とある泊地に着任した提督のお話   作:ふじこれ

139 / 390
 うーん、昼夜逆転生活気味に……


三章 7話『いざ、北方海域へ!』

 五月 十五日 七時 七分 泊地内 本棟 食堂にて 

 

 

 謹慎処分を下された芙二は今回だけは裏方に回ることになった。冷葉が無線なり装甲船なりで指揮を執る方針になった。

 芙二は大淀と共に書類関係の執務や観測所の職員との応対、完成しつつある工房で装備のメンテナンスと中々に忙しい日程となっていた。

 

 大淀は芙二に『よろしくお願いします』と言っていた。

 こちらこそ、と返す。

 

 コホン、と一回咳ばらいをして冷葉が話し始めた。

 

冷葉「今回は俺が指示を出す。いつも芙二がいるとは限らないから、前に渡した無線を使って通信を行う。出撃する際は工廠に行き、妖精さんから貰ってくれ」

 

 艦娘達は頷く。

 続けて話し始める。

 

冷葉「そして今日から海域攻略を開始する。その前に改装許可が出ている者と今回、海域攻略に参加するメンバーを発表する!」

 

 わぁっと歓声が上がる。練度を知っているのは冷葉か芙二しかいない。今回は口頭で呼ばれるからこそ、自分達が次のステージへ上がれることがとても嬉しかったのだ。

 

 それに今日から北方海域への攻略となる。今日改装した中でメンバーに選ばれていたら、力を揮えるということだ。それは艦娘達にとって、とても楽しみであった。

 

 がやがやと話し始めたところを冷葉が二回手を叩いて、静かにさせる。

 静かになったら、再度続きを話し始める。

 

 

冷葉「今回改装許可が出ている艦娘は十九名だ。呼ばれた者は工廠へ行き、明石に【改装】についてと聞いてくれれば十分だ。改装するのは個人のタイミングで構わない。だが、今回出撃する者は集合する前に済ませること」

 

 発表の前に一区切り入れる。

 ごくり、と息を呑むような静寂が訪れる。

 

 厨房で朝食を支度していた間宮や伊良湖が料理する音だけがよく響いた。

 

 

冷葉「第一次改装の対象者から発表する。赤城、足柄、曙、サラトガ、夕張、大淀、明石、敷波、陸奥、名取だ。次に第二次改装の対象者を発表する。如月、時雨、響、龍驤、皐月、叢雲、朝潮、霞だ」

 

 名を呼ばれた者もそうでない者もまた歓声を上げる。近くに対象者がいると『やったね』や『おめでとう』と言いながらハイタッチや抱き合っていた。

 

 芙二は『そうそう、こういうのもいいんだよね』と艦娘らを見て言っていた。

 その隣で、大淀が私もですか!?と驚いていた。

 

 夕張はこれでみんなの役に立てる!と目を輝かせながら、今日の仕事に精を出すため工廠へ向かって行った。今この場にいないのは明石だけだが、夕張が向かったのでわざわざ行って伝える手間が省けた。

 

 

 芙二の言葉を聞いてか、冷葉が突然、芙二になにか一言、言ってもらおうとして話を振ってきた。

 

芙二「き、急にくるな? 冷葉。まぁいいや。俺からは改装許可が出た艦娘へ。おめでとう! 更なる力を手にするだろう。それでいっそう活躍してくれることを期待してるよ。逆に今はまだ改装許可が出なかった艦娘へ。まだ伸びしろがあるってことだから急ぐことはないぞ。皆、それぞれの強みを持っているのだから、それを存分に発揮してほしい」

 

 艦娘は皆、静かに芙二の言葉を聞いていた。

 ある艦娘は自分の強みとはなんだろう、と自問自答していた。

 

 また別の艦娘は、目を輝かせていた。

 

 話しながら周りに伝えるべく視線を移動させる。

 芙二はみんなとなら、この戦争を終結させられると確信していた。

 

 

芙二「――――と。これくらいだな、俺から言えるのは。冷葉、俺は工廠へ向かうよ。まあ如何せん数が多いのでな、明石の手伝いでもする」

 

 

冷葉「執務はどうするつもりだ?」

 

芙二「今日の分はほとんど終わっている。あとは大淀さんに目を通してもらって、判を貰うだけだ。あ、そうだ。戦力増強のために建造するわ。三回、するけど大丈夫そ?」

 

冷葉「相変わらずお早いこって。うむ、それで艦種はどうするつもりだ?」

 

芙二「空母が一、軽巡とその他が一ずつだな。資材はあまり使わない方針で行くから。また後で報告書出すよ、大淀さんにね」

 

 

冷葉「分かった。それじゃ。行ってこいよ」

 

 

 話が終わると芙二は工廠へ行った。

 さてと、と冷葉が艦娘達の方へ目線を戻す。

 

 皆、これから発表されるメンバーの内容に釘付けのようであった。

 

冷葉「それじゃあお待ちかねの――出撃メンバーの発表と行こうかね」

 

 おぉ!と待っていました、と艦娘達の声や表情が重なる。

 艦娘達の視線を集めながら、くつくつくつ、と笑いながら冷葉はリストを読み上げる。

 

冷葉「今日行く場所は【モーレイ海】だ。北方海域ということもあり、寒さで苦戦を強いられるかも知れない。そういえば、芙二が何かそのことで言っていたような……ま、まぁ後で聞いて見てくれ。それじゃあ、メンバーを発表する」

 

 

 ついに北方海域へ向かう。 

 北方海域の制海権を取るべく、と気合を入れる。

 

 

冷葉「旗艦、足柄! 随伴に赤城、龍驤、曙、名取、皐月。以上六名が本日の出撃メンバーだ。本日、九時三十分には出撃ドッグへ集まってもらう。各自、朝食を摂り次第解散してくれ」

 

 メンバーの発表が終わると艦娘はみな声を揃えて返事をする。

 そこで間宮たちから朝食が出来たと声がかかり、皆散らばって席を確保しだす。

 

 

 

 冷葉は間宮たちに声を掛けると一旦執務室へ戻り、無線の状態を確認したのだった。

 

 

 

 




 前回の話で、武具作成のレア度なんて書いたかなぁ……と思っていたら書いてなかったので、登場人物 各設定Ⅰの後ろらへんに書こうかなと。

 それか別ページに纏めます。
 いやそうします。多分。

 お盆くらいにモーレイ海域に入りたかった……。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。