とある泊地に着任した提督のお話   作:ふじこれ

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昨日書きました。っていってもなんだかなぁ…最近は暑くて気が滅入りますね

皆さんも熱中症対策を忘れずにお願いします~

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二章 11話『歓迎会 前編』

―続き

 

 “では、またのご利用お待ちしております“、運転手がそう告げると車に乗り込み去っていった

 妖精さんは工廠へ。芙二は現在の時刻を確認する。

 

 現在の時刻は15:40。スケジュール通りなら今は演習、遠征を行っている時間なので艦娘と遭遇することはないと思いたいが…サプライズ形式としたいので執務室までは存在感を無くし向かう。その為道中、妖精さんに近づいても反応を返さないためサラトガは頭に疑問符を浮かべていた。

 

 そして芙二とサラトガは執務室へ行く前に一度芙二の私室へ行った。

 サラトガは困惑していたが、部屋に入ると芙二が扉を閉め能力を解除した。

 

芙二「…ふぅ。改めてこんにちは、サラトガさん。ここに来たのは少しだけ話しておくためなんだけど…アビス~?いる?」

サラ「?」

 

アビス「ったくなんですか…?芙二って…あぁその方が例の…」

サラ「例の??」

 

 芙二がそう呼ぶ妖精はどこかおかしな感じを察知するサラトガだが“例の“という単語に引っ掛かり聞き返した。その妖精はサラトガの聞き返しを聞かずに話始める。

 

アビス「で、要件は…あぁ、バラしても問題はないですよ。これは芙二でないと治せないので…大方八崎や明石、叢雲、時雨に話した内容でいいと思いますが」

 

 黙って聞くサラトガは“バラしてもいい?何を…??”と更に頭に疑問符を浮かべていた。

 

芙二「了解。あ、俺用の艤装第二作目が作られるんだって?」

アビス「誰から聞きました?」

芙二「わくわくしてた妖精に近づいて能力をつかった(嘘)」

 

アビス「…それ普通に犯罪ではないのですか?まぁいいです。今度の艤装は軽量版です。前回が重すぎたような気がしますが」

 

アビス「試製深海137mm連装砲が二つですね。あ、人間なので魚雷は打てません。そこら辺は殴ってください」

芙二「了解。一応あの盾の試製深海艤装も渡してくれ。切り替えてやってみる」

 

アビス「泊地近海では、相手がいないので南西諸島海域で拳を交えてください」

芙二「了解…また後の活躍かなぁ…月の出ている夜に出撃と行こうかねぇ?」

 

提督とアビスと呼ばれる妖精との話を聞くばっかりになっていたサラトガだが、艤装という単語(ワード)を聞いて誰か艦娘のかと思っていたらどうやら芙二(提督)がつけることに驚いて声を出した

 

サラ「ちょ、ちょっと待ってください!あ、あの…提督は艤装を纏う事が出来るんですか!?」

芙二「うん、出来るよ。あ、これ限られた人しか知らないからバラさないでね」

 

サラ「分かりました…ってそうじゃないです!提督は何者なんですか!?それにさっき深海なんたらって…もしかしてあいつらの知り合いなのですか?」

 

 サラトガの質問に対して芙二は何も隠さず、言い淀まず答える。サラトガはあまりの事に流されそうになるがそうじゃないと自分を言い聞かせる。それに自分がツッコミを入れる前の会話を思い出してあの研究員とつながりがあるのでは、と思い聞く

 

芙二「あいつら…?もしかして、君に深海棲艦の血液を投与した人間共か?」

 

 初めてであった時に覗いた情報を照らし合わせて答える。そうすると目の前にいるサラトガの様子がなんだかおかしい事に気がつく。

 

サラ「な、何で知って!!…アァ…!頭ガ痛いです…ッ」ガクガクガクガク

アビス「芙二!何してるんですか!!」クワッ

 

サラトガは一言も研究員の事は伝えてない。なのにどうして知ってるのかと困惑しだすが、次の瞬間陵辱されたトラウマを呼び覚まし情緒を乱し始める。蚊帳の外だったアビスもその様子を見ていたので芙二を叱る。苦しみ悶えるサラトガを前に冷静に観察し一言告げる芙二。

