なんか長くなってしまった。
(芙二が使う盾は魔装騎士クランが持つ盾と殆ど同じですが怨念を多分に含んでるので一般人が触れると祟られます。)
では。今回もよろしくお願いします
誤字脱字だらけかと思いますが。。。
―続き
東第三鎮守府 門前
工廠から東第三鎮守府の門前までワープしてきたので時間通りに来れただろう。
しかし妖精さん達が舗装してくれたからと言ってもまだ外装には届いてないみたい様でぼろぼろの廃墟の様だった。
それでも一応、芙二は八崎を連れて建物の中に入るのだがその前に声を掛ける。
芙二「ふぅ。八崎さん大丈夫?」
八崎「えぇ、大丈夫です。神城提督殿はどちらに?」
芙二「んー多分、執務室じゃないかな」
八崎「なるほど。では、向かいましょう? それとも食堂へ行くべきでしょうか」
芙二「あーどっちだろう。一応、執務室へ行ってみよう」
八崎「了解であります。しかし能力を使えばいいのでは?」
芙二「そうだなー……使えばそれでいいと思うけど今は、藪を突いてみようかなって」
八崎「蛇が出ますぞ。きっと」
芙二「多分、
八崎「まぁ芙二提督殿に心配は要らぬ用ですよね」
芙二「そうですね。必要はありません、とは言い切れないんだよねぇ」
八崎「そうなのですか? てっきり今回も――――」
芙二「今回も?」
八崎「今回も能力使用で治すかと思っていたもので」
芙二「いや治す事は変わらないよ。ただ、暴れてしまった場合は戦闘不能にさせます」
八崎「まぁ仕方がないのでは? 嫌な話ですし」
芙二「あれ俺、話したっけ?」
八崎「あーなんとなくですよ。えぇ。聞いたような聞いてないような……ですがまぁぶっちゃけ、能力云々で大体察しがつくので大丈夫です」
芙二「……まぁ、簡潔に行くとこれから戦闘という名の荒療治です。勿論、八崎さんにも出て貰いますが」
八崎「戦闘ですか?」
芙二「そうです。必要ないと思いますが」
八崎「了解です。ひとまずは、入りましょう?」
芙二「ですねっと……まぁこうなりますよね」
八崎「? こ、これは……!!」
??「ダレ? ここで何をしているの?? まぁいいか。邪魔だから、消すね?」ジャキ
門前で芙二と八崎が話していると誰かここの艦娘が現れるもなんだか物騒な事を言って砲を構える。どうやら人の話を聞く耳は持ってないようですぐさま砲撃を繰り出す。
芙二「八崎さん、ちょいと失礼!(今いる所から撃ってきた艦娘までの距離は……四十!)」
そういって八崎の前に出る芙二。
前に出る段階で、芙二は刺々しくも禍々しい巨大な盾を展開する。
突然の行動に八崎は驚き、大声を出して回避を促す。
八崎「芙二提督殿!? 避けてください!!」
芙二「いや、大丈夫。それよりも盾よりも前に出ないで!!」
盾?と言われ、見上げると自分達よりも少しだけ大きな影があった。
しかしそれはどうも、禍々しく見るものを惹きつける何かがあったのだった。
そして弾は直撃する。爆破音と白煙が芙二たちを包む。あまりの事に八崎は思わず目を瞑る。
再び目を開けるとそこには芙二が居らず、びっくりして見渡すと“ナンダ!? お前の力は……ッ!”と叫ぶ艦娘と2つあるうち、左側の盾を振り上げていた。
芙二「……死ぬ前に何かないか」
芙二が何か言ったようで八崎には聞き取れなかったが艦娘の方が大声で“……チョット!? タイミングおかしい!?“と言っていたので凡そ、辞世の句でもないかと聞かれていたのだろう。
八崎「(確かにタイミングおかしいけど。うん、でもこの実力なら……)」
そう思った時、向こうではとても鉄と鉄がぶつかった音は聞こえなく聞いた者の耳を塞ぎたくなるような轟音が辺りに響いた。
八崎は芙二が艦娘を荒療治と称して殺してしまったのではないか。
そう思い恐る恐る近づくと少女の嗚咽が聞こえたのでとりあえずは生きていると思い、ホッとする。
芙二「……ふぅ。やっぱこれ重いわ」
そういって自身の艤装を解除して攻撃してきた艦娘に問い詰める。
芙二「おい、なんで攻撃してきた。まさか神城提督に言われてんのか?」ジロ
??「ひっ……ヤメテ……ヤメテヤメテ……うあ゛あ゛ああ゛あ゛あ゛!!!」カクン
