とある泊地に着任した提督のお話   作:ふじこれ

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ノープロット。これ長くなりそうだ。まぁ番外の結末は見えたから何とかなるか?


経過報告 ②ヲ級とセーレと軽井

 

 

―続き

 

 2030年 6月 12日 AM 10:10

 

軽井「はぁ……」

 

 私は溜息を吐く。一昨日の夜、ル級が新たに実験体(モルモット)となったのは喜ばしい事だがまさか私がヲ級だけではなくル級も見る事になるとは。

 

軽井「ほかにも適任者いるだろ。まぁ所長命令じゃあ仕方ないか、うん」

 

 そうして割り切り、ヲ級の元へ行く。今日は先輩のセーレによる簡単な勉強と私による観察くらいしかなかったような気がするのだが……ブリツィオ達がまた攫わない事を祈るしかなかった。

 

軽井「ヲ級~、居るかー」

ヲ級「……」

 

 あれ、嫌な予感がする。また攫われて、いや同じ事は二度もあってたまるか。

 そう思うと、そのまま扉を開ける。そこにはセーレとヲ級がおり、見た感じ今はテスト中だそうだ。扉の音にセーレは気付くがヲ級は気づいていない様だった。

 素晴らしい集中力だ、などと思っているとセーレがこちらまで近づいてくる。

 

セーレ「軽井さん。なんでこのタイミングで入って来たんですか」

軽井「いや……申し訳ないと思ってる」

 

 ヲ級の集中力を阻害しないように、小声で話しかけてきたセーレに対して軽井も合わせるが申し訳ないと謝罪する。

 

セーレ「まぁいいですよ。私も連絡を――って……いやしたはずですよね?」

軽井「あぁ――ル級のことも見る事になってなー、話半分で聞いてたわ」

 

セーレ「……なっ! まぁ仕方ない、としておきましょう。実際、私の所も人が足りてませんし」

軽井「そうなのか。理由は大体分かるが」

 

セーレ「分かってますよ。でも、ここって変わり者しかいないじゃないですか。だから、マトモな人は中々入って来ませんよね」

 

 軽井はセーレのいうことも一理あると思い、そういえば……と話し出す。

 

軽井「そういえば所長も変わってるしな」

セーレ「その所長は今、何してます?」

 

 何をしているか、と聞かれた軽井は何とも言えない顔をする。

 セーレはその顔を見て大体察したのだが、軽井は何とも言えない顔をしながら言った。

 

軽井「所長はル級を愉しそうに調教してるよ。昨日呼ばれたから、行ってみたら場面に遭遇したからね」

 

セーレ「それは――ご愁傷様。想像したくないけど、すぐに想像できてしまう自分に嫌気がさすよ。私もあるもの。ヲ級やル級じゃないけども。なんだっけな、あれは――()()()()()()()()()()かな」

 

軽井「角の生えた少女? 深海棲艦か?」

 

セーレ「いや違った。深海棲艦とは違うもの。私達にとても似ているけど、違うみたい。最期まで嫌われていたもの! あそこまで嫌われ――いや心が折れないのは素晴らしいと称賛するわ」

 

 そんなに、かと軽井は思う。しかし目の前で見せられた時あったことを思い出し嫌な顔をする。

 あの時はどんな拷問かと思ったが実際に見ていて思ったがあの所長のテクに屈しないのは中々。

 

 そんな事をしているうちにヲ級が「終わった」と言ってこちらへ歩いてきた。

 セーレは答え合わせするから渡してといい、ヲ級から用紙を貰いそのまま机に向かった。

 

 軽井は改めて、挨拶を交わす。

 気がついたらいた軽井にヲ級は驚いた様子を見せる事はなく挨拶を返してきた。

 

軽井「良し、えらいぞ。ヲ級、こちらへ来てくれるか」

ヲ級「ヲ!」

 

 私は手招きをする。トテトテと可愛らしい音を立てて、近寄ってくる。そして目の前まで来ると少しだけしゃがみ込みヲ級の頭を撫で始める。

 

ヲ級「ヲ!? ……軽井ドウカシタ?」

 

 私がこういったスキンシップを行うとは思わなかったといった反応を返される。ちらりと目を向けてきたヲ級に対して、こういった。

 

軽井「問題を頑張って解いているヲ級を見ていたら、頭を撫でたくなったのだ。嫌だろうか? 嫌だったら言ってくれ」

 

ヲ級「嫌ジャナイ」

軽井「そうか。それなら、良かった」

 

 嬉しそうな表情をするヲ級に対し、まだ頭を撫で続ける。3分程撫で続けていると何処からか、視線が飛んでくる。

 

 私はその視線の方に対して、目を向けるとまるで変態を見るような眼をしているセーレに気づいた。私に対して、何か言いたそうな顔をしていたが先にヲ級へ声を掛けた。

 

セーレ「ヲ級ちゃん~。テスト、満点だったよ。これで次の単元へ行けるね」

ヲ級「ヲ!? 満点! 満点! ヤッタ! 軽い褒メテ! 褒メテ!」

 

 その場でぴょんぴょんと跳ねるヲ級が可愛らしい。そして私の手を自らの頭の上に置き、催促してくるので聞いてみた。白々しいだろうか。

 

軽井「はいはい。また、頭を撫でてほしいのかい」

ヲ級「ウン! ココガポヤ~ッテシタノ! ダカラ、オ願イ!」

 

 自身の胸に空いている手を置き、感じた所を撫でる。私はヲ級の変化を簡単にメモする。もしかしたらこのまま行けば深海棲艦も恋というものするかもしれないと思ったからだ。

 

軽井「はいよ。軽井さんが頭を撫でてやりますとも」

 

 私はそう言ってヲ級の頭を再度撫でる。あれ、私はこんなにも優しかっただろうか。

 いやそんなことはない、はずだ。私は――「軽井! 手ガ止マッテル!」

 

軽井「あぁすまない。そう怒らないでくれ」

ヲ級「ヲ~! ヤッパリ、温かい気持チニナル」

 

 私はヲ級の言葉で現実に引き戻された。

 無情な人間でいるはずだったがどうやらそれは叶わないようだ。

 人間のような生物を観察しているうちに私にも変化が訪れたようだ。

 

軽井「ふふ。あぁやっぱりそうなるよな」

 

 自身の変化を実感していたら、つい笑ってしまった。

 すると私を見ていたセーレが口を開いた。

 今はちょっとした幸福感に浸っていたいのだが、まぁ大概なら許そう。

 

セーレ「軽井さんってもしかしてロリコンですか?」

 

 前言撤回。セーレ(こいつ)は後でシバく。

 

―続く

 




これ、長いわ。番外の結末まで見えたけど、これ長い。
多分+15話くらいになっちゃうかも。 別のページに分けるか?
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