 

芙二「…アビス。やっぱりサラトガさんは被害者だ。時雨とは用途が違うがな」

アビス「ですが…ッ!早く彼女を安静に…」

芙二「…無理矢理だが許せ、サラトガさん」<カンショウ

 

 そのことを聞いて尚の事慌てるアビス。芙二もその様子をみて少し焦りだして無理やり鎮静化させる。サラトガの身体に触れた時、あることに気がつく

 

サラ「ッッ…フーッ…フーッ…はぁ、はぁ…はぁ…___」アオイカオ

 

 荒い呼吸が少しずつ収まっていくが彼女の顔は青く、冷や汗は止まっていなかった。やはりこの深海化は心身ともに消耗されるのかと思うがトラウマを呼び覚ましてしまったのもあっていつも以上に消耗してしまったのだろうと思い直すのだった。

 

 サラトガが落ち着くまで待つ芙二とアビス。5分程し、落ち着いたのを見計らって話しかける。コホンと咳払いをすると憔悴しきっていたサラトガはゆっくりとこちらを向いた。

 

芙二「サラトガさん、傷口に塩を塗って申し訳ない。しかし許して欲しい…いや許すな。今はそのまま恨んで欲しい。そうすれば、君に投与された血液は拒否反応を示す事はない、と思う」

 

 深海化が始まってしまった彼女の身体を元に戻す際分かったことを告げる芙二。黙って聞くアビスとサラトガ。サラトガは更に困惑する中アビスが口を開き芙二に伝える。

 

アビス「芙二、彼女をベッドに寝かせますけどいいですね?」

芙二「もちろん。ついでに体調を全快させておく」

 

 ベッドに寝かしてもいいか、ということなので許可を出す。まぁ最も運ぶのは芙二なんだが。役得役得っと。違う、そうじゃない。そして試しに能力を応用させよう。それで無理だったらまた、秘薬でもなんでも渡してみよう。 先日、痛み止めと称して渡した秘薬はそれなりに効果があったように見えたし…例外はないでしょうと思っていたのだった。

 

 そして芙二は弱っているサラトガを抱き寄せるとベッドへ寝かせる。サラトガはすぐに眠りについたのでやはり肉体と精神に強い付加をかけているのだろう、芙二はそう判断すると少しずつ治していく

 

 

 

 

芙二「さて、さっきの話の続きだ」

アビス「芙二の正体を晒さなくてよかったですね」

 

 よかったですねと、そう話すアビスに対しその場しのぎでしかないという芙二。

 

芙二「いやどうせ、やらないとならない事だから仕方ない」

アビス「そうですね。ですが時雨の時(このまえ)のような展開はないと思ってください」

 

 だが、アビスは芙二にそう伝える。そしてすぐに質問をする。

 

芙二「今回はパターンが違うから?」

 

アビス「それもあります。今さっき初めて会って確信しました。彼女、サラトガでしたっけ?もう、時間が残されていない、と思ってください。これは推測ですが憎む、恨む関係なしに彼女は深海棲艦へと成ります」

 

芙二「なるほどな…ということは早めにやらないと取り返しのつかない出来事に発展する、か」

アビスが伝えたことを復唱する芙二。どうしようか、と考えていた時アビスから芙二へ質問が投げかけられた。

 

アビス「です。気になることが、一つ。用途が違うとは?芙二は彼女の心を覗いた時に何を見たのですか?」

 

 質問された芙二は困った顔をするがはぁ…と溜息を吐き出し淡々と話し始めた。

 

芙二「…彼女はボス撃破でドロップした娘で、でもそこにはもうサラトガが居てだぶりは白い目で見られた。そして極めつけは深海化するということ。その症状がでるとそこの提督は金で研究所の材料(そざい)として売られその後は…」

 

アビス「投与されて、大本営へ渡ったと」

芙二「そそ、薬物も投与されてるわ。時雨の時のような試製A.D.Pとかじゃなくてモルヒネ、大麻…なんだかよく分からねぇ薬も入れられてる…」

 