芙二が詰め寄ると艦娘はぶるぶると震えだし断末魔のような声を上げて気絶した。
芙二「ちぃ!……気絶しやがった。これじゃあダメだな………」
八崎「芙二提督殿? まさか殺して……」
芙二「なわけねぇだろが。ちょいとこけ脅しで振り落としたらこうだよ。ったくよ、ちったぁ肝据わってんのかと思ったら……これじゃあ先が思いやれるな」
八崎「いやいや戦闘はしないのでしょう? それにこけ脅しって言ってもあの威力じゃあ……」
芙二「お前が立ってるそこ、見てみろ」
そう指を差されたので見てみると八崎は絶句する。なんということはない。
八崎「地面が割れてる!? いやいや確実に殺しに行ってますよね!!」
芙二「いやかなり手加減した、はずだ」
それでもと八崎は食いつく。
八崎「でも、音も衝撃も伝わってしまうんじゃ……」
芙二「そこは能力の応用で誰にも伝わってないし誰にも認知できないようになっている」
八崎「……はぁ。分かりました。でも、この娘どうするんです? 治すんですか?」
芙二「いや神城に投げる」
八崎「治さないのですか」
芙二「見せしめで少しだけ、苦しませ……いや大丈夫。
八崎「そうですかい……じゃあ気を取り直していきましょう」
芙二「そうだな……」
能力を解除して建物の中に入る時、2度目の攻撃を受ける。
今度は艦載機の攻撃が繰り出されてきたも虚しく、今は陽が落ちかかっていた為直撃することはなかった。
芙二が能力を使ったのではない。相手が中途半端なだけだった。なんで、陽が落ちて周囲が暗くなっているのに攻撃してくるのか理解できなかった。
先ほどといい芙二は少しイラついていた。何度も攻撃されては仕方がないのだ。
そして今、芙二は艦娘を担いでるのでとても戦闘に参加できそうではないので八崎に投げる。
芙二「……八崎さん。任せてもいい?」
八崎「そうですね。えぇ、いいですよ。実の所私も気になってまして……」
芙二「でも、今攻撃してきた相手いないんだよね。どうしようか」
八崎「なら私が仕留めてきますね。勿論、生け捕りで」
芙二「俺みたいにしてもいいんじゃない?」
八崎「そこまでするとトラウマになりそうですから遠慮しておきます」
芙二「そうかい。じゃあ俺はここで待機してるよ。勿論さっきと同じようにしておくけどね」
八崎「頼もしいです。では行ってきます!」シュバッ
玄関に入ろうとした時、艦載機がとんできた方角を見ていると案の定、悲鳴が聞こえてきた。
こうもあっさり言ってしまうと拍子抜けな気がしてくる芙二だが当初の目的を早く晴らせそうで安心していたのだった。
そして八崎が艦娘を捉えて帰ってくる。
八崎「いや~艦娘って案外軽いのですね!」
??「うっう……どうしてたかが人間に捕まるのよ……」
芙二「さて、お前さんの名前は__卵焼きかぁ……はぁ」
??「卵焼き? 私の名前は瑞鳳っていうんですけど!!」
名前で呼ばれずしかもちょっと落胆したように言われ自らの名前を大声で紹介する瑞鳳
芙二「おけ。あれ? 祥鳳はどうした?」
瑞鳳(東第三)「ッ!! 祥鳳姉ぇは……」
祥鳳姉ぇは……と言ったきり黙ってしまう
八崎「芙二
瑞鳳(東第三)「え?! 提督だったの!? てっきり不審者かと」
芙二「意外か? あぁお前が思っている側の人間ではないから一応安心しろ」
瑞鳳(東第三)「……提督は嫌い。私達の事を道具だと思っているもの……ご飯だって満足に食べさせてもらってないし」
芙二「……そうか。後で食堂へ行ってみるといいさ」
瑞鳳(東第三)「? どうしてそんな事言うの?」
芙二「……実は炊き出し班なんだよ(大嘘)」
瑞鳳(東第三)「え!? てことはご飯食べられるの?」
芙二「そうだよ。でも、先に連行してからだな。八崎
八崎「了解であります」
瑞鳳(東第三)「え!? 私を捉えた人は憲兵!?」
八崎「そうであります。なので、まぁ大人しくしてくださった方がいいです」
瑞鳳(東第三)「はい……」
自分を捉えた相手が憲兵だと分かると小さく返事をした後に黙ってしまった。
やっと進めそうになったので、4人は進む。
目指せ、執務室!
