とある泊地に着任した提督のお話   作:ふじこれ

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ノープロットで書けしまった。これじゃあ話が進まない。
わかりにくかったら申し訳ないです。


ヲ級と少女

 

 

―続き

 

 2030年 6月 10日 PM 08:21

 

 ヲ級の部屋にて

 

クールな少女「ヲ級ちゃん! 今日の勉強はここまで。小テストも7割取れてきてるから飴ちゃんあげる」

 

ヲ級「ヲ~! アリガトウ! エット……」

クールな少女「私の名前はセーレ。セーレ・ファマティ。セーレって呼んでね。ヲ級ちゃん」

 

ヲ級「……セーレ! セーレ!」

セーレ「ふふ。そう、私はセーレ。そうだ、飴ちゃんをもう一個渡そう」

 

 そういって自身の懐からもう一つ飴を渡すとヲ級は尚の事喜びの表情をしだした。

 ヲ級に勉学を教えていたのはセーレという長髪青髪の少女だった。

 

 四角い眼鏡をつけており、軽井と同じ白衣を身に纏っている。

 そんなセーレは今年で15歳になるが初、中等教育は受けていない。高等学校への受験なんてもってのほかだ。なら、誰から教えてもらったかというとそれは――義父母だ。

 

 当時孤児だったセーレは施設から引き取ってもらい、13歳になるまでの8年間、2人の手で育てられた。それとセーレは生まれながらにしてとても賢かった。

 

 義両親が教えたことは、大半は覚えられたのだ。しかし、金銭的な事情でセーレは初等教育を受ける事は出来なかったが不満を一切言わず、義両親とも仲が良かった。だが、そんな幸せも長くは続かなかった。

 

 理由はセーレが住んでいた地域に深海棲艦が現れたのだ。住んでいたところは都市から離れた海辺の田舎町。その近海に深海棲艦の姫級の大艦隊が出現した。

 

 深海棲艦が出現した記録などなく、その地には泊地や鎮守府などなかった為あっという間に侵略されていった。

 

 セーレが最後に覚えているのはテレビや本でしか見たことのない、深海棲艦が扱う黒い鳥のようなものが空を覆い尽くし――黒い塊を落としたということだけ。

 

 目を覚ますとそこは都市の病院だった。しばらくはぼーっとしているがふと我に返ってベッドから這い出ようとするときズキリとした痛みを感じたため顔を歪め部屋内に留まった。

 

 その際、大きな音を立ててしまったのだろう。看護婦が何名か走って部屋に入ってきたのだ。

 

 入ってきた看護婦たちにセーレは質問した。ここはどこで、あの後何があったのかを教えて、と。

 

 しかし看護婦たちの表情は暗い。それだけでおおよその事は推察出来たがどうしても知りたいことがもう一つあった。それも質問しようとした時に、看護婦の中の一人がゆっくりと口を開いた。

 

看護婦A「ここはE市の大学病院よ。あなたは9日前にここへ運び込まれたの。その時のあなたの様子は酷い火傷。皮膚の殆どが焼け焦げてしまっていたわ。ほとんど助からない状態だったの」

 

セーレ「……」

 

看護婦A「でも、それでも緊急治療を行ったわ。当時は誰しも助からないだろうと思っていたけど、あなたは話せるまで回復してみせた。これは驚異的な回復能力だわ。……あぁ失礼したわ。続きを話すわね」

 

セーレ「……はい」

 

看護婦A「空襲に遭った町は、とてもじゃないけど……住めそうにないわ」

セーレ「そんな……」

 

 そんな事実は知りたくなかったが受け入れるしかなかった。

 セーレにはまだ希望があったからだ。

 

 その希望について後で質問しようとしていた。

 

看護婦A「跡形もないの。全部、爆弾で焼け壊れてしまっていてね。それに大勢の人が亡くなった。その大半はあなたみたいに酷い火傷を負ってしまい治療が間に合わなかった。それか炭のようになって亡くなった人もいたわ」

 

 淡々と話す看護婦をただ見ている事しかできなかった。あの町には戻れない。それ以上に大勢の人間が死んだという事実は現実であり、変えようはなかったのだった。

 それでもセーレは……いやそれだからこそセーレは聞きたくなった。

 

 ――両親のことを。

 

セーレ「……両親も。わたしの両親も無事ですよね……?」

看護婦A「……」

 