アビス「なるほど…」

 

 アビスが相槌を打つも間髪入れずに芙二が声のトーンを低くしていった。

 

芙二「後、絶対に許せないことがあるんだがいいか?」

アビス「もうその段階で黒じゃないですか」

 

 これ以上何があるのです?といった顔で“黒”と断言するアビス。しかし芙二は無視をして続ける

 

芙二「サラトガ(かのじょ)を売った提督は明後日の演習相手だ…どうせうちが引き取ったのは知ってんだろうから、なんか言ってくるかも知れねぇ…余計な事言われたら多分キレるわ」

 

芙二「…そして、その研究所だがもう一人何か()()なのが居やがったな…?」

アビス「特異…?」

 

 特異な存在と言われ耳を疑うアビス。

 そして芙二は先ほどとは打って変わって青白い顔をして言った。

 

芙二「なにか分かんねぇけど、すげぇ嫌な予感がする…これもしかしたらだけどよ?未知の生物だったりする…?」

アビス「だとしたら、最悪ですね」

 

 そんな生物は存在しないと思うが…と後から付け加え、そこへアビスがツッコミを入れていた。そして“もしもの為にアビスへ言った

 

芙二「アビス…俺、後で艤装を試しに使ってみるんだけど、出せる?」

アビス「了解です…誰と模擬戦をするんです?」

 

 相手を聞くアビス。しかし芙二は考える。誰ならいいか、と。そしてメンバーを絞り発言する

 

芙二「時雨か叢雲…八崎さんはダメな気がする」

 

 人間ではない、その事実を知る者のみで考えた結果がその二人だ。八崎とはもう戦ったし…なんなら艤装の性能を見るためだから…と時雨か叢雲かなと考える。ちなみに明石はダメだ。工作艦だから戦闘は向いてないと判断した。

 

アビス「なるほど…では、私は工廠へ戻りますね」

芙二の意見を聞いたアビスは頷いて工廠へ戻ると言った。芙二専用艤装を作ってしまう為だ。妖精さん達には少し無理させるな、と思い感謝せずにはいられなかった

 

芙二「うん、ありがとうね」

 

 感謝の言葉を告げると少し照れた顔をしながら去って行ったのだった___

 

 ―アビスが離脱しました―

 

芙二「さて、俺は執務室へ行こうかな」

 

 そう呟き歩き始める。勿論、部屋には鍵を掛けて。

 

 ―執務室

 

 執務室へ行くとノックし扉を開ける。

 そこには執務中の大淀と冷葉がおり、急な登場に驚いていた。芙二は二人を見て謝罪から入る

 

芙二「すまない、先ほど帰って来たばかりなのだ。連絡をするべきだった」

冷葉「あ、いや大丈夫。それで?サラトガさんとは一緒じゃないのか?」

 

大淀「提督、サラトガさんとは…?もしかして今日から配属になった艦娘ですか?」

 

 頭に疑問符を浮かべながら聞く大淀。芙二はそれを肯定し、自身の部屋にいる事を話す

 

芙二「大淀さん、その通りだよ。今彼女は俺の自室で寝ているよ」

冷葉「なるほど…大丈夫そうなのか?」

 

 そう相槌を打つ冷葉。そして質問をする芙二。

 

芙二「大丈夫だと思う。あ、今日は建造と開発はした?」

大淀「いえ、今日はやってないです」

 

 やってない、と回答を貰い心の中でメモを取る。

 そして忘れていた事を思い出し声を漏らす

 

芙二「了解…あ、やべぇ」

 

 “なにかあったん?“と聞いてくる冷葉。

 

芙二「休暇の事を聞くの忘れたから今から掛けるわ」

大淀「えぇ!?い、いやそんなこと大丈夫ですって」

 

“休暇の事“と聞き驚き、いやいやと首を横に振る大淀

 しかし時すでに遅し。芙二はもう掛けようとしていた

 

芙二「いや掛けるわ」prrr

そういって掛けると1コール目にてかかる。そのまま相手の話し声が聞こえた

 

