アークは平和を望む 作:Dark
荒れ果てた地に降り立つアークワン
荒れ果てた地でしりもちをついている死柄木弔
2人は睨み合い、崩壊した病院の瓦礫が落ちた瞬間、死柄木弔が電波を空気で押し出しアークワンに手を伸ばす
だが、死柄木弔が手で触れようとしても何故か触れられない
アークワンは死柄木弔の手をはたきおとし、みぞおちに拳をめり込ませる
(避けたと思っても吸い付くように…的確に当てやがる)
「てめぇ…何しやがった?」
「自分で考えるんだな」
そう言い放ったアークワンは死柄木弔から距離を取る
「なに逃げてんだよ」
死柄木弔がアークワンとの間合いを詰めようと地面を蹴ると同時に空から炎が雨のように降り注いだ
「こちらエンデヴァー!!くっ…まだ使えんのか!!」
エンデヴァーはそのまま死柄木に炎で加速させた拳で殴りつけ、死柄木弔を吹き飛ばす
「めんどくさいのが来たな、頭痛てぇ」
「はぁ!!」
起き上がり、頭を搔く死柄木弔を迅が蹴り飛ばし、燃え盛る炎の中へ放り込む
「エンデヴァー!炎であいつを焼き続けるんだ!」
「言われなくとも!!」
2人が炎の中に入っていくのを確認したアークワンは2歩後ろへ下がる
すると先程までアークワンが立っていたところにミルコの踵が振り降ろされ、地面を砕いた
「お前の相手は…私だ!!!」
ミルコは素早い動きで何度もアークワンを攻撃するが攻撃は全て回避される
「ちっ!攻撃してこいよ!!」
ミルコが蹴ろうとした瞬間、アークワンとミルコの間に亡が現れる
「2人とも、待ってください!」
「おい!邪魔だどけ!!」
「争っている場合じゃないでしょう!今は手を組み、死柄木弔を止めるのが」
「亡」
アークワンが亡の肩を掴み、体を自分の方に向ける
「………お前たちは本当によくやってくれた。被害がここまで少ないのはお前たちのおかげだ」
アークワンは亡の頭にゆっくりと手を置き、優しく撫でる
「アークゼ…ぐっ!?」
「お前たちは……休んでいろ」
アークワンは亡の変身を強制的に解除させ、気絶させる
「なっ…お前」
「この先に行くのは私だけで十分だ」
そう言うとアークワンは死柄木たちの方向へ物凄いスピードで跳んで行く
「迅、エンデヴァーを連れて南東へ向かえ」
「えっ?り、了解!」
迅は空に浮かぶエンデヴァーを掴み、アークワンの指示通り南東へと向かう
「またお前かよ」
死柄木弔が手を伸ばし、アークワンに0距離で電波を放つ
「物理が効かねぇんだ、そりゃ切り替えるよな」
だがアークワンは止まらずに死柄木弔を攻撃し続ける
「おい、いい加減気づけよ。あんたじゃ俺を殺せない。俺もあんたを殺せない。これはクソゲーだ。互いに決定打がねぇ」
「…2」
「聞いてんのかよ」
「…1」
アークワンが死柄木弔の腹を殴った瞬間、死柄木弔の体に謎の痛みが走った
「!!」
「個性因子については流石に知っているな?死柄木弔」
アークワンは死柄木弔を殴り付けながら話を続ける
死柄木弔は痛みで地面に四つん這いになる
その時、死柄木弔は自分の体の以上に気がついた
「なんで…崩れねぇんだ…?」
手のひらを地面につけているにもかかわらず崩壊しないのだ
死柄木弔はアークワンを睨みつけ、再び立ち上がろうとする
しかしアークワンに背中を踏みつけられ、それを阻止された
「個性因子が活動しなければ、個性因子がなければどんなに強い"個性"も動かすことは出来ない」
アークワンは地面を叩く死柄木弔にとあるものを見せる
「……敵・オーバーホールが生み出したこの社会の理を壊す弾。壊理という一人のか弱く…強い心を持つ少女から生み出されたこの弾…これを増やし何をするつもりだった?」
「おまえ…まさか」
「先程、病院が崩れる前に回収させてもらった」
「なんでおまえがそれ知ってんだよ!!」
「調べただけだ。私は全てのコンピュータにアクセスできる。どんなに難解なパスワードをつけていようが、どんなに複雑な作りの機械だろうが私の前には無力だ」
死柄木弔の顔を蹴り飛ばし、仰向けになった彼の頭をつかみ持ち上げる
「そこで…お前に関する全てを調べた。聞こえているんだろう
「何言っ…」
死柄木弔が突如意識を失い、アークワンを掴んでいた手を離す
「離してくれるかな?」
意識が戻った死柄木弔からは先程とは違う声が発せられる
「君はなんで僕が死柄木弔の中にいることがわかったんだい?」
「…私がここに来るまでに何百、何千、何億もの計算を繰り返した。本来ならばありえないであろう可能性のその先も」
「だとしてもこれは異常だ、それはもはや予測の域では無いよ。未来予知…いやそれすら超える力だ」
アークワンは足元から液体を出し、その液体の中から剣を生み出した
「お前はここで……殺す」
