とある泊地に着任した提督のお話   作:ふじこれ

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またまた、深夜投稿…あ、GW終わったら亀になります

後、pcで書いてるんですけど多分スマホで見るとくっそ見にくいと思います
こんなカオスな文章だから仕方ないか

注意喚起するのを忘れてしまいすみません

では今回もカオスな文章をお送りします




二章 2話『夜の出来事』

―続く

 

 

 

 ―食堂―

 

 芙二は食堂の扉をノックし開けると同時にカレーの匂いが廊下を抜ける。

 その匂いでお腹がすくのを感じ速足で厨房へ行こうとする

 もう皆が集まっており芙二に注目するのだった。そこに冷葉が一言

 

冷葉「ようやく来たか…案外遅かったな。さて、皆!飯にするぞ!!」

 

 というと皆“おぉ~!”と湧いて立つのだった。皆、決戦後でしかも勝利に終わったのでテンションは高めだ、だからこそ気が緩んでおり賑やかであった。その雰囲気を感じた芙二はこういうのを作っていこうと感じるのであった

 

川内「冷葉補佐~! 早く頂戴!!」

冷葉「まってろ、川内! カレーは逃げねぇよ!!」

 

 芙二は川内と冷葉の話を聞いてクスリと笑い厨房へ参戦するのだった。

 そして朝潮と霞に謝罪する。“すまない”というと朝潮は“何ともなくてよかったです!”といい霞は“やっぱり無理をしていたのね…体調管理も出来ないのっ!?…だからクズ司令官なのよ”と言ってきた。芙二は耳が痛いなといいカレー鍋の元へ行く。

 

 そこで霞がやってきて“結局みんなで作ったの。美味しいと思うわ”と一言いい炊飯器の方へ行った

 

芙二「そりゃ、美味いだろ??…冷葉―!米盛ったら貸して~カレー掛けっから」

冷葉「おーけー。ほら一人前お待ちっ」

 

 冷葉に渡された皿にカレーをかけて出す。全員分行き渡るまで続ける。

 

全員分配膳されカレー鍋の中、炊飯器の中を確認する。かなりの量を作ったのでまだまだ余裕はありそうだった。そして皆が食べ始める前に話しだす芙二。

 

芙二「今日は本当にありがとう、そしてお疲れ様でした!今回のMVPは夕立だな。無事に時雨を救出することが出来たのはみんなのお陰だ。感謝してもしきれない…。明日は哨戒のみにする。恐らくまだ残党がいると思うので海上へ行くときは気を引き締めて行ってほしい」

 

如月「司令官。私達に休日ってあるの?」

芙二「もちろんあるとも。それは俺が大本営に行く日は一日だけだが休日にしようと思う。短い休日で申し訳ない」

 

如月「了解です♪」

芙二「あー長くなるから先に飯を食べながら聞いてくれ。てことで“いただきます!”」

 

皆「「いただきます!!」」

 

 芙二の掛け声の後に言い各々でカレーを食べ始める。

 

龍驤「着任7日で姫級を仕留めるとはなぁ…」モグモグ

榛名「ですね…あ、カレーって美味しいんですね」モグモグ

 

磯波「これがカレー…」ジッ

叢雲「磯波大丈夫よ、普通に美味しいから。司令官?おかわりもいいわよね?」

 

冷葉「構わないぞ」モグモグ

磯波「やった!じゃあ、おかわりします!」

 

 冷葉がそういうと磯波は食べ始める。叢雲は“もうちょっとゆっくり食べたらどうなの…”と呆れつつも食べる

 

芙二「皆に言わなければならないことがある。食べながらで構わないから聞いてほしい」

 

 皆、食べながら耳だけを芙二に傾ける。そして磯波はもうおかわりしに行こうとしていた

 

芙二「まず一つは時雨についてだ。時雨は今の所は仮の配属とするそうだ。元帥閣下達が帰投後どうなるのか決まる。そして時雨はいきなりで悪いのだが」

冷葉「だが?」

 