大鳳「こちら大鳳、芙二提督どうかされました?」

芙二「いや、短い休暇をいただけないかなって思いまして…だめですか?」

 

 “姫級倒したから休んでもいい?“という願いを丁寧に言う芙二。それを聞いた大鳳は頷き提督である海堂に話し指示を待っていた。

 

大鳳「ふむ、提督。芙二提督が休暇を欲しいと申してますがどうでしょうか?…はい、はい。なるほど…それはサラトガさんが馴染むためのモノかどうか、ということです?」

 

 単なる休暇申請だったのだが海堂は“サラトガが艦隊に馴染むための時間”と思い違いをし大鳳に伝える。そういわれた芙二は少し違うがまぁいいかと納得し肯定する。

 

芙二「はい、そうです。配属してすぐに戦場へ出しまともに連携が取れないままってのもおかしな話ですしそれともう一つは姫級の撃滅を成し遂げた彼女達を休ませてあげたいのですが…どうでしょう」

 

 サラトガもそうだが、姫級との戦闘/撃破による疲労回復もとい休暇をこれでもか、と押すに押す。その意見を聞いた大鳳は海堂に伝える。

 

大鳳「なるほど…提督、いかがなさいますか」

芙二「…(ダメか…?)」

 

 これはダメか、と思っていた矢先だった。大鳳からの答えは意外なものだった

 

大鳳「了解です。芙二提督、明後日から4日間の休暇を許可します。ただしその休暇後に直ちに執務へとりかかってください」

 

 申請が受理されたのだ。しかもなんの偶然か分からないが休暇の開始が演習と被っているため遠征、哨戒用と分けなくてはいいではないか!…とそう思うものの相手に伝わってはいけないと思い、ただただ感謝するのだった

 

芙二「了解です。ありがとうございます」

大鳳が芙二に彼女の事について聞く。芙二はありのままの事を話した

 

大鳳「…サラトガさんの様子は大丈夫でしょうか?」

芙二「今はベッドで寝ています。帰宅後、横になると言ってました」

 

大鳳「なるほどです。芙二提督、彼女を任せましたよ」

芙二「えぇ、任されました。では、失礼します」<ガチャ

 

 そうして大鳳と芙二の話は終わったのだった。

 

 冷葉が“で、どうなった?“と聞いてきたので芙二は“明後日から4日間休暇だってよ“というと頷いていた

 

冷葉「んー…八崎さん所へはどうするの?誰行く?」

芙二「これから俺が行く。あ、演習メンバー決まった?」

 

 自身が行くとそう伝え、明後日行われる演習のメンバーについて二人に聞いた。

 

大淀「いえ、それがまだ決まってなくて…申し訳ございません」

芙二「なるほどな…くじ引きで決める?あ、でも建造されたばっかの娘はなしね。鼻っ柱をへし折るには俺が参戦する方がいいと思うけどなぁ…」

 

 笑いながら自身が艦娘と演習をするという芙二に対して、“何言ってんだこいつ“状態の冷葉と大淀がツッコミを入れる

 

冷葉「いやいや死ぬぞ。やめとけ」

大淀「そうですよ、提督」

 

芙二「…まぁ俺に喧嘩売るやつぁ一回刺されろw」

冷葉「物騒だな…歓迎会の準備は殆どできたぞ。後は俺らが飯作ったり、デザートを準備するだけだぞ」

 

 物騒な事をいう芙二をスルーして残りの作業を伝える冷葉。大淀も大淀で何かあるようだ

 それを聞いた芙二が冷葉に問う

 

芙二「了解、何時ごろからしたい?」

冷葉「俺的には19時かな…」

 

 それを聞いた芙二は時間を決める

 

芙二「おk。俺らはおそくとも17:30から支度しないと間に合わないな」

冷葉「了解。俺らもキリの良いところで終わらせて向かうわ」

 

 

芙二「おっけ…俺は八崎さん探してくるわ」

大淀「了解です。提督、行ってらっしゃいませ」

 

 時間を決めた芙二は執務室から離れ八崎を探すのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 先ほど消耗したサラトガは芙二のベッドで寝ていた。その際、少し前の出来事を“夢”として思い出していた。