「おや、君に恨まれるようなことはした覚えはないけどね」
空気を押し出し、アークワンとの距離を詰めたAFOは電波を周囲に放ち、アークワンを蹴り飛ばす
「君のそれ、電荷を操作してバリアを展開し反発力で防いでるんだろう?ならその電荷を狂わせれば君に攻撃は当たる」
怯んだアークワンに反撃させまいとAFOは電波を纏った攻撃し続ける
「今は君の見た未来通りに進んでいるのかい?それとも変わってしまったかな?」
ニヤッと笑い、アークワンを見るAFOは驚愕した
「あぁ、予測通りだ」
アークワンは持っていた剣でAFOを切りつける
「ぐっ!」
「地獄へ落ちろ、AFO」
アークワンが高く剣を振り上げる
が、突如として彼の体が悲鳴をあげる
「がっ…ぐぅうう!!!」
「何かよく分からないが…チャンスみたいだね」
血を流したままAFOはアークワンを蹴り飛ばす
「さらばだ、アークワン」
倒れて動かないアークワンにAFOは触手を伸ばしトドメを刺そうとする
「させるかぁああああああ!!!」
緑の閃光がAFOの手を蹴り飛ばし、触手を粉々に破壊した
「……出来損ないの、緑谷出久か」
「よそ見してんじゃ…ねぇえ!!!」
緑谷出久を見つめるAFOを後ろから爆豪勝己が最大火力で吹き飛ばす
「かっちゃん!!気をつけて!!なんか普段の死柄木じゃない!」
「わーっとるわクソが!!」
「おい!お前ら大丈夫か!?」
「みろ、死柄木だ!!」
「見た感じ弱ってる!全員で行けば…」
2人の後を追いかけてきたヒーローたちがAFOに攻撃しようとするがやつから放たれた"悪意"に全員の動きが止まる
「はぁ…ヒーローとはどの時代でも厄介だね。虫のように湧いて出る」
「皆逃げ」
ありえないスピードで緑谷出久の横を通過し、AFOはヒーロー達の前に立つ
「邪魔だよ、僕は今とてもむしゃくしゃしてるんだ」
AFOは腕を振るいヒーローを虐殺していく
自分の感情を落ち着かせるため
心の奥底から湧き上がるこの"感情"を
ほかの感情を抑え、湧き上がってくるこの"感情"を
緑谷出久も、爆豪勝己も、エンデヴァーも、迅も、ミルコも
全員が止めに入るもAFOは止まらない
(あぁ、憎い。私の邪魔をするこいつらが)
黒鞭をなぎ払い、爆炎を受けながらも
凝縮され撃ち放たれた炎のエネルギーを、炎の雨を受けながらも
鋭い蹴りを受け続けながらも歩みを止めずに
邪魔するものを薙ぎ払った
やがて、攻撃をしてきたもの全てを倒した魔王は
「はははははははは!!」
高らかに笑い、自分の勝利を祝福した
そこでAFOは自分の身に起きている異変にようやく気づく
(なぜ僕はこんなことを…)
いつものAFOなら、個性を上手く使ってこの場を切り抜けていた
こいつらの攻撃など当たらなかったはずだ
体が変わったせい?
違う
心の中で死柄木弔が抵抗を続けるから?
違う
そこでAFOは気づいた
「まさか」
AFOの胸に衝撃が走る
AFOが自分の体を見ると白い腕が胸を貫いていた
「す、べ…て、きみの、予測通りだっ…たの…か」
「あぁ」
「僕に…何をし…た…」
「頭を掴んだ時にお前の悪意以外の感情を抑制させた」
悪意.
恐怖..
憤怒...
アークワンはAFOの胸から手を引き抜き、ベルトのボタンを押し込み、頭に狙いを定める
「また会おう。AFO。そして…さらばだ死柄木弔」
憎悪....
絶望.....
闘争......
拳を握りしめたアークワンを止めようとミルコが立ち上がる
「待て!アークワン!!」
殺意.......
破滅........
絶滅.........
パーフェクト・コンクルージョン
ラーニング・9
地を這う低い声とともにアークワンの拳に悪意の塊を纏わせる
そしてその塊はやがて赤黒く光っていた粒子は拳の中心で白く光り輝き
「ハァアアアアアア!!!!」
死柄木弔の頭を消し飛ばした
季節はめぐり、出会いの季節
澄み切った青い空に似合わぬ、鮮血と更地となった土地
電波が復旧し、テレビの惨劇を見て、あるひとりの人物に目を奪われる市民たち
それと同時にAFOにやられ、倒れている英雄たちもひとりの人物に目を奪われていた
「うぐっ…うぁああああぁああぁあ!!!!」
突如アークワンが苦しみだし、体から黒い煙を上げ、まとっている鎧がゲル状となりベルトへと吸い込まれていく
「どうして……あんたが……」
傷だらけのミルコが、片腕を抑えながらアークワンの中から現れたその人物に驚愕する
「なんで…!!あんたがここにいんだよ!!零一先輩!!!」
彼は振り向き、そして立っているミルコを見て微笑む
「…良かった」
そう呟き、箱舟零一は黒い煙を放ちながらどこかへと消えてしまった
死柄木ファンの皆様、申し訳ございません