芙二「明日から哨戒に参加してほしい。それと時雨は夕食が終わったら執務室へ来て欲しい」

夕立「あれ?夕立はどうすればいいっぽい?」

 

芙二「夕立は明日来て欲しい。MVPだからな、何が欲しいのか希望を考えて欲しい。だがその前に明石の元へ行き異常がないか検査してほしい」

明石「了解です。提督」

夕立「わかったっぽい!」

 

 時雨は“分かったよ”と頷くのを確認して芙二は話を続ける。

 

芙二「次は先ほど他鎮守府、泊地との演習の申請が来てな。四日後に組まれたので後でメンバーを決めたい。いいか?」

大淀「提督…?相手はどこです?」

 

芙二「東第三鎮守府だ。失礼なやつだってのは話して分かった。だからこそ俺はあいつの鼻っ柱をへし折ろうと思うが構わないよな」

大淀「神城提督ですか…あそこは先代が優秀だと聞いてますが現提督である陸翔提督のいい話はあまり耳にしないのでお気をつけてください」

 

芙二「それは分かる、実際に脅されたからな。負けたらお前の所の艦娘を奪うからなって」

叢雲「なっ!? それは本当なの!? 司令官!!」

 

芙二「そうだ。だからこそ許す気はさらさらない。叩き折ってやりたいのだ。私情を持ち込んでしまい申し訳ない」

 

 芙二は軽く謝罪する。皆、気にしてないようだ。そして神通が立ち上がる。

 

神通「いえ、大丈夫ですよ。提督…私も少しカチンと来てますから」

 

 そして“やれやれ!!”と湧き上がってしまったので不味い空気になったのを察してか芙二は話題を逸らす。

 

芙二「…話を変えよう。三つ目はここに新しい仲間が増えるぞ」

 

皐月「え? 司令官! 駆逐艦なの??」

如月「それだと嬉しいわね」

 

朝潮「誰でも大丈夫です!」

青葉「おぉ…集合写真とか取ります?」

秋雲「じゃあ秋雲はスケッチする!」

 

皆、口々にいうが芙二は淡々という

 

芙二「艦種は…航空母艦。そして正規空母だ」

龍驤「ほぉ~?うちだけじゃない空母が来るんか…名前は?赤城?加賀?」

 

 龍驤は反応する。

 空母はここだと二隻目になる。そして正規空母という事もあって日本艦を想像するが芙二が答える

 

芙二「名前はまだ言えないが日本艦じゃないんだ」

龍驤「ん!?海外艦なん?」

 

 龍驤は驚く。配属される艦娘は日本艦ではないという事に。芙二から聞かされた冷葉ですら驚くのだ、龍驤とて例外ではない。そして芙二は続ける

 

芙二「だが同じ志の者だ。邪険に扱わないでほしい」

龍驤「そうなんやね…うちに任せときィ!」

 

榛名「提督、いつ来るのですか?」

芙二「俺が大本営に行った後迎えてようと思っているよ」

 

榛名「そうなのですね…歓迎会を開きましょう!」

 

 龍驤は任せろ。といい榛名は歓迎会を開こうという。それに冷葉が乗る。

 

冷葉「だな~!」

 

 芙二は最後に明日の予定を話した

 

芙二「そして最後に明日の日程を伝える。明日の哨戒は昼前から行って欲しい」

川内「どうしてさ?」

 

 川内が反応する。芙二は笑って答える。

 

芙二「明石が死ぬ」

明石「そうですよぉ…提督分かってるじゃないですか」

 

川内「あー…艤装がボロボロだから?」

芙二「そうだ。うちの工作艦が死にかねん」

 

 分かってるじゃないですか。と明石。状況を察する川内。そして話を終える芙二。

 

芙二「という事だ。以上、だ。食事を楽しんでくれ」

 

艦娘’s「「はーい!」」

 

