アークは平和を望む 作:Dark
「お、俺たちが悪かった!!」
「なぁ頼む!!見逃してくれ!!頼むよ!!」
廃工場に倒れている男女20名と暗闇に向かって必死に頭を下げ、命乞いをする男4名がいた
やがて、雲が隠していた太陽の光が廃工場の壊れた屋根の隙間から漏れだし始める
そこには男の首を持ち上げ、5人の元へ歩いているアークゼロの姿があった
「貴様らのような悪意ある者を許すことはできない」
アークゼロは男を放り投げ、悪意の波動を周囲に放出した
起きていた男たちが倒れたのを確認したアークゼロは奴らの持っているいつも通り粗悪品サポートアイテムを壊そうとする
するとサポートアイテムから映像が映し出される
そこには世間で再出版され始めた"異能解放戦線"の表紙に描かれているマークが映し出される
『やぁ、アークゼロ。私は…』
「四ツ橋力也、デトネラット社の社長兼異能解放軍のリーダー。この世の秩序を乱し、悪意を振りまく者」
『ほぉ、多少調べているようだね。だが秩序を乱して悪意を振りまいているのは君だろう?あの映像、見させてもらったよ』
「貴様を滅亡させに行く」
『まるで場所がわかっているかのような言い方だな。まぁいい、今私は』
四ツ橋力也が話終わる前に、アークゼロが話し始めた
「…愛知県泥花市にある塔の中だろう」
『なっ…!!』
四ツ橋力也は驚きの声を出す
「私は全てを見ている、聞いている。ならなぜすぐに来ないか、分かるか?四ツ橋力也」
『……』
映像から四ツ橋力也の声はしなくなるが、アークゼロは話し続ける
「私は待っていたのだ、貴様と敵連合が戦う日を。巷を騒がせている混乱の元凶・敵連合、そして水面下での活動をしているが近々行動に出ようとしている異能解放軍がぶつかり、互いの戦力が疲弊するその時を」
『貴様…』
「なぜ知っているのか気になるか?求心党の党首、大手IT企業FGI取締役、集瑛社の専務と仲良く食事をしていた時、お前がそう言っていただろう?わざわざ貴様が行動するその時まで待ってやったのだ」
アークゼロは太陽を眺め、粗悪品を地面に置く
「待っていろ、異能解放軍。今日で敵連合諸共、貴様らを…滅亡させる」
アークゼロは粗悪品を踏みつけ、映像を強制的に切断した
「…"悪意を振りまいているのは君だろう" …か。………それでいい」
アークゼロはそう呟きながら四ツ橋力也たち、解放軍の元へ向かった
「スケプティック、やつの情報を集めろ」
『もうしています!!クッソ!!でもなんの情報も集められない!』
四ツ橋力也、解放コード:リ・デストロは携帯を取り出し、解放コード:スケプティックに電話をかけたあと、花畑孔腔 解放コード :トランペットに連絡を入れた
「……トランペット、敵連合の抹殺を優先しろ」
『…了解しました』
リ・デストロが携帯を閉じ、再び窓の外を眺めていると椅子に縛りつけられている男、義欄が笑う
「なんだ?アークゼロと連合ぶつけるんじゃなかったのか!?作戦は失敗!これで失敗は二回目だ!」
煽る義欄だが、リ・デストロは義欄の話を聞いていない
耳を傾けず手で口元を押え、ひたすら考える
(やつは何者だ…?どうやって私たちの会議を見ていた?)
