おいおい、思ったんですけど艦娘と深海棲艦の戦いに至近戦や不思議要素は混ぜるな危険なのでは……? まぁいいか(良くない)
冷葉くんと艦娘+αからのやり取りをお送りします。
間違って最新話更新してしまいました。再度上げ直してます。
サブタイトルに違和感を感じたんで、変更しました。2022 8.23
―続き
午前七時 泊地内 食堂にて
昨夜の芙二から連絡を貰った冷葉はいつも以上に自分の仕事へ熱を注いでいた。
いつもは芙二と二人で行う調理も、倍以上の速さで熟せるようになっていた。
傍から見れば冷葉が何人もいるように見えるだろう。
それくらいの速さでやっているのだが、無駄な行動がひとつもない。
皆が集まってくるであろう三十分後には人数分の朝食が完成した。
あまりの手際の良さに早くに来た艦娘や妖精さんは驚く。
提督がいるみたい、だと。
もちろん芙二は夕張と共に本営へ向かっているため不在だ。
最後の盛り付けを終え、カチャリと菜箸を置く。
ふぅ、と溜息を吐き厨房の端にあるパイプ椅子に腰を掛ける。
冷葉「……あー、すまん。五分くらい時間をくれ。流石に朝から飛ばしすぎたわ。妖精さん、申し訳ないんだけどカウンターへ朝飯を出してくれない?」
疲れた顔はあまり見せない冷葉だがその声には覇気はなかった。
指示を受けた妖精さんたちは『了解です!』といい何人かが厨房へ入っていった。
それからして復活する頃には数名の艦娘が配膳の手伝いをしてくれたおかげで早めに食べる事が出来た。
皆が朝食を食べ終わり、片付け終わった所で冷葉は朝礼を始めた。
冷葉「皆、おはよう。今日は遠征と哨戒を行ってくれ。演習はなしで。遠征は南西方面へ一組ずつ。哨戒は以前、異変があった海域付近へ行ってほしい。危険だと思ったらすぐに帰投してくれ」
『はい!』と声を揃えて返事をされる。
一回頷いて冷葉は続ける。
冷葉「ホワイトボードに名前が書かれてない者は本日非番ということになる。纏まった休日は取りにくいからしっかりと休んでほしい」
朝礼で話す内容は話終わったので質疑応答の時間を取る。
冷葉「あ、そうだ。念のため無線を全員に支給しておくよ。海上でなにがあるか分からないから、ね。もしもこことの連絡線が断たれても、芙二には繋がるように設定してある。各々との連絡は言わずもがな、だがね」
誰かが無線はもう配ってあると言った。
冷葉は今使ってる無線機は後で回収し、魔改造……じゃなくて改良した無線機を後で渡すので遠征組と哨戒組は工廠へ居てくれと伝える。
皆、了承したように頷きメモを取る者もいた。
では、解散と冷葉が言うとばらばらと散らばる。
洗い物は妖精さんに頼んで、冷葉は一度自室へ戻る。
ばたばたと廊下を走り、自室へ入るとある棚から黒い鍵を取り出す。
そして工廠へ向かった。
工廠内にある一室へ歩いて行く。
そこには全員分の無線機がかごの中に入っているからだ。
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ホワイトボードを見て、本日執務へ取り組む艦娘が十二名工廠へ集まってきていた。
面々を見るなり『先に遠征組を呼ぶ。呼ばれた者は前へ!』と言い事前に作成したリストを読み上げる。
冷葉「旗艦、足柄! 随伴、曙! 川内! 夕立! 那珂! 名取! 以上六名、前へ!」
遠征組「「はい!」」
冷葉「皆には朝礼でも言った通り、南西方面へ向かってくれ。ただ、途中で何か違和感があったら速攻帰投してくれ。間違っても戦闘へ入らないように」
覇気のある声で『はい!』と揃えて返事をかえす。
それを見て一人一人に用意した無線を渡す。
全員分、行き渡ったのを確認して足柄に一言。
冷葉「今回は南西方面の調査だ。なにが居ようとむやみやたらに突っ込まないでくれ」
足柄「分かっているわ。それくらい。提督不在でもしっかり熟してみせるわよ! みんなー! 海へ出るわよっ」
旗艦である足柄が声を掛けるとやる気のある返事をして南西方面へ向かった。