 そういうと皆話ながら食べる。賑やかな雰囲気になっていき楽しい時間は過ぎていった

 夕食会は終わり駆逐艦がうつらうつらとしだしたので解散という事になり寮に帰りだすのだった。

 

 

 

 皆の食器を洗い終え時間を確認するともう21時を回っていた。これから掃討戦(食後の運動)をしようと思い食堂を出ようとすると声が掛けられる。振り返るとそこには冷葉がいた

 

芙二「どうした? 明日は遅めに始める予定だから帰って休め」

冷葉「……」

 

 冷葉無言で芙二を見つめる。

 

芙二「黙ってどうした?」

冷葉「…芙二、時雨ちゃんに何をした?」

 

 今日冷葉は普通ではありえない事を目の当たりにして困惑していた。芙二が何かをしたのは分かるのだが何をしたのか分からない。心の中のモヤモヤを消したいがための質問だった

 

芙二「なにもしちゃあいねぇ」

冷葉「嘘だ。救えるって確信したからあの発言があったんだろ…ただドロップしたとは思えないんだ」

 

冷葉「お前はナニモンなんだ」

 

 …冷葉の目は同僚を見る目ではなく得体の知れない何かを見る目に変わっていた。そこには怯えと困惑が見て取れる

 

芙二「俺は普通の人間だ。俺はお前が知る提督だ。そこは変わらない」

 

 芙二は冷葉に言い聞かせる。

 普通の人間だと、実際は異なるのだが今はこうしておきたいという事で嘘をつく。

 

冷葉「そうだよな。今はそういうことにしておくわ」

 

 冷葉は無理矢理納得したように見えた。

 

芙二「今は、ではなくこれからも、にしてくれると嬉しいんだけど」

冷葉「…ただ、お前が何者だろうと俺は味方になってやるよ。それが親友の在り方だろう。じゃあな邪魔したわ。おやすみ」

 

 そういうと冷葉は手を振って食堂を後にする。芙二には冷葉の言葉に罪悪感を覚えていたが割り切って工廠へ向かう。

 

 

―工廠

 

芙二「…アビス。いるか?」

アビス「えぇ。こちらに行かれますか?」

 

 

芙二「あぁ、出る。艤装を渡してくれ」

アビス「どうぞ」

 

 アビスから艤装を手渡され装着し海に出て戦う覚悟を決め出撃するのだった

 しかしそれを目撃した艦娘が居た。明石と時雨ではなく…()()だった

 叢雲は困惑していた。今、“見てはいけないモノを見てしまった”ような気がしたから

 司令官が私達とは違う…いえあれは艤装かどうかも怪しいけども着けそして海へ出ていったのだ。…叢雲はそれについて行ってしまったのだった。()()()()()()に。

 

 

 

 

 

 芙二は海上を高速で行く。海は静かで満月が綺麗でありこんな月の夜は…と思っていたら本命の登場である

 

 flagshipクラスのル級は砲撃を始める、しかしそれは芙二に当たらずただ飛んでいくだけだった。ミスをしたのか不思議に思いル級は部下に命令を出して連撃を行わせる。 

 そして砲弾は雨となり芙二の元へ降り注ぐ。しかし芙二は動かずに艤装の一つである巨大なとげとげしい盾を構えその場に留まる。砲弾は芙二に直撃して爆発。または当たらず所々水柱を上げる。

 

 傍から見ていた叢雲は芙二が危ないと思い救出しようとするがそれは杞憂に終わる

 煙が晴れると芙二は嗤っていた。普段の芙二からはとても考えられないといった顔つきであり叢雲は少し引いた。

 

 ル級及び部下は芙二が嗤っているコトに寒気を覚え次々に砲撃を行う。

 芙二は巨大な盾を構えたまま突進をしリ級の前までせまると思いきりスイングをした

 リ級に直撃し吹っ飛ばす。ル級も叢雲もはっと驚き息をのむ

 

 直撃したリ級は立ち上がろうとする。この時点で中破以上だ。まさか盾で殴られただけで中破するとは思えず、芙二を睨み付ける。芙二はリ級を無視してへ級とイ級に狙いを定め歩き出す。

