アークは平和を望む 作:Dark
「アークゼロ!あんたやっぱり無理してるだろ?」
エンデヴァーとヒーローたちの追跡を逃れ、とある山の中にある家屋
「無理などしていないさ」
その中には先程、エンデヴァーの元に現れた4人が変身解除し箱舟零一となったアークゼロと会話をしていた
「お前たちには言ったはずだぞ、そのベルトとデータ・アクティベート・キーは自衛のために渡すと」
息切れとともにフラフラと椅子へ座り込む箱舟零一
「アークゼロ、俺は貴方に助けられた恩を返したい」
頭にバンダナを巻き、着物のような服を着た男が喋ると後ろにいたくせっ毛でスーツを着ている男も続けて話す
「あ、僕も同じ!僕らが組めば誰にも負けないよ!」
「私も同じです。それに…異能解放軍、いえ超常解放戦線となった彼らに1人で立ち向かうのはいくらあなたでも無茶です」
フードを被り、袖の長い服装をした女性は箱舟零一に水の入ったペットボトルを渡し、金髪の男の近くに立つ
「これ以上、1人で戦うな!お前にだって仲間がいる!!」
金髪の男はフードを被っている者から携帯端末を受け取り、起動させて箱舟零一にその画面を見せる
「アメリカで…あの研究所でお前に救われたやつら全員からの連絡だ!こいつら全員、お前の役に立ちたがってる!!」
「…雷、私のしていることは正義ではない。昔も…そしてこれからも…」
「……んな事知ってる。それを承知で俺たちも、連絡くれたヤツらも手伝おうとしてる!!」
「私たちはあなたについて行きます」
「「「「全ては…アークゼロの意志のままに」」」」
この4人、滅、亡、迅、雷と出会ったのは1年前、箱舟零一が元・仲間を手に掛けた日
奴らは"強化人間"と呼ばれる"個性"を"強化"させた個性強化型改造人間と"身体能力"のみを特化させ強化させた身体強化型改造人間を作っており、個性強化の被検体にされた者のほとんどは個性を強化させる段階で感情と意思を失い、まるで機械のように命令に忠実なあやつり人形と化していた
滅たち4人はその両方の強化を受けたにもかかわらず、自我を失うことなく、その力の両立に成功し奴らの手駒となっていたのだ
箱舟零一は人体改造の事実を知るとすぐさま研究所に向かい、元仲間たちを倒し、滅たちを含めた研究所内に監禁されていた300名の身体強化された人間、500名の改造人間を救出した
しかし、これは全員ではない
研究所が突如爆発し、中に残されていた研究員400名、監禁されていた個性強化及び身体強化されていない250名が
死亡した
箱舟零一はこの研究所が遠隔で爆発させられたことに気づき、破壊されたデータの一部を復元させることに成功した
復元された資料に目を通すとそこには"最強の戦士の製造" "日本にいるあの方のために…"と書かれていた
箱舟零一は日本でなにか良くないことが起こることを察知し、すぐさま支度をすませ、日本へと向かう飛行機へと乗り込んだ
彼らはそれを知るとすぐさまアークゼロを追いかけ日本へと向かい、彼から貰ったフォースライザーと呼ばれる変身装置から放たれる反応を元に泥花市近くで傷だらけで倒れている箱舟零一を発見
すぐさま応急手当をし、アークゼロの隠れ家まで向かった
「…滅、頼みがある。私はこれから2ヶ月の間、ラーニング以外の機能を停止する。私の代わりに死柄木弔、及びヒーローたちの動きを探れ」
「了解した」
「亡、お前の携帯端末に連絡が来ていた者のために"例の物"を人数分の設計図を送った。アークドライバーを制作台に繋げろ、そうすれば1ヶ月もあれば作れる」
「わかりました」
「雷、迅。お前たちは2人のサポートを」
「わかった!僕、資材集めてくるね!」
「わかった。けどよ、ラーニングすんのにアークドライバーいるだろ?亡に貸しちまったら出来ねぇよな?」
「…心配するな、これがある」
アークゼロは引き出しをあけ、何も書かれていないデータ・アクティベート・キー(以下プログライズキーと記載)を取り出した
「これに…アークゼロでラーニングしてきた悪意を流し込む」
プログライズキーをアークドライバーにスキャンし、引き抜く
するとプログライズキーは禍々しいオーラを纏い始め、所々赤く光り始めた
「亡、これを預ける」
箱舟零一は亡にベルトを渡してプログライズキーをしばらく見つめ、強く握り締める
「任せたぞ」
亡の肩を掴み、4人の頭を撫でると箱舟零一は階段を降りていく
「必ず…世界を救う…たとえそれが…俺の身を滅ぼしても」
箱舟零一は地下室の真っ暗な部屋中に入るとその扉に鍵をかけた
季節はめぐり、出会いの季節
澄み切った青い空に似合わぬ、赤い炎と黒い煙
倒れている人々、崩れ落ちたビルや街
人々が見る目線の先に
彼は立っていた
「どうして……あんたが……」
1人の人物が傷だらけになったその体を起こし、足を引きずりながら彼に近づく
「なんで…なんでこんなことするんだよ!!」
彼は振り向く
そしてその目からは
赤い涙が流れていた