アークは平和を望む 作:Dark
《き、緊急!!緊急!!近隣をパトロール中のヒーローは直ちに広島空港に!!敵が現れ…ぎゃああああ!!》
《おい!!何が起きてんだ!?サポートアイテムが…》
《うぁああああ!!》
会議室の壁に移される、とある映像
数十人のヒーローがたった1人にやられている
「…こいつは一体何者なんだ?」
「複数のヒーローがサポートアイテムが使えなくなっていたところをみると機械に干渉することの出来る個性か?」
映像を止めて、座っているヒーローたちにNo.2ヒーロー・ホークスが話し始める
「ヒーロービルボードチャートランキングTOP10のあなたたちに集まってもらったのはほかでもない、この男の拘束に協力してもらいたいんです。まぁ1人たりませんが」
「我々全員でか?」
「はい、相手はそれほど手ごわい相手なんですよ」
ホークスは再び、映像を再生して右目の赤い人物の前で再生を止める
「敵名、アークゼロ。アメリカの研究所を襲撃し、4名を殺害。そして研究所を爆発させ姿をくらませていたんですが、日本の広島空港にてその姿を確認。すぐさまヒーローが駆けつけ捕縛しようとするも返り討ちに」
ホークスは止めていた映像を再生させ、アークゼロの攻撃する映像を見せる
「そしてこの黒い波動により、アークゼロを拘束しようとしたヒーロー含む乗客200名以上が重軽傷を負いました」
「なんて奴だ…」
「ホークス、やつの居場所に心当たりは?」
「それが全く掴めていないんですよ、この3日間ずーっと探してたんですけどね」
ホークスはお手上げと言わんばかりに手を挙げる
しかしその目は諦めていなかった
「必ず情報をつかみます。ですから、あなた達も見つけたら…」
「た、大変です!!アークゼロが神野区に出現しました!!」
エンデヴァーのサイドキックであるキドウが声を荒らげて会議室へと入ってきた
「なっ…!?」
「神野だと!?今からだと30分はかかるぞ!!」
「皆さん、お先に向かいます」
ホークスは窓を開け、神野区方面へ飛び立つ
「今近場にいるヒーローは!」
「この場にいないミルコが神野区付近でパトロール中、既に向かっているようです!!」
「我々もすぐに向かうぞ!!」
トップヒーローたちが席をたち、すぐさま神野区へと向かった
「なぁ、あそこに立ってるのって空港襲った敵だよな…?」
「オールマイトの銅像の上で何してんだ?」
神野区 グラウンドゼロ
数ヶ月前、オールマイトが"巨悪"オールフォーワンと戦い勝利した場所
その中心にはオールマイトが右手を強く握り天高く伸ばす銅像が建設され、皆を見守っている
だが、その銅像を見下すかのようにアークゼロは拳の上に乗っていた
「おい!!アークゼロだな!!今すぐそこをおりて投降しろ!!」
ヒーロー数名がアークゼロに呼びかけるも反応はない
「聞いているのか!!おい!!」
「ちっ、引きずり下ろすぞ!!」
痺れを切らしたヒーロー達がアークゼロを下ろそうと近づいたその時
「見つけた」
アークゼロは近づいてきたヒーローたちの隙間を抜け、後ろにたっていたヒーローの首を掴む
「なっ!!?」
「ぐっ…ぅうう!!」
「貴様は…悪意で満ちている」
アークゼロはヒーローを掴んでいた手を離し、蹴り飛ばす
「〜〜ッ!」
蹴り飛ばされたヒーローは声にもならない悲鳴をあげた
「と、止めろ!!!」
アークゼロを止めようと再びヒーローが近づいてくるがアークゼロが謎の波動を放ち、ヒーローたちは崩れ落ちた
「な、なんだよあいつ……」
「逃げろ!!!」
一般人たちが恐怖に顔を歪め、逃げ始める
アークゼロは周囲を見渡し、スーツを着てアタッシュケースを持った男に狙いを定める
「滅亡せよ」
「ひぃいいい!!!」
男はカバンを盾にしギュッと目を瞑って痛みに耐える準備をした
しかしいつまでたっても痛みが来ないことを不思議に思い、目をゆっくりとあげる
すると前に、白い髪の毛をなびかせてアークゼロの拳を蹴り防いでいる女性が立っていた