 巨大な盾は消え、次は巨大ともいえる砲に持ち替え二隻に向かって方を放つ。

 

 

 その二隻に直撃する直前に大爆発を起こしその熱により二隻は骨すら残らずに絶命したのだった。またも驚く叢雲。しかし、フラフラしだす芙二。負荷が掛かり過ぎたのか足元が覚束ない。これをチャンスだと思ったル級は残りのリ級と共に近接攻撃を仕掛ける。

 

 ただの人間だったら()()()()()()()()だ。ただの人間であれば、の話である。

 芙二はル級とリ級の攻撃を難なく躱しざま、リ級に向かって蹴りをお見舞いする。

 リ級は避けることもガードすることもなく蹴り飛ばされる

 

 ル級は芙二の頭に向かって拳を炸裂させる。ゴキン、と鈍い音が静かな海上に響く。叢雲はそれを聞いて苦虫を噛み潰したような顔をするがその瞬間、ル級の頭が弾け飛ぶ。

 

 頭部を失ったル級の身体は倒れるのみ。叢雲はなにが起こったのか一切分かっていなかった。

 

 第二艦隊が仕留め損なったル級の艦隊は全滅した事を確認した芙二は獣の様な声を上げていた。しかしその声は勝鬨ではなく何処か悲鳴のようだった。叢雲はそのまま立ち去ろうとするが芙二が呼び止める

 

芙二「…叢、雲? どうしてここに…」

 

呼び止められた叢雲は顔を青くして黙る

 

芙二「…いつからだ」

叢雲「…」

 

 叢雲は黙る。”お前はいつから、見ていたのだ?”と聞くが答えない

 

 海上は先ほど戦闘があったとは思えない程静かであり空には雲一つなく満月の光がそのまま二人を照らしていたのだった

 

 叢雲は工廠で見かけた、その時に興味が湧いてしまって着いてきたのだと言った

 芙二は艤装を解除し目頭を押さえる。叢雲は涙目になっていた。規律違反を犯した自分は解体されてしまうのではないか、と。芙二は低い声で話す。

 

芙二「このまま執務室までついてきてくれ」

叢雲「…分かったわ」

 

 芙二と叢雲は執務室へ向かうのだった。そして扉を開けると驚いた顔をした明石と時雨がいた

 

明石「…あれ? 提督、どうかされました?」

時雨「えっと叢雲…? どうして、君が?」

 

叢雲「……」

芙二「明石、叢雲に見られた」

 

時雨「え? それって……?」

芙二「…着任早々アビスから聞いただろ」

 

明石「!……本当ですか?!」

芙二「マジだ。時雨に知られるのは仕方ない、叢雲に知られるのは完全に……計算外だ」

 

明石「…では、これから話を始めるのに叢雲ちゃんも参加するという事ですか?」

芙二「あぁ、そうだ」

 

 これから明石と時雨と司令官とで何か話すらしい。その話に興味を引かれつつも叢雲は芙二の顔を見たら少し緊張してしまう。

 

芙二「これから話す事は他言無用だ。もしも他に話すのであれば解体よりも恐ろしい目にあってもらう」

 

 静かになった執務室に誰かの“ごくり”と唾をのむ音が聞こえる。

 そして爆弾発言をされるのだった

 

芙二「まず俺は人間ではない、とだけ伝えておこう」

 

時雨「え!? 提督は深海棲艦なのかい?!」

芙二「違う。そして次だが俺は能力を持っている。それで時雨を蘇生出来たのだ」

 

 自分が人間でない事を告げる。明石以外は驚き、特に時雨は深海棲艦ではないのか、と聞きだすが芙二は否定する。そして“能力”という聞きなれない単語…いえニュアンスの違いだろうが叢雲の中で納得がいったのだ

 

