の骨を鳴らす

 

「さぁ…止まれ!デカブツ!!」

 

トリガーを引き、ヴァルクサーベルをクロスさせ、力を貯める

 

「はぁああああああああ………!!」

 

           (れん)

 

 

(らい)                   (ごう)

       

 

          (ごく)

 

 

ゼツメツディスピア!!!

 

「オラァアアアアアアア!!!」

 

ヴァルクサーベルが赤く、そして雷を帯びながら歩く災害の足を切り裂く

 

「ぬおっ…!?」

 

全速力で走っていた巨躯は揺れ動き、無事な方の足で踏ん張る

 

しかし、踏ん張っていた足も紫色の矢により貫かれる

 

「ナイスだぜ…滅!」

 

雷の目線の先には弓矢を構えていた滅が立っていた

 

「スカウティングパンダレイダー達よ!やつの傷ついた両足を集中的に狙え!!やつの動きを少しでも止めるのだ!!」

 

「「「はっ!!!」」」

 

「雷!やつに絶え間なく攻撃し続けるぞ!」

 

「おう!!」

 

2人は並び、拳を合わせて歩く災害に向かって走り出した

 

 

 

 

 

滅と雷が歩く災害(ギガント・マキア)に向かって走るのを見て

 

亡と迅が新たな【悪意】に立ち向かうのを見て

 

ミルコとエンデヴァー、ヒーロー達が挫けるのを見て

 

彼は服の袖をギュッと握りしめながらその"予測"を終了する

 

真っ暗な視界

 

その中を1人、彼はただ歩く

 

歩く度、足元から今まで溜め込んだ人間のドス黒い感情が溢れ出す

 

悪意.

 

恐怖..

 

憤怒...

 

憎悪....

 

絶望.....

 

闘争......

 

殺意.......

 

破滅........

 

絶滅.........

 

滅亡..........

 

全ての悪意が彼にしがみつき、離れない

 

彼は悪意を纏いながら、暗闇を歩き続ける

 

この世から悪意ある"人間"を無くすため

 

"完璧な結論"に辿り着くため

 

 

 

 

そして遂に彼は辿り着く

 

暗闇の中に輝く赤黒い光を握りしめ、何かを押し込む

 

マリスラーニング・アビリティ

 

体に纏わり付いた悪意をプログライズキーは吸い込み、新たなプログライズキーへと完全に形を変えた

 

彼はそのプログライズキーを眺め、再びボタンを押し込む

 

アーク・ワン

 

 

彼が目覚めるまで後……0




次回、コノ世に悪意がある限り
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