アークは平和を望む   作:Dark

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今回から予定では4話ほど過去編に突入します



第14話 過去の話

兎山(うさぎやま)ぁあああ!!待てぇえ!!」

 

真昼間、学校中に響く声で叫ぶ先生

 

そしてそれから逃げるうさぎ耳の少女

 

この学校では最早恒例

 

「あーまたやってるッスよ、ルミのやつ」

 

そんな彼女を眺める金髪ツインテールで、眼鏡をかけた少女、七川(ななかわ) 美華(みか)は隣にいる口当てをつけたポニーテールの少女、甲賀(こうが) 伊吹(いぶき)に話しかける

 

「あ、ほんとだ。ルミー、先帰ってるよー?」

 

甲賀はそんな様子に驚きもせず、兎山に向けて大きく手を振った

 

「なっ!?証言してくれよ!!私何もしてないって!!」

 

「実際見てなかったし、ねー?」

 

「ねー?」

 

「ちくしょ〜!!!」

 

兎山 ルミ

 

将来、ラビットヒーロー・ミルコとして名を()せる彼女は高校時代

 

とんでもない問題児(もんだいじ)だった

 

「街の不良と喧嘩!ひったくり犯の確保!!そこまではいいさ!仮免もとってる!だがまたファイトクラブに、しかも修学旅行中に乱入するとは何事かぁあああああ!!!」

 

「い、行ってねーよ!!ちくしょうあのおっさん話やがったな!!」

 

「とにかく話を聞かせろぉぉぉ!!」

 

「何もしてないってぇ!」

 

兎山は先生を振り払い、図書室へと駆け込む

 

「はぁ…はぁ…」

 

扉を勢いよく閉めると扉にもたれ掛かり、息を整えた

 

(放課後だし…ここには誰も…)

 

「何してんだ?」

 

「うっおお!?」

 

「おい、図書室では静かにしろよ」

 

女のように長い髪を後ろで縛っている男は本を読みながら兎山に話しかける

 

「兎山ぁああ!」

 

「げっ!こっち来てる!!なぁあんた(かくま)ってくれ!ここ隠れるから!!」

 

「なんで俺が…」

 

男が話終わるよりも早く兎山はロッカーの中へと駆け込み、隠れる

 

「兎山ぁ!ここかぁ!!っと箱舟、大声出してすまんな」

 

「大丈夫ですよ、先生。それよりどうしたんですか?」

 

「ここにうさぎ耳の女子生徒が来なかったか!?」

 

先生がそう言った瞬間、ロッカーがカタッと動く

 

「………いえ、ここには来てません。扉の窓からそれらしき影は見えましたがね」

 

「あいつ廊下の窓から逃げたか!!邪魔してすまなかった」

 

先生は頭を下げ、再び兎山探しへと戻っていった

 

「助かった!あんがとな!」

 

「で、なんで先生に追われてた?」

 

「…修学旅行中に地下のファイトクラブに乱入した」

 

「よし先生呼んでくる」

 

席をたち、廊下へ出ようとする箱舟のズボンに兎山はしがみつく

 

「なっ!ちょ待ってくれよ!!」

 

「離せ!お前が100%…いや1000%悪い!」

 

「なぁ頼むって!」

 

「今逃げたところで明日問い詰められるのがオチだろ!」

 

「明日になったら先生ちょっと冷静になってしっかり話せる状況になるんだよ!前もそうだったし!!頼む!何でもするから!!」

 

その瞬間、箱舟はピタッと動きを止めてニヤリと笑う

 

「何でもするんだな?」

 

「……する!」

 

箱舟はしゃがみ、兎山の目を見ながら話し始める

 

「お前、ヒーロー科だよな?ヒーロー科なら当然訓練場の許可とったりできるだろ?使用許可取ってくれよ、俺は取れないからさ。あと空いてる日とか俺に稽古(けいこ)つけてくれ」

 

「はぁ!?なんでそんなことを私が!」

 

「人に教えることによって得られることだってある、Win-Winな関係だろ。嫌ならいいぞ?今から先生んとこ駆け込んでファイトクラブ乱入したこととか話すからな」

 

「うぐぐ…!!!」

 

契約成立(けいやくせいりつ)だな、俺の名前は箱舟(はこふね)零一(れいいち)。サポート科2年だ」

 

「げっ!先輩かよ…」

 

「お前の名前は?」

 

「…兎山ルミ、ヒーロー科1年」

 

「兎山ルミ…あーお前か、1年なのに仮免とった天才って」

 

「ふふん!私は強いからな!」

 

これが2人の出会い

 

この日から2人は毎日のように特訓した

 

 

ある時は箱舟の顔に蹴りを

 