叢雲「やっぱり…! でも、私からはそういう風に見えなかったのは何かやったのね」

芙二「そうだ、叢雲。俺はその能力を使って魂を掴み時雨を蘇生したのだがその能力はありとあらゆるものに干渉する程度能力だ。だが、悪用はしない」

 

 芙二は自分の能力名を明かす。叢雲達は聞き驚く

 

叢雲「なにその化け物じみた力は…!あんたがいたら深海棲艦なんて簡単に絶滅出来そうだけど…」

芙二「俺はしない。深海棲艦の姫と約束をしているからだ」

 

 また爆弾発言をされ驚く叢雲達。

 

叢雲「ねぇ今深海棲艦の姫って言わなかった? つまり内通者…?」

芙二「違う、内通者ではない。俺はお姫さんの任務も同時に遂行しているのだ」

 

叢雲「ふぅん?どんな任務なのかしら?人間や艦娘を殺す事かしら?」

明石「ちょっと叢雲ちゃん…!」

 

 叢雲は冗談交じりにそういう。流石の明石も横やりを入れる

 

叢雲「なによ、明石さん」

明石「そんな言い方しなくても…「明石、大丈夫だ」提督…」

 

 明石は訂正を望むが芙二は大丈夫と一言。明石は言うのを辞めてしまった

 

芙二「時雨、お前第一艦隊と会った時に何者かに意識を取られただろ?」

時雨「あった…あったよ。それは僕に力を与えた張本人だね」

 

芙二「そうだ、名は駆逐神棲姫。神となった深海棲艦の一人だ」

叢雲「神…ですって?」

 

 『駆逐神棲姫』という聞きなれない名前を知り聞き返す。

 

芙二「そうだ。なんらかであるが時雨に力を貸し与えたのだろう。時雨、いつであった?」

時雨「……」

 

芙二「時雨、どうかしたのか?」

 

 

 突然時雨が黙る。何かを感じた芙二が話しかける。

 数秒間、無言でいた時雨がワントーン下げて話し出す

 

 

時雨「…提督。僕がどうして夕立に固執したか分かる?」

 

 皆、考える。その中で芙二は人体実験の事が頭に浮かぶ。それは艦娘であろうと非合法であり許されない行為だ。

 

芙二「時雨。もしかして……」

 

 もしかして、という考えが出てきて言おうとするも言い留まる

 

時雨「うん、提督が思ってることは当たっているのかもしれないね」

 

 当たっているかも、と時雨はいうが叢雲は分からないようだった。

 

叢雲「さっきから何のこと…?」

 

何が言いたいか分からないという顔をした。それが最も正しい反応だと芙二や時雨は思う。そんな中、明石が口を開く

 

明石「提督、もしかしての中身を言ってもいいですか?」

芙二「いいぞ」

 

明石「小耳に聞いた話なのですが、非合法な実験をしてる施設があるとかないとか…時雨ちゃん、もしかして被験者…?」

 

 明石も芙二と同じ答えだったようだ。

 ただ自信がないように答え、叢雲は時雨を見つめていた

 

時雨「そうだよ。明石さん、僕は人の手で無理やり堕とされたんだ」

正解。当たってほしくはなかった。残酷な答えを聞いてしまった芙二たちは様々な反応を返す

 

明石「っ!! …そんな、本当にあったの…? そんなことが…」

芙二「やはり、昔見た資料は嘘ではなかったかッ!」

 

叢雲「その人たちから夕立だけは渡したくなかった、という事?」

時雨「そう。でも途中からは怨念に支配されちゃって殺しにいってしまったけど」

 

芙二「憲兵に伝える案件だろ…これ、もしかしてだがこれは海軍絡みか?」

時雨「そうだよ、これは海軍の闇の部分だね。そして彼らは艦娘非情派とも言われている人たちの行動だね」

 

芙二「艦娘非情派…?なんだそれ」

明石「提督。それは過激派とも言われてる人たちを指す言葉です。深海棲艦との闘いを終わらせる為だったら非人道的行為も許されるべきだ、と謳う危険思想の持つ海軍の人間です。艦娘を道具として酷使、性欲を満たす道具、恐喝、恫喝するための道具として使ったりするそうです」

