とある泊地に着任した提督のお話   作:ふじこれ

131 / 387


 幕間の話一個終わりです。ほんとはこれくらい短いと書きやすいんだけど。


幕間1 vs八崎 ②

 

 誰かが言った合図は二人の真剣勝負を開始するものとなった。

 水上を地を駆けるごとく走り回って、肉弾戦を開始する。

 

 八崎は芙二の実力を知っている。だから最初から全力をぶつけていた。

 

八崎「ハァッ!!」

 

芙二(喉元に拳かよっ……受けてたら喉仏潰れてんだろ!?)

 

 繰り出された八崎の拳は受け流され、ずるっと前のめりになる。

 芙二は距離を取って、八崎が居た所を見るがもうそこにはいない。

 

芙二「いないっ」

 

 気配察知ですぐに気がつく。これが無かったら一本受けていただろう。

 

八崎「てやぁッ」

 

 左回し蹴りが炸裂する。この一撃も頭を狙っている。

 

芙二「まだ甘い!」

 

 すぐさま向き直って受け止めると、衝撃は足を伝い波紋が生じる。

 反撃を試みるも、躱され距離を取られる。

 

芙二(しかしレベルを落とすと防戦一方になるのはなんかヤだなぁ)

 

 頬をポリポリ掻きながら考える。

 もっとも八崎はその時間すら与えないつもりだ。

 

 瞬きをするうちに距離を詰められる。

 今度は――――と目線で探ろうとする。そんな芙二を見てか八崎は呟くように言う。

 

八崎「さっきから――――」

 

 動きが素人ですよ、と。

 

 顔と顔がぶつかりそうな距離で言われ、癪だと思った芙二は圧をかけ引き剥がそうとする。

 がしかし、八崎の方が何かを感じたらしく、距離を取った。

 

八崎「ふぅ危なかったです。やはり不用意に近づいてはいけませんね」

 

芙二「ありゃそのまま飛んでくると思ったけど、そんなことはなかったか」

 

八崎「流石に死を悟りましたので。あれ、芙二殿。私のレベルに合わせてくれたのではないのですか?」

 

芙二「あー防戦一方だったから、つい。次はこちらが攻めてもいいかい?」

 

 なんて緊迫した空気とは裏腹に楽しそうな会話を広げていた。

 叢雲達は目で追いかけるのがやっとだった。足柄なんて『目が疲れそうだわ』と言っていた。

 

 そこで先ほど合図をした紫月が口に手をやりながら話し出した。

 

紫月「やっぱ八崎殿も芙二殿も強いですね~~……今の会話、あれで八崎殿に合わせているのですか。つまり……

 (私とするときはもっと激しい、と。こりゃ死にますわ。私もそれ相応の武器を作らなくてはダメそうですね)」

 

夕立「紫月さんは提督さん達の会話聞こえるっぽい?」

 

紫月「えぇはい。結構白熱してたじゃないですか。八崎殿が芙二殿を攻めていた、そう見えましたよね?」

 

川内「う、うん。実は違った、とか?」

 

紫月「そうですね~……さっきの会話の一部を伝えますと、芙二殿が八崎殿に合わせているらしいです」

 

川内「うっそ!? 八崎さんも結構やるな~!って思ってたのに!」

 

紫月「まぁ八崎殿も結構強いと思いますけど、ね。

 (ただ芙二殿が規格外なだけだと思いますけど。あぁ僕も交渉したらどうにかなるかなぁ?)」

 

 なんて思っている時、場内に爆音と共に大きな水柱が上がった。

 会話をそっちのけで視線を再び戻すのだった。

 

 ======

 

 芙二がどんどん攻める。最初は見切ったり、受け流していたのだがやがて攻撃は苛烈になり捌ききれなくなっていく。

 

八崎「やぁっ!!」

 

 打撲になるかならないかの攻撃を受けながらも八崎は反撃を試みる。

 芙二の顔面を捉える。先ほどの圧を感じたが、動けない。

 

八崎(まずい)

 

 と思ったが、急に突き飛ばされる。受け身を取れるわけもなく、無様に水上を跳ねていく。

 ようやく止まり、顔を上げると鼻血を垂らす芙二の顔がそこにあった。 

 

 垂れる血を舌でベロリと舐め取った。だがまだ垂れてくるので今度は手で拭っていたようだった。

 拭い終わったのか、鼻血は止まったのか座り込んでいた八崎に話しかける。

 

八崎「顔面に貰うのは久しぶりだ。八崎さん、強くなってると思うよ。」

 

 そう言われて、嬉しく思う反面。芙二の顔面を捉えた拳に目をやる。

 八崎本人は鼻を潰す威力を繰り出したつもりだったのだが、当の本人には鼻血が出る程度だけだったという事が鮮明に映った。

 

八崎(この人には敵わないなぁ)

 

 と思っていたとき、芙二がしゃがみながらどうするかを聞いて来た。

 どうするかを自分の身体と相談する。

 

 最初から飛ばし過ぎたようで、身体の所々が痛む。

 それに芙二からもらった一撃もらった箇所が痛みだす。よって導き出された答えは一つだ。

 

八崎「降参します。これ以上は明日の執務に差し障ります」

芙二「おーけー。そいじゃ終わろうか」

 

 と芙二が言って終わりなった。

 叢雲達や途中からいた紫月に終わったと大声で言っていた。

 

 まだ座り込んでいた八崎はこんな時間に大声を出して大丈夫かと気にしていた。

 

芙二「さて、八崎さん。立てる? あ、これ試作回復薬ね。変なモノじゃないから。痛みを消すか気持ちよくなるかもな」

 

八崎「最後なにか恐ろしい事を言ってなかったです?」

 

芙二「いや何も? とりあえず、みんなのところ行っときましょ」

 

 立ち上がった八崎は芙二から回復薬の入った瓶を受け取り、持ったまま芙二と共に席の方に向かうのだった。

 

 

 




戦闘シーンのお勉強しなくっちゃあダメだわw
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。