 

「んがっ!!」

 

「ほらほらどうした!箱舟先輩!」

 

「てっめぇ…!」

 

「先輩は動きが単純なんだよなー」

 

 

またある時は箱舟の腹に蹴りを

 

 

「ぐえっ!!!!」

 

「ガードしなきゃダメだろ」

 

「できねぇから困ってんだ……目で負えねぇよお前の動き……」

 

「そりゃ鍛えてるからなー!」

 

 

そしてまたある時は兎山に勉強を教えたり

 

 

「兎山、ここ違うぞ」

 

「ん〜〜〜?」

 

教科書を持ち、首を傾げる兎山に箱舟は頭を抱えた

 

「前のテストもとんでもないことになってたらしいしなお前…はぁ…ヒーローになれんのか?」

 

「なれるわ!でも…ずっと筋トレばっかしてたからなぁ…」

 

「まぁこのページとここの問題は出やすいし、しっかりまとめとけよ。わかるまで付き合ってやるから」

 

「先輩、自分の勉強は?」

 

「もう終わった、それにいつも稽古つけてくれてるしな。ほらもう一回ここ解いてみろ」

 

「はーい…」

 

 

そしてまたある時は兎山の友人が参戦してきたり…

 

 

「七川美華ッス!箱舟先輩!よろしくお願いします!」

 

「甲賀 伊吹です!よろしくお願いしまーす!」

 

「…兎山?」

 

「私だけと戦ってばかりじゃつまんないだろ?」

 

「…まぁたしかに色んな戦い方見て学んだ方がいいか。箱舟零一だ。これからよろしくな、七川、甲賀」

 

この後めちゃくちゃしごかれた

 

 

 

 

なんやかんやあり、早くも数ヶ月

 

この日は久しぶりに2人での訓練

 

以前防ぐことの出来なかった兎山の蹴りを箱舟が受け流し、その勢いで掴みかかるも、兎山は地面を蹴りあげ、体を回転させた兎山は箱舟の服の襟をつかみ、地面に押さえつけた

 

「ぐっ!!」

 

「私の勝ち!」

 

「はぁ、はぁ…ルミ、そろそろ時間だ…訓練場から出るぞ」

 

「もうそんな時間か、早いな!」

 

「なぁ、どうだ?1年前よか全然マシになった方だろ…」

 

「動きも判断もめっちゃ良くなってきてんぞ!」

 

箱舟は起き上がり、戸締りの確認してルミと訓練場から出ていった

 

「なぁ、零一先輩。今度の学園祭は何を出すんだ?今年は確か…スマホから変形するバイク!」

 

「あぁ、ライズフォンな。本番ギリッギリで完成させた俺の最高傑作(さいこうけっさく)。電話できる機能はあの時バイクに変形させた瞬間ぶっ壊れたけど…次までには本当に完成させる」

 

「いやーあれ凄かったな!なぁ!今度バイクの後ろ乗らせてくれよ」

 

「気が向いたらな。だがそれより…来年の学園祭での発明品はあれよりさらに凄いぞ!その名もトランスライザー・プロト!」

 

カバンから取り出した企画案、そこには様々な形のベルトらしき機械、何やら難しい公式など沢山が書き込まれていた

 

「これはな、簡単に言えば変身ベルトだ!」

 

「変身ベルト?」

 

「そう!例えば…索敵(さくてき)系の個性とか持っててもパワー系の個性を相手しながら探すっていうのはきついだろ?そんな人たちや俺みたいな無個性の人達のためのサポートアイテムだ!まぁ多少の訓練はいるが」

 

「あ、零一先輩ちょっと待った!」

 

兎山は零一の前を走り、たくさんの荷物を持った老人を助けていた

 

「大丈夫か、ばーちゃん!」

 

「あら、ありがとうね」

 

笑顔で老人の荷物を持ち、手を繋いで兎山は歩き始める

 

「…すげぇな、しっかりヒーローしてる」

 

箱舟は企画案をカバンにしまうと、ルミと老人の元へと向かっていった

 

「荷物貸してくれ、俺も持つよ」

 

「おっ!ありがとう!」

 

「あら、助かるわ。ありがとうねぇ」

 

「ルミ。おまえかっこいいぜ」

 

「何だ急に…気味悪いな」

 

「なっ!人がせっかく褒めたのになんだそれ!!」

 

「ふふっ、仲良いのねぇ」

 

「「良くない!(です)」」

 

「あらあら、息ぴったり」

 

 




七川美華、甲賀 伊吹はストリートファイターの2人です
いぶきに関しては苗字が分からなかったため、オリジナルの苗字にしました

この2人にした理由は個人的にめっちゃ好きだからです!
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