 

芙二「は? …許さんわ。人間としてどうかしてるだろ」

明石「世のブラック鎮守府、泊地と呼ばれる所は少なからず非情派の提督がいると思います。今回の事は非情派にも伝わるかも知れませんから」

 

時雨「いやもう伝わってるよ」

芙二「時雨……」

 

時雨「僕が逃げたことは伝わっていると思うし…奴らは誘拐もしてるって言ってたからさ。だからそういうつながりは厄介だと思うよ」

 

 つながり、そのワードで一つ思い当たる人物が脳裏に蘇り一言断る。

 

芙二「…あー、一ついいか」

 

 急にどうした、と叢雲が返す。

 

叢雲「何よ」

芙二「…今回の演習相手は黒だ」

 

明石「それは本当ですか?」

芙二「さっき秘書艦の長門から聞いた。奴は手を汚していない。あそこに所属する艦娘がやっている、と。もうやめてほしいと言われたよ。特にあの長門が、だ」

 

明石「そんな…」

時雨「じゃあここの艦娘を要求したのって…」

 

芙二「十中八九、欲望に塗れてんだろうな」

叢雲「ひっ…な、何よそれ…」

 

 芙二の言葉により叢雲はぶるっと震える。そして芙二が続ける。

 

芙二「だから、ぶちのめすんだ。そして奴には妖精さんが見えない」

明石「それは不正ではないのですか?」

 

芙二「先代がどうとか言ってたから成り上がったんだろ…酷いものだ」

明石「面倒ごとに巻き込まれるのは確実でしょうね」

 

 そして芙二はもう一つ気になる事を聞く。時雨に質問をする

 

芙二「時雨。時雨はドロップ艦だな?」

時雨「そうだよ」

 

芙二「時雨以外に誰かいたか?」

 

 少しの間が空き答える

 

時雨「…いたよ」

芙二「誰が居た?」

 

 そう聞くと更にワントーン下がり今にも泣き出しそうな声で名前を告げる

 

時雨「清霜ちゃん…」

芙二「清霜…? 夕雲型の娘だったような…」

 

時雨「そうだよ、僕が見たのは亡骸になった清霜ちゃんの姿だったよ…」ポロポロ

芙二「時雨、お前泣いて…」

 

時雨「悔しいんだ、何もできなかった…僕は、彼らを許すことは出来ないんだッ!!」

 

 泣きながら激情に駆られ声を荒げる。がすぐに泣き止む。情緒不安定のようだ。

 

時雨「こうしたって意味がないんだよ…だから今度こそは僕は夕立を守るんだ」

芙二「大丈夫。俺がお前達を守るから安心しろ」

 

時雨「…話は終わりかい?」

芙二「そうだな、時雨。明日お前の元へ行くが構わないか?」

 

時雨「え、どうしてだい」

芙二「詳しく聞く必要があるからだ」

 

時雨「分かったよ。待ってるね」

 

 時雨は寮内へ戻ろうとするが叢雲が芙二に質問する

 

叢雲「司令官は人間じゃないのだとしたら、なんなのかしら?」

 

 最初の質問を掘り下げて聞く叢雲。芙二はさらっと明かす

 

芙二「俺か?俺は龍人族だ」

叢雲「龍人族?」

 

 芙二はそういう。そして叢雲は聞いたことのない種類だなぁと思い聞き返す。

 そして芙二はぽろっと呟く。

 

芙二「そうだ、あー…八崎さんにもバレてんだよなぁ…」

明石「え?そうなのですか?バレすぎでは?」

 

芙二「いや俺がぶっ倒れたろ?夕方」

明石「ありましたねぇ。八崎さんに抱えられてましたがもしかして戦闘してました?」

 

芙二「そそ。朝潮達とカレー作ってたら呼ばれてよ。そこから殺し合いが始まった」

 