その頃の執務室はというと。
大淀(東第三)「……芙二提督殿、遅いですね」
神城「そうだな」
大淀(東第三)「まぁお疲れのようでしたし……」
神城「多分、もう来るだろうさ。気長に待っていよう。あぁそうだ。夕飯は食べたかな。まぁ昼間と同じなんだけどね」
大淀(東第三)「えぇ、頂きました。芙二提督殿は料理人かなんかだったのですかね?」
神城「どうだろうか。俺は彼についてはあまり知らないんだ」
大淀(東第三)「そうだったのですね」
神城「あぁ、まぁね。彼は神なのか? 悪魔なのか、それとも」
大淀(東第三)「人間ではないと思いますよ。だって私を治すなんて普通では不可能です」
芙二「まぁ、俺は彼が人間であってもなくてもどちらでもいいかな……ここに居られるのも僅かだろうし」
大淀(東第三)「提督……」
神城「時刻は17時50分前だ。俺は久しぶりに祖父に電話をしてみようかな」
大淀(東第三)「惣五郎殿、にですか? すべて話すのですか?」
神城「そうするよ。例え、殴られようとも俺は祖父に隠し事はしたくない」
大淀(東第三)「……」
現在 十八時 十五頃 執務室
神城「あれ? おかしいな。一向に繋がらない」
大淀(東第三)「提督、おかしいです」
神城「どうかした?」
大淀(東第三)「無線が使えません。なぜかは分かりませんが通信関連が使えなくなってます」
神城「! それは……もしも今、深海棲艦が現れたら不味いじゃないか!!」
大淀(東第三)「そうですが、我々には何もできません」
??「……」コンコン
誰かが執務室を訪ねてきたようだ。神城と大淀は芙二たちが来たと思い、“入れ“というが返答がない。
神城「? どうかしたのか? 早く入ってきてくれ」
大淀(東第三)「提督、私が扉を開けてきますね」
大淀はそう言ってドアノブに手を掛けようとすると____
一方、芙二たちは。
芙二「執務室にもう着くけど、いい?」
瑞鳳(東第三)「何が?」
芙二「え? 全部話すけど」
瑞鳳(東第三)「……いいよ。どうせもう、終わりなんでしょ?」
芙二「その言い方だと全部知ってる側の艦娘だな?」
瑞鳳(東第三)「私と祥鳳姉ぇは初めからいたから……」
八崎「……」
芙二「大丈夫、何とかしてやるよ」ポス
瑞鳳(東第三)「! なにするのよ! ……え? どうして撫でるの」ナデラレ
芙二「んー、自決しそうだから? 祥鳳と共に」
瑞鳳(東第三)「そんなことは、しないわよ……今は」
芙二「……まぁその辺は後で神城に聞いてくれ。ここを上がればすぐそこが執務室だよな」
バァン!!