 住み慣れた所を失ったって両親がいれば前と同じように行かないかもしれないがやっていける。セーレはそう信じていた。話を聞く限り自分のような生存者は限りなく少ないということが分かる。

 

 それでも両親が死んだ、とは限らないと心の底から思っていた。

 

 先ほどまで話していた看護婦は黙ってしまっているがきっと、生きているに違いない。

 

 この病院か別の病院で入院していると言い聞かせ平静を保つ。しかし看護婦たちの表情は暗いままだ。中には泣いてしまっている看護婦すらいる。

 

 その様子で看護婦の誰かが、口を開かずとも分かってしまう。セーレは必死に否定する。

 やめてくれ、趣味の悪い演技は辞めてくれ。頼むから、わたしを――

 

看護婦A「ご両親は――先日亡くなりました」

セーレ「……!!」

 

 セーレ(わたし)の中で”亡くなった”という部分よりも『先日』という言葉が強く印象付ける。先日?

 

 ……()は――なんで今頃になって目を覚ましたのだ?

 このまま起きなかったら、両親と同じ場所へ行けるかとおもったのに。

 

 なんで――?

 

看護婦A「ご両親のご遺体は安置所にあるから――お顔を見に行かれます「…んで?」――か」

 

看護婦たち「「? ――……!?」」

 

セーレ「なんで、なんで、なんで、なんで……――」

 

 無表情のままどす黒い感情(思い)を吐く。喉が枯れても構わない。私は――深海棲艦がとても憎い。絶滅させてしまいたいくらいに。

 

看護婦たち「「~~~~!!!!!」」

 

 看護婦たちが何か言っていたが、聞き取れなかった。多分、現実を受け入れられなかったんだろう。迷惑をかけてしまったのは、うん。機会があれば謝りたい。

 その後の記憶は曖昧過ぎて、ダメだ。

 

 しかしあの後、私が覚えているのはこれくらいだ。

 何処かの部屋にいた気がする。

 

 そのとき私は眠っていたような。そして気がついたら宮部を名乗る男が目の前にいてこう言った。

 

宮部「良かったら私の所に来ないか」

セーレ「是非」

 

 行く所もない私は2文字で快諾した。そして一昨年、ここへ来た。結局、私を育ててくれた2人の遺体は見なかった。

 

 それを行うことで2人は本当の意味で死んでしまう、と思ったからだ。だからこそ、こう思うようにしている。あの場所で私の帰りを待ってくれている、のだと。

 

 きっと、あの場所で夫婦仲睦まじくありきたりな毎日を過ごしているのだと思う。あんなことは夢だった。きっと悪い夢だったのだと思い込ませた、はず。

 しかし当時は困ったものだ。何せ、モルモット(深海棲艦)を見るだけでトラウマを引き起こされ、発狂する。今は、なんとか大丈夫だと思いたい。

 

ヲ級「セーレ? 大丈夫?」

セーレ「大丈夫。ごめんね、ぼーっとしていたみたい。それじゃまた明日ね。ヲ級ちゃん」

 

ヲ級「ウン! マタ、明日! セーレ、アリガトウ!」

セーレ「それじゃあ。私は失礼するね」

 

 花が咲いたような様な表情を見せる憎き怨敵(ヲ級ちゃん)に見送られながら私は部屋を出る。その時、丁度軽井さんに会った。

 

 彼は疲れた表情をしてる気がする。ヲ級の相手をしてるからだろうか、または所長たちに振り回されているからだろうか。

 

 よく辞めないものだ、と感心してしまう。……いやこの人も大概か。

 部屋を出た私に向かって彼は口を開いた

 

軽井「ヲ級は居るか?」

セーレ「えぇいます。今、ちょうど飴ちゃんを食べている頃かと」

 

軽井「分かった。あまり間食は渡さないでやってくれよ」

セーレ「……あーはい。分かりました。でも、ご褒美は大事だと思いますけど」

 

軽井「……与えすぎなければ、何も言わないさ」

セーレ「……それでは失礼します」

 

 

 彼と数言、会話し私は自室を目指して再び歩き出した。その後ろで彼とヲ級の会話が聞こえたような気がするがまぁ気のせいだろう。

 

 

―続く

 

 




新キャラクター

 深海棲艦を憎み続ける少女 セーレ・ファマティ

 本編と番外編って分けた方がいいような気がしてきた。これ数話じゃ、行かない。
 この番外だけで多分20話とか書けそう。あまりにも長くなりそうだった分けます。
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