残ったのは哨戒組の六名。
冷葉は哨戒組の六名には戦闘を意識させた装備を付けさせていた。
場所が場所なだけで、深海棲艦との戦闘は避けられないと思ったからである。
冷葉「では、哨戒メンバーを読み上げる! 呼ばれた者はその場で返事をしてくれ!」
さっきと同じようにリストを読み上げる。
冷葉「旗艦、サラトガ! 随伴、榛名! 龍驤! 神通! 叢雲! 時雨! 以上、六名。君たちは十分に警戒しつつしっかりとこなしてくれ。そして定期的に連絡をしてくれ。もしも反応が消失した時に、救援を向かわせるためのカギとなるから」
時雨「それは誰でもいいの?」
冷葉「あぁ勿論。記録をつける為でもあるからね。誰がどこを通ったか、ね。それと異常海域への滞在時間は十分まで。それ以降の滞在は認めない」
神通「なぜかは、聞かないでおきますね。それほど――」
龍驤「でも敵と遭遇したらある程度は攻撃してわけやな?」
冷葉「いいけど、撤退することが目的だからね。確実に沈めるまでやらなくていいよ」
龍驤「了解や。うちの艦載機、久々に揮えるでっ!」
榛名「多分ですけど、昼前かそこらには帰って来れそうですね。このまま何もないといいのですが……」
冷葉「それが一番だよな。では、哨戒組も行ってくれ!
(あいつの不在でなにかあっちゃぁ俺だけだと、取りこぼしちまうからな)」
そういうと哨戒組は出撃ドッグへ向かった。
見送った冷葉は工廠から執務室へ向かっていく。
無線から入る情報を録音するために。万が一の場合に備えて。
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南西諸島海域 沖
水中からおびただしい数の深海棲艦が浮上しだす。
幸い、付近には漁師はいないため被害はゼロであった。
深葬姫と同期し終えた清霜は最後の確認をするのであった。
清霜「さて、みんな。私達の目標を達成させた暁には――! 艤装をさらに強固なるものへする約束と――半永久的な資源確保も約束されるの!」
清霜「まずは私達が目的地へ到達。奇襲を仕掛ける事により、敵の戦意を削ぐ。敵も疲弊してきたところで数の暴力を見せるわけ。許し請いをしても、手を止めちゃダメだよ。無慈悲に海の底へ沈めてようやく仲間になるの」
清霜「それと時雨っていう艦娘を見つけて私の元へ送った娘にはボーナスを上げる! フラグシップが目じゃないくらいに強くしてあげるね」
周りの深海棲艦はただ上からの命令を盲目的に受け動く人形ではない。
清霜の手により、陸地や至近戦の心得を教え込まれていた。海ではエリートクラス以上の力を持ち、陸地もある程度は動けるようになっており傍から見れば恐ろしい殺人集団が出来ていた。
言い終えると、清霜は自分の率いる中規模艦隊へ伝達事項を知らせ泊地へ侵攻していく。
ゆっくり、ゆっくりと速度は上げず侵攻するのだ。
気がついたときには水平線に我らの姿が見えるように。安寧、平和はここまでだ。
正午頃には、発見よりも先にヲ級たちの艦載機が雨のような爆弾を降らす。
爆弾音と煙が同時に上がってきたら、侵攻戦は始まる。
熟練の艦娘や指揮官がいない場所だからこそ、容易く奪えるのだ。
出来れば、必死に奮闘する様子を映像か写真に収めて人類に布告したいものだが。
叶わないため、目に焼き付ける事で良しとしよう。
清霜(ふふふ。時雨ちゃん、時雨ちゃんだけは――苛め殺してあげる。
それで深海化した後も――とても気持ちよくしてあげるね)
もう奪った後のことを考えている。
清霜は自分たちの作戦が失敗するとは微塵も思っていない。
ふふふ、と黒い笑みを浮かべながら進む清霜に対して考える。
こいつも大概だな、と深葬姫は思った。
ついに、ついにと言った感じですねぇ……作者的には投稿開始してから半年でここまで行く予定だったのに寄り道したり迷走しすぎました感が否めないです。
二章に詰め込み過ぎた感が半端ないので三章かそれ以降は少しだけボリュームが無くなるかもしれないです。