突然、執務室がある階から爆発音が響く。
八崎、瑞鳳(東第三)「「!?」」
芙二「おい、この上は執務室くらいしかなかっただろ……!? なんか嫌な気がする……先に行くぞ!!」
嫌な予感を感じ取った芙二は担いだまま駆け抜ける。
そこで目をしたのは執務室へ続く廊下は焼き焦げており窓ガラスは全て割れており、所々煙が出ていた。
煙を払いながら執務室へ行く。昼間入った時あった扉はなくそこからは
芙二追いついた、八崎らはあまりの光景に息を飲む。追いついたのを確認した芙二は八崎に待機するように、命令を出しておく。
そして芙二は執務室の中へ足を踏み入れると目を疑う。
そこには大淀が酷いやけどを負って倒れ伏していた。芙二は大淀に駆け寄ろうとする時、声が掛かる
神城「大淀には近づくな」
その声の主は神城だった。
しかしとても苦しそうな声だったので自然と目線が声の方に向く。そこには驚くべき事実があった。
北上(東第三)「……動くな。貴様が、動くと
芙二「北上か。今日の演習ではうちのがどうも」
北上(東第三)「昼間はどうも。良い一撃だったよ」
芙二「まぁ、うん。内心こうなることは分かってたんだけど、さ……八崎憲兵殿。
大声で廊下にいる八崎に話しかける
北上(東第三)「なっ!? 憲兵!? しかも応援って……!」
八崎「芙二提督殿、通信関係が一切使えません。どうしたらいいですか」
大声で執務室にいる芙二へ返事をする。
芙二「そうだな、そのまm「呼ばせるかぁ!!」む?」
応援を呼ばれては敵わないと思った北上は神城を突き飛ばして芙二を手負いにしようと考え、向かってきた。
芙二は腹を抱えて大笑いし、北上を迎い入れる。
北上は初めから神城を殺すつもりでナイフを持ってきていた。そしてそれが芙二の腹部にサクリと刺さるのを見ると神城が叫ぶ。
神城「芙二提督殿!!!」
北上(東第三)「っわ……えぇ? なんで、避けな、、いの、、さ。私は、、、、また、罪を……」
神城が大声で叫ぶせいで待機していたはずの八崎達も走って入ってくる。
八崎「芙二提督殿……腹部の傷は大丈夫ですか?」
瑞鳳(東第三)「えぇ! 北上さん!?」
北上(東第三)「あちゃー……瑞鳳に見られちゃったかー……先に始末しなくちゃいけないかもだけど、あたしの精神がもう限界。ごめんね、大井っち。先に逝くよ」
八崎は芙二の心配をする。瑞鳳は北上さんが他の鎮守府の提督を刺してる!なんで?と呟く。
北上は北上で瑞鳳に見られたのが余程ショックなのか、限界だといい芙二に刺したナイフを抜き、芙二はごぼりと血を吐くも気にせず死んだ目で今度は自身の首元へ持って行こうとする。
神城はさせまいと駆けつけるも、間に合いそうもない。
大淀はヒュー……ヒューと呼吸をしていて早く処置しないと危険だ。
八崎は芙二の方を見て動けずにいた。瑞鳳も同じくであった。
北上(東第三)「(もういいや。こうして暗殺も失敗してるし。もういいよね、大井っち)」ツゥー
北上のぎゅっと目をつむる。
後悔の念かあるいは姉妹を救えなかった思いか、涙を流しながら首元へ向けて一刺しした。
しかしいつまで経っても痛みは襲ってこず。いや痛む箇所はある。例えば腕が痛い。
どうして、腕が痛いんだ?と思いふと目を開けると芙二が北上の腕をへし折るとばかりに掴んでいたからだ。
芙二「させんよ、北上……」ギリギリ
北上(東第三)「……!! 放せよッ!? ……放れないッ!?」
芙二「腹も痛いし、手の甲も痛い……ナイフを手放せ。そうしたらこのまま折らなくていい」
北上(東第三)「嫌だ、この手からナイフを落としたら大井っちが死んじゃう……!」
芙二「大井は寝ているのか。答えろ」ギリギリ
北上(東第三)「っく……誰が話すもんか……!」
瑞鳳(東第三)「えっと、芙二提督? であってる?」
芙二「なんだ、今忙しい」
瑞鳳(東第三)「大井さんも祥鳳姉ぇもずっと寝たままなの。だから、早くご飯食べさせて」
北上(東第三)「瑞鳳!! どうして、、、いう、、、、の……さ?」
芙二「北上……どうしたんだ?」
急にたどたどしくなる北上を見て、芙二は頭に疑問符を浮かべながら問う。
