とある泊地に着任した提督のお話   作:ふじこれ

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 二章も終わりに入りました。
 まぁここからがまた長いんですけど。

 2022年7月22日 AM2:11 二章が完了しそうだったので追加しました。


故郷にて語り謳われた(カミ)へと成らざるを得なかった少女は、世界を憎む
二章 79話『少女は目覚める』


 南西諸島海域にある名も無き孤島にて。

 

 深海棲艦が多く出現する南西諸島海域なのだが、この孤島付近の海域一帯には深海棲艦は一体もいない。

 なぜならこの孤島にはある生物が眠っているからだ。

 

 その生物とはこの世とは、本来関わりを持たない伝説的生物。

 しかし現代人であればだれでも想像がつくのではないだろうか。

 

 昔も今もゲームや漫画にも登場する人気のある生物がこの島にはいた。

 それは【ドラゴン】である。ネス湖の〇ッシーという未確認生物が可愛くみえるレベルだ。

 

 その生物は周りを気にすることなく静かに寝ている。

 

 

 ぱっと見の大きさは二十五メートルほど。翼を広げたら四十メートルはゆうに超えるだろう。

 

 頭は丸く、山羊のような角が二本生えている。

 白く輝く龍鱗に身を包ませ、同じく白い天使のような翼を閉じていた。

 

 そのような生物に遭遇したら、たちまち悲鳴をあげるだろう。

 実際に孤島付近に深海棲艦が一体もいないのはそれが原因でもある。

 

 問答無用で攻撃してきたものは全て殺している。

 人も深海棲艦も元々その土地に祀られていた神でさえも。

 

 やがて住む人や棲む生物がいなくなり、名も無き場所へ変わった。

 祀られていた神は、消える寸前にそれと相討ちを目論んだが失敗に終わる。

 

 神すらも喰らったそれは人の身から正真正銘の(カミ)へと至った。

 

 『■■■■■■■■!!』

 

 自分が存在するという事実を知らしめるために天へ吼える。

 ビリビリと空気を震わせ、海上には波が立つ。

 

 目覚めたばかりの(カミ)は自分が御伽噺(昔聞いたそれ)の存在と同じステージに至ったことを知った。嬉しさはなく、ただただ人の身であることが出来なくなった自分を、世界を呪った。

 

 自身を無理矢理家族の元から離しただけではなく、あまつさえ人間を辞めさせられた憎しみは根深くその(カミ)は世界を呪う。

 

 しかし本来黒く禍々しくなるはずの身体は変わる。反転し、白く神々しくなるのだった。

 

 この世界に未練など無い(カミ)は世界を滅ぼそうと考えた。

 

 ======

 

 眠っていた白い(カミ)は目を覚まし、あくびをする。

 

『~~~アアァ……』

 

 バサッと白い翼も広がる。

 瞼を開くと青い目にひし形の瞳孔が見える。

 

 眠そうに首を降ろし、翼も閉じる。再び、瞼を閉じようと思った時だ。

 

少女(……この世界にも人狼族(ワーウルフ)がいるとはね。それにしても私と似たような気配がしたのは一体なんだろうか)

 

 と、気になって眠れなくなったので動くことにした。

 しかし今の状態だと動きにくいので形態を変える。

 

 巨大な身体を隠すように光輝くとそこには面影はなく、白いローブを来た少女が居た。

 髪は黒く、瞳は青く、人間にしては珍しい縦長な瞳孔を持つ。

 そして肌は褐色で背丈は中学生くらいしかなかった。

 

少女「うん。これなら大丈夫そうかな。さて、ベイのところへ行ってご飯を貰ってこよう」

 

 そういって、白き(カミ)こと白いローブの少女は数少ない島民の元へと向かった。

 

 

 

 

 この世界にとって天変地異以外の災厄がひとつ、動き始めた。

 

 

 

 




 世界を憎む少女

 別の世界で家族と暮らしていた少女は突然離れ離れにされた挙句、人間としての在り方を忘れ、その土地の神すら喰らう。
 心に刻まれた憎しみは根深く、自らの力を以て世界を破壊しようと目論む。
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