 

 ―東第三鎮守府にて

 

??「…提督?どうして私をそんな目で見るのですか?」

サラ「…why?…どうして私が二人も…?」

 

 もう一人の自分が現れた事実を知って一隻目も驚く中苦笑いをしていう神城

 

神城「珍しいから拾ってきた」

 

 他の面々は苦笑いをし返したり、一隻目同様驚く、神城に対して不満を漏らしていた。

 その中で一隻目(サラトガ)が口を開く。

 

サラ「…それはドロップ艦というものですか?」

神城「そうだ。しかし、どうしてだ?どうして、二隻目が出たのだ」

 

 どうして、という感想は至極当然なものだった。今までで前例が殆どないからだ。その中である艦娘が口を開く。名は長門。神城(かれ)の秘書艦を務めている。

 

長門「…恐らくは、提督の番だということだ」

サラ「どういうことなの?長門(ナガート)?」

 

 提督の番、という言葉を聞いて頭に疑問符を浮かべながら話しかける一隻目(サラトガ)

 

長門「先代の分と今の提督の分で違うということだ。私は先代、先々代からここにいるがこのような事は初めてなのだ。つまりは提督が着任してから何かが変わった…ということだと思う…憶測で申し訳ない」

 

神城「ふむ…?」

長門の言いたいことは分からないような分かるようなそんな感じなんだが…と妙に納得できないと思うが長門が続ける

 

長門「その何かについては分からないが…恐らくこれからも起こるだろうな。そして、サラトガの二隻目をどうするか…だが」

神城「解体するか…二隻目なんて不自然だし…」

 

??「解体!?…そ、そんな…」ジワァ

 

 解体とそう聞いた瞬間、??はショックを受け蹲る。その様子をみて長門が意見を伝えようとするが…

 

長門「提督、それはあんまりだと思うぞ。せめて大本営へ…引き渡すなど「!?な、長門!サラ!これを見て」ん、なんだ急に声を荒げて…え?」

 

 突然声を荒げて神城の方を見て固まる。それは長門だけではなく他の艦娘も一緒だった。

 

??「そ、そんな…サラが…サラが…うぐぅあぁぁ!!!!!」ブワァ

 

 蹲った二隻目(サラトガ)が嗚咽を漏らしながら悶える。

 そして身体に変化が生じるのだった。

 

サラ「て、提督!?こ、これは…!」

神城「これは、、、深海化…?ど、どうして…!?」

 

 二隻目(サラトガ)の様子を見て神城は呟く。

 そして呟いた後、すぐに二隻目(サラトガ)の泣き声が辺りに響く

 

??「サラが…どうしてッッ___!!」グワッ

 

長門「!!」ビリビリ

神城「このサラトガ…不味い!!長門!!」

ますます深海化が進む二隻目。このままでは不味いと思った神城は長門に頼む前に長門は分かってる!!と即行動を起こす。

 

長門「すまない!」ドグッ

??「あぅ…」ドサ

 

 長門に当て身された二隻目(サラトガ)は意識を失い倒れる。その時、神城が指示を出す前に長門がいう

 

長門「…二隻目(サラトガ)を独房へ」

神城「分かった。長門頼めるか」

 

サラ「でも…!それでもサラも何か…!」

 

 一隻目(サラトガ)が食い下がるが声を荒げる神城。

 

神城「いいから黙って聞け!!」

 

 その声にその部屋にいた誰もが肩をびくつかせる

 

長門「なにも、提督…!」

サラ「はい…」

 

 ー独房内

 

 

??→サラ(現在、東第一泊地所属)

 

サラ「どうして、サラが…?あ、提督!どうして、サラがここに居なくちゃならないんですか!」

 

 二隻目(サラトガ)はどうやら深海化して気絶するまで覚えてない様子だったが白を切っていると思った神城は冷たい言葉を浴びせる

 

神城「黙っていろ、内通者めが」

サラ「内通者!?サラは…サラは違います!」

 