北上(東第三)「瑞鳳の目がおかしいんだよぉ……」ブルッ
ただ、一言呟くように言った。
芙二「目ぇ……?」
言われるまま、見ると芙二も驚く
芙二「こいつも目が死んでやがったのか……」
瑞鳳(東第三)「……起きたら、食べさせてあげるの。だから北上さん、早く、早く!!」
北上(東第三)「わっ」ポロ
瑞鳳の黒く澱んだ瞳を気圧され、北上の持っていたナイフはカランカランと音を立て転がっていく。
そして北上が拾うよりも先に八崎が行動してナイフを蹴りとばす
北上(東第三)「……はは。もう、終わり。終わりだよぉ……」ポロポロ
芙二「いや、まだ終わらせない」
北上(東第三)「何を言って……」グス
??「ん……あ、、あれ? ここは一体……」
神城「潮、なのか?」
潮(東第三)「え……なんで、提督が……? それに……この人はっ!!!」
芙二「あー潮だったのか。俺のイメージとはあまりにも違くて……」
潮と呼ばれた艦娘は神城を見るや否や顔が青くなっていくも芙二の方に向くと青を通り越して白くなっていった。
それはそれとして潮の要素として一つ補足を。
きょぬーではないのだ。いやきょぬーだが。違う、そうじゃない。
あれだ、港湾棲姫くらいあると言ったら分かるかな……まぁいいか。
後、背が思ったよりもなんか小さい。不釣り合いな気がする……いやどうでもよかったわ
そして、突如として主砲を取り出し芙二に対して向ける。
神城「潮……やめ「黙っててください」お前……」
潮(東第三)「この距離なら外しません。出て行ってください」
芙二「嫌だね……あぁそうか。お前達何か結託しているな?」
潮(東第三)「!? な、なんでお前がそれを……」
芙二「……だそうだ。カマを掛けてみたが嫌な予感は的中するものだな。さて、神城提督殿」
神城「なっなんだね」
芙二「記念すべき荒療治、第一号は潮君だ。喜べ、その成りかけも治してやる」
潮(東第三)「荒療治……? それに成かけってなんだ!!」
芙二「まぁ気にするな。(不可視の結界を展開。これでここの人間にはただ俺が潮の頭に手を当てているようにしか見えまい)」
潮(東第三)「!! これが見て分からないのか!!」アタマノウエニ
芙二「大丈夫、一瞬だ」テヲオク
潮(東第三)「……信じられない」
芙二「……(魂には何もないのか。まぁただただ恨んでるだけか。まぁそれも貰い受けよう)」ビリ
潮(東第三)「!?」ビリ
芙二「終わりだ。これで潮は大丈夫だ」
神城「え? 本当に大丈夫なのか?」
芙二「大丈夫だ、しかしもし何かあれば言ってくれ。すぐに飛んでいく」
潮(東第三)「おい、お前!! 私にな……に……を」ドサ
神城「潮!!」
芙二に噛みつこうとした潮は急に力を失い倒れた。神城が駆け付け、抱き上げる。
潮はすやすやと規則的な寝息を漏らしていたようで神城はホッとしてソファーに寝かせる。
その時、芙二は次の行動に出ていた。
北上の諸撃により火傷を負ってしまい、今にも応急処置が必要なほどであった。
芙二「……悪いな、大淀さん。遅れちまった。ちょいとこれを飲んで欲しい」
芙二は懐をガサガサと探す動作をする。
そして見つけた小瓶を差し出すと“これを飲んで欲しい”という。
大淀はゆっくりと頷き、その小瓶の中身をゆっくりと飲み干す。
大淀(東第三)「……」コクコク
芙二「良し、飲んだな?」
大淀(東第三)「!!」
大淀はびっくりする。たちまち、傷が癒えていくのだ。これは高速修復剤だろうか、などと考えていると眠くなっていく。
大淀(東第三)「芙二提督殿……これは……?」ウトウト
芙二「これは秘薬だ」
“?”……ダメだ、眠くて聞き取れない。これは……心地の良い……
芙二「神城提督殿、一応応急処置終わりました。ですが、疲れて寝てしまったのですがどうしますか?」
神城「そうだな、医務室に寝かせておこうか。芙二提督殿、こちらへ」
大淀を起こさないように細心の注意を払いつつ、しょいこむ。
神城「北上、瑞鳳。潮も「失礼、八崎さん。潮もお願い」……すまない」
八崎「いえいえ。では、んっと……」カカエル
北上(東第三)「……」
瑞鳳(東第三)「北上さん? 大丈夫ですか?」