だが、その悩みが解決する間もなくエレベーターに乗って敵連合トゥワイスが現れる
「よーう!てめぇか!?俺たちの居場所をブッ潰してえバカ教祖ってのは!!」
「ぶ、分倍河原…!!」
トゥワイスの登場に義欄は驚き、リ・デストロはアークゼロについて考えることをやめ、ため息を着く
「ずいぶんハゲてんなぁてめぇ!ハゲ教祖じゃねーか!失礼しました!!!」
トゥワイスに煽られたリ・デストロの目元のに黒い痣のようなものが浮かび上がる
「…宮下と違って、捻りがないな」
リ・デストロはアークゼロの事はこいつらを倒してから考えることにした
場所は変わって塔の外
トランペットが車に乗り、スピナーたちとの戦闘中
《皆さん!!我々を脅かす敵に天誅を!!!》
「ちぃい!!めんどくせぇ!!!」
「あぁ!めんどくせぇな!楽ショーだ!!」
トゥワイスが増え続けてもトランペットの異能による身体能力向上を受けた解放戦士たちにより、倒されてしまい、近づくこともままならない
「クッソ…!!どうすりゃ…」
《ガガッ…ギギッ……》
突如、辺りに奇っ怪な音が鳴り響く
「な、なんだ?」
「おい!!トランペット様が!」
1人の解放戦士がトランペットの異変に気づく
周りの戦士たちが振り向くとそこには仮面を押え、引き剥がそうとしているトランペットがいた
「トランペット様…!?」
《ギギィ…ピピッ…び…ガガガ》
「な、なんと?」
《ピピピッ…ほ…ガガッ…びよ》
解放戦士達の顔は一気に怯まぬ戦士の表情から怯える子供のような顔に変わる
《……滅びよ》
戦士たちの聞き慣れたトランペットの声ではない何者かの声が戦士たちの鼓膜を揺らす
「「「「!!!!!!?」」」」
「何が起きてんだ?」
「おいスピナー!!上見ろ!!見んじゃねぇ!!」
今度はトゥワイス達が騒ぎ始める
「なんだ…!?」
スピナーは泥花市上空を見る
そしてそこにはひとつの黒い影が浮かんでいる
アークゼロが現れたのだ
「ぷはっ!!!ゲホッゲホッ!!」
トランペットはマスクを無理やり外し、咳き込みながら上空を見上げる
「間違いない、アークゼロだ…!!」
そしてアークゼロの到着をリ・デストロに伝えようと携帯を取り出す
「なっ…携帯が使えない…!?」
画面を開いたはずなのに、画面が暗いまま何も変わらない
「まずい…!!車を塔まで走らせなさい!!」
「そ、それが車が動かないんです!!」
「なに!?」
携帯や車だけではない
テレビや戦士たちのサポートアイテム、街のありとあらゆる電子機器が機能を停止した
「一体…何が起きてんだよ…!?」
上空に浮かんでいるアークゼロはリ・デストロがいるであろう塔が崩れているのを確認すると塔へと向かう
「っ!!皆さん!!最高指導者の元へ!!!」
トランペットは車から降り、解放戦士たちと共にリ・デストロの元へ向かう
しかしトゥワイス達により、なかなか前に進めない
徐々にトランペットの顔に焦りが見え始めた
「道を切り開くのです!!」
「行かせるわけねぇだろ!!通っていいぜぇ!!?」
上空から降り立ったアークゼロ
その目の前には黒い鎧を纏ったリ・デストロと腕がぐちゃぐちゃになり横たわっている敵連合の死柄木弔
「随分と早かったじゃないか」
「最短ルートを計算した」
「君のその"異能"…一体なんだ?どうやって私たちの会話を聞いていた?」
「…"異能"、随分と古臭い言い方をするじゃないか」
「おい、質問に」
リ・デストロがアークゼロに再び問いかけようとしたその時
何かが地面を引きずる音が聞こえてきた
「俺が……何をつくるって…?」
倒れていたはずの死柄木が迫ってくる
「俺は……ただ壊すだけだ」
その時の死柄木の顔を見たとき、アークゼロはリ・デストロの前から高速で移動し死柄木を蹴り飛ばす
「初対面でいきなり蹴りかよ」
「貴様がここにいる誰よりも悪意で満ちている…貴様を滅ぼす」
「へぇ…やってみろよ」
次回 悪意VS悪意