 まるで裏切り者に聞かせるような言葉を受け、二隻目(サラトガ)は否定する。

 しかし神城はぶるぶると震えだし二隻目(サラトガ)を怒鳴りつける

 

神城「だったら、どうして深海化するんだ!!答えてみろ!!」

サラ「っ…(どうして、どうして…?)」

 

神城「やはり答えられないか…飯だ、食えよな」パタン

 

 はぁ、とあきれた様子で食事を置いて退室したのだった

 

 

====

 

 三日後

 

神城「よろこべ、二隻目(サラトガ)よ。貴様(おまえ)を貰ってくれる所が見つかった」

サラ「!それは本当なのですか…?!」

 

神城「これから受け渡しだ。こちらへついてこい」

サラ「…解体されずに済みました…」

 

 受け取り先が見つかったと聞き解体されずによかったと安堵するサラトガ。しかし、ついて行った先に見えた男はとてもいい雰囲気をしたものではなかった

 

??「へぇ…いい身体してんじゃん」ニタァ

??「そうですねぇ…しかしいい材料(そざい)ですねぇ」ニタァ

 

 品のない言葉をいい下衆な顔を浮かべた男が待っていたのだ。サラトガは困惑し自身の提督の方へ首を向ける。

 

サラ「提督…?」

神城「ささ、金は受け取ったからな。帰ってからはなにしてもいいぞ。研究員殿?」

 

??→研究員1、研究員2

 

研究員1「ほら、こっちへ来るんだ!!」

サラ「いやっ!」

 

 必死に抵抗し、提督へ助けを求める。しかし提督から帰ってくるのは非情な答え(ことば)だった

 

サラ「提督!!提督!!」

神城「あ~あ…せっかく消えると思ったのにな…残念だ」

サラ「え?嘘ですよね…?」

 

 耳を疑う。提督がそんな事を言うはずがないと。サラトガの言葉を無視して続ける

 

神城「邪魔なんだよ、俺が楽しく提督をするのに邪魔だからな。ったく、いい金になった」

サラ「…」

 

 言葉を失い、目の前が真っ暗になるサラトガ。そんな時をチャンスと言わんばかりに引っ張る研究員たち

 

研究員2「大人しくなったな…連れてくぞ」

研究員1「ほら、こっちへこい!!」

サラ「提督…?(そんな…!どうして、どうして!)」ポロポロ

 

====

 

 悪夢から起きるサラトガだが、寝汗により服は濡れ、肌にびっしりとついていたのが妙に色っぽかったが本人の状態は息が上がり、頬は赤く染まっておりとても苦しそうだった

 

サラ「はっ!はぁ…はぁ…はぁ」ダラダラ

芙二「酷い汗だな。魘されていたぞ」

 

 その様子を見ていた芙二が話しかける。

 

サラ「!」バッ

 

 突然話しかけられたので振り向きながら身を隠す。しかし目の前の男は心配そうな顔を覗かせていた。

 

芙二「…大丈夫か?」

 

 警戒しているのかジッと睨みつける。芙二は右手で頭を掻きながら“おいおい、俺はなんもしないぞ”という。すると、サラトガが口を開く

 

サラ「…提督は私を売るのですか…?」

 

 その言葉には怯えと恐怖がついてまわっているようで表情は暗く今にも泣きだしそうな感じであった。そんなサラトガ(かのじょ)を見て、いや目を見つめて言い放つ。

 

芙二「…売らんよ。絶対にな(好きだからだけどね…人間だった頃(前世)でも普通に、ね…可愛らしいと思ってたし?当然っしょ??)」

 

サラ「どうしてです?」

芙二「今、この泊地に居るのは君だけだ。二隻目(だぶり)なんて存在しないし君は欠けちゃいけない存在(なかま)なんだがね…?」

 

仲間と聞いて嬉しさと安心さからほっと息をつくも自分がいかに危ないかを説く

サラ「私は深海化するのですよ?!いずれ、被害を出します!!」

 

芙二「そうだな。だが、俺達は一度深海化した時雨を救っているからな」

サラ「救う?(それは轟沈させたわけではない…?)…提督は本当に人間なのですか?」

芙二「いや違う」

 