北上(東第三)「……あたし達、どうなるんだろうね」
瑞鳳(東第三)「さぁ。私にはさっぱりです」
芙二「さて、医務室へ移動しようか」
八崎「了解です」
そうして、神城達は医務室へ移動した。
神城「ここに寝かせてやってくれ」
芙二「了解です」
八崎「分かりました」
神城に指示された通り、芙二と八崎はベッドに寝かせるもあることに気がつく。
芙二「神城提督殿、ここにも……」
ここにも、艦娘が寝ていた。いや寝ているというかほぼ死んでいるかのような状態だった
神城「もう目を覚まさないのだ。俺にはこうしてやるしかない」
芙二「なるほど……(寝ている艦娘の魂は、あれ? あるぞ。肉体の中に留まってる……でもおかしい、名前が認識できない)」
瑞鳳(東第三)「芙二提督? 祥鳳姉ぇもこんな感じなの。もう、目は覚まさないのかな」ポロポロ
芙二「いや、今確認してみたらどうして起きないのかが分からない」
瑞鳳(東第三)「確認?」
芙二「あ、いや気にしないでくれ……」
??『あの、すみません』
芙二「?」
誰かに呼びかけられたような気がして辺りを見渡すも芙二に声を掛けた人物は誰もいない。皆、キョトンとしているだけだった。
※今回は『』の会話文は特定の誰かにしか見えてないです(使い道があるかって言われたら……)
??『……あなたにしか見えてないですよ』
芙二「(あぁ、俺か。あんたは……鳥海なのか?)」
鳥海(東第三)『そうです。私はもう半年ほど目を覚ましてません。それに日に日に皆が狂っていくのが耐えられません。どうか、私をその手で……』
芙二「(ダメだ。それは出来ない。それはあまりにも無責任じゃないか? 俺はこれでも提督なんだ、艦娘をわざわざ手に掛けることはしない)」
鳥海(東第三)『確かにそうですね、すみません。しかしこのままでは』
芙二「(深海化が進み深海棲艦となるって?)」
鳥海(東第三)『! そうです。このままだと提督達に迷惑を……』
芙二「(ここで提案だ。深海化を治してやれる、方法があるとしたら?)」
鳥海(東第三)『そんな事が出来るのですか!? なら、是非……!!』
芙二「(しかし記憶は消せない。それでもいいのなら)」
鳥海(東第三)『構いません。私は自分のすべきことを全うするだけですから』
芙二「(強いな。では、行くぞ)」
鳥海(東第三)『はい!』
芙二「(干渉……肉体がもう成っているのか。新しい発見だ。意識がなくとも、深海化は止まらない、か。ふぅ……行くぞ)」パァァ
鳥海の肉体に触れることなく、魂にだけ触れていく。
そして怨念を黄昏の欠片にしまい込む。
心身を蝕んでいた怨念は全て消え去り、鳥海の身体が輝きだす。
鳥海(東第三)『!! これは……とても気持ちの良いものですね……心が温まります』
芙二「(これにて、お終いだ。もう、目を覚ましてもいいぞ)」
鳥海(東第三)『ありがとうございます……』スゥゥ
芙二「2人目だ。神城提督殿、北上も診ておいても?」
鳥海(東第三)「ん……私は……」パチン
神城「! 鳥海! 良かった……目が覚めて」ポロポロ
瑞鳳(東第三)「そんな! 寝たきりだったのに……」
北上(東第三)「もしかしたら、大井っちも……!」
八崎「流石です。(それにしてもさっきから、ずっと見ているのは誰でしょう?)」
窓の外に視線を送るとそれはもう、居なかった。
??「……鳥海さんが目覚めた! 言いに行かないと!(それに今のは憲兵? 不味い!!)」
芙二「北上、いいか」
北上(東第三)「ねぇ。大井っちも起きるよね……?」
芙二「……」
北上(東第三)「なんで、そこで黙るのさ」
芙二「俺は、
北上(東第三)「そっかぁ……」
芙二「……(北上は……あぁ大井が居たからなんとか、か。まぁこれくらいなら大丈夫)」
北上(東第三)「あれ? 私はなんとも」
芙二「大丈夫だ。もう終わってる、次行こうと言いたいところだが……神城提督殿、食堂へ行ってもいいか」
神城「ん、構わないが」
芙二「ちょいと多めにデザートを作っとくから食ってろ。問題児の対応は任せて」
神城「あぁ構わない……今から作るのか?」
芙二「勿論。起きたての娘が食べてもお腹壊さないどころかたちまち回復するふじさん印のアイスクリームだよ」