 “えぇ…”と叢雲と時雨。そして明石は納得したように話す

 

明石「なるほど…消耗しすぎたのですか」

芙二「そうだ。で、あんまり覚えてないのだけど狂獄龍忌呪を使用したらしい」

 

叢雲「なによそれ」

 

 叢雲はまた聞きなれない単語が出てきたな…と思い半ば呆れる

 

芙二「狂獄龍忌呪ってのは呪いとかなんとか言われてるやつね」

叢雲「呪いって…」

 

芙二「まぁ詳しくは八崎さんに聞いてみては…? ねぇ、八崎さん?」

 

 扉に向かって声を掛ける。そこには“ばれてました?”とつぶやく八崎がいた

 

 そんな言葉を聞いてムッとする芙二。

 

芙二「…盗み聞きとは感心しない」

 

八崎「いやいや、謝りに行こうとしたら話し声が聞こえまして…やはり人間ではないのですね…あ、夕方のですか? あれは今でも思い出したくないのですが…」

 

芙二「俺、どんな感じだった?」

八崎「一言でいうと絶対に怒らせてはいけない存在、ですか」

 

 そういわれて“えぇ…そんなに怖かったの?”と芙二が言い更に協調して話す八崎。

 

八崎「はい、とても怖かったです。殺されるんじゃないかってくらい」

 

 八崎に便乗して叢雲も話す

 

叢雲「私もさっき怖かったわ」

 

 芙二は頬を掻いて“…海上の時(さっき)は仕方ねぇだろ“と一言。だが叢雲は反論する。

 

叢雲「それでもよ。あんな光景見せられたら…ぶるっ…寒気が」

明石「私、興味湧いてきちゃいました…」

 

八崎「話を伺っても?」

芙二「また今度にしてくれ。俺は少し散歩したい」

 

 そう言いながら立ち上がると八崎が“じゃあ、私ついて行きますね“という。

 

叢雲「…私は流石に寝るわ。おやすみなさい、司令官」

 

 叢雲は先に寝るといい執務室を後にしようとした時に時雨も立ち上がる

時雨「僕も寝るよ。あ、叢雲。寮へ案内してもらってもいいかな」

叢雲「構わないわ」

 

明石「では、提督、八崎さんまた明日です~。おやすみなさい~」

 

 そして明石も立ち上がり挨拶をして立ち去る

 

 

―明石、時雨、叢雲が離脱しました―

 

 三人が退室して数分間互いに無言であった。八崎が口を開く。先ほどとは異なる表情で芙二に問うのだった。

 

八崎「さて、これだけは聞いておきますけど時雨ちゃんの話は本当ですか?」

芙二「いつから聞いてたんだ…」

 

八崎「…なぁに途中からですよ」

芙二「事実だ。元帥閣下に相談するつもりだ」

 

八崎「なるほど…私も隊長に聞いてみます。ですが証拠がないと動けないんですよ」

芙二「警察もなにも一緒か。まぁ俺と青葉でなんとかするよ」

 

八崎「了解です。では…もう一つ質問いいですか?」

芙二「どうぞ。答えられる範囲でならいいぞ」

 

八崎「芙二提督殿、実際何歳ですか?」

芙二「そうだなぁ…向こうの年齢に合わせる?」

 

八崎「向こう…?え、えぇいいですよ」

芙二「大体200歳ですかね」

 

 

八崎「に、200!?!?

 

 

 

芙二「まぁ、そういうもんです。時間軸の流れが違いますから当然っちゃ当然です」

八崎「時間軸…?なんだか、頭が痛いです…」

 

芙二「詰所へ戻られますか?」

八崎「いやいや散歩へ行きましょう?…今夜は月が綺麗ですし?」

 

芙二「そうですね…じゃあ、行きましょうか」

 

 誰もが寝静まった月の夜。二人はただただ話ながら散歩するのだった

 

―続く

 

 

 




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今回もありがとうございました
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