アークは平和を望む 作:Dark
第三倉庫 内部
「おらっ!!調子乗りやがって!!ボケが!!」
「んぐっ!ぐっ!!んっ!!!」
一人の男が何度も何度も兎山の腹を蹴る
「ルミ!くそっ!離せ!!」
兎山は声を出せないよう口、腕、足を蜘蛛の糸でぐるぐる巻きにされ身動きが取れないように拘束されていた
2年間、ヒーロー科で鍛えた
甲賀も同じように拘束され、兎山がやられているのを眺めていることしか出来なかった
「キキャ!!
「あぁ!?この程度で俺の怒りは収まんねぇんだよ!!あんま調子乗んなよ、
「2人とも落ち着けよ、もうひとり来たら…3人仲良くボコボコにしてやればいいさ…しかしまぁヒーロー科って言っても
「くっ…!!」
甲賀は蠍のしっぽのようなものが生えた男、
「あぐっ!!」
「お前がまんまと引っかかってくれたおかげでめっちゃ簡単に兎山捕まえれたよ。あんがとなぁ!!」
甲賀は登校中、路地裏で倒れている老人を発見し、それを助けるため路地裏へと入っていったが、その老人はこの3人の金につられたホームレスで倒れたふりをしており、ホームレスに触った瞬間、隠れていた佐曽里が針で攻撃、痺れて動けなくなったところで捕まってしまった
「ん…?おい、こいつら見張ってろ。あの人から電話かかってきた」
佐曽里は携帯を持って倉庫の外へ出ていく
「あの人?あんたら一体誰とつながっ…むぐッ!!!?」
「黙ってろ!!」
甲賀の口も塞ぎ、蜘蛛乃達は兎山の隣に並べる
「2人仲良くそこでもがいてろ!」
「しっかし楽しみだなぁ!いつ来んのかな、佐曽里」
「3人まとめてヒーローになれないようにしてやろう」
2人は動けない兎山、甲賀を見てニヤリと笑っていると倉庫の上から七川が現れ、蜘蛛乃を蹴り飛ばし、天鼠の上にのしかかる
「ぐえっ!?」
「友達に手を出したこと…後悔させてやるッス!!」
「蜘蛛乃!!てめぇ!」
「ハァッ!!」
天鼠をローリングソバットで蹴り飛ばし、七川は拘束された2人に近づき、絶句した
兎山は頭を殴られたのか、血を流しており、敗れた服から見える鍛えられた腹筋は目も当てられないほど真っ赤になっていた
伊吹も同様、頭を殴られており、血を流している
「今それ解くから…ッツ!!?」
七川の腹部に違和感が走る
「おい、何してんだ」
「その声!!電話…の…」
突然、めまいと共に七川の呂律が回らなくなり、地面に倒れる
「うあ…」
「安心しな、死にゃしねぇ。蜘蛛乃、天鼠、こいつ縛れ」
「わ、わかった…シャァアアー!!」
七川の足に蜘蛛乃は糸を放ち、あっという間に拘束してしまった
「油断しやがって馬鹿どもが」
「いてて…悪ぃ、佐曽里」
「まさか窓から来るとはな…」
「はぁ…まぁいい。今から仲良く6人で…楽しもうぜ?」
そう言った瞬間、今度は第三倉庫の壁が壊れ、ライズホッパーが佐曽里たちの頭上に現れる
「はっ!!?」
「な、なんだ!?」
「おっらぁあああああ!!」
ライズホッパーは佐曽里の前で急停止し、後輪で佐曽里をひっぱたき、吹き飛ばす
「うがああああ!?」
呆気に取られていた蜘蛛野を箱舟はヘルメットで殴り付け、そのままの勢いで天鼠の足にも叩きつけた
「ふんッ!!」
「ぐあっ!!」
「ぎゃっ!!?」
そして痛みで怯んだ天鼠の顔を思いっきり蹴っ飛ばす
「ぐげっ!?」
「はぁ…はぁ…!」
3人とも倒れたことを確認した箱舟は拘束された3人の元へと近づいた
「せ…んぱ…い…」
「3人とも無事か!?まってろ今それほどくから!!」
「むー!んんー!!!!」
「んー!!」
兎山と伊吹が声にならない声を上げ、何かを伝えようとしている
「どうし…かはっ!?」
突如として箱舟の腹に衝撃が走り、壁に叩きつけられる
「あぐっ!!」
「てめぇ…殺し"て"や"る"っ」
血走った目、針のある触手が1本から3本に増え、ひゅんひゅんと音を鳴らして振り回している佐曽里がいた
「なんだいきなり…っ!あの注射器…まさか」
佐曽里の首には注射器が刺さっており、最近話題になっている個性強化のドラッグだと箱舟は気づいた
「男ぉ…まずはてめぇだぁあああ!!」
「くっ…!」
箱舟は針を避け、3人に当たらないよう徐々に3人から離れていく
(ドラッグのせいか命中率が悪いし呼吸も荒い…このままあいつを疲れさせれば俺にも勝機はある!)