 人間なのかどうかの質問を否定されたサラトガはもしや…?と思い続けて質問を投げる

 

サラ「…深海棲艦の仲間ですか?」

芙二「それも違う」

 

 また否定されたサラトガはしばらく“うんうん”と唸り考えるもこんがらがって来たので率直に聞く

 

サラ「だとしたらなんていうんです?」

芙二「耳を疑うような話だが俺は龍人族の男なのよ。この世界には訳あって来てんだが…酷いもんだよ…笑っちまうなぁ」ククク

 

 なんと、芙二(ていとく)は人間ではないと言っていた。そしてその中で聞いたことのある単語が出てきたので自身の記憶を探る。

 

サラ「龍人族…?どこかで聞いたことがあるような…」

芙二「嘘だろ?この世界にはいない種族だぞ??」

 

 すぐに記憶から引っ張り出し芙二へ話す。

 

サラ「あっ…私と同じ施設にいた幼い女の子がそうだった気がします」

芙二「どうして……わかるんだ?聞いたとか?」

 

サラ「いえ、研究員が話してたのを又聞きしただけです。曰く、投薬しても死なない人間だと。そして拷問(じっけん)をするうちに話し出したと、笑って言ってました…」

 

 またも表情を暗くするサラトガ。しかし芙二はもしかしたら、と考える

 

芙二「もしかして、その龍人族が未知の生物騒ぎの原因…?」

サラ「未知の生物…?UMAと呼ばれる者ですか?」

 

芙二「いやあってるけど、それじゃない」

サラ「なるほど…?」

 

 まだ憶測の域だがゼロではなくなった未知の生物(ドラゴン)話をサラトガに伝える。

 

芙二「妖精さんから聞いたんだ。これから進むところに未知の生物(ドラゴン)がいたと」

サラ「え…?!」

 

芙二「まだわからないが、その幼い女の子が本当に龍人族ならあり得る話なんだよなぁ…」

サラ「どうしてですか?あり得る話とは…?」

 

芙二「龍人族の成長は早いが見た目の変化は人それぞれなんだよね。で、最終的には神となる者もいるんだ。もしも、仮にその幼い女の子がそうだとしたらあの海域にはなんらかで龍となった女の子がいるはず…あぁ結局、神と闘うのか…」

 

 普通だったら突拍子もない嘘と流されてしまうのだろう、けどもサラトガは信じる事にした。自身を救ってくれるかも知れないから。それとあの少女を救いたいから。

 

サラ「なるほど…これは上に伝えるべき事態ではないのですか?」

芙二「まぁな…話はしたけど、どうもなー…ここにそんなのがいたら誰も勝てないぞ」

 

サラ「えっ…」

 

 驚きながら芙二を見つめるサラトガ

 

芙二「俺か?俺なら、ギリ勝てるかもだけど無理だろうなぁ…」

サラ「…えぇ…深海棲艦でも無理なのですか…?」

芙二「深海棲艦…?きっと無理。規格が違うからね」

 

サラ「話が変わるのですが、本当に私が深海棲艦へとなったらどうしますか?」

芙二「んー艦娘に丸投げする」

 

サラ「えぇ…?そこは助けるくらい言ってほしかったです」

芙二「いや助けるけども…まぁそこは後でのお楽しみさっ」

 

 にししと笑う芙二に対してくすりと笑みをこぼすサラトガ。そして芙二は立ち上がり一言

 

芙二「さて、俺は飯を作りに行くけどサラトガさんは執務室へ行ってほしい。案内役はこの妖精さんだ。任せたよ」

 

 ぱちんと指を鳴らすと上から妖精が滑りおりてくる

 

建造妖精D「任されました!」ビ

芙二「では、俺は失礼するよ」

 

 そういって部屋を出ていくのだった

 

 ―芙二が離脱しました―

 

建造妖精D「嬢ちゃん!こっちへついてきてな!」

サラ「え、えぇ…(ここの提督は本当に不思議な方ですね…)」

 

―続く

 




フラグ回収に10話分かかるってなかなかの遅さでは…?

まぁいいか。次もよろしくお願いします
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