これからn章やn.5章を出す場合、このようなやり方をさせていただきます。
よろしくお願いします。
0章 PV風
【前回までのあらすじ】
大規模テロ事件が収束し、鉄底海峡から泊地へ戻る芙二。皆の驚く顔を妄想していたが、そこは変わり果てていた。
「悪いが、ここはうちの管轄なんだ。元提督の君の席はない。立ち去れ」
海軍の派閥のひとつ、非情派に泊地を奪われていた。非情派とは、これまでに非人道的な行為をし、芙二や陸翔に災いを齎せた組織である。
一度殉職したと噂されたが、実はテロ事件の首謀者と仲間だったのではないかと重要参考人の嫌疑がかけられていた。
そして冷葉は理不尽な状況に遭い、提督としての生命も失い、部下の艦娘も失った。彼は真面目で責任感の強さから気を病んでしまう。
殺意に燃える芙二を止めたのは織間たち陸軍の人間。復讐鬼と化している芙二に対し、自らが指揮する特殊部隊への参加を伝え、二つ返事で了承し作戦への参加が決まる。
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「海軍の基地だが、艦隊貴族様から縄張りにしていいって言われてる。だから、今やここの資源、艦娘は俺らのもんだ!」
下卑た目つきで、ケラケラと笑みを浮かべる。
「艦隊貴族……? 誰だ、そいつ」
鮫島は獲物を片手に持ち、何気ないように言う。
握る柄の刀には、か黒い血が滴っている。
芙二は話しかけると、
饒舌だった舌の動きも、ぴたりと止まり苛ついた表情で近寄る。
「そのけったいな格好、自分カッコいいと思ってるんか??」
そう言うと再び下品な笑い声をあげ、過去の栄光までも語り始める。
心底どうでもいい話題ばかり。
重体の冷葉は僅かに体が動くが、意識は戻らない。
「……
全身が、魂が、怒りに震える。
あの扉の奥から部下が艦娘を笹巻に担いでやってきた。
よりにもよって、彼の目の前で艦娘を乱暴に扱う。
――地獄の門は、この世に開かれる。
鮫島と凛たちは謎の圧迫感を感じた。命の危機を全身で味わう。目の前にいる珍妙な格好の男を怒らせるな、と暗に伝えられている気がしてならない。
~~
「君のコードネームはストレンジ・ヴェルダーだ。これからよろしく頼むよ」
泊地の管理者が急遽交代し、北第八鎮守府の提督の谷部が就任した。これにより、とある百年続く老舗のアミューズメント施設が業火に包まれるとは、誰も理解していなかった。
今回の出来事が原因で国、ひいては世界の闇の一端が明るみになる。
終わらない戦争、この戦禍の中で続く老舗、人知れず消える者。
故にこれから始まるは、愚かにも宝を簒奪し、龍神を怒らせた者が裁かれる物語である。
――0章 開幕