そう思っていたのもつかの間、気絶していた2人も目を覚まし、ポケットから注射器を取り出して自分の首へと打ち込んだ
「キキャッー!!」
「キシャァアー!!」
蜘蛛乃は顔がより蜘蛛のように変形、天鼠は腕が羽になりよりコウモリらしい姿へと変わっていた
「こいつらもドラッグ使ったのかよ…!?」
箱舟は蜘蛛野に足を拘束され、壁にたたきつけられる
「がはっ!!」
「へへへ…穴だらけにしてやる」
まさに絶体絶命、そんな時、箱舟は立ち上がり、サイクロンライザーを自分の腰にまきつける
「なんだそりゃあ?おもちゃかぁ!?」
「…俺は…!!」
彼は血を流しフラフラと歩きながら、拘束された3人の元へと近づき、佐曽里たちと向き合う
(零一先輩!!!くそっ…解けろ!!)
彼の持つサポートアイテムは校外での仕様の許可を許可されていない
そのため使用すれば箱舟零一は何らかの罪に問われる可能性がある
しかし今の彼の頭の中には別のことでいっぱいだった
「俺の大切な……後輩達を助ける!!」
LOST RIDER
箱舟はロッキングホッパーゼツメライズキーのボタンを押しこみ、両腕を前にクロスさせ、左腕を腰の横に、右腕を左斜め上にピンと伸ばす
「変身ッ!!!」
掛け声と同時にベルトにキーを差し込み、レバーに指をかける
すると嵐のような風と紫の電撃が彼を包み込み、それと同時に巨大なメカメカしいバッタが飛び出して佐曽里たちをはじき飛ばす
「うぐああああ!?」
「ギギ!!」
「ギシャッ!?」
バッタは倉庫内を飛びまわり、壁や地面を破壊しながら箱舟の元を跳び回る
「キキャッ!?ありゃなんだ!?」
そしてレバーを引くと、その嵐が彼を包み込み中から鎧を着た戦士が現れた
サイクロンライズ
ロッキングホッパー
Type ONE.
「て"めぇ…!何なんだよ!!!」
「俺は…箱舟零一、こいつらの先輩、そして今はロストライダー・Ⅰ型だ!!」
「それがてめぇの"個性"かァァァ!!」
目にも止まらぬスピードで佐曽里は三本の針のある触手をⅠ型に向かって放つ
しかし、Ⅰ型はその攻撃の中をすり抜け、佐曽里の懐まで潜り込み、天井近くまで蹴り上げる
「ぐぎゃあああ!?」
「はぁあああ!!!」
そして下にいる蜘蛛野、天鼠の元へと蹴り飛ばした
「がはぁ!!」
Ⅰ型は地面に着地すると3人を抱えて倉庫の外へと抜け出した
「お前たち、今から拘束を解く。甲賀、兎山、七川を頼んだ!俺はあの3人倒しに行く」
「むぐっ…ぷはっ!零一先輩!!馬鹿なこと言うなよ!!逃げるぞ!!」
「今あいつらを放置して逃げたらほかの人たちが危ない。それにお前らだって怪我して動けないだろ」
「私は…ぐっ!」
立ち上がろうとした兎山は激痛に襲われ、倒れ込む
Ⅰ型は兎山を支え、甲賀の元へ座らせた
「…ごめん。でもな、大事な後輩たち痛めつけられて怒らない先輩はいないんだよ」
Ⅰ型は拳を握りしめ、倉庫の中へと戻る
「零一先輩!!ぐっ…」
体を少し動かしただけで体に痛みが走る
「ルミ!動いちゃダメだよ!!」
「零一先輩…!!」
Ⅰ型が倉庫の中へ戻るとそこには今にも飛びかかってきそうな3人が待ち構えていた
「腹立つなぁ!!お前ぇ!!邪魔なんだよぉおお!!」
佐曽里はポケットからドラックをもう一本だし、首に打ち込む