彼女はラビットヒーロー・ミルコ
事務所を持たず相棒も持たない独自の活動体系をもつ女性のNo.1ヒーロー
「大丈夫か!なら早くどけ!!」
「は、はひぃいいい!!!」
「てめぇがアークゼロか、随分とごちゃごちゃした見た目してんな!!」
「…邪魔をするな」
アークゼロは足を掴み、払い除ける
「っと!!」
しかしミルコははらいのけられた右足を軸に左足でアークゼロを蹴り飛ばす
「なんだ、こんなもんかよ!」
ミルコは攻撃する隙を相手に与えないように攻撃を続ける
「……ラーニング完了」
「あん?てめぇ何言って…」
ミルコが喋り終わるよりも早く、アークゼロの拳がミルコの顎を殴る
そしてミルコは一瞬、意識を失うがアークゼロにみぞうちを殴られ意識を取り戻すと同時に街路樹にぶつかった
「げほっゲホゲホ…!!」
みぞうちを抑えながらもミルコは再びアークゼロを蹴りに行くがアークゼロは難なく避ける
「スピード、パワー、そしてその耐久力。素晴らしい力だな」
「ふんっ!!!」
何度攻撃をしてもアークゼロに攻撃が入らなくなり始める
「すばしっこい…なっ!!!!」
ミルコはアークゼロの攻撃を避け、太ももで首を挟んで地面に叩きつける
「ぐっ…」
「おらぁああああ!!」
そしてその場で回転しそのまま頭を再び踏みつけた
「はぁ…はぁ…」
「おぉ!!いいぞ!!ミルコー!!」
「頑張れ!!!」
周りにいる人たちに応援され、ミルコはそちらを向き笑う
「おら!!まだやれるぞ!!かかってこい!!」
ミルコが振り返るとアークゼロは既に立ち上がっており、ミルコの後ろにたっていた
「ッ!!!!?」
アークゼロはミルコの両腕を片手で掴み、もう片方の手で足を掴み、完全に動きを止めた
「くそっ!!はなせ!!」
「……」
ミルコはもがくがアークゼロはビクともしない
アークゼロはそのままミルコを放り投げ、波動を放った
「うわぁああああ!!!」
「…貴様には用はない。私の邪魔をするなら……次は容赦せんぞ」
「ま、まて……」
アークゼロは砂煙とともに姿を消した
その後、ミルコは病院に搬送されたが命に別状はなく、怪我も酷いものではなかったため2日間、様子見入院することになった
そしてにアークゼロに蹴り飛ばされたヒーローは大規模な手術をし、一命は取り留める下半身が動かなくなりヒーロー活動を引退することになった
お見舞いとアークゼロについての話を聞きに来たホークスとミルコがしばらく話しているとミルコの顔を見て
「ミルコさんどうしたんです?不満そうな顔をして」
「……あいつ、手加減してた」
「なんですって…?」
「攻撃してきたのは最初と最後。最初にやられたヒーローも蹴られてたし、私はあいつより長く戦ってたのに私のが軽傷だ。女だからって舐められたのかもしれねぇ…!!」
ミルコは自分の腹と顎を擦りながら、悔しさのこもった声でホークスに話しかける
「次は負けねぇ…必ず捕まえる!!」
「えぇ、一緒に頑張りましょう」
ホークスはそう言いながらミルコに持ってきた人参を渡した
ミルコは人参にかじりつき、次は必ず勝つと心に決めた
「ひぃいい!!なんで、なんで場所がわかるんだよぉお!!!?」
路地裏に先程グラウンドゼロにいたスーツの男がアークゼロに追いつめられていた
「貴様のような悪は……滅亡しろ」
アークゼロは男の肩を押え、顔を手で掴む
「んぐっ!!!?」
「……滅びよ」
アークゼロがそう言うと、男は急に震えだしやがて気絶した
そしてアークゼロは男が持っていたアタッシュケースの中身をあけ始める
中身はサポートアイテム、だが普通のヒーローが使っているようなものではなく寄せ合わせたパーツで作られた粗悪品
そしてその粗悪品はアークゼロが手に持った瞬間、爆発し消える
アークゼロは崩れたパーツを握りつぶし、呟いた
「…次のターゲットが決まった、愚かな人間を…滅ぼす」
アークゼロは暗い路地の闇に体を溶け込ませ、消えていった
少し長くなりました