鳥海(東第三)「アイスクリーム……久しぶりに聞きます」
芙二「まぁ寝ている者は寝かせておいて……書置きしておこう」
北上(東第三)「(てか、短時間で作れんの……?)」
神城「いや……私は残っておく。大淀と潮が心配だからな」
八崎「では私も残ります。陸地でなら何もない限りは負けません」
芙二「八崎さん、ありがとうございます。じゃぁ北上、瑞鳳は行こうか」
北上、瑞鳳(東第三)「「了解です」」
― 芙二と北上、瑞鳳が離脱しました ー
そうして3人は食堂へ向かうのだった。
―??の部屋
瑞鶴(東第三)「長門さん! ど、どうしよう! ついに、ついに……」
武蔵(東第三)「なんだ、瑞鶴。長門は今忙しくて今、ここにはいない。私が聞いてやるから一度落ち着いて話せ」
瑞鶴(東第三)「あっうん。そうだよね、ありがとう武蔵さん」
武蔵(東第三)「そうだな。で、何を見たんだ?」
瑞鶴(東第三)「さっき爆発音がしたじゃない?」
筑摩(東第三)「ありましたね。誰かが特攻でもしたのでは?」
瑞鶴(東第三)「いや実際には北上が暗殺しに行ったみたいなんだけど」
武蔵(東第三)「ほぅ……? で、まぁそうだな。お前の焦り具合から察するに失敗してたんだろうな」
瑞鶴(東第三)「そうよ、たかが人間が私達に敵うはずがないのに」
木曽(東第三)「いやいや、例外がいるかもしれないぜ? 万が一にもそう考えとかなくちゃあ、な?」
武蔵(東第三)「まぁ仮にそうだとして北上はどうなった? 殺されたか?」
瑞鶴(東第三)「いや殺されてないよ。あ、後
武蔵達(東第三)「「!!!」」
ザワッ!!!
憲兵が来ていると瑞鶴は言った。その瞬間、長門、瑞鶴を除く他の面々は突如として殺気を放つ。それは先ほどから黙っていた吹雪もだった。
その殺気に吞まれないようにしながら、瑞鶴は話す。
瑞鶴(東第三)「それに鳥海さんが目覚めたの」
武蔵(東第三)「何……? 今、か?」
瑞鶴(東第三)「そう。今、このタイミングで目覚めたの」
武蔵(東第三)「……なるほどな、良し決めたぞ」
木曽(東第三)「武蔵さん、その憲兵は糞野郎と共に斬り捨てる」
武蔵(東第三)「……憲兵だけだ。瑞鶴はそのほかに仲間は居たか」
瑞鶴(東第三)「……昼間の男が居たわ。他にはうちの瑞鳳と北上」
吹雪(東第三)「男……? あぁ東第一泊地の提督ですか。……思い出したらイライラしてきましたね」
武蔵(東第三)「ここで暴れるな。吹雪、貴様が殺して首を持ってこい」
吹雪(東第三)「了解です。あ、ではついでに偽の情報でも流しておいてください」
木曽(東第三)「偽の……? あぁ攪乱させるのか」
吹雪(東第三)「はい、皆には
木曽(東第三)「そうだな、多摩姉ぇと球磨姉ぇを見捨てたやつらを俺はッ!! 許せそうにないッ!」
木曽の怨嗟の声が部屋を満たすだけだ。
それに応えるかの様に筑摩、武蔵も声を上げる。
吹雪(東第三)「……と言っても私達は出番なさそうなのが残念です」
筑摩(東第三)「ですよね、長門さんの最終準備が終わったら……私達以外、
木曽(東第三)「まぁそうであっても、だ。俺は準備をしておくよ。戦場にイレギュラーは当たり前だからな」
武蔵(東第三)「……木曽、時刻は「もうすぐで十九時だ。その三十分後に開始予定だったな」そうか、では各々準備に入れ! 開始次第、邪魔する者は鏖殺せよ。元仲間であっても今は敵だ。いいな!!」
武蔵の怒号がビリビリと空気を揺らす。
吹雪達(東第三)「「了解です」」
武蔵(東第三)「では、解散!」
―工廠
東第三鎮守府の工廠は明石どころか妖精もおらず、ただの廃屋となっていた。
その中で一人、動く影があった。それは長門であった。
長門(東第三)「陸奥が見たら、何をいうのか……いや」
それだけ、いや袂を別ってしまったのだ。もう何も言うまい
そう思い込むことを決め、今亡き妹へただ祈るだけだった。
―私達は、あの頃へはもう戻れない
―続く
いやぁ、楽しくなってきましたね(?)
次もB5用紙1枚でどうにかなる内容なので雰囲気で読んでください・
では、では。またよろしくお願いします