「ぐうぅう!!があああああああ!!」
触手の数は3本から5本になり、左手がハサミのようになってⅠ型に襲いかかる
「死ねぇぇぇぇぇ!!」
それに対し、Ⅰ型は触手を躱してレバーを引き、地面を駆ける
触手の間をすり抜け、彼の首周りにある装置、サイクレッドマフラーが赤く輝き出す
「くそっ!当たらねぇ!!」
「クキャァーーーー!!!」
「キシャァアーー!!」
天鼠は空から超音波を放ち、蜘蛛乃は糸で佐曽里の援護をするがⅠ型には当たらない
Ⅰ型のスピードはどんどんと上がっていき、サイドレッドマフラーの光が残像となりまるで風でなびいているかのように見え始める
自分たちの目では追いつけず、見た場所に残る赤いラインが3人の元へ近づいており、3人は恐怖を感じ始めた
「ひっ!?なんなんだよ、なんなんだよお前ぇえ!!」
「き、ききぃ!!」
「チッ…!!シャァアアアア!!!」
蜘蛛乃が放った糸をⅠ型は掴み、3人の体の周りに張りつけて離れられないようにする
「なっ!?」
「お前たちは絶対許さない!!」
Ⅰ型は3人から距離を取り、レバーを2回引いてその場で跳び上がる
「お前ら3人まとめて……吹っ飛べ!!!」
彼は青い竜巻を纏い、3人に向けて右足を突き出し、飛び蹴りをくり出した
ロッキング・ジ・エンド
「「「うわぁあああああああ!!!」」」
キックで吹き飛ばされた3人は扉と一緒に吹き飛び、後輩3人の前で完璧に気絶し、薬の効果も切れたのか職種はひとつに戻り、ごつくなっていた3人の体は元通りになっていた
「3人とも…大丈夫か…!?」
「零一先輩!!!」
変身を解除し、フラフラと歩いている箱舟の元に兎山が近づき、抱きつく
「いでっ!?」
「先輩…ごめん…私のせいで……」
いつも強気な兎山が耳も下がっており、震えていた
インターンもしていたがこんなことになったのは当たり前だが初めてだろう
箱舟は兎山の頭に手を置き、撫でる
「心配すんなよ。お前の方こそよく耐えた、頑張ったな。痛かったろ?伊吹も…七川もよく頑張った。学校に連絡してあるからもう少ししたらヒーローたちと警察と救急車が来るはずだ。安心しろ」
「先輩ぃ…うぅ…」
「すみません、ご心配を…おかけして…ぐすっ」
伊吹と七川も箱舟の周りに座り込み、泣き始める
3人とも、強い志を持ったヒーローのひよっこ達
それでも女性であることには変わりない
箱舟は警察たちが来るまで3人を無言で撫で続けた
この後、警官とヒーローたちが無事到着し、4人それぞれ事情聴取を受けた
3人の不良だが、ドラッグの副作用による幻覚、及び幻聴により事情を聞くことが困難になったこと、そして現場付近の監視カメラが全て破壊されていたことで箱舟がその場にいたことはわかったが変身していたことはバレなかった
この事件は3人の将来有望なヒーローのひよっこによる鎮圧、ということで新聞の一面を飾ることとなった
佐曽里 個性 サソリ
頭にサソリのしっぽに当たる部分が生えており、そこから毒を出し相手を動けなくさせることが出来る
モチーフ元 サソリ男
蜘蛛乃 個性 蜘蛛
口から粘着性のある糸を放ち、相手の動きを拘束する
糸はとても頑丈で解くことは1度絡みついたら困難
モチーフ元 蜘蛛男
天鼠 個性 コウモリ
特殊な音波を放ち、相手の動きを鈍らせる
モチーフ元 コウモリ男